前作『PEACE & DESTROY』より1年と2ヶ月、STANCE PUNKSが新作『ザ・ワールド・イズ・マイン』をリリースした。その内容は10周年を軽々と超えて落ち着くどころか、更に加速!過去最高に攻撃的で破壊力抜群!誰もが癒しを求めるこんな時代だからこそ、彼らの音楽が必要なんだ。甘い夢に逃げることなく、現実と戦い、痛みを伴い立ち向かう姿をしっかりと見届けてほしい。Vo.TSURUに話を聞く。

 

Q.過去最高に攻撃的で勢いのあるアルバムが出来上がったと思うのですが、今回何かテーマはあったのでしょうか?

TSURU:いつもアルバム作る時にテツシ(B)と話すんですよ。「今回どうする?」って。そこで何となくコンセプトが生まれるんですけど、大体なんですよね。10文字ぐらいしかない(笑)。いつもは「グッとくる感じ」とか「反体制」とかなんですけど…。今回はそれが「バァーーーン」擬音だったんですよ(笑)。


Q.音質もガレージィで、うるさくて、今まで以上にパンクな仕上がりだと思います。

TSURU:もう狙い通りですね!聴きやすさは無視しました。世の中が癒しに向かってるなら逆に行ってやろうと。


Q.『ザ・ワールド・イズ・マイン』というタイトルには、どんな意味が込められているんですか?

TSURU:これは昔から好きな言葉だったし、好きな漫画にもあって…。5年以上前から構想の中にはあって、それが今なんじゃないかって。


Q.ああ、漫画の「ザ・ワールド・イズ・マイン」もカタカナ表記ですしね。世界観も近いように感じます。

TSURU:俺、あの漫画がヤンサン(ヤングサンデー)でやってた頃からすげぇ好きだったんすよ。曲の構想も何年か前からあって、それを今回形にしただけっていう感じですね。あの漫画って読みづらいじゃないですか。でも異様に破壊力があるじゃないですか。それを表現したかった…今こそ爆発の時期なんじゃないかって。
世の中、今、ヤバいじゃないですか。バブルがはじけて…そんな頃なんて俺はまだ子供だったからよく分かってなかったんですよ。でも崩壊してからニュースキャスターは口開きゃ「不況」しか言わないじゃないですか。だからずっと不況っていうイメージしかないんですよ。
でも、さらにドン底なんじゃないかって思うんですよ。まだ底はあるのかもしれないけど、結構ヤバいんじゃないかって。
と、いうことはパンクロックの出るときじゃないかって思ったんですよ。今、俺たちが求められてるんじゃないかって。「辛い時代こそ楽しく踊ろうぜ!」じゃない気がするんですよ。「このヤロー!!」って言わなきゃいけない時代が来たんだと思うんですよ。だったら俺らは、今こそもっとブッ壊れたものを作るしかねぇ!って。


Q.癒してやる気なんかないと(笑)。

TSURU:全くないですね(笑)!元々、肩組んで「イェイ!」とか昔からキライなんで。「頑張れ」的なメッセージは送るけど、投げかけるだけなんですよね。それが届かないなら別にかまわないし。
無理やり煽って共感してもらうんじゃなくて、俺らはより濃いものを届けて、響くかどうかは人それぞれでいいと思う。…それに呼応してくれるヤツが、今は多いと思うんですよ。みんなが辛い中で敢えて「ワールド・イズ・マイン!」って叫ぶのはすごく面白いと思う。


Q.今、腐っちゃってる人にも、ちゃんと自分の世界があるはずですしね。

TSURU:そうなんですよ!世界を変えるっていうのは、自分を変えることなんですよね。俺たちがパンクロックをやったからって、戦争はなくならないし、差別もなくならない。自分の気持ちを歌うことは出来るけど、何も変えられない。でも、これを聴いた人が自分を変えることができたら…自分だって世界じゃないですか。
世の中にあるもの全て…木だったり、水だったり、人だったり。そういうものを世界の一部として捉えれば、自分自身も世界の一部なわけで。だから自分を変えるっていうことは、少しだけど世界が変わるってことだと思うんですよね。


Q.「今夜ブチ壊せ」の歌詞はTSURUさんの心の叫びじゃないかと思うんですが。それが楽曲と相まって心に刺さる。

TSURU:これは、もう何かやりきれなくて作っちゃったんですよ。最終的にキレちゃったらこうなるじゃないですか、人間って(笑)。
俺、深夜に一人でスタジオ入って、ジャンプして、壁にぶつかって怪我しながら曲作ってるんですけど…今回は結構壁にぶつかりました。この曲が一番ぶつかりましたね(笑)。歌詞は究極の気持ちの部分しか書いてないですしね。これ作った時に「お馬鹿さん」みたいな曲(笑)になっちゃったって思ったんですけど、今敢えてここまでやるヤツもいないだろうってことで1曲目にしたんですよね。


Q.「Cal」を聴くと忘れかけてた、忘れちゃいけなかったことを思い出します。

TSURU:俺が一番初めに衝撃を受けた人間っていうのが「ジェームス・ディーン」なんですよ。
小学生の時に、オヤジが観てた「エデンの東」で。やっぱジェームス・ディーンっていうと「理由なき反抗」のイメージが強いと思うんですけど、俺にとっては「エデンの東」が一番で。最初に観たからっていうのもあるんでしょうけどね。その「エデンの東」でジェームス・ディーンが演じてた役が「Cal」って名前だったんですよ。
自分の思春期と「エデンの東」で観た世界観って通ずるものがあったと思うんですよね。妙に粋がりたかったり、でもすごい不安だったり…。
俺らもバンド始めて12年経って、知らん間に忘れちゃう気持ちってあるんですよ。そうなると俺はいつも「エデンの東」とビートルズの「バック・ビート」を観るんですよ。今回また「俺、オジサンになっちゃいそう」と思って(笑)「エデンの東」を観て、その後で作った曲です。


Q.そういう気持ちの変化を、「進化」と捉えて良しとする人もいるじゃないですか。そこで敢えて決意表明してるのかと思ったんですが。

TSURU:俺ねぇ、多分病気っすよ「ピーターパン症候群」っていう(笑)。病院で2回ぐらい言われたことありますもん、リアルに(笑)。


Q.「イカれた世界にバースデイソングを」はメロウな曲調ではあるけど、ものすごく深い歌詞だと思います。"救いようのない化け物が 毎日人を殺してる"なんてハっとさせられるし。

TSURU:何だか問題作っぽいですよね。
人は結局心の中で人殺しをしてると思うんですよね。アイツ、マジでぶっ殺したいって思うときありますもん。その時点で、世が世なら殺せますからね。
全然関係ないけど、昔ね俺ね、歌詞に書いてあるとおりに、サンタクロースを探しに行って迷子になったことがあるんですよ。またピーターパン症候群の話しなんですけど(笑)。まだ小学校にもいってない頃で。そのせいでずっとクリスマスがキライだったんですよ。その出来事(迷子)は全然記憶になかったんですけどね。
高校生ぐらいから、クリスマスになると得体の知れない不安に襲われるんですよ。街でジングルベルが聞こえてきたり、サンタさんのかっこうしてケーキ売ってるの見たりすると何かイラっとする(笑)。この感情は何なんだろう?ってずっと思ってて。「何だよ!クリスマスにカップルがイチャつきやがって!」とかそんなんじゃなくて、本当に得体の知れない不安で。
で、3年ぐらい前に名古屋の実家に帰った時にオカンに聞いてみたんですよ、「俺、クリスマスに何かトラウマある?」って。そうしたらその話をされて。警察にも捜索願を出してたみたいで(笑)。
まぁこれは笑い話ですけど、この曲は幸せの中の不安っていうのを書きたかったんですよ。ガキの頃、遊んでて、日が暮れてきて空が赤くなってきたら家に帰るじゃないですか。帰り際に色んな家からメシの匂いがしてくる。もちろん自分の家からも飯の匂いはするし、暖かい布団もあるし、全然幸せだったんですけど…。
でも、ご飯の匂いをかぎながら、真っ赤な空の下を歩いてるのが異様に不安だった、寂しかった。そういうところから派生した曲なんですよね。そういう不安に対してもバースデーソングを歌ってあげたくなっちゃうぐらい素敵な世界なのかな?って。スゲェ切ないけど、この世界っていいなっていう。


Q.STANCE PUNKSのファンはSTANCE PUNKSがすごく強い人たちだと信じてると思うんですよ。そんなSTANCE PUNKSでも得体の知れない不安があるっていうのは、聴く者に勇気を与えるんじゃないかなって思います。

TSURU:強いと思われがちなんですよね…。でも実は俺メチャクチャ心弱いですからね。強いのは腕っ節だけ(笑)。心強くなりたいですよ(笑)。


Q.STANCE PUNKSにも弱い面もある。それでもやり続けてるっていうのが伝わると良いですよね。

TSURU:本当に俺はダメなんで(笑)。将来に不安なんか山ほどあるし…不安しかない(笑)。それでもバンドは続けていこうと思います!


Q.「ボーイズ・キャロル」シンガロングで最高です!

TSURU:俺、ホントにOi PUNK大好きなんで、こういう曲を1曲は入れたいなって思って。曲順決める時に、「イカれた世界にバースデイソングを」の入れどころに困って。途中に入れるには暗すぎるし、長すぎるだろうって。だからって最後に入れるのもちょっと…。最後にこの曲があることによってもう1周聴いてもらおうっていう。


Q.歌詞も含めて他の曲に比べると気楽に聴ける曲ですよね。

TSURU:ひたすらボーイ!ボーイ!って言ってますからね。とにかくウチは「少年」っていう言葉がよく出てきますけど…ボーカルがピーターパン症候群だからしょうがないですよね(笑)。何かこう勝手気ままが許される位置にいたいなって…忘れそうになったら少年の歌を歌おうっていう。


Q.STANCE PUNKSって破壊と創造だったり、絶望と希望だったり、表裏一体なところがあると思うんですよね。

TSURU:STANCE PUNKSのスローガンに「PEACE & DESTROY」っていうのがあるんですよ。前のアルバムのタイトルにもなってるんですけど。
とにかく体のいい夢がキライで…ウチのバンドは夢っていうのを一番大事にしてるんですよ。だけど夢っていうのは全員が叶うものではないから、現実世界にちゃんと結びついた夢しか歌わないんです。だからいつも希望と絶望だったり、光と闇だったりっていうのは常にあるんだと思います。
「信じれば夢は叶う!」って言われたら感動してグっときちゃうけど、叶わないヤツだっていっぱいいるじゃんって思うわけですよ。叶うのはほんの一握りだろうし。でも、やらなきゃ絶対に叶わないわけで。そういうところを貫いていくのが俺らのやり方なのかなって。


Q.東海地区のファンにメッセージをお願いします!

TSURU:メッセージはアルバムで全部伝えきってますんで!とにかく俺は名古屋出身だから、東海地方はえこひいきで(笑)!!!

 

HPアドレス: http://stancepunks.com/htdocs/

 

STANCE PUNKS
6th ALBUM
ザ・ワールド・イズ・マイン
Dynamord / GUDY-2001

NOW ON SALE

¥2,520(税込み)


■3月13日(土)浜松MESCALIN DRIVE
 w/LOCAL SOUND STYLE / DREX / etc

■4月11日(日)名古屋APOLLO THEATER
 w/etc(2マンLIVE)

 



 

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