ナードマグネット

WE LOVEナードマグネットが僕らの終わらない青春のサウンドトラック『CRAZY, STUPID, LOVE』から約1年振りのリリースとなるミニアルバム『MISS YOU』をリリースした。今作には現在フレンズとして活動する元HOLIDAYS OF SEVENTEENの三浦太郎との共作「MISS YOU」、初期の名曲「グッバイ」の再録、GOING UNDER GROUNDの「グラフティー」のカバーなど全6曲が収録されている。『CRAZY, STUPID, LOVE』が多くのリスナーの心のずっと奥の方に直撃し期待値MAXの中で届いた『MISS YOU』。既に開催されたレコ発東阪ワンマン(名古屋がなかったことは根に持ってます)も大盛況、8月からは全国各地でロングツアーも開催されるのでナードマグネットを体感しにライブハウスに足を運んで欲しい。僕らが今でも『ピンカートン』を聴き続けているようにきっとこのアルバムは20年後も聴いているでしょう!

 

 

Q.『CRAZY, STUPID, LOVE』のリリースをきっかけにバンドの状況が随分変わりましたよね。

須田:あのアルバムが色んなところに届いたのは肌で感じています。去年のMINAMI WHEEL ではキャパ500人の会場に入場規制がかかるくらい沢山の人が集まってくれて。面白いのは昔の曲じゃなくて『CRAZY, STUPID, LOVE』の曲が盛り上がるんですよ。今までと逆転現象が起きてるなって。

 

Q.「いとしのエレノア」や「この恋は呪い」じゃないんだ。

須田:そうなんですよ。でもそれって全国流通したアルバムがこれまで以上に届いた証拠だなって。『CRAZY, STUPID, LOVE』の曲をやると会場が沸くんですよね。

 

Q.なるほど。それだけ新しいリスナーが増えてるってことなんでしょうね。昨年12月から始まった「渡り廊下で先輩殴るツーマン」も面白かったです。

須田:ツアーが終わって次は何をしようって話をする中で曲も増えたし長尺でライブが出来るツーマンを定期的にやりたいねっって話になったんです。最初は特に先輩っていう括りがあった訳ではなかったんですけど、ツーマン相手の候補に挙がる名前が先輩バンドばかりで。だったらそういうコンセプトでやったら面白いなと。

 

Q.先輩を殴りに行った結果どうでした?

須田:ボコボコにされました(笑)。やはりみなさん強かったです。キャリアの違いを見せ付けられましたね。「渡り廊下で先輩殴る」というタイトルが火を付けたのか先輩達もみんな本気で殴り返しに来てくれたんです。

藤井:みなさんとても優しくて。全員バリバリ現役なのもかっこよかったです。先輩の偉大さをシリーズ通して再認識しました。

前川:凄く勉強になったし単純にライブの見せ方が違いましたね。みんなかっこ良かったです。

 

Q.ともにゃん(前川)は各地でイケメン探訪(ナードマグネットの公式Instagram参照)にも花を咲かせていたようですが。

前川:収穫ですね。有難いことです(笑)。

 

Q.ツーマンシリーズにも出演していたGOING UNDER GROUND の「グラフティー」は今回のアルバムでやHOLIDAY! RECORDSの特典で(トルツメ)カヴァーしていますが。

須田:もうめちゃくちゃ大好きなバンドなのでまさかツーマンをする日がくるなんて思っていなかったですね。あのツーマンシリーズで憧れの先輩達とツーマンさせて頂けたことはバンドにとって大きな経験になったと思います。

 

Q.そして今作『MISS YOU』ですが、もう本当に最高です。素晴らしい。

須田:あははは。ありがとうございます。

 

Q.アルバムの構想はあったのですか?

須田:今回はアルバム全体のテーマは特になくて。そもそも最初はアルバムを作るっていうよりか、今作のリード曲にもなっている「MISS YOU feat. Taro Miura(フレンズ)」を太郎さん(三浦太郎:フレンズ、元HOLIDAYS OF SEVENTEEN)と一緒に作ることから始まったんです。当初はその曲を軸にしたシングルを作ろうかって話だったんですけど。『CRAZY, STUPID, LOVE』のレコーディングのときに録っていた「(Let Me Be)Your Song」や「グッバイ」もあったし曲があるなら全部入れちゃおうかってことでミニアルバムになったんです。結果的に凄くエモーショナルでセンチメンタルな作品になったなって。

 

Q.太郎さん本人が参加している「MISS YOU」が太郎さんのやってたHOLIDAYS OF SEVENTEENへの手紙のような曲なのもグッときますね。

須田:確かに。やっぱりHOLIDAYS OF SEVENTEENというバンドは僕にとって特別なバンドなんですよ。学生時代に凄く聴いていたし日本のバンドでウィーザーのオープニングアクトを務めることにも憧れていたので。本当に指標にしていた存在なんですよね。

 

Q.「MISS YOU」のテーマでもあると思いますが解散を聞いたときは何を思いました?

須田:勿論ショックでした。でもそれまでの大変な時期も知っていたので…。HOLIDAYS OF SEVENTEENとは解散の2年前くらいに対バンがきっかけで親しくなれて、少しずつ追いついてこれたと思っていたので残念でしたね。

 

Q.この曲のメロディは太郎さんが作ったんですよね。

須田:メロディはワンコーラスだけ書いてもらいました。太郎さんからは「ナードっぽいのを作ったよ」って送られてきたんですけど自分が作ったんじゃないかって思うくらい僕のよく使うコード進行だったので自分の手癖を客観的に再確認したような感覚になりました。でもメロディの乗せ方とかはやっぱり太郎さんなんですよね。それが本当に面白かったです。

 

Q.ちなみにみなさんは好きなバンドの解散や活動休止を知ったときは何を思います?

前川:辞めるなよって思う。

藤井:わざわざ活動休止とか言わないで少し休んでまたやれば良いのになって思いますね。

前川:そうそう。辞めんでもまたやったら良いやんって思います。

藤井:悲しいですよね。

秀村:好きなバンドのライブが観れなくなるのは辛いです。

須田:うん、勿論辛いんですけどね、バンドを続けていると辞めることを選択せざるを得ない実情も分かったりするんですよ。だから余計に悔しいなって思います。良いバンドが活動を終えてしまうことは単純に悔しいです。でも前向きな活動休止もありますよね。モーモールルギャバンの矢島さん(ゲイリー・ビッチェ)が復活を視野に入れて己と向き合う為の活動休止は良いって言っていて。それは続けている人ならではの視点だなって思いました。

 

Q.「DUMB SONG」や「グッバイ」のような須田君のエモさ爆発な曲も最高です。

須田:「DUMB SONG」は割と最近作った曲なので今の心境が表れている気がするんですけど「グッバイ」は前のメンバーのときに作ったかなり古い曲なんですよ。「ルーザー」と「アフタースクール」と一緒に3曲入りで作った自主制作シングルに入っていた曲の再録なんです。まだパワーポップに拘っていない時期の曲なんですけど今やるとエモさが増して良い感じになる気がして。

 

Q.「あれから何年経った?」っていう歌詞が今歌うことでより響きますね。

須田:ああ、そうですね。5、6年前に書いた歌詞なんですけど今歌うと意味合いもまた少し変わってきますので。エモイなあ(笑)。

 

Q.みなさんは曲をアレンジする上で須田君の歌詞の世界観を意識しますか?

前川:須田さんが何を歌っているかは自分なりに想像しますね。完全に理解するのは無理なので直接は聞かないですけど。ベースは、歌詞を自分の経験と照らし合わせて「こういう気持ちなのかな?」って想像しながら作ったりします。

藤井:歌詞はライブで表情を付けて表現することを意識していますね。

秀村:僕はメロディに乗ってくる熱量に反応して、ここはこう盛り上がりたいんだろうなっていうことを重視することが多いですね。

 

Q.須田君はどうですか?

須田:今回のミニアルバムで言うとレコーディングした時期がバラバラなので曲ごとに異なったアレンジやチャレンジをしていて。例えば「MISS YOU」だったら僕と太郎さんの共通言語であるウィーザーのネタを3つくらい取り入れてみたり。まず太郎さんが作ったイントロのギターを聴いてウィーザーの「Perfect Situation」のようなイントロにしたいなって思ったんですよ。そこから拡げていって、結果的にウィーザーオマージュソングになりました。

 

 

Q.続く「DUMB SONG」はHOLIDAYS OF SEVENTEENっぽさもあって。

須田:はい。「MISS YOU」を太郎さんと一緒にやることになってから作ったんですけど、そういう流れもあってHOLIDAYS OF SEVENTEENを意識して作りました。これは僕の中でHOLIDAYS OF SEVENTEENの「Is This Love ?」に対するアンサーソングですね。

 

Q.ああ、凄く分かります。あとこの曲の須田君と藤井君の絡み合うギターソロがめちゃくちゃかっこいい。

藤井:ありがとうございます。ちょうどダモーンにハマッていたのでああいうツインリードに影響を受けているんだと思います。

 

Q.X JAPANのHIDEとPATAの「Silent Jealousy」のような追っかけ合うソロにも通じますよね。

須田:あははは。やっぱりパワーポップってハードロックやメタルから逃れられないのかもしれませんね(笑)。

 

Q.そして今作で開花したのがともにゃんのコーラスですよ。これまでより凄く前に出てますよね。

須田:飛んできますね(笑)。これまでは僕の声を重ねることが多かったんですけど最近はともにゃんに歌ってもらうことが多くて。なんならメインになる瞬間もあるので、そこも新しい試みかなと。

 

Q.ともにゃんのコーラスが増えたことで普段のライブのナードマグネットに近くなった気がしたんですよね。

須田:ライブでのともにゃんのコーラスのイメージが付いてきてるからCDでそこを変えるのもなって。そこは『CRAZY, STUPID, LOVE』より意識していますね。

前川:めっちゃ大変でしたけどね(笑)。「海辺のルーシー」とか須田さんの後を追いかけて歌ったんですけどレーベルの社長にめっちゃ駄目だしされましたから。「違うんだよ!」とか言ってくるから「出来るかい!」って思いながら頑張りました(笑)。

 

Q.ウィーザーでザット・ドッグのレイチェル・ヘイデンが歌う「I just threw out the love of my dreams」のように、ともにゃんがメインで歌う曲をナードマグネットで聴いてみたいです。

須田:良いですね!やってみたい!

前川:歌がもっと上手くなったら考えます(笑)。

 

Q.ともにゃんのコーラスが冴える「海辺のルーシー」はこれまでとは少し毛色の違う曲ですよね。

須田:はい。あまりやってこなかったタイプの曲ですね。サビっていうサビがないけど突き進んでいく感じは結構意識しました。歌詞に関しては僕がよくやるオマージュ系なんですけど。

 

Q.この曲は何のオマージュなんですか?

須田:アダム・サンドラーとドリュー・バリモアの「50回目のファースト・キス」という映画にもろ影響受けていますね。映画を観たことがある人は「そういうことか!」って分かってもらえると思います。その映画の中で使われる音楽のネタも歌詞に引用していたりとか。

 

Q.それで「素敵じゃないか」っていう歌詞が出てくるんですね。

須田:そこです!あとは「金曜日には恋をしよう」って歌っているんですけどこれはザ・キュアーの「Friday Im In Love」からなんですよ。ザ・ビーチ・ボーイズとザ・キュアーのこの2曲が映画で出てくるシーンが好きで。それで歌詞に入れられたのは個人的に嬉しかったですね。

 

Q.こういうオマージュを探すのもナードマグネットを聴くときの楽しみのひとつですよね。あとはセンチメンタルなラブソングも専売特許だと思うのですが。

須田:でもちょっとそこから離れたテーマの歌詞も書いてみたいなって最近思っていて。『CRAZY, STUPID, LOVE』のような恋愛をテーマにしたものとは違うもっと広いテーマを歌ってみたいなって。勿論恋愛の曲でもあるんだけど違うアプローチの仕方というか、やりたいコンセプトみたいなものはあるのでそこを詰めていきたいですね。

 

Q.楽しみですね。そして8月からはツアーも始まりますが…その前に先日行われたレコ発ワンマンがなんで東京と大阪だけで名古屋がなかったかを説明してもらいましょうか(笑)。

須田:あははは。そこは僕らの手の届かないところでおじさん達が決めたので(笑)。やれると思うんですけどね。実際、名古屋から来てくれた人も沢山いたので。

前川:やりたかったね。

 

Q.待ってますから。絶対に。

須田:分かりました(笑)。今回のツアーもまだ全貌が見えてないんですけど初めての場所も久し振りな場所も沢山行くと思うし、相変わらず長いツアーになると思うので遊びに来て欲しいです。期間中に誘われたライブは全部レコ発ツアーにするので。だからどんどんツアーが膨れ上がっていくんですけど(笑)。でもそうやって地道に届けに行くことを積み重ねていきたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします!

前川:『MISS YOU』をいっぱい聴いてライブに来て欲しいです。ライブハウスでみんなで大合唱する光景が見れたら嬉しいです。

藤井:まだライブでの新しい曲の動き方が固まっていないのでここから作りこんでやっていこうと思っています。

秀村:今回のツアーでも僕は各地の美味しいものを追求していきたいですね。お店を外さないように気をつけます(笑)。

須田:良いツアーになるように頑張ります!

 

アーティスト:ナードマグネット

タイトル:MISS YOU

TTPC-0005

¥1,667(+税)

2017年6月7日発売

 

メンバー

須田亮太(Vo, Gt)

藤井亮輔(Gt,Cho)

前川知子(Ba,Cho)

秀村拓哉(Dr)

 

 

 

ナードマグネット「NICE TO MEET YOUツアー」

8月5日(土)千葉・千葉 LOOK
8月12日(土)広島・広島4.14
8月20日(日)宮城・仙台CLUB JUNK BOX

9月2日(土)鹿児島・鹿児島SR Hall
9月3日(日)福岡・福岡public space 四次元
9月16日(土)栃木・HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
9月17日(日)神奈川・F.A.D yokohama
9月24日(日)岡山・岡山ペパーランド
9月30日(土)愛知・池下CLUB UPSET
10月7日(土)神戸・music zoo KOBE太陽と虎
10月15日(日)香川・高松TOONICE
10月21日(土)北海道・札幌SOUND CRUE

 

http://nerd-magnet.com/