レペゼン塩釜口のパーティーボーイズ、GOONIES NEVER SAY DIE!!が結成から9年目にして初の1stミニアルバム『恍惚エンターテイメント』を自主レーベル「Blue Lagoon RECORDS」よりリリースした。2008年10月にサイドプロジェクトバンドとして結成された彼らはこれまでに5枚のデモ音源をリリース。作品発表ごとにポップパンク、イージーコア、ハードコア、更にはブルース、ヒップホップ、レゲエと進化を重ねてきた彼らのモットーは「良いモノはなんでもやる」という変幻自在スタイル。美味しいものは全部食べちゃう彼らが満を持して完成させた今作は、敢えて大手レコード屋での取り扱いはせず、個人店やマンパワーのみで販売となっているので是非彼らと所縁のあるレコード屋で手に入れて欲しい。バンドの司令塔であるヒロボーことHILOを中心にMI2O、die4、新メンバーHIROKIも交えインタビュー。
Q.GOONIES NEVER SAY DIE!!はどうやって始まったのですか?
HILO:結成は2008年の10月なのでもう9年前の話なんですけど、最初は今回のアルバムでもトラックを作ってくれたビートメイカーのTINY CHILL TOWNのmizukickassが「バンドやりたいんですよ」って何かのツアーの帰りに四日市の横綱ラーメンで言ってきたので「じゃあ一緒にやるか」ってメンバーを集めたのが始まりですね。最初は4人だったんですけどベースだったmizukickassが死ぬほど下手だったので新しいベースを入れてmizukickassはギターに転向して5人体制になったのがこのバンドの始まりですね。
Q.メンバーの増減もですけどでもGOONIES NEVER SAY DIE!!は音源を出す度に音楽性が変わっていく印象があるのですが最初はメロディックハードコアのイメージが強いです。
HILO:最初にメンバーでどんな音楽をやるか話したときに何が得意で何が不得意か引き合いに出した結果、FC FIVEとかFOR A REASONのようなメロディアなハードコアをやろうって話になって。でも僕が飽き性だからデモを作る度に音楽性が変わるんですよ。やりたいことをやりたいようにやるのが信条なので(笑)。
Q.HIROKI君が加入したのは?
HIROKI:僕が加入したのは今年の2月なのでまだ最近なんですけど、前にやっていたバンドの頃から仲良くしてもらっていて。
HILO:HIROKIは元々What’s happen, before born Lucy!?っていうバンドをやっていたんですけど、トリプルヴォーカルになったら面白いかなって。メンバーには独断で「HIROKI入るから」って(笑)。
HIROKI:まさかの事後報告ね(笑)。
Q.現在メンバーは7人ですが加入の基準とかはあるのですか?
HILO:基準は特にないですけど単純に人数が多ければ多いほどやれることが拡がると思っていて。さっきも言ったように僕は飽き性なんですよ。だからやりたいことが結構変わるんですけど、今はそれを形にする技量のあるメンバーが揃っているのでやれないことが何もない気がするんです。新しいメンバーが入るとスタイルや動き方が変わるんですけどそれも面白いなって。ドラクエでパーティーが増えるのに似てるのかもしれません(笑)。
Q.今回のミニアルバムも色んなジャンルを行ったり来たりしていて面白いですよね。
HILO:そしてたぶん次の音源はまたきっと違うことをやりたがりますからね(笑)。ずっと変わらないバンドも好きですけど常に変わり続けるバンドが好きなんですよ。例えば1stがパンクで2ndがレゲエみたいな。僕らの場合はそれを1枚の音源でやっちゃうこともあるんですけど(笑)。
HIROKI:ヒロボーさん(HILO)がやりたいことが多い人だから「この曲はレゲエ、この曲はハードロック、この曲はHIP-HOP」って遊ぶ感覚でどんどん色んなことをやるんですよ(笑)。
Q.今作でヒロボー君がやりたかったことは?
HILO:今作で言えばリズムで遊ぶことを意識しています。リズムによって盛り上がり方や楽しみ方って違うじゃないですか。ジャズだったらお酒を飲みながら聴いたり、オーケストラだったら着席して静かに聴いたり、ツービートだったらサークルモッシュしたり、ハードコアだったらビートダウンやブレイクダウンでハードコアモッシュしたり。それってリズムの違いが大きいと思うんですよね。それで今回はリズムで遊ぶことをテーマにしてレゲエはレゲエの独特なリズムで、HIP-HOPならHIP-HOPにしか出せないリズムで遊んでいます。ジャンルは関係なくて大事なのはリズムですね。
Q.曲作りやアレンジはヒロボー君が行っているのですか?
HILO:全部僕ですね。僕が作った曲をみんながコピーするところから曲作りが始まります。そこにみんなが何かしらのエッセンスを持ってくるんですけど、それをジャッジするのも僕なので、言ってしまえば独裁政権です(笑)。でもライブでは自分のことで必死なのでみんなが何をしているかは殆ど知らなくて(笑)。なので後からライブ映像を見て「こんなことやってたのか」って思うこともあるんですけど、そういう即興性も好きなんですよね。その場でしか出来ないことって絶対にあるので。
Q.歌詞も凄く遊んでいますよね。
HILO:本当にしょうもないことしか歌ってないですよね(笑)。このバンドで何か訴えたいことがある訳でもないし、自分自身を見つめ直すような歌詞を書いている訳でもないので。それより音に言葉を乗せて気持ち良いかどうかを意識して書いているので、もし僕らの音楽を聴いて「歌詞に感動しました」って言われたら「え?何処に?」って思います(笑)。勿論適当に書いている訳じゃないんですけど殆どがノリで作っているので(笑)。あとGOONIES NEVER SAY DIE!!みたいな音楽性で歌詞がどうしょうもないバンドってあまりいないじゃないですか。そこも自分では面白いポイントかなって。でも何も考えてない訳じゃなくて曲ごとにテーマはあるんですよ。映画の台詞をサンプリングしたり、そこから拡げて歌詞を書いたり。
Q.「Introduction (Can you see the light?)」は映画「ブルース・ブラザース」の台詞のサンプリングですよね。
HILO:そうなんですよ。そこから「BLACK×BOX×BLUES」に繋がっていくんです。そういうカルチャーからの影響は大きいですね。
Q.みんなの学生生活をラップした「塩釜ノ民」も最高です。
HILO:ただみんなが集まって喫煙所で駄弁ってる様を歌った何の生産性もないラップですけどアルバムの中に入ると良いフックになっていて自分でも驚きました。僕はラッパーじゃないのでちょっと古臭い感じのラップになってますけど遊んでる感じは表現出来たかなと。「塩釜ノ民」みたいに「この曲はラップ、この曲はシャウト」って曲に合った技法を使って音楽で遊ぶのが楽しいんですよね。
Q.「FREAKY! FREAKY!」ではYONE君(a Soulless Pain)が参加していますが。
HILO:a Soulless Painって複雑じゃないですか。歌っている内容も詩的に受け止めるようなことが多い。そんなYONEにフリーで面白いことを歌わせたらどうなるかなって。韻を踏ませたり僕と掛け合いをしたり。
Q.ヒロボー君はa Soulless Painのメンバーでもあるのでこういう形でYONE君とやるのは新鮮だったのでは?
HILO:a Soulless PainはテーマがしっかりあるバンドなのでGOONIES NEVER SAY DIE!!みたいな自由なバンドで歌うYONEは新鮮でしたね。自由ってセンスがモロに試されると思うんですけど、そこは流石YONEでしたね。彼は凄くリスペクト出来るヴォーカリストだし、天性…って言ったらあいつを褒めてるみたいで照れますけど、本当にかっこいい歌を聴かせてくれたなって思います。
Q.GOONIES NEVER SAY DIE!!って普段は社会で働くサラリーマン達がスーツを脱いで眼鏡を外して週末にバンドマンになるような、そんなかっこよさがありますよね。
HILO:みんな普通の社会人ですけどライフワークとしてバンドをやっているんですよね。ワーキングクラスの音楽なんですよ。メンバーみんな趣味もバラバラだしそれぞれバックボーンや専門も違うんだけどGOONIES NEVER SAY DIE!!として集まったときに隠していた技を出すみたいな。あとメンバーに「もし間違ってメジャーの話が来たらどうする?」って聞いたことがあるんですけど即答で「ない」って答えが返ってきました(笑)。
MI2O:まずないですから(笑)。
Q.バンドの在り方としてはどうですか?
HILO:ただ自分達が楽しむことを考えてやっていますね。バンドってライブハウスに来てるお客さんを楽しませる為にライブをしたり、音楽で何かを伝えたくてライブをしたりするじゃないですか。でもGOONIES NEVER SAY DIE!!のライブは僕らは僕らで音楽を楽しむからみんなも勝手に楽しんでねってスタイルなんですよ。ライブが良かったら一緒に乾杯しようよっていう。
Q.良い意味でステージとフロアに差がないと。
HILO:ライブハウスに上も下もないですからね。みんな音楽を楽しんでいるならそこは平等で良いなって。バンドも客も50%50%でお互い楽しむ空間を作ってるんですし。それはメンバー全員同じ意見だと思います。
Q.ヒロボー君からみたメンバーってどんな人達ですか?
HILO:僕らは7人組なのでもうちょっとで野球が出来るので打席順に紹介すると、まず1番はギターのdie4ですね。打って欲しいとこで打ってくれる。2番は身軽で足が速そうなKENT。3番は存在感のあるヴォーカリスト、HIROKI。彼は前のバンドの経験もあるので期待が持てます。そして4番はPERU君かな。彼は見た目が重鎮感が凄いんですよ。
MI2O:助っ人外人っぽいよね(笑)。
HILO:5番はドラムでバンドの基盤を作ってくれるMI2O。ベースは現在フニャフニャな状態で、自分が7番ですかね。これで分かります?
Q.なんとなく(笑)。ではみんなから見たヒロボー君は?
HILO:ベンチとかはやめてね(笑)。
HIROKI:完全にGOONIES NEVER SAY DIE!!の顔ですね。彼が作ったものに他のメンバーが色を足して作り上げていくのがこのバンドなので、まだ僕は加入したばかりですけど尊敬していますね。
MI2O:大学時代のサークルの先輩でもあるので本来上下関係が凄かったはずなんですけど、先輩というよりは良いお兄ちゃんって感じですね。ヒロボーさんだからみんな付いていけるんだと思います。僕は比較的自由のバンドをやらせてもらっているので楽しませてもらっていますよ。何でも言えるし何でも言われる関係なのも有難いですね。
die4:名古屋でずっと音楽をやっていて色んなシーンとの絡みもあるかっこいい人ですね。見た目もかっこいいですし。
HILO:やめてくれ(笑)。
die4:ザ・アーティストだと思います。
HILO:本当にやめてくれ(笑)。でもこうやって言ってくれるメンバーだから続いているんだと思います。例えば僕が思い付きで「スウィングジャズがやりたい」って言ったらやってくれるメンバーなんですよ。何でも乗ってくれるのは感謝ですね。
Q.どんなボールを投げても打ち返してくるメンバーなんですね。
HILO:そうですね。パンク、イージーコア、ハードコアの球を投げていたはずがいつの間にかHIP-HOPやレゲエの球も投げていて、でもそれを思いっ切り打ち返してくれるからこそ僕が好き勝手にやれるんだなって。自由にやれているのはメンバーのお陰ですね。
Q.良い関係性ですね。正直。こんな真面目なインタビューになるとは思っていなかったです(笑)。
HILO:あははは。パーティーボーイズとか言いながら根は真面目なんですよ。(一同笑)
アーティスト名:GOONIES NEVER SAY DIE!!
タイトル:恍惚エンターテイメント
BLR-001
\1,200(tax in)
■取り扱い店舗
official net shop ”FUCKGNSD”
MARBLE RECORDS(名古屋/上前津)
礎(大阪/アメ村)
メンバー
HILO(Vo)
HIROKI(Vo)
KENT(Vo)
die4(Gt)
PERU(Gt)
T.P.O(Ba)
MI2O(Dr)