2015年7月、名古屋にて結成されたMaki。2016年よりライブ活動を始め、無料配布音源「シモツキ」の発表や1stデモ「秋の朝 夏の夜」をリリースし早耳のリスナーから高い評価を得る。2017年1月にDrまっちが加入し現在のラインナップが揃うとその活動はさらに加速し名古屋最大規模のサーキットイベント「でらロック」出演などを経て夏には2ndデモ「文才の果て」を発売。今の自分を形成する過去の自分を肯定する歌詞とエモーショナルで疾走感のある楽曲が絶妙なバランスで融合したMakiの音楽は同世代を中心に今を生きる者の胸に突き刺ささる。そして2018年1月、数々のバンドを排出してきたTRUST RECORDSより1stミニアルバム『平凡の愛し方』をリリース。新たな伝説が名古屋に生まれる予感がする。
Q.Makiはどうやって始まったのですか?
佳大:元々いた前のドラムが僕と響を繋いでくれて2015年に3人で結成しました。そのドラムが抜けて響の学校の友達だったまっちが入って今の形になったのが2017年の1月ですね。今の音楽性は僕が歌モノ系に2ビートのメロディックの要素を入れた音楽がやりたいって言い出したのが最初だと思います。
Q.ルーツはメロディックパンクなんですね。
佳大:いや、みんなバラバラなんですよ。
山本響:僕は中学の頃に親父が「そろそろ反抗期が来るからその前にこれを聴いておけ」ってニルヴァーナの「NEVERMIND」を聴かせてくれて。とにかくニルヴァーナがかっこよすぎて「これは反抗期どころじゃない」って思ったのがきっかけですね。
佳大:僕も親の影響でポルノグラフィティを聴いてギターを始めたんですけど、高校生になってから[Alexandros]を聴いてバンドにハマって、そこからRX-RECORDSのバンドなどを聴くようになりました。
まっち:僕がドラマーとして影響を受けているのは9mm Parabellum BulletのかみじょうちひろさんやFear, and Loathing in Las VegasのTomonoriさんですね。そういうバンドに影響を強く受けてます。
山本響:自分達が聴いてきた音楽やかっこいいと思う音楽とMakiでやりたい音楽ってまた別なんですよね。その中でルーツやバックボーンも出しながら自分達の音楽を探っていければなと思っています。
Q.Makiの歌詞は良いことも悪いことも含め自分が過ごしてきた日々を肯定してくれる歌詞だと思いました。
山本響:否定はしたくなくて。「嫌なことも時間が経てば忘れる」ってよく言いますけどその時間があって今の自分がいるんだから忘れなくてもいいんじゃないかって思うんですよ。起きたこと全部のその先に今の自分がいて、その自分がバンドをやっていることも全部過去の積み重ねだと思うんですよ。だからこそ、過ごしてきた日々を否定したくないんです。
Q.アルバム1曲目の「生活の行方」はまさにそういう曲ですよね。自分の経験がそのまま自分らしさを形成すること、全部が繋がって今があることが歌われているなと。
山本響:そうですね。この曲の歌詞を書いていく中で断片的に書いていたものを組み立てながら初心に返って自分達らしさってなんだろうって考えたら、積み重ねてきたことが人格や性格を作っているなと思ったんです。だから今何かに悩んでいたり躓いていてもそれがいつか自分の種になるから気にしなくていいよってことを歌いたかったんです。
Q.「シモツキ」や「文才の果て」でもそのようなことは歌われていますよね。一方、「短い髪」は歌詞の毛色が少し違いますよね。ラブソングだけど物語っぽさもあって。
山本響:この曲はある日テレビを観ていて思い付きで書いた曲なんですけど、とある短い髪の女の人が走ってる姿をテレビでみて綺麗だなって思ったんです。そこから書き始めたのでメッセージ性じゃなくて物語感を出したかったんです。
Q.ずっと「綺麗だ」と歌っていたのが最後で「綺麗だった」で終わる歌詞のエモさも凄いですね。
山本響:そこを感じて貰えたら嬉しいです。最後の最後で決別や別れを連想させたかったんですよ。
Q.「嫌い」も良いですね。誰かを嫌うことってエネルギーがいることだし更に嫌いと言えることって凄いなと。
山本響:本当にそう思います。嫌いなものを嫌いと言える人って凄いなって思います。僕は言えないから。それにその相手のことも嫌いですけど、何より思ったことを口に出せない自分が嫌いなんですよね。
Q.「もうお前のことなんて嫌いなんだわ」って歌詞は自分に向けていると。この曲はサビごとにテンポが変わりますけどそこも感情がよく表れていますよね。
山本響:同じ歌詞でもビートを毎回変えることで全然違って聴こえるんですよ。最後のサビでは「はっきりしろ自分!」って活を入れているように聴こえますし。そういう気持ちを歌詞ではなくアレンジで表現したかったんです。
Q.そしてアルバム最後を飾る「平凡の愛し方」ですが、この曲はMakiというバンドを体現するような楽曲だと思いました。
山本響:この曲はアルバムの曲順を決めるときも絶対に最後って決めていました。まさにMakiやこのアルバム総括したときに締めくくりに相応しい曲だと思います。
Q.アルバム全体的に今のMakiが詰め込まれていると思うのですが1stデモの頃のような初期衝動も感じます。
佳大:そうですね。2ndデモはもうちょっとメロディック寄りだったんですけど、今のアルバムは1stデモの頃に近いと思います。「自分達はこれだ」っていう作品になったと思っています。
まっち:僕が加入する前の音源のような、そんな原点回帰っぽさは感じますね。Makiの根幹にあたる部分が出ているんだと思います。
山本響:「これがMakiです」って自信を持って言える作品になりました。自分中の確固たるかっこいい音楽をアルバムに詰めることが出来たので沢山の人に聴いて欲しいです。
Q.ちなみにMakiというバンド名はどこからきているのですか?
山本響:僕が好きだった女優さんから取りました。ある日、ファミレスで携帯を開いたらYahoo!ニュースである女優さんの引退のニュースが流れてきて。それで彼女の名前を継いでいこうと思ったんです。それくらい好きだったので。
Q.引退する女優の名前を襲名しようと。もしかしてその女優さんって…。
山本響:堀北真希さんです。(一同笑)
Maki
佳大(Gt)
山本響(Ba,Vo)
まっち(Dr)
タイトル:平凡の愛し方
2018年1月10日発売
1600円(+税)
RTCR-1066
リリース記念アコースティックミニライブ+特典お渡し会
2018年1月13日大阪タワーレコード難波店
2018年1月14日タワーレコード名古屋パルコ店
2018年1月21日タワーレコード池袋店
2018.1.28栄R.A.DTRUST YOUR SOULS -新年会-