04 Limited Sazabysがアルバム『eureka』より約1年振りのリリースとなるニュー・シングル『Squall』を完成させた。大規模ツアー、武道館ワンマン、YON FES開催、そしてバンドの夢でもあったHi-STANDARDとのツーマンと濃い時間を過ごしてきたフォーリミ。彼らはこれまで音源のリリースごとに新たな武器を手に入れ新化を遂げてきた。そんな彼らが自分達のストロングポイントが何か見つめ直し新たな一歩を踏み込む勇気を持って作り上げたのが今作『Squall』だ。様々な経験を積み覚醒した彼らが何処まで突き進んでいくか。時代が動く瞬間を見させてくれるフォーリミの活躍をこれからも追っていきたい。
Q.『eureka』より約1年振りのリリースですがこの1年は激動でしたね。
GEN:かなり濃い1年でしたね。振り返るとトピックスだらけです。上京してアルバムを作って40本のツアーを回りましたし、ハイスタ(Hi-STANDARD)とのツーマンがあって、武道館があって、アジアツアーを回って、その後も健さん(Ken Yokoyama)のツアーやホルモン(マキシマム・ザ・ホルモン)のツアーに呼んでもらって…。恐ろしいほど充実していました。
Q.これだけ濃い時間を過ごしてきたフォーリミがどんな曲を作るのか色々想像していたんですよ。これまでの曲ってドキュメント要素が強かったじゃないですか。バンドの状況が曲に現れるというか。
GEN:そうですね。「Horizon」とかまさにそうですからね。
Q.そう。しかも毎回何か新しい武器を手に入れて挑んでいたと思うんですよ。でも今回のシングルはそれがないんですよね。勿論良い意味で。
GEN:本当のその通りで、今回のシングルの当初のコンセプトは「Horizon」の先に辿り着いた僕達が新しい第一歩を踏み込む瞬間の曲にしようと思っていて、その歴史的瞬間にどんな新しい武器を持って行くか、どんな新しい靴を履いて行こうかずっと考えていたんです。でも曲を作っていくうちに、今必要なのは新しい武器でも靴でもなくて新しい地点に踏み出す勇気だと思ったんです。
Q.「Squall」では「弱気が勇気と後ずさりしてる」と歌っていますもんね。でもこれまで手にしてきた武器を見つめ直して何が自分達のストロングポイントかを再確認したからこそ「不安を流して立ち上がり進める」と宣言出来たと。
GEN:僕の気持ちをバチバチに当ててくれるから今凄く気持ち良いです(笑)。今まではトピックスが多過ぎて、例えば「メジャーに行きます」とか「武道館でやります」みたいに大きなものに立ち向かうときに「今の僕達じゃ敵わないかも」って思っていたんですよ。だから新しいことをしなきゃって思ったし新しい武器を手に入れてきたんです。でも今回は無理して新しいことに挑戦しなくても「僕達こんなに武器持ってるじゃん」っていう自信があったのかもしれません。「日本語にしてみよう」とか「曲調を変えてみよう」とか、これまで自分達の好きなことをやりつつ時代も読みながら進化してきたんですけど、そういうことを考えなくても良いバンドになったんじゃないかなって。
Q.新しいものを手にするより持ってる武器を磨くことで強くなろうと。
GEN:ああ、そうですね。今の自分の武器の純度を高めてそこに感情を乗せれば何処までも届けられる気がするんです。
Q.孫悟空も界王拳や元気玉を覚えたけど結局最後はかめはめ波でしたしね。
GEN:あははは。でもそういうことだと思います。
Q.フォーリミはこの数年で物凄く大きなバンドになったと思うんですよ。そんな中で生まれた「Squall」ではバンドが大きくなっていくことへの不安と前に決意の両方を感じることが出来ました。
GEN:やっぱりそういう感情をちゃんと歌わなきゃなって。『eureka』をリリースして感じたことがあるんですけど「Horizon」のように綺麗な歌や綺麗なメロディの曲は凄く気に入ってるんですけど、お客さんからの手紙を読んでいると「swim」とか「climb」とか「Terminal」のような感情的な曲の方が共感されている気がして。それで、最初「Squall」はどちらかというと文章のような歌詞だったんですけど書き直したんです。仮歌の段階で「後ずさりしてる」って歌詞とメロディだけしっかり出来ていて、それって何を恐れているんだろうって自問自答したんです。バンドの状況も凄く良いのに何を怖がっているんだろうって。
Q.そんな自分を変えたい、変えるのは自分だけだという意思は凄く感じました。
GEN:まさに生まれ変わることがこの曲のメインのメッセージなんです。人が変わるのって凄く難しいと思うんですよ。中々生まれ変わることって出来ないじゃないですか。ただ、自分が本当に好きなものや大切な人の為だったら生まれ変われると思うんです。それくらい好きなものの為だったら自分で自分を変えることが出来る。その気持ちを書きたかったんですよね。
KOUHEI:GENが「Squall」の歌詞を書き上げて読んだときに俺も同じ気持ちだと思ったんですよ。ドラマーとして上にいきたいと思ってやってきて、ここまできたら次は何を目指そうか考えていたんです。勿論上には上がいて、黒人のドラマーとかやっぱりリズム感やリズムの取り方とか全て超越してるんですよ。でもそれは生まれとか骨格が違うから仕方ないって思っていた部分があって。そういう逃げ方をしていたことを「Squall」の歌詞に気付かされたんですよね。「俺、言い訳してるわ」って思ったんです。「日本人だから仕方ないって戦うことすらしない、後ずさりしてるのは俺だ」って。そうなったときに物凄く感情の乗ったドラムを叩くことが出来たんです。あと同じことをGENも思っているんだなって感じることが出来たのも嬉しかったんですよね。俺がバンドに入ってから今までで一番足並みが揃っていると思います。
Q.HIROKAZ君とRYU-TA君のギターも気持ち良く乗ってますよね。2人のバランスも絶妙だなと。
HIROKAZ:僕は手癖が出ても逆に節だなって開き直ってモロに手癖を出してます。あまり考え込まず自然に出てきたものを好きなように弾いていますね。
RYU-TA:バランス感覚みたいなものはここまでの経験で分かってきたのでやり過ぎない範囲で、だけどしっかり主張するアレンジが出来るようになったんじゃないかと。ツインギターだから2人ともやり過ぎちゃうと曲の邪魔をするんですよね。そういうバランスが自然と取れるようになったとは思います。
Q.「まだやれる あの時と似ている」と歌われていますが「あの時」とは?
GEN:KOUHEIには『monolith』のときなんじゃないかって言われました。確かに『monolith』を作っていた時期は僕が一番きつかった時期でしたからね。でも具体的にはいつってことはなくて。聴いてくれてるみんなだって何か困難を乗り越えた経験ってあると思うんだけど「そのときのことを思えばこれくらいの困難乗り越えられるでしょ?」ってことが歌いたくて。
Q.なるほど。僕はこのフレーズを聴いて『ANTENNA』の頃を思い出しました。会う度に辛そうでしたから(笑)。
GEN:それこそ『ANTENNA』の頃なんて誰にも相手にされなかったですからね。あの頃僕達にインタビューしてくれたのは2YOUだけですから。そんな僕達が数年経って今結果を出せるようになったじゃないですか。それって困難を乗り越えると結果を出せるっていう証明だと思うんですよ。「じゃあお前らはどうなんだ?」っていう、そういう強気な部分もこの曲にはあります。発破をかけるというか。そうやって仲間や後輩に力を与えることが出来るバンドになってきてるんじゃないかなって自分でも思っているので。
Q.メニコンのCMで「happiness」がテレビから流れてきたときも力をもらいましたよ。
GEN:それ、みんな言ってくれます。あの尺でちゃんとフォーリミだって気付いてもらえる特徴のある声で良かったです(笑)。
Q.あの曲はGEN君の飼っているちくわ(猫)とGEN君のラブソングなのかなって。
GEN:正直、そういう部分もありますね。メニコンのCMのお話を頂いて監督さんからCMの尺や使って欲しいフレーズの要望を聞いて作ったので普段の曲作りとは少し違って。あのCMって有村架純ちゃんが主演なんですけど朝の時間のないシチュエーションなんですよ。ということは一緒に暮らしているんだなって想像しまして。そのシチュエーションを想像して歌詞を書こうと思ったときに、僕は同棲したことがないのでイメージするのはちくわなんです。なのでラブソングなんですけどちくわの曲に聴こえるのは正解です(笑)。
Q.この曲の最後のドラムの連打が凄くかっこいい。
KOUHEI:本当ですか?
GEN:あのドラム、僕も好きですね。でもレコーディングは一発録りだったので大変でした。誰かが間違えるから。
KOUHEI:俺です(笑)。でもみんなの曲の理解度が高かったから一発録りの方が雰囲気も出るかなって。
Q.それは「capture」に凄く出てますね。こういうハードコアナンバーをシングルに持ってくるフォーリミが僕は大好きです。この曲、フォーリミ史上最速なんじゃないですか?
RYU-TA:最速ですね。
GEN:僕ら、フェスとかで少し時間が余ると「Remember」をやり逃げみたいにやって帰ることがあるんですけど、「Remember」以外でショートチューンがあったら良いなって前から思っていて。それで曲の尺だけ決めて作ったら一瞬で出来ました(笑)。
KOUHEI:デモ段階でコーラスまで付けてきたから相当早く出来たんだなって(笑)。
HIROKAZ:あの段階で迷いがなかったもんね。
RYU-TA:変化球じゃない超ストレートなハードコアナンバーですね。
Q.3曲の振り幅が凄いですけど、どの曲もちゃんとフォーリミですよね。何をやってもこの4人でやればフォーリミの音楽になる自信のようなものも感じます。
GEN:特に意気込んでらなくてもそう思えるようになったのはこの1年の経験も大きいと思いますね。経験値、めっちゃ稼ぎましたから(笑)。
Q.バンドの状況が変わっていく中で感じることって何かありますか?
GEN:武道館でのワンマンだったりハイスタとのツーマンって、僕らからしたら人生のクライマックスのような出来事で。やっぱり夢だったのでメンバー全員で一緒にその夢を叶えた瞬間だったんですよね。そういう経験を経てバンドの足並みが揃った気がしていて。
KOUHEI:海外ツアーとか頼れるのはメンバーだけだったしね。
GEN:あの海外ツアーでも自分達の音楽が海外にまで届いていることを実感出来たので更に自信が付いて。あと僕らがバンドを始める前から憧れていたハイスタやホルモンとツーマンする日がくるなんて思ってもいなかったし、そうやって夢を叶えまくったときに感じたことがあるんですよ。もしかしたら、いや、きっと、僕らがハイスタやホルモンに憧れていたようにフォーリミに憧れてくれている人や目標にしてくれている人もいるんじゃないかって思うようになったんです。若いバンドに夢を与えられる存在になっているんじゃないかって。だから今度そういう先輩達と対バンするときは「ありがとうございます!」ではなくて「そろそろ倒すぞ」って気持ちで挑まないとなって思うようになりましたね。勿論勝つのは相当大変だと思うけど、やってやるって気持ちは持っています。
Q.その変化みたいなものを今年のYONFESで感じたんですよ。ちょっと前までは「あのフォーリミが武道館でワンマンをする」とか「あのフォーリミがテレビに出る」とか「あのフォーリミがハイスタとツーマンする」みたいに僕の中で「あの」が付いていたんです。でも今年のYONFESで東京スカパラダイスオーケストラと一緒に歌っているGEN君を観たときに「あのフォーリミが」って感じなかったんですよね。その状況に驚かなくなったというか。「そりゃそうでしょ」みたいな感覚があったんですよね。
GEN:嬉しいです。勿論先輩達への憧れと尊敬はずっとありますけど、そこと並ばないといけないので。それに僕ら世代の仲間がみんな大活躍してるじゃないですか。なのでそろそろ本気で世代交代なんじゃないかなって。今、めちゃくちゃ面白いんですよ。WANIMAとか凄い角度から刺してくるじゃないですか。ちょっと前まで小さなライブハウスで一緒にやってた友達が松本人志さんと一緒にCMに出てるとかめちゃくちゃ夢があるし。他にも仲間のバンドがみんな面白いことをしている。こんなにひしめきあっている世代ってあまりいないと思うんですよね。みんな大型フェスのトリをやれるようにもなってきましたし。だから先輩達には勝ちにいきたいですね。いよいよ塗り替える時期なんじゃないかなって本気で思っています。
アーティスト名:04 Limited Sazabys
タイトル:Squall
【初回生産限定盤】
CD+DVD COZA-1371~2 ¥1,600+税
【通常盤】
CD COCA-17323 ¥1,000+税
初回・通常共通 : 全3曲収録
初回のみDVD : (YON FES 2017 LIVE MOVIE & OFFSHOT)
初回プレス分(初回・通常共通) : “Squall tour” 最速先行応募ID封入
2017年8月30日(水) 発売
メンバー
GEN(Ba、Vo)
HIROKAZ(Gt)
RYU-TA(Gt、Cho)
KOUHEI(Dr、Cho)
※掲載順
RYU-TA(Gt、Cho) KOUHEI(Dr、Cho) GEN(Ba、Vo) HIROKAZ(Gt)
【04 Limited Sazabys “Squall tour” 】
11月16日(木)神奈川・CLUB CITTA川崎
11月23日(木祝)広島BLUE LIVE
11月24日(金) 福岡DRUM LOGOS
11月26日(日)香川・高松festhalle
11月30日(木)長野・松本キッセイ文化ホール 中ホール
12月07日(木)新潟LOTS
12月09日(土)宮城・仙台PIT
01月06日(土)北海道・Zepp Sapporo
01月13日(土)大阪・Zepp Osaka Bayside
01月14日(日)大阪・Zepp Osaka Bayside
01月18日(木)東京・Zepp Tokyo
01月19日(金)東京・Zepp Tokyo
01月25日(木)愛知・Zepp Nagoya
01月26日(金)愛知・Zepp Nagoya