CHAI

ミラクル双子のマナ、カナ&ユウキとユナのバッキバキでブリンブリンなNEOニュー・エキサイト・オンナバンド、CHAIがとんでもなく衝撃的だ。規格外、予測不可能、突然変異な在り方とやり方で既存の価値観ごとひっくり返す4人組CHAIに早耳のリスナーがまんまと夢中になった2016年。ノンプロモーションながらSpotify UKチャートTOP50に代表曲「ぎゃらんぶー」がランクインするなど日本を飛び越えCHAI現象が巻き起こり、2017年SXSW出演や全米8都市ツアーなどワールドワイドな活動で世界中に衝撃を与える彼女達。2016年発表『ほったらかシリーズ』2017年発表『ほめごろシリーズ』と作品を重ねるごとに中毒者続出のCHAIの魅力に迫るべくマナ、カナ、ユウキ、ユナに話を訊く。『NEOかわいいバンド』CHAIのインタビュー大公開。

Q.やっとCHAIとじっくり話せます。ここ1年くらいずっと「CHAIヤバい」って騒ぎまくっていたので。
マナ:嬉しい!
ユナ:ツイッターでもいっぱい言ってくれてたからね。

Q.とにかく衝撃が凄くて。時空を超え過ぎているなと。音楽を聴いて「懐かしい」とか「新しい」って感じることがあるんですけどCHAIは平成の先の先の先くらいの年号を生きているんじゃないかってくらいの異次元だなって。
マナ:あははは!それ凄いね!

Q.メンバーはどうやって集まったんですか?
カナ:もともとマナ、カナ、ユナの3人は高校が一緒でずっと友達で。
マナ:ユウキは大学で出会って一番可愛いかったから「バンドやろう!」ってナンパしました。あと学校で唯一音楽の趣味があったのがユウキだったし、見た目も白くて可愛いから一緒にやりたいなって。
ユウキ:それ絶対嘘だよ!
マナ:本当だって!

Q.当時はどんな音楽を聴いていたんですか?
マナ:あの頃はceroとか聴いてたかな。
カナ:東京事変とかね。結構日本のバンドを聴いてたと思う。
ユナ:あとディズニー音楽とか。
マナ:そう!ディズニー聴いてたよね!

Q.ああ、確かにCHAIってディズニー感あるかも。
マナ:ほんと!?
ユナ:ディズニー大好きだから嬉しい!

Q.結成当時はどんな音楽をやっていたのですか?
マナ:もう思い出せないくらい今とは全然違う音楽をやってた(笑)。
カナ:もっと女の子っぽい感じだったよね。とにかくバンドがやりたくて適当に始めたのがCHAIの最初だったので。

Q.そこから今のスタイルになっていったのは?
ユナ:洋楽を掘るようになって、聴く音楽が変わったのが大きいんじゃないかなあ。あとバンドがどんどん楽しくなって、本気でやってきたいって思うようになったこととか。

Q.今のCHAIを形成するバックボーンにある音楽は?
マナ:Basement JaxxとかJamiroquaiとか!
カナ:Gorillazとかね。
マナ:あとCSS!

Q.あ、僕はCHAIを初めて聴いたときにCSSを感じたんですよ。CSSに日本エッセンスを持ち込んだバンドが現れたなって。
マナ:わあ!それ凄く嬉しい!CSS大好きなの!

Q.日本語で歌うことは意識していますか?
マナ:アメリカツアーをまわって、日本人であることに誇りを持ってやってきたいなって改めて思った。海外で音楽活動をしたいから、ちゃんと自分たちの気持ちがのっかる私たちの母国語の日本語で歌いたいなって。
ユナ:みんな黒髪だしね。
マナ:そう。日本人であることは凄く意識してる。

Q.『ほったらかシリーズ』を初めて聴いたときに独特な歌詞に衝撃を受けたんですけど『ほめごろシリーズ』で歌詞の書き方や言葉の置き方がかなり変わったと思いました。言葉の意味が伝わり易くなったというか。
マナ:そう!『ほめごろシリーズ』ではそこをかなり意識してる。今やりたいことを詰め込んだらこうなったの。
カナ:CHAIを聴いてくれる人に向けて伝えたいテーマがはっきりと出てきたから、それをより伝え易くするために作ったらこうなった。

Q.今、CHAIが伝えたいテーマって?
マナ:コンプレックスはアートなり!
カナ:「NEOかわいい」って言葉を広めたいよね。

Q.コンプレックスを武器にすることで「かわいい」の概念を変えたいと。
カナ:そう!「かわいい」って常識を覆したいの。誰でもコンプレックスはあるでしょ?CHAIも全員コンプレックスを抱えているけど、それでもいいんだよってことをみんなに曲で伝えたくて。世の中の女の人に「そこ、自信持って良いポイントだよ!」って伝えたい。

Q.海外ってコンプレックスをオープンにしている人が多いですよね。
マナ:そうなの。みんなコンプレックスを武器にしてるイメージ。

Q.コンプレックスを見つけることって、言い換えれば自分の個性を見つけることでもあって。
マナ:まさにその通り。誰にもない自分だけの個性!凄く良いこと言った。

Q.「さよならコンプレックス」を聴いたらかっこつけないで踊れば良いじゃんって気持ちになりますし。
マナ:そう!そう!そうなの!みんなそんなこと気にせず踊れば良いよね!

Q.この曲に背中を押される人は多いと思います。でもCHAIは「背中を押してあげるよ」っていう応援歌を歌っている訳じゃなくて。そこが凄く良いなと。
マナ:うんうん。背中を押してあげるって目線がリアルじゃないからダサいもんね。そういう応援歌はCHAIは歌いたくないな。

Q.CHAIがコンプレックスを肯定して歌うことが結果的に聴いた人にとっての応援歌になっているのかなって。
マナ:ああ、そうなのかな。だからもっと軽く捉えてくれたら良いよ。

Q.あとCHAIの存在って、音楽的にも魅せ方としても日本の音楽シーンにおいては革命だと思っていて。「こうじゃなきゃいけない」という固定概念をひっくり返す存在だと思うんですよね。
ユナ:そういう固定概念を壊したい!
マナ:全部壊したいよね!
カナ:音楽的にもとりあえず誰もが想像出来ない展開で曲を作りたくて。特に1st EP『ほったらかシリーズ』のときはそれが強かった。2nd EP『ほめごろシリーズ』は伝えたいことが先にあったけど。

Q.『ほめごろシリーズ』に比べると『ほったらかシリーズ』は歌詞も言葉遊びが多かったですもんね。
カナ:「ぎゃらんぶー」とかは「とにかく韻を踏みたい!」みたいな曲だしね。
ユウキ:歌詞の意味はなくて、ただリズムで遊ぶみたいな。
マナ:まさに言葉遊びだよね。あのときはそういうのがやりたかったんだと思う。でもすぐ飽きちゃうから違うことをやりたくなるんです。だから音源を作るたびに毎回違うっていくかもしれない(笑)。

Q.「ヴィレヴァンの」のラップも最高でした。女の子がするラップって可愛くなりがちですけど「ヴィレヴァンの」で聴けるラップはSUPER JUNKEY MONKEYのような男勝りなラップだなって。
マナ:それ誰かにも言われた!Beastie Boysみたいなラップがしたかったんだけど英語は歌えなくて。それで低い声でラップしてみたら意外とかっこいいかなって。

Q.いや、本当にかっこいいです。めちゃくちゃ興奮しました。
マナ:やったー!嬉しい!

Q.CHAIは名古屋時代はどのような活動をしていたのですか?
ユナ:名古屋に住んでいたけど活動は東京や大阪から呼ばれることが多かったかな。

Q.CHAIは海外でのライブも話題になっていますよね。
マナ:夢はグラミー賞!
ユナ:アメリカツアーの最中に、LAのグラミーミュージアムにもみんなで行ったんですよ。歴代の受賞者の名前が彫ってあるマンホールも見てきました。そこにまだ何も刻まれてないマンホールがあって。

Q.CHAIのために空けてあるんじゃないですか?
マナ:そうなの!だから絶対にグラミー賞は取らなきゃ!
ユウキ:絶対取りたいね。
カナ:海外での反応も良かったしね。

Q.CHAIは日本人のバンドって見られ方をするんですか?
マナ:最初はピンクの服を着た奇抜なアジア人って感じだったけど日本人だとわかると「take a picture!」って色んな人が寄ってきたよ。LAのライブは大学が近くにあったりレコード屋さんや古着屋さんがあったりするヒップな場所で盛り上がってきている所だったから日本好きというより音楽好きがかなり集まっていて。そこに集まった人たちを盛り上げることが出来たのは自信になったし凄く嬉しかった。

Q.CHAIってヴィジュアルやアートワークを含めてCHAIという世界観を作り上げていると思うのですが、音楽だけでもちゃんと面白いのが凄いですよね。前情報無しでも音を聴いたら「なんじゃこりゃ!」の連続で。
マナ:嬉しい!今日、凄くほめてくれる!

Q.褒め殺しにきたので(笑)。
マナ:あははは。ほめごろされてる!

Q.でもお世辞ではなく本当にCHAIの音楽って次何がくるか全く読めない予測不可能なワクワクとドキドキがあって。聴いていて楽しくて仕方ないんですよ。
マナ:名古屋の人に褒めてもらえて嬉しい!

Q.『ほったらかシリーズ』『ほめごろシリーズ』とリリースを重ねツアーも全会場ソールドアウトを果たした今、CHAIが次にやりたいことは何かありますか?
マナ:めっちゃある!まずもっと大きな会場でワンマンがやりたい!
ユウキ:ワンマンこそ盛り盛りでやりたいよね。
マナ:今年絶対にやりたい!あと動物園とかでライブをやってみたい!

Q.動物園でCHAIはヤバい。
マナ:動物園を貸し切ってライブをやったら絶対楽しいよね!あとお菓子の家とか!
カナ:やりたいことは沢山あるよね。

Q.音楽的にやってみたいことは?
マナ:細かいけど、パットを使ってクラブミュージック寄りなこともやってみたいかな。バッキバキなクラブサウンドをCHAIがやったら面白い気がする。

Q.「クールクールビジョン」とかクラブサウンドとバンドサウンドが良い具合でバキバキに混ざっていますよね。
マナ:そうそう!ライブは結構バンドっぽくなるけど音源はクラブ寄りだと思う!

Q.この曲もですが、何をやってもCHAIになるのが凄いですよね。極論、演歌をやってもCHAIになるんじゃないかなって。それだけの説得力が4人にはあるなと。
マナ:演歌を歌いこなす自信はまだないよ(笑)。でも「なんでもやる!」って気持ちはある!今はJusticeみたいなことがやりたいかな。そこまでクールじゃない感じで!
ユウキ:日本ってクールなの多いもんね。
マナ:アメリカに行って、CHAIはクールじゃない方が良いって思ったよね。ぶつかっていかないと反応してくれないって思ったから。あの経験があって余計にクールにやらんとこうって思った。

Q.CHAIが求める理想ってどこにありますか?
カナ:理想は男も女も関係ないかっこいいものを作ること!自分らしさを出しつつ、アーティストとリスナーにちゃんと慣れ合わない距離がある存在でいること!そこが理想かな!

Q.SNS以降、アーティストとリスナーの距離が近くなったと思うのですが、CHAIは近くなり過ぎないほうが面白いんじゃないかなって思います。ファンでいたい気持ちが強いんですよね。
マナ:嬉しい。でもそれはステージに立つときの話なので普段は近付いてくれて良いんだよ(笑)。

Q.でもSNS以前はネット上でもバンドに話しかけるなんて出来なかったじゃないですか。
マナ:本当だよね。だからちょっと怖いくらいがいいのかな。芸術やアートって怖いくらいがいいのかも。

Q.CHAIとアートは密接な関係ですよね。
マナ:アートは大事。そこはユウキのセンスです!

Q.視覚と聴覚で楽しめるのがCHAIの武器だなって。
ユウキ:今日は本当にほめごろされるなあ(笑)。嬉しいです。私達、今が褒ほめ殺ごろすときなので!

Q.音楽っていつの間にかルールや価値観があって、そこに並ぶ色んなバンドを全く違う角度からCHAIが出し抜いて気付いたらグラミー賞まで取っちゃった、みたいな物語を期待していますね。
マナ:テンキュー!いっぱいほめごろされて嬉しかった!絶対グラミー賞とるよ!

メンバー
マナ (Vo.&Key.)
カナ (Vo.&Gt.)
ユウキ (Ba.&Cho.)
ユナ (Dr.&Cho.)

LIVE
CHAI presents ”ロード・ツー・ダ・GRAMMYs” season4 THANK YOU SOLD OUT!
8.11(金・祝)名古屋CLUB ROCK’N’ROLL
ゲスト:プププランド , Homecomings
8.12(土) 心斎橋LIVE HOUSE Pangea
ゲスト:DENIMS DJ:DAWA (FLAKE RECORDS)
8.18(金)下北沢BASEMENT BAR
※ワンマンライブ

CHAI HP
http://chai-band.com/