名古屋を代表するインストバンドと成長したmudy on the 昨晩が、遂に1stアルバム『pavilion』をリリース。昨年7月のメンバー脱退、そして新たに桐山良太(G)が加入し、新生mudy on the 昨晩として生まれ変わった彼らが今作で掲げたコンセプトは「再スタート」と「警告」。以前にも増して物語性を重視した楽曲が揃い踏んだ全10曲収録の名盤が届いた。インストに込められたテーマや想いを紐解くべく、メンバーに話を訊いた。

 

Q.メンバーチェンジして何か変わりました?

フルサワ:CDを聴いてもらったら分かると思うんですけど大分変わったと思いますね。基本的な事や根本は変わってないのかもしれないけど、アウトプットの仕方の角度が変わった気がしますね。


Q.お客さんからの反応は?

桐山:僕が入ったのが2009年の8月なのでライブは結構やっているんですけど。

フルサワ:お客さんからも最初の内は「頑張って」って言われてたよね(笑)。


Q.バンド史上初のフル・アルバムですが「pavilion」というタイトルの意味は?

フルサワ:万博のパビリオンをイメージしました。一個の建物の中に僕らの曲が展示されてるようなイメージですね。あと今回のアルバムには「再スタート」と「警告」っていうコンセプトがあるんですよ。


Q.「再スタート」というのはメンバーチェンジを経たバンドのリスタートって事?

フルサワ:そうですね。僕らって結成が大学のサークルなので「バンドやろうぜ」って集まった訳じゃないんですよ。だから臨機応変にもいけるし、たまたま集まった事もアイデンティティーだったりすると思うんです。機転も利くし、新しく加入した桐山もすんなり入ってきたし。

桐山:僕も元々同じサークルの後輩なんですよ。大学に入学した頃からずっとmudy on the 昨晩は見てきているんで。

フルサワ:そういう意味では思ってた以上にバンドが崩れなかったので、これまでの勢いのまま加速したいって意味もあっての「再スタート」ですね。


Q.では「警告」っていうのはどういうコンセプト?

フルサワ:これはまだ他のメンバーには話していないんですけど(笑)。

森:何も知らない。(一同爆笑)

フルサワ:基本的に曲の物語を組み立てるのが僕なので(笑)。
僕達の曲って詩が無いから僕なりの作詞というかメッセージが今回は「警告」なんですよ。
余りにも僕らのやりたい事が伝わっていない現状への歯痒さがあって。それに対してもっと色んな事が出来るだろって思っているんですね。もちろん自警も込めていますけど。
僕らは音楽で全国の人に見てもらったり聴いてもらう事しか出来ないので、アルバムの中の1曲でも良いから何かのきっかけになって変わればなっていう。そういう怨念を込めて作ったアルバムです(笑)。


Q.今回のアルバムはそういう想いも込められているからか爆発力もあるし、物凄くドラマティックだよね。1曲1曲表情も全然違うし。

フルサワ:そうなんですよ。音も1曲毎に全部変えているんです。ドラムもギターもベースも。その分、時間は凄くかかっちゃったんですけど良い物が出来ましたね。それぞれの曲にテーマもメッセージもあるし。


Q.インストの曲に込められたテーマやメッセージを紐解きたいので解説してもらってもいいですか?まずはM-1「moody pavilion」から。

フルサワ:これはアルバムの1曲目を意識して作りましたね。頭のフレーズが元々あって、そのフレーズ押しでいこうかなって。速い感じと攻めてる感じがアルバムの幕開けにぴったりだと思います。


Q.M-2「YOUTH」はシングルにもなりましたが、新生mudy on the 昨晩の始まりの曲ですよね。

森:アルバムには前のメンバーの時に作った曲も何曲かあるんですけど、「YOUTH」は桐山が加入してからゼロから作ったんですよ。新しいmudy on the 昨晩の代表的な曲です。

フルサワ:完全にゼロから作った曲としては桐山が入って1曲目の曲ですね。


Q.ギターが3人いる事がM-3「レダロ」の様な曲で発揮されますね。特に中盤のアルペジオ。

フルサワ:新しく発見しちゃった感はありますね。やってみたら思いの外反応が良くて。全部で22弦いますからね。アルペジオの絡みなんて壮絶ですよね。


Q.この「レダロ」っていう曲名はどういう意味?

フルサワ:響きです(笑)。

森:曲名、今始めて知ったんだけど。(一同爆笑)


Q. M-4「Fashion」はコンピレーションCD「kill your T.V.」に収録されていた曲ですが、これは再録?

フルサワ:単純に好きな曲なのでアルバムに入れたかったし、桐山の音で残したかったんですよ。

森:そんなにガラッとアレンジを変えたって訳では無いんですけど、細かい部分のアレンジを詰めてまた新しい曲になったなっていう。良い曲だよね(笑)。

伊藤:単純に演奏も巧くなってるしね。

フルサワ:あとは物事に対して自分の意見をしっかり持てという隠れたメッセージも込めてます。お前が舵を取れ的な。ヨーソロー的な。(一同爆笑)


Q.M-5「IDEA」は2009年のツアータイトルにもなっていましたよね?

フルサワ:東名阪を回った「TOUR IDEA」と平行して作った曲なんですよ。これも桐山が入ってから作った曲なんですけど、こういう曲は前のメンバーじゃ出来なかった気がします。

森:新しいよね。「こんな事出来るんだ」って自分達で思っちゃった曲です。

フルサワ:やっぱりメンバーが変わって色々試せるんですよね。


Q.M-6「夕日の」はタイトル通り夕日の風景が浮かびます。

フルサワ:これは僕の中で明確なフレーズがあって。凄くシンプルなんですけど。フレーズやメロディー、タイトルから色々想像して聴いて欲しいですね。聴いてくれた人がどれだけ想像出来るかっていうのに挑戦した曲でもあります。


Q.M-7「deltal」はごちゃ混ぜ感が物凄いですが。

フルサワ:個人的には原点回帰でもあるんですよ。メンバーも変わり初心に返ったつもりで書いた曲なんです。昔の好き勝手やってた「VOI」の頃のごちゃごちゃ感もあるし、伝えたい事が出て来た今の感じも、バランス良く両方あるので凄く気に入ってます。


Q.そしてまさかのコーラス導入のM-8「Sarliban」。コーラスが入る事で凄く神々しく感じます。これは誰が歌っているのですか?

フルサワ:僕です。みんなでやってみたんですけど誰か音を外してる奴がいて(笑)。微妙だったんで僕だけで歌いました。


Q.今後もコーラスが入る曲が出てくる可能性は?

フルサワ:そうですね。縛りは無いつもりでやっているので。もしかしたら言葉が乗るかもしれないし。コーラスが入る事で凄く肉体的になりましたね。


Q.M-9「夜が入ってくる」はアコースティックギターで録音されていますが。

フルサワ:アコギで録りたいなっていうのは元々あって。せっかくのアルバムなのでアコギでやってみました。


Q.この曲の中盤くらいから夜が入ってくる感じが凄くしました。

森:おお!

フルサワ:嬉しいですね。夜が入ってくるっていうのは自分の中に入ってくる訳じゃなくて、自分のいる環境に入ってくるっていう意味なんですよ。


Q.そういう曲のイメージっていうのは、メンバーにフルサワ君が伝えてから作るのですか?

フルサワ:伝えないですね。基本的には僕が考えたフレーズをみんなに投げて、返って来た物に対して僕はどうしようかなっていう。余りにも解釈が違うんじゃないかって思ったら耳打ちしますけど(笑)。


Q.桐山君、大丈夫?フルサワ先輩怖くない?(一同爆笑)

フルサワ:僕はどんな意見も歓迎してますよ(笑)。

桐山:僕はメロディーを考える事が多いんですけど、最初はどう弾いたら良いか分からなくて。でも最近は気持ち的にも強く提示出来るようになってきました。「こんなんどうや!」って(笑)。

フルサワ:頼もしいです(笑)。


Q.アルバムを締めくくるM-10「TOWN」ですが、混沌としている感じやタイトルから、勝手な解釈かもしれないけど名古屋のシーンを連想しました。

フルサワ:今言われて初めて自分でも気付いたんですけど、僕らにとっての「TOWN」は間違いなく名古屋なんですよね。意識しちゃってたんだと思います。


Q.名古屋シーンについてはどう思う?

森:名古屋のバンドは仲が良いっていうのもあるんですけど、みんなかっこつけてないし気取らずやっているのがまたかっこいいと思うし、自由な人が多いですよね。

フルサワ:i GOがやってる「野田ロックフェス」だったり、soulkidsの活動の仕方だったり、自分達で発信していこうとしている人が多いのに、ライブハウスが盛り上がってるかどうかっていうのは正直分からない。なんか不思議です。でも名古屋は好きですけどね。


Q.mudy on the 昨晩に影響を受けたバンドも増えてきてるよね。

森:「mudy on the昨晩の影響は大きいよ」って周りの人に言われますね。僕はcinema staffに影響を受けてる人の方が多い気がしますけど(笑)。

フルサワ:僕達が知らないだけかもね。もしそういうバンドがいてくれるなら絡んでいきたいですけどね。先輩バンドや仲の良いバンド達とも変に干渉し過ぎず良い関係でやっていると思っています。


Q.そういうのもひっくるめた「TOWN」だと解釈しました。ではこのアルバムを聴いてライブに来てくれるであろうお客さんにメッセージをお願いします。

森:アルバムを聴いてくれる人に、歌詞が無いから自由に解釈してもらって、感じるがままに自由に楽しんでもらいたいですね。心を無にしてライブに来てください。

伊藤:アルバムを聴いてからライブを見るほうが楽しいと思います。ぜひCDを聴いて遊びに来て下さい。

桐山:今回のアルバムの曲は細部まで拘って作られているので、ライブでは曲に身体を預けて楽しんで下さい。

朴木:CDとライブでは曲の表情が違うかもしれないので楽しみにしててください。

フルサワ:今までよりメッセージ性が強くなって、伝えるべき音だったりフレーズが出てきたんですね。でもライブでは盛り上がって欲しかったりするじゃないですか。メッセージを受け止めてもらう事と、音を感じて楽しく踊ってもらう事って真逆の所にあると思ってて。どっちかに分かれると思うんですよね。
インストバンドって何も考えずに音だけで楽しめるバンドもいれば、もっと哲学的なバンドもいるじゃないですか。僕達はその両方をやれたらいいなって思ってるんですよ。今回のアルバムはそのためのメニューなんです。こういう曲があるんだっていう。それを知った上でライブに来てもらいたいですね。

 

HPアドレス:http://sakuban.com/

 

mudy on the 昨晩
1st full album
pavilion
残響record ZNR-083

2010.3.3 on Sale

2,300yen (tax in)




■03/20(sat) 名古屋UPSET
 "LOSTAGE presents SOWNEN TOUR 2010"

moody pavilion tour 2010

■03/18(thu)奈良NEVER LAND
■03/22(mon)長崎DRUM Be-7
■03/23(tue)大分T.O.P.S
■03/24(wed)福岡DRUM SON
■03/25(thu)広島ナミキジャンクション
■03/26(fri)岡山PEPPERLAND
■03/29(mon)水戸LIGHTHOUSE
■03/31(wed)旭川CASINO DRIVE
■04/01(thu)札幌COLONY
■04/03(sat)盛岡club Change WAVE
■04/05(mon)仙台PARK SQUARE
■04/06(tue)郡山#9

■04/08(thu)横浜club Lizard
■04/09(fri)新潟 CLUB RIVERST
■04/12(mon)滋賀U☆STONE
■04/26(mon)松山 サロンキティ
■04/27(tue)徳島JITTERBUG
■04/28(wed)高松DIME

moody pavilion tour 2010 FINAL!!
■05/28(fri)池下UPSET【ワンマン】
■05/30(sun)十三FANDANGO【ワンマン】
■06/06(sun)代官山UNIT【ワンマン】

 


 

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