前作『THRASHING GOES LOVELY』リリース以降、活動の幅をぐんぐん広げ、08年FUJI ROCK、09年九州のF-X、同年夏RISING SUNと数々のフェスに出演し、各会場で大きなモッシュ・サークルを作り上げたRAZORS EDGE。そんな彼らの5枚目のアルバム『SONIC!FAST!LIFE!』は今までの集大成的な内容となっている。音楽的な部分はもちろん、歌詞、ライブ、活動…彼らの全てを総括したといっても間違いではないだろう。初期のTHRASH なファスト・ナンバーからパンキッシュなシンガロング・ナンバーまで捨て曲なしの全20曲29分16秒!

 

Q.ぶっちゃけ、過去最高傑作なんじゃないですか?

KENJI RAZORS(以下:K):そうだね。楽曲的にも、音質的にも、演奏のレベル的にも今までのキャリアの総括的なものが出来たっていう気がしてます。もう手応えしかない(笑)!


Q.今回、初期のTHRASHな感じの曲が多く収録されてますよね。

K:色んな女の子も好きになったけど、結局この娘だったみたいな(笑)。まぁ俺、そんなプレイボーイじゃないんだけど(笑)。


Q.それでも、色々通過してきてるから、今までとはまた違うように思いますよ。

K:前のアルバムがすごいメロディックな方向まで行ったから、次をどうしようかな、サウンド的にどうしようかなって…もう、考えちゃダメだなと思って。自分たちが今までやってきて、一番いいところを消去法で残して、やりたいモノの中で曲を作っていこうみたいな。
昔みたいな速い曲もライブでやってて楽しいし、「Mountain Mountain」みたいなシンガロングも楽しいしっていう風に自分らのポイントを一回外から見て整理してみて路線を決めていった。
今までのRAZORS EDGEのサウンドの中から引き抜いて作ってるから幅は広いと思うんだけど、すごく焦点が絞られてるっていうか…それを狙って作ったから。


Q.もうRAZORS EDGEにしか出せないものになったと思います。

K:ホント初期の初期から自分達の唯一無二感は薄々感じてやってたけど(笑)。でも、初期の頃みたいなのは真似しようと思えば真似できるかもね。でも、ここ最近のは絶対真似できひんと思う。


Q.前作『THRASHING GOES LOVELY』以降、活動の幅がグンと広がって、大きなフェスにも出るようになって色々と見方も変わったんじゃないですか?

K:大きなイベントとかフェスとか出て思うのは…。
自分がFUJI ROCKとかすごい好きで、7年ぐらい観にいってて。その中で楽しみながらも思ったのは、どんなにステージで無茶なパフォーマンス…面白い、キテレツ感を狙ったパフォーマンスをしても、結局演奏力がないっていうだけで、もう全然伝わらへん!っていうことで。ここ何年か大きなフェスを観る度に思ってた。
だから、自分たちは、突拍子もないパフォーマンスに演奏力をちゃんとつけて、音として一番後ろまで届けないと意味がないと思って。それが出来ないせいで、「THRASHやHARD COREなんて結局そうじゃん」なんてロック・ファンに認知させたくない。「THRASHとかHARD COREでもカッコイイじゃん!」「コイツ等しっかりやるじゃん!」って思わせたい。勝手にHARD CORE代表じゃないけど、「ちゃんと見せれるバンドもいるんだぜ」っていうのを提示したかった。
そういう意識が芽生えたから、前回のアルバムも、今回のアルバムもしっかり作る、しっかり演奏するっていうのを心がけたね。


Q.で、小さい会場でも大きい会場でも同じようにライブを楽しむと。

K:そうそうそう!楽しみ方はそれぞれあって、会場ごとの面白さは絶対あるから、その時の楽しさを追求するっていう。


Q.そういうのが、このアルバムに反映されてるように感じます。

K:もちろん楽曲にも出てるんだろうけど、一番は歌詞かな。歌詞に出てると思う。前回あんまり触れてなかったようなことも…。
前は「ライブでハッピーに楽しもうぜ!」みたいなメッセージがほとんどだったんだけど…。そんなことだけ言ってても、どうにもならないようなことが世の中にいっぱいあって。例えばライブでも「ダイブ禁止」とか規制があるイベントもあって。そういうものに対して「どうなんだろうな?」とか「何ぬるいこと言ってんだよ!」みたいないろんな感情が芽生えたっていうところがやっぱり。心境の変化がね。


Q.やっぱりそこでHARD COREだったんだっていう。

K:結局ね(笑)。まぁPOPなバンドではあるけど、ポップスじゃないし。ロック・バンドっぽいレベルの演奏もある程度ほしいけど、ロック・バンド…大きく見ればロック・バンドだけど、そんなに胸張ってロック・バンドっていうほどのもんじゃないから。やっぱりパンクスだなっていう。


Q.そういえば、今回から歌詞に日本語が復活しましたよね。「ギラリ」だけ日本語とか、使い方も面白いと思います。

K:これは意識的にちょっと。まぁ言葉がなくて入れたっていうところも(笑)。初期の歌詞の作り方に近いっていうか。意味があろうがなかろうが、そこにシャウトが必要であれば入れちゃえっていう。
すごい昔からRAZORSのPAをやってくれてるエンジニアさんから、「KENJIは昔日本語で歌っててすげぇ良かったのに、最近減ったな。もっと日本語歌ったら?」みたいなアドバイスもあって、ああそうだなぁって思って。まぁ歌詞作るのも日本語のほうが楽だから(笑)。チェックしてもらわなくていいし、発音も気にしなくていいし(笑)。


Q.何か歌詞にもスピード感があるんですよね。

K:やっぱ心境の変化がすごい出てるのかな?攻めたい気分になってるっていうか。
子供が生まれてから、作る曲が優しくなる人っているでしょ。でも、自分の場合全く逆で。子供が出来るまでの…仕込むまでに、LOVELYなアルバムを作ってて(笑)。子供作るぞっていうLOVELY感はそこで自分の中で表現してたのかな?っていう。子供が出来たあとに、ライブをしたり曲を作り出したりすると…「子供作っちゃったし、もう無茶でええんちゃう?」って、そういう感じになってるっていう(笑)。


Q.逆に子供がいるからこそ歌いたいこともあるんでしょうね。

K:そうだね。一番キラキラ光ってる父ちゃん見せてあげたいっていうのはあるよね。そういう意味では子供の影響もあるのかもしらんかな…。まぁカッコいい父ちゃんでいたいっていうね。POPなことやってダラダラしてるような感じに見えるんだったら、線香花火みたいでもキラキラっとしたいんで(笑)。


Q.今回は1曲目から初期を彷彿させるナンバーですしね。

K:これは意外と苦労して。今回、2回に分けてレコーディングしたんだけど、1回目が終わった段階で「1曲目がないな」ってことになって、そこから「1曲目を作ろう!」って家でトラック流しながらギター弾きまくって、何とかできた曲。


Q.そうなんですか。すごいサクっと出来たように聴こえますよね。

K:そうそう!でも、実はすごい大変で。テンポ・チェンジが3ヶ所ぐらいあったり、曲の中のリズムのムラとかタメとかをどうカッコよく表現するかっていうのをすごい…。曲作ってからも、メンバーにその感じを伝えるのに時間かかったりして。自分で頭の中に正解があるから、「まだ違う」「これじゃない」って訂正して。


Q.M-3『TRAIN TRAIN TRAIN』持ち味でもあるシンガロング・ナンバーですが、ものすごい名曲だと思います。実はレコーディング中の思い付きから生まれたとか?

K:これは意外と適当に作った曲で。実はM-19の『TRAIN(reprise)』を先に1回目のレコーディングで録ってるっていう。しかもこれの前があって。
スタジオ入ってる時に、ドラムが用事があって、先に帰っちゃって。で、3人でジャム・セッションみたいなことして遊んでて。そん時に俺がギター持って出来た曲がこれ(M-19『TRAIN(reprise)』)。「いい曲のネタ出来たね、じゃあちゃんと曲にしてくるわ」ってどんどん編曲したらこれ(M-20『I HATE WRITING LYRICS』)になったの(笑)。


Q.え?じゃあM-3『TRAIN TRAIN TRAIN』、M-19『TRAIN(reprise)』、M-20『I HATE WRITING LYRICS』は元は同じ曲なの!?

K:そう(笑)。だからコード進行は全部一緒なのよ(笑)。それをわざと2つ並べたらどうなんだろう?って。でも何度聴いても同じ元ネタとは思えない。だから、これは自分らの曲の料理能力が高いんじゃないかと(笑)。


Q. M-3『TRAIN TRAIN TRAIN』とM-19『TRAIN(reprise)』が一緒の曲っていうのは分かるんですけどね。それでも感触は全然違うし。

K:1回目のレコーディングの時に、M-20『I HATE WRITING LYRICS』を録って、時間が余って。M-19『TRAIN(reprise)』も同じコード進行だけど、メロディも全然違うし、8ビートの合唱ソングにして録ってみようと。聴いてみたらすげぇ良い曲だったから「もう一回作り直してみるわ」ってなって、作り直したのがM-3『TRAIN TRAIN TRAIN』。1つのネタから3曲生まれたっていう(笑)。


Q.M-20『I HATE WRITING LYRICS』では「歌詞を書くのが大嫌いだ」なんて歌ってるけど、実はすごく良い歌詞が多いですよね。

K:こういうのが自分らしいかなって。「言いたいことなんか少ししかないのに」って言ってるけど、その少しを膨らませて、自分の価値観と意見を伝えたいっていうね。
逆に少ししかないから、ちょっとだけ言いたいこと言って、あとは記号のような歌詞が並んでるだけっていうのはちょっと良くないと思うし。


Q.その「少し」っていうのは本当に言いたいことが凝縮されてるだけなんじゃないかと思うんですよね。

K:そう。それを色んなバージョンで表現するっていうね。表向きは違うんだけど、根本は一つのことだったりしてる。
ま、ホントはね、もっと色んなテーマで歌詞書けたらいいなっていう…だから、歌詞を書くの嫌いなんだって(笑)。だって、ラブ・ソング書けないし、政治についても直接的にはそんなねぇ…とか色々。


Q.いや、でもこのアルバムの歌詞は捉え方を変えれば、政治のことにも取れるし、日常のことにも取れると思いますよ。

K:日常の中でささいなことで、他の事と同じように怒ってるけど、これは実は政治のことですよ、っていうレベルになってるっていう。若い頃から思ってたことなんだけど、ただ文句言ってるだけじゃ…っていうのもあって。沢山の人に伝えなきゃいけないのに、言いっ放しすぎでコアな人たちにしか伝わってないなら、どんな強いメッセージでも結局それは弱いじゃんっていう。
だったら文句一つ言うにもユーモアをはさむことによって、色んな人が耳に出来る歌詞になれば余計意味があったりするのかなっていう風に思ってる。


Q.前は「THRASHのまんまでは勝負できない(笑)」なんて言ってましたけど、今はまた違う感覚になってるんじゃないでしょうか?

K:あ、そんなこと言ってた、俺(笑)?だから前のアルバムはああいう風だったんだろうね。やっぱり目標がしっかりあったから、あの時期。「次のアルバム出してFUJI ROCK出てやろう!」っていうのがあったから。
で、結局FUJI ROCKに出てみて、一番盛り上がったのは激しい曲やってるときだったかもね、ぐらいに思ってさ。だったら一番自分たちらしいアルバムを作ってもう一回出てやろうみたいな。


Q.じゃあ今はTHRASHでも勝負できる!って思ってる?

K:そうねぇ、そういう感じにはなってきてる。


Q.是非そのままで勝負し続けてほしいです!

K:(笑)ね、ホントに。古いファンや、RAZORS EDGEの名前は知ってるけど、ライブに来てなかったり、音源も聴いてない人もいると思うけど、そういう人がたまに名前だけでも見て、「すげぇな。まだやってるし、こんなところまで行ってるんや」って思ってもらえたらうれしいから。


Q.今回ALL / DESCENDENTSのギタリストStephen Egertonがミックスを担当した曲がありますが、これはどういった経緯で?

K:MySpaceを始めてちょっと経ったぐらいに彼からメールがあって。試聴で聴いてくれたみたいで、「お前らのサウンドはGOODだ!」みたいなメールが。「俺はスタジオ持っててレコーディング・エンジニアが出来るから、もし機会があったらやってみないか」って。
まぁ仕事のオファーなんだけど、個人的にすごく好きなバンドのギタリストで、音も好きで尊敬してたから、ちょこちょこやりとりは続けてて。
流石にアメリカ行ってレコーディングは出来ないんで、こっちで録ったものをデータで送ってミックスしてもらうことになってっていう流れ。


Q.実際やってもらってみてどうですか?

K:やっぱねぇ…同じレコーディングスタジオで録ったものでも、ミックスする人でこんなにも音変わるのかっていう。元の音は一緒のはずなんだけど、こうにもなるし、ああにもなるしって。ドラムの音なんてカラッカラに乾いてる音で。
マスタリングで若干バラつきは寄せたけど、ギターの音とかでも、日本ではこういう感じのギターの音鳴らんなみたいな感じがやっぱり。それがアメリカの空気のものなのか、電圧の関係なのか、それともステファンの腕なのかはちょっと謎なんだけど、やっぱり「アメリカの音って全然違うな」っていうさ。太いのに抜けがあるっていう。


Q.そんな彼がミックスした曲の中にM-18『METAL MAD』がありますが、METAL大好きなんですね!レミー(Motorhead)とエディ(IRON MAIDENの骸骨キャラクター)の名前が出てきちゃうし。

K:メタルの神様キャラクターだから(笑)。しかも全くメタルの要素がない曲でやっちゃうっていう(笑)。高校生の頃からヘビー・メタル、スラッシュ・メタル好きで。グラインド・コアもデス・メタルも好きなんだけど、全く音楽に反映できてない(笑)。俺が「メタルが好きなんだ」って言っても、みんな絶対信じないから、ここで主張しとかなイカン!と思って(笑)。けど、曲がこういう曲だったっていうね(笑)。


Q.それが面白いと思いますけどね。メタル・バンドがメタルの曲でやるより面白いと思います。

K:そこの面白さは、ウチ特有のユーモアとして。こんな曲でメタルの歌を歌うっていう。何せ『METAL MAD』は曲を作った時のインスピレーションがSCHOOL JACKETSだから。


Q.しかもそれをミックスしたのがアメリカのPOP PUNKの雄だという事実!

K:これも変な話でね(笑)。おそらく歌詞もタイトルも知らないでやってたと思うんだけど。歌詞を知って「何だよ!こんな曲だったのかよ!」って突っ込んでほしいね(笑)。


Q.名古屋のワンマンってどうでした?

K:RAZORS EDGEって名古屋は動員的に苦手だった土地で。普通、東名阪っていうと何をやっても割りと入るはずなんだけど、名古屋は人口比率的に考えても大阪や東京に比べると入らないっていう印象があった。
でも、おかげさまで続けていくうちに少しずつ入るようになってきて、遂にワンマンが出来るなと思えたタイミングがその時で。HUCK FINNの黒ちゃんも「やってくれ」「やってくれ」って言うしね(笑)。そこまで言われてやんないのもアレだしなっていう(笑)。
やってみればウチのワンマンなんだけど、名古屋っていう土地の感じが空気にも出て…ガムシャラに暴れるお客さんが多いっていうか。それがピュアな感じがしてすごく良かったね。


Q.名古屋のお客さんの印象ってどうですか?

K:RAZORS EDGEが20分や30分しかやらないようなライブでも、ちゃんとRAZORS EDGEのTシャツ着て来てくれるからすごいうれしい。この前、MUGWUMPSと行った時も全然ジャンル違うのに、ちゃんと来てくれて、ウチのライブが始まるとちゃんとウチの空気になるっていう。
MUGWUMPSの時にウチのTシャツ着て暴れてる人がいたっていうのもホントうれしい。自分たちの活動がすごい正しかったって思えるから。


Q.今回のアルバムを聴いてくれるであろう皆さんにメッセージをお願いします!

K:今回は結構ライブの一つの流れを想定して作ったアルバムでもあるんで、できるだけ沢山アルバムの曲をやりたいなと思ってて。昔の曲も、もちろんやるけど、しっかり新しいアルバムを聴いてライブを楽しみに来てほしいなと思います!

 

HP:
PIZZA OF DEATH http://www.pizzaofdeath.com/
RAZORS EDGE http://www005.upp.so-net.ne.jp/razorsedge/
MySpace http://www.myspace.com/razorsedgejapan

 

RAZORS EDGE
5th ALBUM
SONIC!FAST!LIFE!
PZCA-47

2010/3/10 ON SALE

¥2,300(税込)


RAZORS EDGE "SONIC!FAST!LIVE!TOUR"
 4/10(土)岡崎 CAM HALL
 4/24(土)四日市 CLUB CHAOS
 4/25(日)長野 J
 5/21(金)滋賀B♭

 ファイナルシリーズ:博多・大阪・名古屋
 ツアーファイナル:東京

  ※ファイナルシリーズ公演情報 2010年6月1日(火) 発表!!

 



 

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