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WEEZER

「ウィーザーがエピタフに移籍する」2YOU読者のみなさんならこれがどれだけぶっとんだニュースなのかお分かりいただけるでしょう。

ウィーザーは94年の1stアルバム「WEEZER」(日本盤は95年リリース)、2ndアルバム「Pinkerton」を発表すると、その独特のキャラクターと哀愁メロディーから「泣き虫ロック」と評され支持される。リヴァース・クオモ(Vo.G)の大学進学のための活動休止を経て2000年に復活、以降は初期の泣きのパワーポップ感は影を薄め、新しいウィーザーとして作品を重ねる毎に進化を遂げながらもその人気を不動のものとする。

一方、エピタフとはあのバッド・レリジョンのブレット・ガーヴィッツ(G)が1981年に設立したインディペンデント・パンクレーベル。バッド・レリジョンはもちろん、NOFX、オフスプリング、ランシド等を輩出し、最近ではロックを軸にヒップホップやトム・ウェイツ等のレジェンド・アーティスト、さらにはザック・デ・ラ・ロッチャ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)のプロジェクト等まで幅広く手がける世界最大級のインディペンデント・レーベルへと成長、パンクファンだけでなく世界中のロックファンから支持されている。

そして2010年、ウィーザーとエピタフが契約。このニュースは瞬く間にロックファンに広まり、新作への期待に世界中が震えた。そして届いた「Hurley」。まず目に飛び込んでくるのはデカデカと満面の笑みを浮かべるTVドラマ「LOST」ハーリー役の俳優ホルヘ・ガルシア。この凄まじいジャケット・デザインに笑いをこらえながらも期待と興奮でプレイボタンを押す。そこには懐かしくも新しい「泣き虫ロック」があった。今のウィーザーの勢いを体言するようなパンクナンバーM-1「Memories」でいきなりの感情爆発号泣大合唱、みんなが待ってた泣きメロ炸裂M-2「Ruling Me」、リヴァース節炸裂のメロディーを包み込むようなストリングスが涙腺を刺激するM-7「Hang On」、時代をうまく取り込んだ新しさの中にも懐かしさを感じさせるM-8「Smart Girls」などバンド史上最も生々しいロックアルバムとなった。

リヴァースはインタビューで「今はウィーザーの本当に激しくて生々しい感情の一面を見せることこそが、みんなを最高にハッピーにするだろう」と言っている。この言葉通り、過去最高にエネルギッシュでパンキッシュなウィーザーが詰まっている。こういうウィーザーが聴きたかった。こういうウィーザーを待っていた。

おかえり、僕達の大好きなウィーザー。

 

Q.今作でWEEZER史上初のレーベル移籍を行いましたが、選んだ先がインディー・レーベルであることはとても驚きでした。WEEZERほどのキャリアがあればメジャー・レーベルからも「引く手あまた」だったと思うのですが、あえてインディー・レーベルを選んだ理由は?

リヴァース:まず、ゲフィンとの契約が終結したんで、今回アルバムを自分たちで作ったんだ。で、それを持って、エピタフとのライセンス契約を結ぶことにした。彼らから凄くいい条件を出してもらったんだ。
彼らはウィーザーのことも凄く支持してくれている。それに、もともとオルタナティヴ・ロックの世界でやっているレーベルだから、僕たちも凄く居心地の良さを感じている。新しい試みなんで、この先どうなるのか見物だよ。


Q.では、今のところエピタフとは順調にいっていると?

リヴァース:そうだね。エピタフとはうまくいってる。彼らは最後のほうで契約のオファーをくれて、アルバムを完成させる上でも、いくつかアドバイスをくれた。とにかく、凄く熱意が伝わってくるし、僕たちのことを大事に思ってくれている。
ただ、当然マーケティングの予算はぐっと少なくなったわけで、どういう結果になるのかは見てみるしかない。


Q.TVドラマ「LOST」のハーリー役を起用した今作のジャケット・アートワークもインパクト大で話題となりましたが、彼の写真を起用した経緯を教えてください。

リヴァース:あるテレビ番組でホルゲ・ガルシア(Jorge Garcia:ハーリー役の俳優の本名)が楽屋に入っていくのを見たんだ。ここ、ロサンゼルスでね。ツアー中はライヴの後、いつも妻と一緒にツアー・バスの中で見ていたってくらい、僕はあのドラマ「LOST」が大好きなんだ。だから、彼と一緒に記念写真を撮らせてもらったんだよ。
で、その写真をよくよく見てみると、彼の表情がなんともすばらしいんだ。愛情と優しさに溢れていてね。で、アルバムのジャケットにしたらいいんじゃないかって思ったんだ。彼の顔に思い切りズームインして、僕を切り取ってさ。僕の姿はどこにも見えないよ。でも、凄くインパクトのあるジャケットだよね。


Q.WEEZERのアートワークは毎作風変わりなものであることも有名ですが、リヴァース自身アートワークで一番拘っていることは何でしょうか?

リヴァース:言葉にするのは難しいんだけど、見るとピンとくるんだ。頭の中の小さなベルが鳴って「これがいい!」ってわかるんだ。
僕たちのアートワークってのはたいてい・・・ うーん、どう言ったらいいんだろう・・・、拍子抜けするくらい当たり障りないっていうのか、不快なほど無害なんだよね。
1994年、例えば手足をもがれた人形だったり、衝撃的なイメージを使って、他のバンドがこぞって奇抜なアートワークを競い合っていた時代に、僕たちはメンバー4人が無表情で横に並んだ写真を使って、多くの人の癇に障ってしまった。で、今回もまた、ホルゲの写真を使ったことを不快に感じたり、憂慮する人たちが大勢いる。みんな腹を立てているんだ。


Q.本当ですか?

リヴァース:少なくともここ、アメリカではそう。


Q.凄くいいジャケットだと思いますけど。でも、奇をてらうってことも意図していたりするのでしょうか。

リヴァース:そういうわけでもないんだけど。ただ、「かっこいいんじゃないか」って思うだけで。「掟破りなことをしているってわかっているのかもしれない」と、どこかで思うときもあるんだけど、強い反響があることには毎回驚いている。


Q.1stシングルの「メモリーズ」はWEEZER史上最もアップテンポな楽曲といっても過言ではないくらいロックな曲だと思いますが、歌詞はまるで昔を懐かしんでいるかのように感じます。常に前進しているWEEZERからはちょっと意外な内容だと思うのですが、この曲で実際にWEEZERが伝えたかった内容は何なのでしょうか?

リヴァース:あの曲を書いた時っていうのは、大学にまた1学期戻って、結婚して、都会から離れて暮らすようになった時で、ストレスを溜め込んでしまっていたんだ。
バンドとの活動、ツアー生活が凄く恋しくなっていた。ヨーロッパ中をツアーして回ったときのことを思い出したりした。バスに乗って、フェスからフェスへと移動する時に見た様々な非日常的な光景を。とにかくバンドが恋しかった。だからそれを曲にしたんだ。


Q.LAタイムズのインタビューで貴方は「僕たち全員が思ったんだ。今はウィーザーの本当に激しくて生々しい感情の一面を見せることこそが、みんなを最高にハッピーするだろうってね」と語っていますが、サウンドとリリック、それぞれの面から今のWEEZERの生々しい感情がサウンド面で一番表れた楽曲はどれだと個人的には思いますか?

リヴァース:まず「メモリーズ」だよね。僕がまるで発狂した人のように叫んでいるし。もう1曲例に挙げるとすると「ランナウェイ」かな。実は曲の出だしは1998年に僕が録ったカセットのデモを使っているんだ。感情が凄く伝わってくると思った。録音状態が決していいとは言えないローファイだったにも関わらず、あの激しさが欲しいと思って、今回使うことにしたんだ。


Q.リリック面ではどうでしょうか。

リヴァース:「アンスポークン」になるんじゃないかな。あの曲を書いたときは凄く怒っていて、言葉が自然と自分から溢れ出てきた。歌い方からもわかると思う。凄く気持ちがこもっている。


Q.今作『ハーリー』は前作『ラディテュード』同様、共作陣が豪華ですが、個人的に一番好きな曲(または一番思い出に残っている)はどの曲ですか?

リヴァース:だいたい思い出すのは歌録りの時なんだよね。どんだけ楽しく歌えたかって。例えば「ホエア・イズ・マイ・セックス?」なんかは、完全に普通じゃないことを考えながら歌った。『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するゴラムというキャラクターのことを考えながら歌ったんだ。あの、醜悪な生き物をね。


Q.(笑)しかも、曲のタイトルは「ホエア・イズ・マイ・セックス?」という。

リヴァース:そうそう。(歌録りの時は)スタジオの電気を全部消して、真っ暗にして、何度も歌い直して、いろんな声色を試してみるんだ。自分にとってはこの世で一番楽しいことなんだよ。


Q.逆に、一番苦労したのはどの曲でしょうか?

リヴァース:「スマート・ガールズ」はけっこう苦労した。
第一言語が英語じゃない人にとってはあまりに些細でわかり難いかもしれないんだけど、もともとは「Hot Girls」という曲だったんだ。でも、その表現にどうしても何か違和感があったんだ。曲そのものは凄く気に入っていたんだ。メロディーにしても、演奏にしても、僕の歌い方にしても全部気に入っていた。ただ、「Hot Girls」という表現だけが、どうしてもウィーザーっぽくないという感じがして、長い間腑に落ちなかったんだ。
そして、最終的にただ「Hot Girls」を全て「スマート・ガールズ」に置き換えればいいんだってことに気づいて、そうすることで凄くウィーザーっぽい曲になった。


Q.前々作『ザ・レッド・アルバム』、前作『ラディテュード』、そして今作と、それぞれ僅か一年というスパンでWEEZERはアルバムを発売していますが、これほどまでにコンスタントに良い曲を書き続けられる秘訣はなんのでしょうか?

リヴァース:まず言っておきたいのは、どれだけ多くの曲を書くかが重要なんじゃない。「量」は何の意味もなさない。全ては「質」なんだ。
僕は…、僕たちは最高の作品を作ることをいつも目指してやっている。それにどれだけ時間がかかろうと関係ない。
でも、ここ最近は確かに、バンドとして長く活動してきたおかげで、バンド内の問題も解決することができたし、ロサンゼルスという恵まれた環境にもいる。ショーン・エヴァレット(Shawn Evarett)というすばらしい共同プロデューサーもいる。いいスタジオもあるし、機材のトラブルなんかも全くないし、スタッフも最高だ。
とにかくアイディアがたくさんコンピュータに入っているんだ。音楽でも歌詞でも何かアイディアが思い浮かんだら、すぐにコンピュータ入れて貯めておくんだ。だから、曲を作りたいと思ったときに引き出せるアイディアが山のようにあるんだよ。


Q.日本でのライヴは昨年のフジロック・フェスティバル09でヘッドライナーとしてプレイして以来となりますが、フジロックで一番印象に残っていることはなんですか?

リヴァース:確か、日本の国家を歌ったんだったけど、あれは凄く緊張したよ。曲がなかなか覚えられなかったんで、大きな紙に全部書き出して、どういうメロディーだったかわかるように注釈もいっぱい入れたんだ。めちゃくちゃ緊張したよ。でも、凄く歌いたかったんだ。日本に対する僕の深い敬意と感謝を表したいと思ったから。


Q.今作をひっさげての一日も早い来日を待ち望んでいる日本のファンへメッセージを。

リヴァース:ウィーザーは2011年に絶対に日本に行くから、またみんなに会えるのを楽しみにしているよ。

 

Rivers Cuomo / リヴァー・クオモ (vo, g)

WEEZERアルバム

WEEZER
8th ALBUM
Hurley
EICP1430

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