今でこそコンピューターと生バンドの融合なんていくらでもある。簡単に説明すればPOLYSICSだってそこにカテゴライズされるのかもしれない。しかし、やはり何かが違う。NEW WAVE、電子音、テクノポップetc…。そんな言葉では彼らを表現することは不可能だ。凄まじいエナジーとハイテンションで轟音ギターを掻き鳴らし、オーディエンスの度肝を抜くライブ。単なる融合ではなくその一歩も二歩も先を行くアレンジ。そんな彼らの10作目となるアルバムは「Absolute POLYSICS」のタイトル通り、絶対的POLYSICSを見せ付けた。とにかくMUST BUY OR DIE!!!

 

Q.「Absolute POLYSICS」(絶対的なPOLYSICS)というタイトルを付けた理由を教えてください。

ハヤシ(以下:ハ):今回は今一度POLYSICSっていうものを意識しなおして製作したらどんなものが出来るだろうな?っていうムードを自分で作っていったんですよ。そういうのもあって今回はPOLYSICSをテーマにしたアルバムにしようと思って。
その時に…いつもだったら作品が出来上がってからアルバムタイトルなんかも「う〜ん」って悩むんですけど、アルバム製作中にタイトルをバーンっと見せれたら、もっとみんなが内容を把握するのもスムーズになるんじゃないかなって思ったんですよね。だったらアルバムのタイトルも意味不明なものより…今までは「勢い!」とか「響きのみ」とかそういうのが多かったんですけど、「POLYSICS何々」とか「何々POLYSICS」みたいな「POLYSICS」が入ったタイトルにしたかった。それでずーっと考えてたんですよね。
その時に「Absolute POLYSICS」、「絶対的POLYSICS」なんて自分が今作りたいものにピッタリなアイディアじゃないか!と思って決めたんです。で、響きもね、良いじゃないですか。
本来は「Absolutely」が正しいんですけど、「Absolute」のほうが響きが強いかなって。

Q. 「絶対的」POLYSICSと言い切れるようになったキッカケって何だったんですか?

ハ: POLYSICSってデビュー時は「色モノ」みたいな風に思われてて(笑)。
自分で言うのもなんだけど、昔の映像見ると、確かにそうだなって思う(笑)。そこでやっぱ音楽的な評価はされてなくて、何クソ!って思って、バンド感みたいなものを高めたかったんですよね。
ようやく自分が思い描いていたバンド感だったりとか、生まれたアイディアを形に出来るバンド体力みたいなものがついてきて。ここまでできるようになったんだ!ってなった時に…POLYSICSのイメージってやっぱりNEW WAVEだったりピコピコだったりテクノポップだったりすると思うんですよ。けど、全然そんなんじゃないよ!っていうのをずっと言いたかったんだよね。聴いてるヤツらをビックリさせたいって、ずっと思ってた。
そのためにあらゆるジャンルを食い尽くしてやろうって思ったんですよ。それはもちろんNEW WAVEもテクノポップもそうなんだけど、それ以上にメタルであったり、ハードロックであったり…今の時代のカウンターじゃないけど、ナヨナヨした応援歌ばっか流れてるこの時代に、自分たちがそういうロックを消化したら、とんでもないアルバムが出来るんじゃないかって、NEW WAVEより更にNEW WAVEなものが出来るんじゃないかと思って、そういう作業をずっとしてたんですよね。それが「We ate the machine」「KARATE HOUSE」「Now is the time!」の3枚でやり切った感があって。
そこから、また新たなジャンルを食い尽くして、新しいことをやるかって思ったときに、ふと「待てよ」と思って。そうやっていくことによって自分が元々やりたかったPOLYSICSってものがブレてきちゃう気がしちゃって、今一度自分がやりたかったことを見つめなおしたんです。したらやっぱ、ピコピコ電子音も鳴るし、せわしなくシーケンサーも鳴るし、その上で生バンドがぶつかり合って融合していって新しいものになるっていう…それが自分のやりたいことかもしれないって分かってきて。
インディの作品のリマスターが出た時に、改めて聴いてみたら自分のやりたかったことが見えてきたっていうのもあったし。本来自分はこういうことをやりたくてPOLYSICSを結成したんだなぁって。だったら今、このメンバーで初期のPOLYSICSがやろうとしていたことをやったら、また新しいものが出来るんじゃないかと思ったんですよね。
変に新しいことを頭でっかちになってやろうとせず、自分たちが素直な気持ちで面白いと思ったことをやれば、今までのPOLYSICSじゃ出来なかった、新しくて面白いものになるじゃん!って気付いたんです。だったらそういうアルバムを1枚作れたらどうだろうなぁって思えたんです。

Q.それこそパンを投げてた頃の気持ち、それを面白いと思えてた頃に戻れた感じなんですかね?

ハ:そうです、そうです。まさにそうです。それがやっぱウケすぎた感があって、どこ行っても言われるから疲れた部分もあってね(笑)。それよりも音楽を聴いてほしいんだ!っていう反発みたいなのもあったりして(笑)。
今回はホントに自然体だし、めちゃくちゃフラットな気持ちで好き勝手やったっていう感じですね。

Q. POPでありながらPUNKっぽくもありスピード感のあるPOLYSICSらしさ全開のアルバムだと思います。

ハ:PUNKもNEW WAVEもそうなんですけど、時代のカウンターじゃないですか。そういうものが好きなんですよね。
プログレだったりPUNKだったり…PUNKが飽和化したときに生まれたNEW WAVE PUNKだったり。音というよりも演奏する側の気迫っていうのかな…「周りはこんなことばっかやってるんだから、俺らは違うことやってやろうぜ」っていうのがすごい好きなんです。
クリムゾン(KING CRIMSON)だって、あんなド変態で、ジャケも変なオッサンの鼻の下からのアップなのに(笑)、当時のメンバーはきっとあの状況をブチ壊したかったわけでしょ。そういうのってPUNKの精神と一緒じゃないですか。そういうところに共感を覚えるんですよね。そういうのがPOLYSICSの精神にも繋がってるところはあります。何らかのカウンターというか…今の世の中に対して、メッセージではなく、「こういう音楽の楽しみ方もあるんだよ」とか「俺らはこういう音楽をカッコイイと思ってるんだぜ」っていうのを伝えたいっていうのはありますね。

Q.去年のDEVOとの2マンについて聞かせてください。

ハ:しばらくは興奮冷めやらずで曲も作れませんでした(笑)。
ホントにDEVO好きで良かったなって思いましたね。アレンジも曲順も変わってないんですよ。それなのに何でこんな毎回観るたびに感動するんだろう。
完成されたエンタテイメントでもあるし、見せ方もすごいんだけど、楽曲のアレンジだったり、一音一音の存在感だったりがすごいんですよ。「やっぱカッコイイ!これはカッコイイ!」って思って。「俺のセンスは間違ってなかった」って(笑)。それで色んなことを再認識して。

Q.それが今回のアルバムにも生きてたりするんじゃないですか?

ハ:あーー。そうね。楽曲でどうこうではなくて、精神面で…。やっぱりDEVOはずっとこのスタイルでやってきて…途中色々あったけど(笑)。でも基本的なコンセプトはデビュー前から変わってないんですよね、曲順もアレンジも動きも(笑)。
それを対談の時に「何で変わんないの?」って聞いたら、「これは僕が24歳の時と感覚が変わってないんだよ。その時やってた自分のセンスを信じてるから変わらないんだ」って言うんですよ。もうそれを聞いて涙が出て。「そうだなぁ」と思って。
ホントに「やってることを信じる」っていうのは、今の俺にはすごい必要な言葉なのかもしれない。状況がちょっと上手くいかないと悩むこともあったけど、その悩んでるものをみんなに聴かせるのっておかしいし。悩んでても、自分がカッコイイと思うものをやるべきだなっていうのを思いましたね。
不安は誰にでもあるけど、不安は人に見せるものではないし。

Q.結成のキッカケもDEVOだったし、もしかしたら今回のアルバムのキッカケもDEVOが関係あるかもしれませんね。

ハ:ああ、そうかも。色々な面で支えられたかもしれませんね。もちろんそれだけではなくて色んなキッカケがありましたよ。
ここ2、3年ぐらいかな…シンセサイザーを使うバンドが増えてエフェクター感覚で使うようになったでしょ。そこで普通の生バンドじゃ出ないアレンジの一つとして電子音が取り入れられるようになってきて。リズムマシンと生ドラムを融合させたらこんなに踊りやすくなりました、とか。
でも、そこで終わっちゃってる気がしてさ。「で?」って思っちゃうんだよね。そこだけじゃないだろう、マシンの面白いところは!っていう。そこの不満みたいなものもキッカケの一つではありますね。融合して終わってるだけじゃ…そんなツマんない使い方は俺らはしないよっていう。
電子音を使うバンドが増えてきて、俺らもやりやすくなるかなぁと思ったりしたんすよ。友達いっぱい出来るかなって(笑)。したら全然違くて(笑)、やっぱり浮いてたっていう(笑)。

Q.レコ発名古屋、11/14DIAMOND HALLワンマンに対する意気込みを聞かせてください。

ハ:名古屋って、ここ最近ホントにお客さんが良いんですよね。毎回東京以上に盛り上がるし。何か東京と大阪の中間っていう感じがする、当たり前か(笑)。
ただ、騒ぎたいだけじゃなくて、ちゃんと音楽も聴いてくれるっていうか。だから絶対に良いライブになると思います。
今回のアルバムはどれも全部ライブでも出来る曲なんで、そのアレンジも楽しみにしてもらいたいですね。ホントにタイトル通りのアルバムだし、ライブも絶対的なものにしたいと思ってますので、楽しみにしててください!!

 



 

2YOU MAGAZINE編集部
〒453-0811 名古屋市中村区太閤通9-20 ミヤウラビル302
Tel: 052-485-5993 Mail: info@info@2youmag.com


opyright(C) 2009 2YOU MAGAZINE All rights reserved