Loading the page...

ビレッジマンズストア

 

2003年の結成以来、名古屋を中心に全国各地に真っ赤なスーツで轟音ロックンロールを轟かせ続けるビレッジマンズストア。『亡霊よ、爆発しろ』『刃の上を君と行く』と作品を重ねる毎に紅に染まった中毒者が続出、2014年9月のツアーファイナル名古屋E.L.L.公演では350人の動員を記録し、その後も数々のフェス出演で全国に赤い衝撃を与えるなどバンドを取り巻く環境は大きくなっていった。そんな中、事件は起きた。水野ギイが重度の椎間板ヘルニア、腰の不調からくる足の痛み、そして麻痺の為、ライブ活動が出来なくなったのだ。だがバンドは止まらなかった。治療に専念する水野の代わりにサポートメンバーを迎えステージに立つ姿は水野の心に火を点け、復帰後は一回り大きくなったビレッジマンズストアとしてライブ活動を展開してきたのだ。そして2016年11月、2年半振りとなるミニアルバム『正しい夜明け』を完成させたのだ。今作は夜明け前夜のビレッジマンズストアが前に進むべく大きく踏み出した作品となっており、今作を引っ提げたツアーのファイナル公演では地元名古屋のダイアモンドホールにてワンマンライブも決行。このワンマンに秘めた思いも含め、アルバムを完成させたばかりのビレッジマンズストア水野ギイに話を訊いた。

 

Q.水野君、身体はもう大丈夫なんですか?

水野:お陰様でもう大丈夫です。その説は本当にみんなに助けてもらいました。ライブが出来ない時期があったからこそ自分にとってライブがどれだけ大切なものなのか分かりましたし、取り組む姿勢含め改めて考えさせられました。

 

Q.水野君が治療している間もバンドは動きを止めませんでしたがあれはメンバーの意思ですか?

水野:そうですね。勿論メンバーも不安がってはいましたけど、やりたいって言ってくれて。俺もバンドの動きは止めて欲しくなかったんです。凄くわがままですけど。だから俺がいない間、サポートしてくれる仲間の力を借りながら必死にバンドを動かしてくれたメンバーには本当に感謝しています。

 

Q.自分のいないビレッジマンズストアを見て悔しさもあったのでは?

水野:悔しさはありましたよ。でも…俺がいないと駄目だろって思いました(笑)。メンバーがバンドを守ってくれてる姿は凄く嬉しかったし、不甲斐ないとも思いました。そこが悔しかったですね。凄く守ってもらってると思ったので。メンバーにもスタッフにもお客さんにも。

 

Q.あの経験を乗り越えて戻ってきた水野君は確実にパワーアップしていましたけどね。

水野:そうだったら嬉しいです。その説は各所にご迷惑おかけしました(笑)。

 

Q.今回のアルバムはいつ頃から制作していたのですか?

水野:「アルバムを作るぞ!」っていうよりはそのとき思ったことを曲にしていったものの集合体が今回のアルバムなので具体的にいつからっていうのはなくて。でも常に曲は書いていたので、そういう意味ではずっとアルバムを作っていたのかもしれません。

 

Q.今作は『刃の上を君と行く』と地続きのアルバムだと思うのですが、前作がループする毎日を歌っていたことに対して今回はそこから前に進もうとしていますよね。『正しい夜明け』を迎えようとしているというか。

水野:そうですね。『正しい夜明け』っていうタイトルは決してポジティブな意味だけじゃないんですけど、そういう希望的な意味も勿論込めています。

 

Q.ポジティブじゃない意味合いだと?

水野:迷いかな。俺の中で『正しい夜明け』って不安定なものなんですよ。その不安定で不確定なものに対して俺達は足掻いている。だから俺にとって『正しい夜明け』っていうタイトルはゴールとして付けた訳じゃなくて向かうべき場所として名付けた部分もあります。今思うと、前は刃の上じゃなくて下しか見てなかったと思うんですよ。でも今は下を見ながらも前に進んでいる気がしている。自分達が進む方角が分かってきたのかもしれないですね。

 

Q.そこに辿りつくまでは葛藤もあったんじゃないですか?

水野:確かに。色んな葛藤があったと思います。

 

Q.水野君の夜中のツイートを見ていると自分と戦っているというか、きっとまだ何も満足していないんだろうなっていうのが伝わってきます。

水野:バンドを始めてこのかた、満たされたことなんてないですからね。元々俺がバンドをやる理由って自分の為ですから。人に何かを与える為とか感じてもらいたいっていうのはただの後付けで、極論言ってしまえばついでなんです。それよりまず自分を救ってあげたい。まだ救う余地は全然ありますから。そうやって自分のネガティブな部分を自分で救う姿を見せることできっと何かを感じてもらえると思うんです。

 

Q.ビレッジマンズストアのライブは凄く前のめりなのに凄く優しいじゃないですか。全てを肯定してくれるというか。それてザ・ブルーハーツがパンクロックが優しいと歌ったことに近い気がするんですよね。

水野:俺はライブハウスに来る人やCDを聴いてくれる人が自分と同じような人だと思っているんですよ。俺がライブでみんなに「間違ってねえぞ

って叫ぶのは、結局自分自身を肯定してるだけなんですよ。なんなら「お前らなんて俺より全然マシだ」って思ってますから(笑)。だから俺から見たフロアのみんなは輝いて見えるんですよね。「あなた達は充分素晴らしい」ってステージからフロアを見て俺はいつも思ってます。

 

Q.同じ人間がやってる音楽を同じ人間が受け止めているからこそあの空間が生まれるんだと思います。別次元の人がやっているんじゃなくて、確かに真っ赤なスーツを着てるから見た目に日常感はないけど、普通の町で生まれ育って、普通の生活をしてる、普通の人間が、特別なロックンロールをやっているからこそ近くに感じる気がするんですよね。ビレッジマンズストアを見ていると。

水野:滅茶苦茶嬉しいです。俺がやりたいと思っていることってまさにそういうことなんですよ。

 

Q.全力で肯定してくれるから、自分が間違ってないことを確かめにビレッジマンズストアのライブに熱狂する人が多いんだと思います。

水野:嬉しい。俺はその熱狂している光景を見て救われていますから。そういう人達とはライブハウスっていう閉鎖された空間の中で1対1の関係でいられるんです。

 

Q.そう。1対1なんですよね。それが100人になろうが1000人になろうが1対1の関係が100通り、1000通りあるっていうだけで関係性は変わらない。

水野:俺は大衆に生きてなかったから大衆を相手にするのが苦手なんです。だから1人ずつ相手にしたい。それは育った環境もあると思いますけど。

 

Q.水野君の育った村はどれくらいの人口だったんですか?

水野:3000人くらいだと思います。若者なんて全然いない。同級生も65人しかいませんでしたから。その中で組んだバンドだから俺達が世界一だと思っていましたし、今でもその気持ちのままやっています(笑)。

 

Q.「ビレッジマンズ」ではそこから外に出る怖さも歌っていますよね。

水野:はい。外を意識することで大衆に向くのが怖かったんです。簡単に言うと自分がいる環境から外に出るのが怖かった。それは俺達が住んでいる村というより、バンドが活動する名古屋を指しているんですけど。今のバンドの環境からどう踏み出していくかっていう。

 

Q.それはアルバムタイトルにも繋がりますね。前に進む意思が伝わりますから。

水野:前作はアルバムの構成としてループすることを意識していたんですよ。でも今回は前に進むことを意識している。それは曲順でも表現していて、ループして聴くことをイメージした前作に対して今回は絶対に戻らないような曲順にしたんです。前しか見てないぞっていう。

 

Q.そういう意味でも夜明けに向かっていると。

水野:はい。結局俺にとっての夜明けって自分のコンプレックスを潰していくことなんですよ。それが曲になってアルバムになったのが今回のアルバムなんです。でも自分の弱さから、歌詞は抽象的になってしまうんですけどね。伝わらないといいなって思いながら歌っているので(笑)。

 

Q.あははは。あと今作では「僕を撃て」の再録も収録されているじゃないですか。今のビレッジマンズストアが新録することで分かり易く当時から進化していることが分かりますよね。

水野:それを音で証明したかったんです。あと単純に岩原洋平のギターで聴きたかった。音も当時に比べて生っぽさを意識しているし歌も一発録りだから勢いはあるかと。どうせライブでは前のめりになるだろうし(笑)。

 

Q.ビレッジマンズストアのライブって全員が主役ですよね。メンバーひとりひとりにちゃんと見せ場がある。だけど最後にかめはめ波を撃つのは水野君みたいな。

水野:ライブは俺が主役だと思っちゃ駄目だってメンバーには言っているんですよ。全員が目立って欲しいし、全員が主役でいるべきだって。実際全員目立っていますからね、うちのバンドは。でも俺はその中で主役をもぎ取るつもりなんですけど(笑)。

 

Q.全員主張が凄いですもんね。「PINK」のイントロとか情報量が多過ぎる(笑)。

水野:あははは。みんなやり放題ですよね(笑)。でもうちのバンドってそういうバンドなんですよ。全員が中で好き放題やってる。そして俺が最後にかっさらう!(笑)。

 

Q.それだけ各メンバーが個性をぶち込んでいるにも関わらず輪郭がしっかりしているからか、凄く聴き易いですよね。

水野:あまり難しいことを考えずに素直に音を出しているからかもしれません。考え過ぎると輪郭が濁るので。そこは意識してアレンジもしていますね。輪郭がはっきりあるからその分太いし強いし硬い。そういうアルバムになったと思います。

 

Q.このアルバムを引っ提げてのツアーも楽しみですね。

水野:前回のツアーはアルバムを紹介しに行くツアーだったんですど、今回はアルバムを強くしに行くツアーになると思います。

 

Q.ツアーファイナルは名古屋ダイアモンドホールでのワンマンということですが。

水野:ダイアモンドホールでワンマンをやるのも、ある意味卑屈な発想なんですよ。こういうこと言ったら怒られるかもしれませんが、名古屋の音楽シーンって順番待ちだと思うんですよね。ここに並んで順番を待っていればステージが順番に用意されている、みたいな。あと上がいなくならないと下が上にいけないとか。そういう流れが見えちゃうんです。俺から見て順番を待ってるバンドもいますし。

 

Q.ロケット鉛筆みたいだと。

水野:そうそう。で、俺たちビレッジマンズストアはその列に並んでいなかったんですよ。でもその列に並ばなくてもダイアモンドホールでワンマンをやれるってことを名古屋のバンドに見せたかった。順番を待たなきゃいけない、レールに乗らなきゃいけない、そういうつまらない流れを断ち切りたいんです。俺たちがダイアモンドホールでやったら、列に並ばなかった仲間のバンド達に刺激を与えれると思うんですよね。正直、今つまらないです。そこを変える為にも俺たちがダイアモンドホールでワンマンをやる必要があるんです。

 

Q.ロケット鉛筆に芯の濃い鉛筆で挑もうと。

水野:あははは。列に並んでいたら順番抜かし出来ないじゃないですか。でも俺達は並ぶ方法すら分からないくらい田舎からやってきたバンドだったので。だから羨ましく見てましたよ。でも今は並ばなくて良かったと思っています。正直、ダイアモンドホールでワンマンをやることに対して「まだ早い」とか「動員は大丈夫か」とか言う人もいるんですけど、それって列に並んでしまってる人の発想ですよね。でも俺達には上はいないし、待たなければいけない順番もない。だからやれるんですよ。それに何処でやったって1対1のライブをすることに変わりはないので。いつも来てくれる人が綺麗な照明と大きなステージで俺達を見てくれて「かっこいいな」って思ってくれたら俺の勝ちです。

 

 

アーティスト名:ビレッジマンズストア

タイトル:正しい夜明け

2016年11月9日発売

\1,759(+税)

DDCB-14046

 

ビレッジマンズストア『正しい夜明け』Release Tour

2016/11/9(水)@千葉LOOK

2016/11/14(月)@名古屋・新栄SPADE BOX

2016/11/18(金)@群馬・高崎 club FLEEZ

2016/11/19(土)@新潟 CLUB RIVERST

2016/11/23(水祝)@香川・高松 DIME

2016/11/24(木)@岡山CRAZY MAMA 2nd Room

2016/11/26(土)@福岡 graf

2016/12/1(木)@札幌 Spiritual Lounge

2016/12/2(金)@札幌 Spiritual Lounge

2016/12/6(火)@静岡・浜松メスカリンドライブ

2016/12/11(日)@三重・四日市 CHAOS

2016/12/12(月)@神戸 三ノ宮太陽と虎

2016/12/16(金)@仙台 Flying Son

2016/12/17(土)@盛岡 the five morioka

2016/12/18(日)@秋田 CLUB SWINDLE

【ONE MAN SERIES!!】

2017/1/13(金)@大阪・十三FANDANGO

2017/1/21(土)@東京・渋谷TSUTAYA O-Crest

2017/1/28(土)@名古屋DIAMOND HALL

 

Photo by前田達也

 

http://villagemansstore.com/

 

2YOU MAGAZINE編集部

〒453-0837 愛知県名古屋市中村区二瀬町153 ニルヴァーナ101号室

Tel: 052-485-5993

e-mail:info@2youmag.com

Copyright(C) 2015 2YOU MAGAZINE All rights reserved
>