BACK LIFTが主催するフェス「少年少女秘密基地FESTIVAL2019」が5月18日に開催される。今年で5回目の開催となる少年少女秘密基地、今年のラインナップはBACK LIFT、ENTH、SPARK!! SOUND!! SHOW!!、Age Factory、a flood of circle、唾奇、KUZIRA、MEANING、ドラマチックアラスカ、COUNTRY YARD、グッドモーニングアメリカといったバラエティに富んだ面々が名を連ねている。バンド主体のフェスが全国各地で行われる中、BACK LIFTがこのフェスを通して提示してきたものは少年少女に戻って遊べるフェスを作るということ。会場であるダイアモンドホール、アポロベースにはまるで夏祭りのような仕掛けや子供の頃に戻れるような遊びが数多く用意されており、まさに少年少女が秘密基地に集まっているような1日が体験出来る。開催から5回目を迎える少年少女秘密基地の隊員を代表してBACK LIFTの3人に話を訊いた。
Q.今年で5回目となりますが、最初に少年少女秘密基地を始めたきっかけは?
KICHIKU:俺がバンドを始めたきっかけがAIR JAMのハイスタ(Hi-STANDARD)のライブを観たからなんですよ。なので、やっぱりバンド主体のフェスに対する憧れが物凄くあって。だから自分のバンド人生においてフェスをやるのは目標のひとつで。2015年に第1回目を開催しました。ちょうどYU-PONが加入して1年目の頃ですね。
YU-PON:僕は入ったばかりで何もわからないまま「楽しそう!」くらいのノリで(笑)。
KICHIKU:実際にYU-PONが加入して勢いづいていた部分はあって。それで当時のレーベルオーナーだった綿さん(綿谷:TRUST RECORDS)に相談して。
YU-PON:あれよあれよと開催に至りました。僕はバンドに入ってすぐにフルアルバムのレコーディングと少年少女秘密基地があって寝る間もなくあたふたしていました(笑)。
Q.AIR JAMをはじめバンド主体のフェスは、その名前とバンドのスタイルやスタンスがリンクしているじゃないですか。そのな中でBACK LIFTが自分達のフェスに少年少女秘密基地と名付けたのは?
KICHIKU:やっぱりまずはAIR JAMみたいなかっこいいフレーズを考えたんですよ。でも考えすぎて何も浮かばなくて。それで難波さん(Hi-STANDARD/NAMBA69)に聞いたら「降ってきたんだよね」って言われて。AIR JAMって名前が降ってくるなんてめちゃくちゃかっこいいじゃないですか。でもそんな名前は降ってこなくて(笑)。
YU-PON:無理無理(笑)。
KICHIKU:それでAIR JAMの精神を継承しているのは10-FEETの京都大作戦だろうし、HEY-SMITHのHAZIKETEMAZARE FESTIVALもあるし、日本語で他と被らない名前を考えたんですよ。それで自分達の作るフェスは秘密基地のようなものにしたいと思っていたので少年少女秘密基地にしました。
Q.確かに毎年会場のダイアモンドホールに着くと草をかき分けて秘密基地に辿り着いたような気持ちになります。
YU-PON:何か色々置いてあるし(笑)。
KICHIKU:普通の野外フェスだったらフードの出店があって、ブランドとのコラボがあってというイメージじゃないですか。それもいつかはやってみたいんですけど、今は室内で行っているフェスなので、ダイアモンドホール自体を秘密基地のようにしたくて。ライブハウスに着いて思わず「懐かしい!」って言ってしまうような空間を作りたいんですよね。ミニ四駆とか輪投げとか。だから会場の飾りつけとかも凝るし、夏祭りみたいな工夫もしていて。
Q.しかもそれがスポンサーがいる訳じゃなく、段ボールで手作りだったり。
KICHIKU:スーパーD.I.Yですから(笑)。
Q.これはお客さんには見えない部分ですが、楽屋も凄いじゃないですか。ミニ四駆のコースがあってラムネが置いてあって。楽屋まで秘密基地みたいなんですよね。嬉しかったのはエロ本みたいに置かれていた2YOU MAGAZINE(笑)。
YU-PON:あははは。やっぱり秘密基地にはエロ本は外せないですよね(笑)。2YOUも!
KICHIKU:楽屋でのおもてなしってやっぱりフェスの醍醐味のひとつでもあるじゃないですか。なのでホストのバンドはどうやって出演者やスタッフさんを楽しませるかめっちゃ考えると思うんですよ。なので俺らも楽屋でとにかくみんなに楽しんでもらいたくて色々仕掛けているんです。楽屋で物凄いゲーム大会が行われていたり。
YU-PON:テーブルも昔の喫茶店にあるような麻雀とかにしたいよね(笑)。でも誰も楽屋から出てこなくなっちゃうか(笑)。
KICHIKU:考えるとアイデアはどんどん出てくるし、楽屋だけじゃなくて会場にも色々仕掛けたいんですよね。
Q.具体的に何か考えてたりしますか?
KICHIKU:それこそさっき言ってたみたいに草をかき分けてダイアモンドホールに入るような仕掛けとか作りたいですね。あとはアトリエみたいな感じにもしたくて。楽屋に置いてあるゲームやフィギュアも表に出したいなって。お客さんに持ち寄ってもらっても面白そうですね。お客さん参加型秘密基地(笑)。
YU-PON:それ面白いね!
KICHIKU:ダイアモンドホールのみんなも色んな意見をくれるんですよ。「タイムカプセルを作りたいね」とか。そうやってダイアモンドホールもチーム一丸となって少年少女秘密基地を作ってくれるのが有難いですね。
YU-PON:みんなキラキラした目で話してるもんね(笑)。
KICHIKU:俺らもお客さんも30代に突入して、例えば結婚したり子供が生まれたりして中々ライブハウスに来る機会が減るかもしれやんけど、年に1回こういう機会があると来易いんじゃないかなって。そうやってみんなが子供に戻れる場所にしたいんですよ。
Q.ちなみに3人はどんな子供でした?
YU-PON:僕はめちゃくちゃ落ち着きのない子供でした(笑)。授業中に先生がロケットの話をするだけで「ロケット!!」とか叫びながら教室を飛び出して行っちゃうみたいな(笑)。
KICHIKU:問題児やん(笑)。HEAVINは大人しそうやな。
HEAVIN:放課後に運動場でみんなで遊ぶくらいだったね。
Q.髪の色は?
HEAVIN:黒です(笑)。
Q.ボディピアスは?
HEAVIN:してないです(笑)。小学生の頃は普通でしたって。(一同笑)
Q.KICHIKUくんもヤンチャそうですね。
KICHIKU:俺はツレを家に呼ぶのが好きな子でした。野球とサッカーをしていたんですけど、それが終わったらみんなを家に呼んでゲームするみたいな。あとトミカが好きでしたね。親にめっちゃ買ってもらっていました。あとミニ四駆のコースとか。トミカに関しては好き過ぎて家の外までコースを組んでいましたから(笑)。でも固定出来ないから毎回壊さなきゃいけないんですけど(笑)。そうやって色んな遊びを考えては毎日遊んでいましたね。
Q.なんかみんなそのままですね(笑)。音楽に出会ったのは?
YU-PON:うちは親が音楽好きなので小学生の頃からミュージカルをやっていたり、車の中でザ・ビートルズを聴かせてもらったりしていました。その反動で中学になってメタルを聴いたり(笑)。ちなみに初めて買ったCDは「ポケモンかぞえうた」です(笑)。
HEAVIN:僕は7歳上のお兄ちゃんの影響で中学の頃に洋楽を聴き始めました。それから高校でメタルを聴くようになって、大学でBACK LIFTを組んでからメロコアをちゃんと聴くようになった感じですね。
KICHIKU:俺は小学生の頃はモーニング娘。が好きで。だけど上に3人兄弟がいて、全員インディーズ好きだったんですよ。小5の頃に兄弟からKEMURI、ハイスタ、ゴイステ(GOING STEADY)、LOW IQ 01と教えてもらって。でも小5だからよく分からなくて。勿論学校の友達は誰も知らないし。そんな中、小6のときにSNAIL RAMPの「MIND YOUR STEP」がクラスでめちゃくちゃ流行って。それでうちにはインディーズのCDが山ほどあったんで中1くらいから聴きまくるようになりました。マジで上の兄弟達がインディーズのCDを網羅していたんですよ。
Q.なるほど。だから少年少女秘密基地に色んな物が溢れているのはKICHIKUくんの育った環境が反映されているのかもしれないですね。
KICHIKU:そうかもしれやんですね。でも本当に少年少女秘密基地と俺らは存在として共存していきたいと思っているので。「少年少女秘密基地=BACK LIFT」なんですよ。そこはイコールやと思っています。
Q.さっきKICHIKUくんは「子供の頃、家に友達を呼ぶのが好きだった」と言っていましたが、それはそのまま少年少女秘密基地に繋がっていますし。
KICHIKU:確かに。そう考えるとそこに難波さんが来てくれたのとかやばいですね(笑)。俺、ステージで難波さんと一緒に「STAY GOLD」を歌いましたからね。あれは死ぬほどグッときたなあ。
Q.そういう歴史的瞬間が生まれるのも少年少女秘密基地の醍醐味ではあると思うんですけど、決してこの5年間が順風満帆だった訳ではなかったじゃないですか。
KICHIKU:そうですね。
Q.だけど年に1回の少年少女秘密基地の当日にはそれまでの日々を肯定できるような活動をしていて。だから少年少女の存在は本当に大きいんだろうなと。
KICHIKU:それはめちゃくちゃありますね。少年少女秘密基地が俺らの1年の集大成なので。
YU-PON:毎年沢山ツアーをやってそこで出会った新しい仲間を家に呼びたくなるんですよ。そこが少年少女の根底にあるので、どんな1年を過ごしてきたかは少年少女のラインナップをみてもらったり、当日のライブを観てもらったら分かると思う。普段の活動を通して仲間を探しているんです。
HEAVIN:根底にはお客さんや仲間を楽しませたいって気持ちがあって、ツアーで出会った仲間を自分達のホームに呼んで面白いことがしたいっていう気持ちが大きくありますね。
KICHIKU:色んな活動の中で、やっぱりこの日が一番BACK LIFTがどういうバンドなのか分かって貰える日だと思っていますね。全部詰め込んでいるので。だから少年少女秘密基地がゴールだしスタートでもあるんですよ、毎年毎年。
Q.5回目の今年はラインナップもかなりバラエティに富んでいますよね。
KICHIKU:まずは俺ら世代のENTHやSPARK!!SOUND!!SHOW!!が出てくれるのでストリート色が強くなりそうだと思って、バンドではないけど超ストリートなラッパーの唾奇にも出てもらうし、意外なところではa flood of circleやドラマチックアラスカやグッドモーニングアメリカにも出てもらいます。勝手にですけど、SPARK!!SOUND!!SHOW!!とa flood of circleとか相性良さそうな気がするんですよね。そういうところも少年少女秘密基地で繋げたいんですよ。あとAge Factoryは京都大作戦の打ち上げで意気投合して対バンしたかったので呼ぶことが出来たし、MEANINGやCOUNTRY YARDは絶対的に間違いないライブをしてくれるやろうし。
YU-PON:MEANINGは少年少女秘密基地の良いスパイスになりそうですね。人間としても大好きだし。
KICHIKU:かっこよくて熱くてヤンチャやからな(笑)。あと名古屋のヤンチャ枠でKUZIRAも出てくれる。
Q.最近は名古屋の若手メロディックパンクバンドとの繋がりも増えてきてるなと。
KICHIKU:この前も上前津ZionでR.A.Dの10周年企画があってKUZIRAとFive State DriveとTHRASH OUTと一緒だったんですけど、ああいう若手のバンドが好きでもう俺らを知らない世代のキッズも出て来てるし、若いシーンも確実に出来てると思うんですよ。でもそことしっかり交わって俺らが対峙していかないと何も変わらないと思うんです。それこそ俺らやフォーリミ(04 Limited Sazabys)に先輩がいなかったような、あの時代を繰り返しちゃうなって。それで今回KUZIRAを誘いました。結果、出演者がバラバラっていう(笑)。でもそれはそれで俺達らしいかなって。
Q.友達の家に遊びにいったら知らない友達がいて遊んでみたら仲良くなったみたいな、そんな面白さが少年少女秘密基地にはありそうですよね。
YU-PON:それ最高!友達の友達は友達だからね!
KICHIKU:最終的には上の世代も絡めて、若いバンドとかベテランとか関係なく全部ミックスした秘密基地を作りたいと思っています。そういう場所を俺達が名古屋で作っていきます。
BACK LIFT presents 少年少女秘密基地FESTIVAL 2019
ダイアモンドホール/アポロベイス
2019年5月18日(土)
出演
BACK LIFT
ENTH
SPARK!! SOUND!! SHOW!!
Age Factory
a flood of circle
唾奇
KUZIRA
MEANING
ドラマチックアラスカ
COUNTRY YARD
グッドモーニングアメリカ