噂の噂、平均年齢若干20歳の3ピースガールズポップバンド、Lucie,Tooがファースト・ミニ・アルバム『LUCKY』をリリースした。90年代のあの感じと2018年の今の感じ。その両方をポップにパンキッシュにオルタナティブにごちゃ混ぜした楽曲にもう胸がパチパチするほどキュンキュンしちゃう。楽曲のあちらこちらから感じることの出来る様々なバックボーンが裏付ける3人の音楽愛も素晴らしい。宇都宮から世界にセイハローするLucie,Tooを排出するのはナードマグネットでお馴染みのTHISTIME。こりゃ面白いことになりますよ。確実に。ということで2YOU MAGAZINE初インタビューです。
Q.Lucie,Tooはどうやって始まったバンドなんですか?
Chisa:私が昔やっていたバンドが解散して、当時のドラムと2人で新しいバンドをやろうと思ってベースを探していたんですよ。それで宇都宮HELLO DOLLYのブッカーさんに「良い奴いるよ」ってかなこを紹介してもらって。
かなこ:私も「ベースを探してるバンドがいるんだけど良い曲を書くから会ってみない?」って言われて。それで地元のカフェで会ったんです。
Chisa:即答で「やります!」って言われたから軽い感じの子だなって思いました(笑)。
かなこ:あははは。
Chisa:でも対バンはしてたんだよね。
かなこ:そうそう、だから顔見知りではあって。結構高校を卒業したらバンドを辞めちゃう子が多くてどうしようって思っていたから声をかけてもらって嬉しかったです。
Chisa:地元では高校を卒業してバンドをやってる女の子って珍しいんですよ。前のドラムもLucie,Tooが始まって2ヶ月くらいで寿脱退しましたから(笑)。
Q.それでナホちゃんが入ったと。
Chisa:最初はサポートだったんですけど一昨年の12月に正式に加入してもらいました。ナホは元々SUNNY CAR WASHでドラムを叩いていたんですけど引っこ抜きました(笑)。
かなこ:私とナホは同級生なんですよ。ライブとかはしてないけど一緒にコピバンでスタジオに入ったりもしていて。
ナホ:だからずっと一緒にやってる感覚もありますね。
Q.高校時代はどんなバンドを聴いていたのですか?
Chisa:Now,Nowが好きでした。最初はNow,Nowの日本語版みたいなバンドをやりたかったんですよ。
Q.なるほど。それでバンド名もLucie,Tooなんですね。
Chisa:そうなんです。バンド名はNow,Nowの曲名から取りました。でもやりたいことが段々変わってきてNow,Nowっぽさは今はあまりないですけど(笑)。あと子供の頃はモーニング娘。に憧れていましたね。モーニング娘。になりたかった(笑)。
ナホ:私もなりたかった!
Q.みんなの世代だとどの時代のモーニング娘。ですか?
かなこ:マナカナとか。
Chisa:え?マナカナ?辻ちゃん加護ちゃんじゃなくて?
かなこ:あ、そうだ(笑)。
ナホ:私、ゴマキになりたかったなあ。モーニング娘。のカードとかファイルで持ってましたから(笑)。
Q.バンドに興味を持ったのは?
かなこ:私は音楽を聴く習慣が全然なかったんですけど、中学の先輩が軽音楽部に入っていたのでなんとなく私も入ったのがきっかけでアメフト(アメリカン・フットボール)とか聴くようになって。
Q.アメフト!?いきなり凄い名前が出てきましたね(笑)。
かなこ:高校の頃はアメフトから始まってポストロックとか色々聴くようになりましたね。
ナホ:私もアメフトは好きですね。
Chisa:あとLucie,Tooに色濃く反映されているのはスーパーカー、Cymbals、Homecomingsのような高校の頃に聴いていたバンドの影響が大きいですね。
Q.そこにNow,Nowのような少しダウナーな洋楽の要素を加えたら確かにLucie,Tooっぽくなるかもしれないですね。ポップだけどちょっと影のある感じというか。
Chisa:ああ、それめっちゃ嬉しいです。
Q.それでいて歌詞が可愛いのも面白い。
Chisa:歌詞は恋愛のことが多いんですけど重くしたくなくて。なんか重い歌詞を歌うのが恥ずかしいんですよ。同じ恋愛の歌詞でも重いものよりJUDY AND MARYみたいな可愛い歌詞が好きなんです。重い歌詞の恋愛ソングって聴いていて辛くないですか?「会いたい」とか「携帯がどう」とか(笑)。
Q.あははは。でもChisaちゃんの可愛らしい歌詞と洋楽っぽいニュアンスのアンバランス具合はLucie,Tooの武器だと思います。JITTERIN’JINNやJUDY AND MARYやフーバーオーバーのようなバンドが僕の中ではそのラインなんですけど。
Chisa:凄い!
かなこ:たぶんChisaさんとリズム隊で若干違う音楽を聴いてきたことも関係しているかも。
ナホ:ドラムは洋楽からの影響が結構強いですね。パラモアとか、ジミー・イート・ワールドとか。あとPolyvinyl系とか。
Q.Polyvinylの名前が出てくるのがLucie,Tooが信頼出来るポイントですね。自分達ではどんなバンドだと思っていますか?
Chisa:ジャンルとかはあまり意識してないですけど胸キュンガールズポップって言ってます。
ナホ:オルタナティブって言われることも多いですね。
かなこ:Chisaさんと私達2人は音楽の趣味が少し違っていて。だからChisaさんが作る曲に私達のアレンジが合わさったときのバランスが面白いなって自分達では思っています。
Chisa:曲を作るときもベースラインやドラムで拘るところは口で説明するんですけど、あとはお任せしています。
かなこ:結構自由にアレンジさせてもらっていますね。でもベースのアレンジで大事にしていることは歌を支えること。Chisaさんの歌ありきで考えているので歌を前に出すアレンジを心がけていますね。
Q.アレンジも音色もシンプルですけど、その中に拘りも感じます。アルバムを再生して最初に飛び込んでくるギターの音だけで「このバンドは信頼出来る」って思いましたから。
Chisa:あははは。嬉しい。
Q.鳴っている音からしっかりバックボーンを感じました。そこにみんなで歌えるポップな歌が乗るんだから最高以外の言葉が見つからないですよ。
Chisa:ライブでもみんなで合唱して欲しいです。女の子に一緒に歌って欲しいな。
Q.Chisaちゃんの歌詞に共感する女の子は多そうですよね。
ナホ:Chisaさんの歌詞って表立って言えないような女の子の気持ちを歌ってくれているので共感する女の子は多いんじゃないかなって思いますね。
Q.曲によって表情が違うのも面白いなと。
ナホ:今回のアルバムは『Hi Lucie.』の再録もあるし新曲もあって私達の色んな面が出せているなって思っています。「キミに恋」とかキャッチーな曲もあるし「リプレイ」みたいなエモい曲もあるので。
Chisa:「リプレイ」は私がひとりで弾き語りをやっていた頃にPredawnに憧れて作った曲ですね。バンドではやっていなかったんですけど、今回のアルバムで再アレンジして収録しました。
かなこ:「リプレイ」みたいな曲があるとアルバムに幅が出ますからね。「ポップなだけじゃないよ!」っていう。
Q.ポップな曲にもどこか影はありますしね。
Chisa:そうですね。基本的にはどこか暗さはあると思います(笑)。
ナホ:それもNow,Nowの影響が大きいのかもしれないですね。Lucie,Tooは元々ChisaさんがNow,Nowに憧れて曲を作り始めて、そこに色んなものを柔軟に吸収していく中で変化してきたんです。これからもまだまだ変わっていくと思いますけど自分達でもどんな変化があるかは楽しみですね。
Q.『LUCKY』はバンドにとって初の全国流通盤になると思いますが自身にとってどんなアルバムになりましたか?
Chisa:片思い盤です!
Q.片思い盤?
Chisa:片思いの曲ばかりなんです(笑)。幸せな曲は「Lucky」くらいですからね(笑)。だからこのアルバムはラッキーになりたい女の子のアルバムなんです。
かなこ:ずっと聴けるアルバムになったと思いますね。『Hi Lucie.』だけじゃ伝えられなかったLucie,Tooの顔がこのアルバムには入っていると思っています。「リプレイ」とか「幻の恋人」は自分で聴いていても良い曲だなって思います(笑)。
ナホ:初めての全国流通なのでアルバムを聴いてくれた人達の反応が楽しみですね。大人の事情とか、そういうのが何もない環境で好きなように作ったアルバムがみなさんに届いてどうなるか、本当に楽しみです。
Q.アルバムのリリースはバンドのひとつの目標だったと思うのですが、今Lucie,Tooがやってみたいことは何かありますか?
Chisa:Now,Nowを日本に呼びたいです。これはcinema staffの辻さんの受け売りなんですけど、やっぱり自分が影響を受けたバンドを日本に呼ぶことって素晴らしいことだと思っているので。だからLucie,TooでNow,Nowを呼びたいですね。
Q.素晴らしいですね。是非実現させてください。
Chisa:あ、Now,Nowを脱退したJess Abbottが今やっているTancredでも良いですよ。(一同笑)
Lucie,Too
タイトル:LUCKY
2018年2月7日発売
¥1600(+税)
LIVE
『LUCKY』Release Party!“Hi Lucie vol.2″
宇都宮編
3.25.SUN at 宇都宮HELLO DOLLY
東京編
4.7.SAT at 下北沢THREE
『LUCKY』リリースツアー2018
4.8.SUN at 京都Live House nano
4.25.WED at 名古屋club ZION
5.12.SAT at 大阪SOCORE FACTORY