2004年に名古屋芸術大学のクラスメイトで結成されたプリングミン。ポップも、ロックも、シューゲイザーも、音響も、あれもこれも全部飲み込んだ独自のスタイルが一気に話題となりインディーズ時代に2枚のミニアルバムをリリースした後、2008年にメジャーデビュー。上京したプリングミンはミニアルバムと3枚のシングルをリリース、数々のフェスへの出演、アニメ「銀魂」主題歌に抜擢されるなど、着々と活動を続けてきた。地元名古屋のみならず、全国の音楽ファンが首を長くして待つこと1年半、満を持して発表されるファースト・フル・アルバムに込められた想いをメンバー全員に聞いてきた。今のプリングミンを感じてください。
 

Q.メジャーデビューから1年半、待望のフルアルバムですね。

山ア 麻由美(Vo)(以下:山):ありがとうございます。お待たせしました。

畠山 結花里(Dr)(以下:畠):本当に嬉しいです。

新田 智彦(G)(以下:新):ここまで長かったですからね。やっとアルバムが出せて感慨深いです。

酒井 俊輔(G)(以下:酒):プリングミンの色んな部分を詰め込んだアルバムが出来ました。今まで僕らって、素材だけを提供していたんですよ。その素材をお客さん自信に楽しんでもらうスタンスだったんですけど、今回はそこから一歩踏み込んで、ちゃんと僕らが料理したものをお客さんに提供するように意識したり、プリングミンの良さは何処なのかをちゃんとディフォルメしたサウンドを目指して作りました。

Q.アルバムのタイトルに「プリングミン」と付けたのは?

酒:「プリングミンとは何か」をテーマに掲げて作ったアルバムなんですよ。僕らが今何をしようとしているのか、僕らがどういう気持ちで音楽をやっているのか、そういう気持ちが全部詰まっているアルバムなんです。

高橋 啓泰(Ba)(以下:高):このアルバムでやっと僕らを理解してもらえるような。

酒:これまでに3枚のシングルをリリースしてきて、やっぱり中々解ってもらえなかった気がするんですよ。物凄くポップな部分とそうじゃない部分をシングルとして単発的に散漫と出していったので。でもそれをアルバムにギュッと詰め込むことが出来て、やっとオチをつける事が出来たと思います。


Q. このアルバムを聴いてやっとプリングミンの全貌が明らかになる感じですね。メンバーそれぞれ思い入れのある曲は?

山:デビューして楽しい事もいっぱいあったけど、その反面辛い事が沢山あったんですよ。そういう苦しい事を乗り越えてこのアルバムが出来たので、「あの頃を撫でながら」「水たまりに落ちた夜」の様なポップだけじゃない深い曲を聴けば聴くほどあの時の想いが蘇ってきますね。
あと「今、君へ(reprise)」は歌が無いんだけどプリングミンの想いが凄く伝わる曲だと思っています。シングルだとプリングミンのポップな明るい面しか見せられなくて、本当はこういう深い部分もあるのに見せる事が出来なかった状況が物凄くもどかしかったんです。でもようやくアルバムで解き放たれた感じがしているので、そういう部分を感じながら聴いて欲しいですね。

高:「今、君へ」が僕の中ではキーポイントです。今まではアルバムを見据えたレコーディングというよりシングル用のレコーディングだったので一曲一曲が色の濃い曲ばかりだったんですよ。いざアルバムを作ろうとした時に、そういった曲たちをまとめるオープニング的な曲を作ろうと思って出来た曲が「今、君へ」なんですけど、この曲が出来た途端にアルバムの流れが見えたんですよ。


Q.確かに「今、君へ」から「Go ahead!」の流れはアルバムの始まりを物凄く感じさせますね。プリングミンの世界に入っていくための始まりの合図的な。

新:まさにそうです。その曲は当初、仮タイトルが「オープニング」だったので(笑)。

高:アルバムの曲順は何度も何度も話し合ったけど、1曲目の「今、君へ」から2曲目の「Go ahead!」の流れだけは不動でしたからね。

新:その流れとはまた別に、アルバム後半の流れも聴いて欲しいです。シングルでしかプリングミンを知らない人に向けて、こういう部分もあるんだよっていう提示が出来ていると思っています。こういう暗くて深い部分って、本来昔から僕らが持っていた持ち味のひとつだったりもするので。


Q.上京以降、プリングミンが封印していた「plingmin」な部分(インディーズ時代はplingmin表記)が解き放たれた感じは凄くします。当時から温めていた曲も収録されているのですよね?

酒:「7Days」は結成当時からある曲ですね。凄くポップに振り切れるか、ダークにいくかの中間に位置する曲なんだけどしっかり芯もある曲で凄く気に入っています。あとは僕らのバランスをうまく表せているの「今、君へ」も聴いて欲しいですね。一曲でプリングミンの自己紹介をするというのなら絶対にこの曲です。


Q. 畠山さんは詩も何曲か書いていますが。

畠:私はアルバムで4曲歌詞を書いたんですけど、歌詞を書く時のテーマが「悲しみと私」だったんです。悲しみが自分の中にいつもあって、なかなか抜けないから、もうそのままでもいいやって思って書いたのが「水たまりに落ちた夜」です。
でもいつの間にか優しい気持ちになれていて、気が付いたら悲しみが過去のものになっていたんです。たまに悲しい時があっても過去のものだって解っているから、その悲しみをよしよしって撫でてあげる事が出来るようになって書いたのが「あの頃を撫でながら」です。
それで、悲しい気持ちが無かったら優しい気持ちにもなれなかったから、悲しみにありがとうって曲が「Thank you for the sadness」です。それに気付いたのもプリングミンのみんなのおかげです。


Q. アルバムのリリース前にフェスにも色々出演しているけど、反応はどうですか?シングル曲とのギャップに驚いている人もいるんじゃない?

山:それまでノリノリで見てくれていたお客さんが「再生」(インディーズ時代のディープな曲)とかやると呆然と立ち尽くしているイメージはあります(笑)。でも曲が終わって温かい拍手をくれる時があると、受け入れてもらったんだなって感動しますね。理解してくれたんだって。

新:でも「再生」の様な深い曲をライブでやっても流れをちゃんと作って着地させるという事を大事にしてきたので。フェスで見てくれた人がアルバムを聴いてくれたら理解してもらえると思っています。


Q.プリングミンを聴いて影響を受ける若い子も多いと思います。それこそポップからシューゲイザーへの入り口にプリングミンがなるかもしれないですしね。メンバーはどんな音楽に影響を受けてきたのですか?

山:私はEGO-WRAPPIN'さんですね。初めてライブを観た時にパフォーマンスに圧倒されて、今でも一番影響を受けています。そのパフォーマンスを吸収できたおかげでインディーズ時代のプリングミンに比べたら、今は自分の想いを素直にぶつけられている気がします。

酒:僕はTHE BEATLESが大好きですね。でもやっぱり僕がプリングミンに加えている音楽性は、いわゆるシューゲイザー的なものが強いと思います。My Bloody Valentineとか。 新:僕は高校の頃はRage Against the Machine大好きっ子でした。意外とライブでもモッシュピットの中にいたりしていました(笑)。大学に行ってからリーダー(酒井)に出会っていろんな音楽を教えて貰いましたね。それでMy Bloody ValentineやMercury Revを聴くようになって、音の洪水感を突き詰めていくうちにシューゲイザー感を目標に楽器を鳴らしてきた感じですね。

高:僕はRed Hot Chili Peppersばかり聴いていました。プリングミンで楽曲を製作するようになってベースとして大事にしているのは、歌心のあるベースラインっていうのを心掛けていて。ベースでも曲の核となれるようなベーシストに影響は受けますね。


Q.アルバムを引っさげてのレコ発ツアーも始まりますね。

酒:ロックバンド・プリングミンを期待してください。(一同爆笑)

山:CDだけじゃ伝え切れなかった部分もライブでは全部出せるので楽しみにしていてください。あときゃりー(畠山)のMCはどこにも存在しないMCなので。

畠:オンリーワン(笑)。


Q.では最後に地元名古屋のプリングミンを応援してくれている人達へメッセージをお願いします。

山:インディーズ時代の「plingmin」 から応援してくれている人達にも、今の「プリングミン」を理解して欲しいと思います。昔のほうが良かったって声をたまに聞くんですけど、「そんな事ない!絶対今のプリングミンのほうが良い!」って自信を持って言える作品が出来たので、今のプリングミンを感じて貰いたいです。

酒:やっと自分達のやっている事が、やりたい事に追いついたなって思っています。あとは暗い曲や深い曲も確かに多いけど、根本的にはバンドを楽しんでいるのが伝われば嬉しいです。

新:ライブで名古屋に帰ってくると優しく迎えてくれるみなさんには本当に感謝しています。そして大変長らくお待たせしました。昔から知ってくれている人には変わったって思われるかもしれないし、自分達でも変えてきたところもあります。でも変えてやり続けた結果が今の僕らなので。今のプリングミンを見てください。

高:東京に行ってメジャーに行ったからって、基本的にはやっている事は何も変わっていなくて。だから東京から名古屋にライブで来ると変わらずみんなが支えてくれて。本当に感謝しています。

畠:本当にお待たせしちゃって申し訳ない気持ちもあるんですけど、果実酒のように待てば待つほど美味しいものが味わえるはずって前向きに捉えています(笑)。絶対に幸せな気持ちになれるアルバムなので、聴いてください。って都合いいかなあ(笑)。

 

Member:
山ア麻由美(Vo)
畠山 結花里(Dr)
新田 智彦(G)
酒井 俊輔(G)
高橋 啓泰(Ba)

 



 

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