2017年、愛知県名古屋市にて結成されたYONONACA。平松直訓(Dr)、松岡直哉(Rap)、舟橋孝裕(Ba)、西村直人(Gt)といったそれぞれのフィールドで活動してきたメンバーから成る彼らはファンク、ディスコ、ジャズ、ボサノヴァ、プログレといったメンバー個々のバックボーンがごちゃ混ぜになったオリジナルサウンドにパーティーソングからラブソング、ボーストからコンシャスまで綴ったリリックをドッキングしたYONONACAミュージックを武器に楽曲制作、ライブを展開。昨年末に配信リリースした1st EP『WEEKEND』は客演に近藤圭晃(Monaca yellow city)、エンジニアに若杉厚介(YOSHIDA SOUND LAB./TWO FOUR)、ジャケットデザインにHARUZIONを起用するなど、楽曲のセンスは勿論、人選的にも面白い動きを見せている。音楽スタイル、活動スタイル共に自由でありながらストイックに音楽を突き詰めるYONONACA、2YOU MAGAZINE初登場。
Q.YONONACAはどのように集まったのですか?
平松:2015年の秋にたまたま遊びに行った「HOLIDAY」というイベントで僕と直哉さん(松岡)が偶然会って。その帰り道、白川公園でお酒を飲みながらお互いの話や音楽の話をした結果バンドを組むことになりました。最初は「ふたりでやろう!」とか言っていて(笑)。
松岡:言ってたねえ(笑)。
平松:でもすぐに「コードくらいあったほうがいいんじゃないか」ってギターの直人くん(西村)を誘いました。それでも少人数がかっこいいと思っていたので「ベースはいらない!」って(笑)。
舟橋:そうだったんだ(笑)。
Q.舟橋くんが加入したのは?
平松:直哉さんが「やっぱりベースを入れよう」って(笑)。それでこのバンドのルーツにあるHIP-HOPやファンクとは全然違うタイプのベーシストである舟橋さんに声を掛けました。
松岡:最初は全然イメージが湧かなかった(笑)。
舟橋:それで言うと、僕も「マジで?」ってなったからねえ(笑)。
平松:マイルス・デイビスの『ON THE CORNER』というマイルスがジャズからビートを強調したループのある音楽に変わっていく転換期の作品があるんですけど、ジャズのプレイヤーの中にロック畑のベーシストが参加しているんですよ。そういう狙いもあるのと、単純に舟橋さんのゴリっとしたベースがかっこよくて、完成形は見えなかったですけど、面白そうだなって。
Q.確かに舟橋くんのベースの音色だけ良い意味で異物感がありますよね。ジャズやHIP-HOPマナーに沿わない音というか。勿論良い意味で。
舟橋:異物感、ありますよね。そういう音楽を全く聴いてこなかったので不安もあったんです。でも「何も考えずにいつも通り弾いて良いよ」と言ってくれたので「これでいいんだ!」と思って弾いています。
平松:一部のジャズ畑の人って、ロック畑の人を軽視するところがあるんですよ。でもそうじゃないかっこよさを大切にしたいんです。
Q.ひとつのバンドの中で色んなクロスオーバーが起こっているのもYONONACAの特徴ですよね。西村くんのギターも毛色が違いますし。
松岡:直人くんはカフェでボサノヴァやラテンのギターを弾いているんですけど、曲作りをしている段階で僕はそれを知らなかったんですよ。だからこのバンドでどういう曲を作ったら良いのか中々見えなかったので、まずはメンバーのことを知ることから始めて。
Q.別々の漫画のキャラクターが集まったようなバンドですもんね、YONONACAって。
平松:あははは。本当にみんなバラバラなので、お互いを理解する為に「みんなが好きな音楽を聴こう!」って聴かせ合ったりしましたからね(笑)。
Q.皆さんは自身の音楽をどう捉えていますか?
西村:単純にかっこいいなと。僕はバンド自体がほぼ初めてなので、出来上がった曲を自分で聴いて「これ、自分でやってるんだ」って感動しています(笑)。
舟橋:YONONACAにおける僕と西村くんって最右翼と最左翼のような立ち位置にいて、それを松岡さんと平松くんが無理やり合わせるとかじゃなく上手く調和を取ってくれるのがそのまま僕らの音楽にも表れている気がしますね。普段飛び交ってる会話の殆どが僕には分からないですけど(笑)。
平松:舟橋さんは舟橋さんのままでいてくれたら良いんですよ(笑)。
Q.「こういう音楽にはこういうベース」という固定概念を壊すベースですからね。それが個性だと思いますし。松岡くんのラップも所謂ラッパー畑の人とはまた違うラップですし。
松岡:そうですね。今ある曲ではパーティーソング、ボースティング、ラブソング、コンシャス、ポリティックなものを一通りやってみたんですけど、次はもっと個人的なことを歌ってみようかなって思っています。
平松:直哉さんってパッと見はチャラいじゃないですか(笑)。でも歌詞を読むと凄く真面目に音楽に向き合っているのが凄く分かるんですよ。スタジオでも気配りが凄いんですけど、そういう内面がちゃんと歌詞にも出ているなと。
舟橋:僕も正直最初はチャラい印象を持っていました(笑)。でも一緒に音楽を作る上での個人的な手触りとしてはどんどん絞り込んでストライクを投げるような感覚になってきているのでこれからどんな変化をしていくか楽しみですね。
西村:えっと、僕もチャラい印象は持っていて…。
松岡:ほら、みんなそう言うでしょ?だから「WEEKEND」で「印象チャラい方?でも食べ放飲み放俺はビミョー」って先にアンサーしてるんだよ(笑)。
平松:物販で「チェキ撮ろうか」って言われたときはやっぱりチャラいんだなって思いました(笑)。
舟橋:「チェ、チェキ!?」ってなったもの。
松岡:王将で反対されました(笑)。
Q.あははは。でもいい意味での松岡くんのチャラさがYONONACAの間口を広げている気もします。可能性も無限にあるバンドだと思いますし。
平松:やっぱりもっともっとライブをしたいし色んな人に出会いたいので、スタジオに籠もらずどんどん外に出たいですね。
舟橋:今までやったことのないジャズの人達の前とかでもやってみたいよね。結局僕らは何処に行っても落ち着かない気がしますけど、そういう違和感含めて楽しんでいきたいです。
西村:DJセットとかでもやってみたくて。バンドに拘らず少人数でも面白そうだなと。どんな形態でもYONONACAとしてやれる自由さは持っているバンドだと思っています。
松岡:色んな場所に突っ込んでいきたいですね。やったことのないことにも挑戦したいし、何より自分達が楽しんで音楽をしていきたいです。
YONONACA
https://soundcloud.com/yononaca
https://twitter.com/YONONACA_BAND
YONONACA
タイトル:WEEKEND
配信リリース