BiSHの番狂わせ、幕張メッセイベントホールでのワンマンライブから早数ヶ月、あの伝説の一夜のことははっきりと脳裏に焼きついている。2017年7月22日、7,000人を動員したBiSH史上最大キャパシティでの公演『BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED THE FiNAL “REVOLUTiONS”』は「最高の1日にすることをプロミスします!」という開幕宣言通り、BiSHにとっても全国各地から集まった清掃員(BiSHファンの総称)にとっても文字通り最高の1日となった。全国20箇所を回ったツアーのファイナルとなった本公演はBiSHが駆け抜けた2年半の集大成であり新たなスタート地点ともいえるライブだった。あの日のライブを余すことなく収録した映像作品のリリースにあたり今回2YOUではメンバーに幕張メッセでのライブを振り返ってもらった。尚BiSHは11月29日にニューアルバムの発売、さらに「BiSHの学園天国Tour」「BiSH About a Girl Tour」そして2018年には「.BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR」を開催する。BiSHの勢いは止まらない。
Q.幕張メッセでのライブから約3ヶ月経ちましたが。
アイナ:もうかなり前のことに感じますね。
Q.最初に幕張でのワンマンが決まったときはどう思いました?
アツコ:「埋まらないよ~」って思いました(笑)。とにかくプレッシャーが凄かったです。
モモコ:「赤字か…」みたいな(笑)。
チッチ:幕張でワンマンをやるって聞いても全然想像出来なくて。野音の3倍くらいの会場だし本当に私達に出来るのかめっちゃ怖かったです。
アイナ:幕張の発表があって「NEVER MiND TOUR RELOADED」を回りながら幕張のステージを想像していたんですけど日によって良いイメージと悪いイメージが沸いて「このままじゃ駄目だな」って思っていましたね。
Q.でも当日のライブはみんな本当に楽しそうでしたよね。BiSHって色んな挑戦をしてきたしその都度立ちはだかる壁を壊してきた印象があるのでステージでも戦っているイメージが強いのですが、幕張メッセのステージ上にいるみんなはそれを超えて純粋に楽しんでいるように見えました。
チッチ:歌っていて「楽しい!」って気持ちがめちゃくちゃあったし、ライブをしていてメンバーの顔を見るとみんなもめちゃくちゃ楽しそうで。後日、写真とか映像を見直したら「こんなに笑うか!」ってくらい笑っていて(笑)。でもそれってきっと6人の空気感が良かったからだと思うんですよ。「この日を楽しもう」って気持ちにみんながなっていた。そのためにメンバーだけでミーティングも重ねて当日を迎えたので不安要素が少なかったのもあるんだと思います。
Q.ミーティングではどんな話をしたのですか?
チッチ:それぞれが思っていることや「この曲はこういう風に歌いたい」みたいな話を細かいとこまで話し合いました。アンコール明けでメンバーがひとりずつMCをしたんですけど、あのMCで何を話すかもそれぞれが発表して。それに対しても「アッちゃんだったらもっと違うエピソードあるんじゃない?」とかみんなで相談して。
Q.あのMCパートではハシヤスメは「来れない人のこともわかってます」という迷言も残しましたよね。あのタイミングで笑いが起きるのはさすがハシヤスメだなと。
アツコ:あれは予想外でしたね。
アイナ:思い出したら笑っちゃう(笑)。
アツコ:幕張に来れなかった人も沢山いたみたいだから会場に来れなかった人の気持ちも分かってるって意味だったんですけどね。何故か会場がざわつくという(笑)。
Q.「BiSHに入って3年になります」という迷言も(笑)。
アイナ:めっちゃ面白かった(笑)。
アツコ:あれも予想外でしたね。何を話すかメモに書いている段階で「3年」って書いてましたから。でもミーティングで誰からも突っ込まれなかったから(笑)。
アイナ:「3年目」って言うと思っていたら「3年になります」って言うから(笑)。
アツコ:ちょっとのニュアンスでこんなに意味が変わるんですね。(一同笑)
Q.色んな意味で箸休めになりましたけどね(笑)。
アイナ:確かに(笑)。
モモコ:アツコでワンクッションあって良かった(笑)。
アツコ:それまで凄い空気だったからね。
Q.あそこで笑いを起こせるのがハシヤスメの凄さだしBiSHの面白さですよね。ライブでもコントのコーナーでハシヤスメの面白さが炸裂していますし。
アイナ:自覚無くやってるのが面白いですよね。本当にアッちゃんはBiSHの太陽だと思う。ただそれが良い方向に作用するときもあれば悪い方向に作用するときもあるのでチッチはたまに怒っています(笑)。
Q.ああ、今も凄い目でハシヤスメを見てますから。
チッチ:どんな目ですか(笑)。でもアッちゃんはただ面白いだけじゃなくてライブでかっこいいし真面目なところが面白いと思う。良い意味で二面性があるから。
Q.亀仙人も普段はエッチでファンキーなおじいちゃんだけど戦いの場ではシリアスだから、そういうギャップはハシヤスメにはあるかもしれないですね。
アツコ:私も一部の清掃員からは教祖と呼ばれているので。(一同笑)
Q.ハシヤスメ教は亀仙流の一派だったんですね。
アツコ:そうかもしれないですね。サングラスと眼鏡で通じる部分もありますし。
アイナ:分からんわ(笑)。
モモコ:でも順番的に真ん中にアツコがいて良かったと思う。それまで割とシリアスだった空気が和らいだから。
Q.そうそう、あのコーナーで最初に口を開いたアユニのMCは脱退宣言をしてしまうような雰囲気でしたよね。動揺してついつい隣に座っていた人の袖を掴んじゃいましたもん。
アユニ:ごめんなさい(笑)。
モモコ:映像で見直してもアユニ辞めちゃいそうだなって思う(笑)。
アユニ:何を話すかちゃんと考えていたんだけど話し始めたら頭が真っ白になっちゃって。それで同じことを何回も話したり長くなっちゃったのは後悔しています。
Q.いや、凄く伝わりましたよ。リンリンはツアー中の葛藤を話していましたが。
リンリン:自分でもよく分からないけどツアー中楽しくないことが多くて。幕張が決まったときも全然嬉しくなかったんです。でもこれまでステラボールや野音をやってきて終わったらハッピーな気持ちになるのは分かっていたので。あと幕張の大きなステージで開放的に歌えたのも嬉しかったです。
Q.アイナは幕張のステージに立ってどう感じました?
アイナ:さっきチッチが言ったみたいに6人の空気感は凄く良かったし過去最高のライブだったと思うけど悔しい部分も沢山あります。幕張の前にみんなで色々話し合って、リンリンが不安に思っていることも知っていたし、メンバーといる時間の中でメンバーのことをもっと知りたいって気持ちが強くなったから、幕張で楽しそうに歌っているリンリンを見れて嬉しかったしチッチが全力で笑ってる顔を見ながら横で踊れたことも楽しかったんですけど。私個人としてはもっとやれたんじゃないかって悔しさがあるんです。リベンジ出来るならリベンジしたい。そういう意味では8月のTBS3(TOKYO BiSH SHiNE3)の方が幕張の何倍も達成感があるかも。
Q.映像を観てみて感じることはありました?
アイナ:チッチが言うようにみんな本当に楽しそうな顔してるなって思った。
アツコ:もっと観たいなって思いました。やる前はあんなに緊張していたのに終わってみたらあっという間だったなって。
アイナ:モモコとか前日やばかったもんね。
モモコ:訳の分からない重圧に追われて吐きましたから。あと緊張かストレスか分からないけど肌がボッコボコになった(笑)。
アイナ:ボッコボコ(笑)。みんなそれぞれ色々あったよね。リンリンは不安そうだったしチッチは爆発するし。でも映像を観たらアユニが一番全部を受け入れてあの場に立っていたように感じました。凄く堂々としてたし。私達も色んなことを乗り越えてきたけどアユニもそういう経験がしっかりライブに出ていてかっこいいなって思いました。
Q.幕張までの道のりをみんなが2年半かけて登ってきたとするとアユニは1年で追いつかなきゃいけなかった訳で。そうやって駆け足で登ってきた結果、本当に強くなったアユニがあの場に立っていた気がしたんですよね。もはや新メンバーという肩書きは外れたなって思いましたから。
アイナ:アユニたん、強くなったねえ。
アユニ:ずっと追いかけてる状態だったから精神的にいっぱいいっぱいな時期もあったしライブもずっと真顔で。幕張の前に野音の映像を観たんですけど歌も踊りも全然出来てなかったから幕張では失敗したくないなって思っていたんです。当たり前のことですけど。だから幕張も不安だったけど終わってみたらミスも無かったし写真で振り返ったら私凄く笑っていたんですよ。だから本当に楽しかったんだろうなって自分で自分を見て思いました。
Q.「Marionette」でセンターに立って構えるアユニのポージングが本当にかっこいいんですよ。振り付けをするアイナはよく見てるなって。まるで孫悟飯が後ろにZ戦士を従えて立っているような。
アユニ:ありがとうございます(笑)。
アイナ:よく分からんけど嬉しいです(笑)。
Q.幕張でのライブを終えてBiSHがよりひとつになったのではないですか?
アイナ:それはあるかも。幕張の前にチッチと飲みに行ってこれまでのこととかこれからのこととか色々話したからライブ中にチッチと目が合って思いっきり笑っているのを見て凄く嬉しかったし、いつも踊りに必死なモモコがアイコンタクトを取ってくれたり、アユニとは目が合うだけで泣きそうになるし、リンリンのことが心配だったけど笑ってたから安心したし、アッちゃんはアッちゃんだったから、BiSHって最高だなって思いました。
Q.BiSHの存在が大きくなっていく中で今みんなが改めて意識することって何かあったりしますか?
アイナ:アイナは自分に対してもっとストイックになりたいと思っています。歌に関してもっと出来ることがあると思っているんですよ。歌い方ひとつとっても会場によってマイクに乗る声の違いとか、響き方とか、外音がはりついて聴こえたら深いとこで歌おうとか、あと喉のケアとか。そういうプロ意識をもっと持たないとなって思うようになりました。ちゃんと歌を届けたいし、みんなに伝わる歌を歌いたい。そこを磨いていけばもっと圧倒的な存在になれると思うんですよね。
モモコ:私はずっとBiSHに必死にしがみついてきたけど余裕を持ってライブが出来るようにならなきゃなって思っていますね。
チッチ:私は面白いと思うことは何でもやっていきたいし自分に限界を作りたくない。あともっともっと色んな音楽を知りたいし好きになりたいですね。そうすることで見えてくるものもあると思うし、それはきっとBiSHに繋がると思うので。
アユニ:私はまだまだメンバーに憧れてる部分があるからもっと自分に自信を持てるようになりたいですね。
Q.ハシヤスメはどうですか?
アツコ:筋肉を付けたいですね。
モモコ:何言ってるの(笑)。
アイナ:ホント面白い(笑)。
アツコ:いや真面目な話で、筋肉を付けることって歌にもパフォーマンスにも大事なことなんですよ。だから私が筋肉を付けることがBiSHの成長にも繋がるんです。
Q.なるほど。リンリンは?
リンリン:…特にないです。(一同笑)
Q.これがBiSHですね。本当に面白い。あの日のライブを観て幕張メッセはBiSHにとって新しいスタート地点だと思ったんですよ。第2章の始まりを感じさせるライブだったなと。
アイナ:私もそう思う。あんなにみんなが笑いながら歌って踊ってるのって本当に初めてだったし。
アツコ:始まりましたね。
Q.これまでのBiSHは良い意味で渡辺さんが前にいてBiSHはWACKが用意するものをクリアしていく場面が多かったと思うんですね。勿論それはこれからも続くと思うのですが、あの日のライブはメンバーがちゃんと前に出てメンバーが作り上げたライブを渡辺さんが見守っているような印象を受けて。
アイナ:コントやMCも自分達で考えてやりましたからね。そうやって自分達の意見をどんどん反映させていきたい気持ちとBiSHに携わってくれる大人の意見をちゃんと聞いてやっていきたい気持ちの両方がありますね。自分達だけになっちゃうとみんな自我が強過ぎるからまとまらないと思うし(笑)。なので渡辺さんや周りのスタッフに感謝しつつ、自分達の気持ちもぶつけながらやっていきたいです。ここからです、BiSH。
アーティスト名:BiSH
タイトル:BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED THE FiNAL “REVOLUTiONS”
発売日:2017年11月1日
■初回生産限定盤(Blu-ray Disc+CD2枚組) ¥10,800(税込)
AVXD-92578初回限定仕様:BOX仕様 ■通常盤(DVD) ¥4,860(税込)
AVBD-92579
WACK所属グループがシャッフルで名曲を歌うスペシャルアルバム
『WACK & SCRAMBLES WORKS』
12/6発売決定
BiSHの学園天国 Tour
2017年11月11日(土)梅田Shangrila
2017年11月23日(木・祝)CLUB JUNK BOX
2017年11月25日(土)代官山UNIT
2017年11月26日(日)伏見JAMMIN
※Open/Start 12:30/13:30
※中学生、高校生限定ライブ
BiSH About a Girl Tour
2017年11月11日(土)梅田Shangrila
2017年11月23日(木・祝)CLUB JUNK BOX
2017年11月25日(土)代官山UNIT
2017年11月26日(日)伏見JAMMIN
※Open/Start 17:30/18:30
※女性限定ライブ