THE NINTH APOLLO発ハルカミライが2019年1月16日にニューアルバム『永遠の花』をEMI Recordsよりリリースする。年間150本を超すライブで全国各地を走り回ってきた彼らが完成させたフルアルバムには4人がライブ活動を重ねる中で作り上げてきた12曲が収録されており、メンバー全員が必殺技を撃ち合うようなパワーがどの曲からも満ち溢れている。2000年頃、青春パンクというひとつのムーブメントがあり、その「青春」という言葉にバンドもリスナーも疑問符を浮かべながらも我武者羅に走っていたあの頃。そして時は流れて2018年、ハルカミライが放つパンクロックは純度100%の青春だ。なくしたものがある人、なくしたくないものがある人、ハルカミライを聴いて欲しい。永遠なんてないと思っていたけれど、ハルカミライが心に永遠の花を咲かせてくれるから。
Q.2018年はシングル「それいけステアーズ」「世界を終わらせて」と2作品のリリースがありましたがとにかくひたすらライブをしている印象があります。
須藤:そうですね。ライブは150本はやったと思います。
橋本:大きいイベントにも沢山呼んでもらったし、シングルも2枚出せたので濃い1年でしたね。
Q.ライブハウスでは勿論ですけど、色んなフェスでハルカミライのライブを観ましたけど、かっさらい方が凄かったですね。
須藤:SATANIC CARNIVALとかはTwitterでの反応も凄かったです。
橋本:好かれるか嫌われるかですよ(笑)。あんまりかっさらってやろうとかひっくり返してやろうってイメージでやってる訳じゃないですけど、思い切りやろうっていつも思っています。
Q.ハルカミライにとってライブってどんなものだったりします?
関:日課ですね。
小松:ライフワーク。
橋本:うわ、かっこつけた(笑)。
小松:あははは。でも1週間とかないと不安になりますね。
須藤:「火の玉宣言フェスティバル」の日とかはレコーディング中だったから10日振りくらいのライブだったからフラストレーションが爆発してましたね。
橋本:俊(須藤)、めっちゃ動いてたもんね。
須藤:年間150本くらいやってると学校っていうか、もうご飯を食べてるような感覚になってくるんですよ。毎日ご飯を食べる中でその日その日で何を食べるか変わるみたいな。対バンとか会場で何を食べるか変えるっていう。それくらい当たり前のようにライブをしてますね。
Q.そんな日々を送る中でアルバムはいつ頃から制作していたのですか?
須藤:「世界を終わらせて」とかシングルの曲を抜いたら去年の12月くらいから曲は作り始めていて、アルバムとしてのテーマは考えないで出来た曲を組み立てていった感じですね。
Q.色んなシチュエーションの曲がある中で一貫しているのはどれも前向きなメッセージが込められているなと。新しい環境に対する歌も恋愛の歌もどれも前を向いている。
須藤:学(橋本)の歌詞ってバッドエンドがないんですよ。
橋本:昔はそういう曲もあったんですけどね。暗いまま終わっていくような。でも段々そういう曲は書かなくなりました。
須藤:そういう曲はライブでもやらなくなっていくしね。
Q.「星世界航行曲」とかは別れの曲なんだけど聴き終わった後に前向きな気持ちになってるんですよね。
須藤:めっちゃ良いですよね。
橋本:この曲は俊が彼女と別れたことを曲にして欲しいって言ってきたので、その恋愛の中身どうのこうのは知らないけど想像して書いた曲なんですよ。
須藤:お願いしました(笑)。
Q.「携帯の電波じゃ君を探せない」というフレーズがありますがあの歌詞に僕は恋愛ではなく亡くなった母を思い出しちゃって。亡くなって随分経つんですけど携帯を解約しないで実家にずっと置いてあるんですよ。それでふとした時に母親の携帯に電話をしてみたら「電波の届かないところにいます」って言われて。当たり前なんですけど。それで電波じゃ探せないとこにいるんだなって思ったことがあるんですよ。
須藤:うわあ。
橋本:そうやって聴いてくれた人が色んな解釈をしてくれるのは嬉しいですね。でもこの曲は俊が彼女と別れた曲です(笑)。
Q.その流れで「幸せになろうよ」はエモ過ぎませんか?
須藤:本当だ(笑)。
Q.この曲はイントロから畳みかけるようにゴールまで全員で向かっていくのがまさにハルカミライだなと。
橋本:クリックを使わないで一気にレコーディングしたのでその感じが出ているんだと思いますね。めちゃくちゃ歌い難かったですけど。音源なのにライブ感がめちゃくちゃあるっていう(笑)。
Q.でもただ攻めるだけじゃなくて抜く瞬間もあるじゃないですか。それがまたこの曲のメッセージを助長するんですよね。細かいことは置いておいて、とにかく幸せにならなきゃなって気持ちになる。
橋本:そうなんですよ。なんか色んなことがありますけど、たった一度の人生なので、浮き沈みはあると思うけどもっと大きく捉えて人生が最終的に幸せだったら良いんじゃないかって。もう歌詞通りそのままですけど。
Q.死ぬこと以外かすり傷という誰かの言葉もありますけど。
橋本:そういうことです。幸せになろうよってことです。
Q.「心」のイントロから歌が入る流れとかはALLやDESCENDENTSのような印象を受けました。
橋本:マジですか。僕ら誰もALLやDESCENDENTSは通ってないんですけど(笑)。
須藤:これ、美空ひばりさんをちょっとイメージしてるんですよ。
Q.そう言われたら「心」というタイトルも美空ひばりさんっぽく見えてきました(笑)。
須藤:「心」ってタイトルも美空ひばりさんの「愛燦燦」の歌詞に出てくるんですよ。さっきの「幸せになろうよ」の話じゃないですけど学の書いた歌詞をめっちゃ大きく捉えたら「心」だなって。
Q.「心」や「俺よ勇敢に行け」は今のハルカミライの状況を歌ったある意味決意表明のような曲ですよね。メジャーデビューのタイミングということもあると思うのですが。
須藤:そのときの環境を歌詞にしてたよね。
橋本:そうだね。でも目に見える情景っていうより心境を歌っている曲が多いなって思いますね。
Q.「QUATTRO YOUTH」も心境がそのまま出てますよね。あとは学くんのメンバーに対する愛も感じました。
須藤:あの冒頭の部分は俺が学に書いて欲しいってお願いしたんですよ。
Q.そうなんですね。「QUATTRO YOUTH」を聴くと忘れがちな気持ちを取り戻せる気がするんですよ。初心を忘れないというか。この曲は何度かライブで観たんですけど、あの冒頭の歌詞を歌いながら学くんがメンバーに近寄っていくのにグッときました。
橋本:あははは。恥ずかしい。
小松:「QUATTRO YOUTH」は初めてライブでやったときから気持ちが凄く乗せ易かったですね。
橋本:もうライブでもがんがんやってるので自分達達4人のボルテージが上がっていく感覚がしっかりある感情がぐつぐつするような曲ですね。
Q.ぐつぐつした感情は「Tough to be a Hugh」のようなショートチューンにも落とし込まれているなと。
須藤:あの曲は作る段階でメンバーが気持ち良いことだけをするって決めていたんですけど、その時点でグルーヴがめちゃくちゃ出ていて。そこに学の歌とシンガロングが加わることで気持ちの逸れようがないんですよね。4人全員で作ってる感じがショートチューンは自分達でも特に感じます。
Q.「ゆめにみえきし」のようなショートチューンも良いですね。この曲は夢で好きな人に会えたときの嬉しさと儚さが歌われていますが、皆さんは夢を見たりします?
橋本:俺は車で事故る夢を結構見ますね。
関:ああ、俺も車で寝ると事故る夢を見ますね。ブレーキを踏もうとしちゃう。
須藤:俺、昨日は学と不味いものを食べる夢を見ましたね。
橋本:なんだよそれ(笑)。
関:歯がボロボロになる夢とか。
橋本:それ見る!
関:調べたら身内に不幸が訪れるって書いてあってめっちゃビビった(笑)。
小松:僕は定期的に見る夢があるんですけど、大勢のゴリラ達が兵隊みたいに行進していて、それを上空からドローンみたいに眺める夢をよく見ますね。
橋本:「ゆめにみえきし」とはかけ離れてる(笑)。
Q.あははは。「ゆめにみえきし」のように好きな人が夢に出てくることってありますか?
橋本:それが全然出てこないんですよ。なのでこれは空想でしかないんですけど、きっと出てきたら嬉しいんだろうな。だからこの曲は、夢に好きな子が出て来て嬉しくて目が覚めちゃってもう一回見ようとするけど寝れないっていう物語ですね。
Q.夢の続きとか見れるタイプですか?
須藤:すぐ寝たら見れますね。
橋本:俺は小さい頃結構得意でした。今は全然見ないですけど。
Q.夢ってふたつ意味があるじゃないですか。でも目標としての夢はハルカミライの曲には殆どないですよね。
橋本:寝て見る夢しか曲には出来ないですね。うん。追いかける夢は歌えないです。きっとまだそういう夢をどう歌詞に書いたらいいのか分かってないんですよ。だからそれが分かったときに書くんだと思いますけど、現時点では書こうとも思ってないですね。
Q.それは何故?
橋本:明確じゃないからです。何なのか自分で分かっていないから確信がないし説明が出来ないんです。聴いてくれる全員を納得させる答えをまだ出せてないからまだ今は書かないですね。
Q.そんな中で「それいけステアーズ」は聴き方によっては夢に向かう人の背中を押す曲だと思うんですよ。
橋本:ああ。でも夢を掴もうぜっていうより友達とか親とか近くにいる人に対して、みんながそれぞれの場所でそれぞれの階段を上っていこうぜっていう気持ちの方が大きいかもしれないですね。一緒に進んでいこうっていう。
Q.なるほど。この曲の最後の「ワン、ツー!」で思いっきり背中を叩かれた気がしたんですよね。
橋本:そう感じてもらえることは凄く嬉しいですよ。
Q.ハルカミライってそうやっていつも何気なく隣にいて元気をくれる存在だと思うんですけど、自分達ではバンドとしてどう在りたいですか?
橋本:最近やっと少しだけ人のことを元気付けられるようになってきたのかも。ちょっと言葉選びが難しいんですけど、以前はライブに来てる奴は自分が好きでここに来てるんだからそれだけでOKでしょって思っていたんですよ。でも最近はステージからみんなの顔を見ながら「元気よくやろうぜ」って気持ちになるんですよね。偽善でもかっこつけでもなく。やっとそう言えるようになったんですよ。
Q.そう思うようになったのは何故?
橋本:よく10人でも100人でも1000人でも変わらないライブをするって言われるんですけど、大前提としてそれは当たり前で、だけど1000人の人が観てくれることにマジでありがとうってちゃんと言えるようになったんですよ。それが大きいと思います。
Q.必要とされていることを実感したと。
橋本:そうですね。だからライブでの距離感もより近くなったと思うし。
須藤:でも最近メンバーと話していてお客さんにタメ語で話すことを辞めようって決めたんですよ。それは距離を置くとかじゃなくて、ハルカミライのライブを娯楽として楽しみにきてくれる人達に対してタメ口を使いたくないんですよ。ちょっと嫌な言い方をすると、娯楽としてこれからもハルカミライを使って欲しいので距離を詰めることで仲良くなったり逆に嫌な気持ちにさせたらその人はもう娯楽として来られなくなるじゃないですか。俺はそれが凄く嫌なのでメンバーにお願いしたんですよ。
関:距離感とか接し方は大事ですよね。
橋本:でもその分ライブ中は近くにいるからね。それが全てだと思いますよ。
須藤:うん。それが一番近い。
Q.ライブはゼロ距離ですからね。またツアーも始まりますが、その先にハルカミライとしてどんなバンドになっていきたいですか?
須藤:ずっと色んなものを吸収し続けていきたいです。その中で変わっていくこともあると思うけど、そのときそのときの自分達がかっこいいと思うことが出来ていたら満足です。
橋本:さっき言った夢とかが分かればその時に書くし、曖昧だったものが明確になったら書けることも出来る曲もひとつずつ明確になっていったら良いなって思っています。
ハルカミライ
タイトル:永遠の花
UPCH-20504
¥2,800(+税)
1st full album「永遠の花」release
「天国と地獄ツアー」
2/7(木) 渋谷 club QUATTRO
2/14(木) 名古屋 club QUATTRO
2/16(土) 梅田 club QUATTRO
2/21(木) 広島 SECOND CRUTCH
2/23(土) 福岡 CB ※
2/24(日) 周南 RISING HALL
2/26(火) 静岡 UMBER
3/1(金) 盛岡 the five morioka
3/2(土) 郡山 HIPSHOT JAPN
3/4(月) 秩父 ladderladder
3/7(木) 高田馬場 club PHASE
3/10(日) 甲府 KAZOO HALL
3/13(水) 水戸 LIGHT HOUSE
3/16(土) 札幌 BESSIE HALL ※
3/25(月) 岡山 CRAZY MAMA 2ndRoom
3/27(水) 神戸 太陽と虎 ※
3/30(土) 小倉 FUSE
3/31(日) 大分 club SPOT ※
4/2(火) 高松 DIME ※
4/3(水) 高知 X-pt.
4/5(金) 京都 MUSE
4/13(土) 横浜 F.A.D
4/14(日) 伊那 GRAMHOUSE
4/17(水) 千葉 LOOK
5/3(金) 仙台 CLUB JUNK BOX ※
5/7(火) 心斎橋 BRONZE ※
5/9(木) 名古屋 Party’z ※
5/18(土) 八王子 MATCH VOX ※
※:ONEMAN LIVE