KNOCK OUT MONKEYが前作『Mr. Foundation』から約2年半振り、メジャーでは3枚目のフルアルバムとなる『HELIX』をリリースする。今作にはシングル「Do it」やキックボクシングイベント「KNOCK OUT」の森井洋介選手の入場テーマ曲「Dog」など全11曲が収録されておりバンドの「攻めモード」が爆発した攻撃力高めのアルバムとなっている。バンドの今を詰め込んだアルバム『HELIX』を完成させた鼻息荒めのKNOCK OUT MONKEYに話を訊く。
Q.今作の制作はいつ頃から行っていたのですか?
w-shun:シングル「Do it」の制作が去年の秋くらいだったんですけどその直後くらいから曲作りは始めていました。
ナオミチ:形になっていったのは今年に入ってからですね。
w-shun:「Do it」のような勢いや空気感が僕達には合ってるなって改めて思ったんですよね。そこを更に強化していったのが今回のアルバムかなと。
Q.「Do it」で歌われていることや勢いはそのままアルバム冒頭の「Louder」に繋がりますよね。これだけの活動歴があるバンドがこんなにも真っ直ぐな決意表明を曲にぶつけるんだって感動しました。
w-shun:結成から10年以上経ちましたけど、これまでずっとそういう意思表示が出来ていたかっていうとそうでもなくて。当たり前に続けてこれた訳じゃないんですよね。でも経験や時間はお金じゃ買えないから、やりたいことがやれる環境にいるのなら声に出してやっていきたいなって。お金持ちでも貧乏でも、有名でも無名でも、時間は平等じゃないですか。その時間の中で好きなことを好きなようにやることが大事だなって。
Q.全ての人に時間が平等にあって、みんなその中で平等に生きていることは「1:48」で改めて気付かされました。
w-shun:あの曲の核心はまさにそこですね。それが「1:48」で一番言いたかったことなので。
Q.生きている中で毎秒毎秒自分の人生の時間を使っていることって分かってはいるけど中々意識はしないじゃないですか。でもこの曲を聴いていた1分48秒は確かに自分の人生の1分48秒を使った訳で、それを曲が終わったときに気付かされるっていう。
w-shun:そうやって聴いてもらえたらこの曲を作った甲斐がありますね。伝えたかったのは「時は金じゃ買えない」ってことなんですけど、ボヤボヤしてたら自分の時間なんてあっという間に終わっちゃうじゃないですか。それも物凄く短い曲で歌いたかったんです。
Q.この曲のドラムはパターンからミックスまで完全にXの「オルガズム」ですよね。
dEnkA:正解です!
ナオミチ:完全に「オルガズム」を意識して作ってますからね(笑)。そこに気付いてもらえるのは凄く嬉しいです。
Q.「Jump」や「Dog」の西海岸的な縦ノリもかっこいいです。
w-shun:世代的にもロサンゼルスやカリフォルニアのあのカルチャーがキッズとして直撃した世代なんですよ。なのでこういう縦のグルーヴは身体に染み付いていて。最近はフェスも多いので色んなジャンルのバンドを観る機会があるから今のトレンドやその流行が移り変わっていくのも実感するんですけど、そこは関係なく自分達のど真ん中の武器を使うならこれだなって思います。
Q.「Dog」はキックボクシングイベント「KNOCK OUT」の森井洋介選手の入場テーマ曲となっていますが。
w-shun:お話を頂いたときは凄く嬉しかったですね。ずっとK-1やPRIDEを見ていたからレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが流れてくることが身体に染み付いているんですよね(笑)。
Q.90年代後半にCOCOBATが修斗の佐藤ルミナ選手のテーマ曲をやっていたあのカルチャーともリンクしますよね。
dEnkA:あのドンズバな感じ、本当にかっこよかったですよね。「Dog」も自分達だから出来るフックのある曲になったと思います。
Q.凄くピンポイントなんですけど、この曲のBメロの「キュイーン!」ってギターのモダンヘヴィネス感が最高にかっこいいなと。
w-shun:あそこ良いですよね。「どメタルにしてくれ!」ってお願いしたんですよ。
dEnkA:あのニュアンスはレイジはきっとやらないですからね(笑)。
Q.全体的に音も歌詞もポジティブじゃないですか。でも何故バンドがここまで前を向いているかは「fall down」で歌われているような葛藤があるからなんだろうなって思いました。
w-shun:性格的にも前に突進したい勢いは持ち合わせていると思っているんですけど、毎日毎日「いくぜ!」って気持ちを張れている訳ではないし実はそこまでポジティブな人間でもなくて。だからこそケツを蹴り上げてくれる音楽が好きだし、弱い部分を包み隠さずかっこ悪い部分も見せた方が良いんじゃないかって。勿論ライブでは「ワー!」ってなるんですけど、その「ワー!」ってなる理由もちゃんと曲にしたいなって。それで出来たのが「fall down」なんですよね。こういう面を表に出すことはHIP-HOPのカルチャーから学んだことでもあります。成り上がっていく感じとか。
Q.なるほど。今、HIP-HOPというワードが出ましたけどみなさんの音楽ルーツは何処にあるんですか?
dEnkA:僕は70年、80年代、90年代前半の洋楽ハードロックですね。レッド・ツェッペリンとか。あと最近だとレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのようなミクスチャーも好きです。
w-shun:レイジは最近じゃないけどね(笑)。
亜太:僕はジャズから入りました。バンドを聴くようになったのは地元の友達のバンドを観るようになったのがきっかけですね。
ナオミチ:僕はX JAPANですね。
w-shun:僕は完全にhideさんですね。
Q.「cloud 9」のチル感からのカーニバルへ流れる感じは発想がhideっぽいですよね。
w-shun:hideさんって突拍子のないものを合体させてひとつの曲を作り上げる天才なんですよ。あの発想で自分達にしか出来ないものを作ろうと思ったら僕らの好きなレゲエやソカやブラックミュージックにディストーションを掛け合わせることかもなって。それでサンバとメタルを融合させてサンバメタルって勝手に呼ぶことにして(笑)。そうやって正解を自分達で探りながら作るのは楽しかったですね。
Q.「Reverse thinking」のギターリフもめちゃくちゃかっこいいです。
dEnkA:あのリフは何も考えずにセッションしながら作ったらレイジっぽいんだけどノリがレッチリっていう面白いリフになりました。
Q.あの曲を聴いて以来、気付くとあのリフを鼻歌で歌っているんですよね(笑)。
w-shun:歌えるギターリフって理想ですからね。
dEnkA:嬉しい。ちょっとジミヘンっぽさもあって気に入ってます。
Q.この曲は歌詞の語感も面白い。
w-shun:言葉選びや鳴り方や濁音で印象って全然変わるから、歌詞を書く上で意識しているのは聴いたときにどう耳に飛び込んでくるかなんです。メッセージ性も大事ですけど同じくらい語感も意識していますね。
Q.そしてアルバムを締める「Run」からは自分のゴールを見定めて走り続けるバンドの気持ちが凄く出ている。
w-shun:バンドを長くやっていると後輩のバンドが自分達を追い抜いていくことって多々あるんですけど、ちょっと前まではその光景を目の当たりにするのが嫌で。それこそ自分は向いてないのかもしれないって思ったし、ライブがかっこいいだけじゃ駄目なのかって思うこともあって。でもそこを蔑ろにしなかったからこそ辿りついた答えもあって、自分達が信じたものを突き通すことでKCOK OUT MONKEYをかっこいいバンドにしたいし、そこに自分自身が気付いたからこそ「Run」のような曲が出来たんだと思います。
Q.そういう意味でも凄くドキュメント要素が強い作品ですよね。このアルバムは現時点のKNOCK OUT MONKEYそのものだなって。
w-shun:そう思います。しかも今作は久し振りに夏にリリース出来るので夏バンドとしてひっちゃかめっちゃかやりたいです。物凄くKNOCK OUT MONKEYらしさが出たアルバムが出来たので次にまた繋げていけたらなって思っています。
アーティスト名:KNOCK OUT MONKEY
タイトル:HELIX
2017年7月5日発売
■初回限定盤【CD+DVD】
¥3,300(+税)
JBCZ-9054
■通常盤【CD】
¥2,700(+税)
JBCZ-9055
■Musing盤【CD+DVD+Tシャツ】
¥5,500(+税)
JBCF-9008
メンバー
w-shun(Vo,Gt)
dEnkA(Gt)
亜太(Ba)
ナオミチ(Dr)
LIVE
KNOCK OUT MONEKY TOUR 2017 “HELIX”
2017年7月16日(日)福岡県 DRUM SON
2017年7月17日(月・祝)岡山県 IMAGE
2017年7月22日(土)兵庫県 KINGSX
2017年9月17日(日)北海道 COLONY
2017年9月23日(土・祝)香川県 DIME
2017年10月6日(金)東京都 LIQUIDROOM(※ワンマンライブ)
2017年10月14日(土)愛知県 豊橋 club KNOT
2017年10月28日(土)宮城県 石巻BLUE RESISTANCE
2017年10月29日(日)岩手県 the five morioka
2017年11月3日(金・祝)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
2017年11月5日(日)石川県 vanvanV4
2017年11月12日(日)神奈川県 善行Z
2017年11月18日(土)愛媛県 Double-u studio
2017年11月19日(日)広島県 CAVE-BE
2017年11月25日(土)千葉県 千葉LOOK
2017年11月26日(日)茨城県 mito LIGHT HOUSE
2017年12月9日(土)大阪府 なんばHatch(※ワンマンライブ)
http://www.knockoutmonkey.com/