PICK UP INTERVIEW
WEB限定インタビュー


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怒髪天
音楽不況といわれる昨今。やれCDが売れない、お客さんが入らない、嘆き声ばかりが聞こえてくる。そんな中、怒髪天は着実にCDのセールスを伸ばし、ライブでの動員数は倍々に増えている。何故か?それはきっと彼らの”LIVE”に触れたら分かる。そこには彼らの魅力がたっぷりと詰まっている。ライブ定番曲完全コンプリートアルバム『D-N°18 LIVE MASTERPIECE』を聴けば、その魅力も分かるはず!これを聴いて是非ともライブに足を運んでほしい!

Q.あえてタイトルの意味を聞かせてください。

増子:怒髪天の十八番、No18…オハコって意味だね。ライブの定番曲を集めたってこと。


Q.”ライブ定番曲完全コンプリートアルバム”を出そうと思ったのは何故なんですか?

増子:ありがたいことに、今のタイミングで新規のお客さんが増えてるからさぁ。そういうのもあって、ライブの手引きじゃないけど…ただベスト盤だしてもつまんないから。ライブの定番曲、いつでもやってる曲が入ったアルバムを出すのが良いと思って。
俺も気になったバンドとかいるととりあえずベスト盤を…ほら歴史が長いバンドだとまずベスト盤から買うじゃない。で、この曲入ってるけど、この曲入ってないみたいなのあるじゃない。そういうのイヤだから現時点でのもの全部入れてやろうと思って。そしたら結局2枚組みになっちゃったんだけど(笑)。
ライブ来たときにいつもやる曲っていうのはさ、ライブで盛り上がるからやるっていうだけじゃなくて、自分たちにとって大切な曲だし、自分たちの言いたいことが一番入ってる曲だからこそ、ライブの定番になりえるわけでさ。そういうのを出そうよってね。で、あと新曲と再録と入れて。


Q.所謂、シングル曲をかき集めたベスト盤ではないってことですよね。

増子:そうそう、そうなんだよ。ライブでやる頻度の高いものをチョイスしてるっていうところが大切なんだよね。
今回のツアーってさ、結構初めてワンマンを見たって人が多くて。で、今回のセットリストの曲もほとんど入ってるから復習にもなるし、次のライブの予習にもなるっていうさ。


Q.CD2枚組み、全20曲で\2,500とか安すぎます!

増子:安いでしょ!ホントは1枚に納めるつもりだったんだけど入りきらなくてさ。結局2枚組みになっちゃったんだけど「値段変えないで!」って。お買い得だと思うよ。


Q.やっぱり値段にもこだわりがあったんですか?

増子:安いほうがいいじゃん!1回出した曲なんだしさ。とにかく興味を持った人に聴いてもらいたいから。


Q.改めて聴いてみると楽曲の幅広さが際立ちますね。

増子:元々、自分たち自身の振り幅が広いから。定番曲の振り幅も広くなるよね。


Q.それでもブレない統一感に感服しました。

増子:同じ店で出してるメニューだからね。作ってるオヤジは一緒だから(笑)。だから違う定食でも同じテイストがあると思うよ。


Q.こうやって並べて聴いてみて、ご自分ではどう思われましたか?

増子:ライブでもバンバンやってる曲だから、音源を改めて聴くと「元はこういう曲だったんだ」って思うね。やっぱり曲ってライブで育っていくから。それはホント感じたな。最初はこうだったんだ!レコーディングした時はこうだった!って。懐かしかったね。割と新鮮だったね。


Q.曲順はどうやって決めたんですか?

増子:これは時系列で新しいものから並べていったんだけど、2枚組みになっちゃったから軽く並べ替えたりもしただけ。色んなパターンがあって、どうしようかなと思って考えてたんだけど…あらゆるものが出来すぎちゃって(笑)。だったらもう時系列がいいんじゃないかってさ。
時系列だとDISC2のほうの頭がバラードになっちゃうから、それもどうかなってことで頭を『酒燃料爆進曲』にしただけで。


Q.ワンマンであれば、この曲全部聴けるってことも…。

増子:でもまぁ新曲もやりたいしね。このアルバムはライブに来てもらうために作って…今年はライブっていうものに立ち返って、重きを置いてね、活動していこうと思ってる。だから、CDが先じゃなくて、ライブで新曲を発表してから音源でっていう形でやっていけたらなって。
5月までに1曲でも2曲でもやろうかなと思ってる。やっぱライブだからね、基本は。「バンドやろうよ」って…「一緒にバンドやろうぜ」ってことは「ライブやろうぜ」ってことだからね。「音源出そうぜ」ってことではないからね。
今の子達は分からんけどね。でも元々はそうだったはずなんだよね。大体コピーバンドから始まってるんだから。コピーバンドで音源出そうぜってヤツはいないだろうからね(笑)


Q.そのライブなんですけど、最近名古屋ではものすごい勢いでお客さんが増えてますよね。

増子:ここ2、3年だよね。ホントありがたいよ。やってることは全然変わらないんだけどさ。2年や3年で変わるわけもないんだけど(笑)。昨日のBOTTOM LINEも即完だったからね。
なるべくさ、本来さ、売り切れないぐらいのキャパが…みんなが観れる、売り切れちょっと前ぐらいのキャパがいいなと思ってるんだけど、名古屋は予想超えてたな。


Q.お客さんの増え方がジワジワじゃなく、倍・倍できてますもんね。

増子:どどどん!って増えてるもんね。今まで全く増えてなかったからさ、これが普通なのかと思ってた。最初の頃なんてほとんどお客さんいなかったからね。やっぱりいろんなところで目にする機会が増えたっていうのがでかいと思うよ。
ライブハウスに来る層じゃないところにまで届くっていうのはでかいよ。これは本当にありがたいことだよ、かけてくれることにしても、聴いてくれることにしても。やっぱ体は一つしかないし、バンドは一個しかないからさ、名古屋に住んでて毎月ライブが出来るわけではないからさ。目にする機会が増えたおかげで沢山の人に聴いてもらう機会が増えたんだろうね。
あとはやっぱフェスだよね。そこで観た人が来てくれたりさ、うれしいよね。…まぁ言ってもさ何にも変わんないよ。1人でも10人でも何百人でも何千人でもさ。1対1だと思ってるから。伝えたいことは変わらないし、人数が多くても気圧されることなんかない。全部1人1人の集まりだからさ。


Q.ステージからお客さんを見てどうですか?

増子:ものすごい幅広いよね。中学生ぐらいの女の子から、50過ぎまでいるからさ。その数が多くなってるだけで。やっぱり基本音楽って…まぁファッションでもなんでもそうなんだけど女の子の方がアンテナ高いから、来るのは早いね。それで色んなとこで話題になってから男が来るっていうさ。そういうもんじゃない。


Q.確かに女の子は今盛り上がってるものに敏感ですよね。

増子:そういうもんなんだよね。だからそういう段階を経て、俺らの音楽って男にはより分かるものだと思うから、今のような状態になってきてるんだろうね。


Q.そうやって年代問わず、性別問わず、沢山の人がライブに来るようになった理由ってなんだと思いますか?

増子:普遍性のある音楽だからだと思うよ。俺も普通に暮らしてる人間だからさ。聴いてる人と考えてることがそんな変わんないと思うんだよね。
中学生ぐらいの子が今現在感じてることを俺も感じてただろうし、まだ60歳にはなってないけど大人になってからモヤモヤしてることであったりなんなりっていうのも全部一緒だと思う。ただ、それをちょっと面白く、時には熱く、ロックっていう音楽に乗せてやってるだけだから、伝わりやすいんだと思うよ。


Q.メッセージ性のある言葉ってどうしても聞き手を限定しちゃうと思うんですけど、怒髪天の場合は本当に誰でも共感できるところがすごいと思うんですよね。

増子:そうだな…確かに俺の歌ってることって子供に分かるのかなっていうのもあるんだけど…あれだ、ドリフって子供の方が好きじゃん。「大人って楽しそうだな」っていうさ。そういうのに近いんじゃない?「大人になりたいな」っていうさ。


Q.ここ数年のテーマでもありますしね。

増子:そうそう。DON'T TRUST OVER 30で育ってきたけどさ、それに対して自分なりの落とし前を付けたいと思って。スタイルってものを語ってないからね。カテゴライズされるようなことをしてないから。色々形を変えてさ、やってきてるじゃん。それの成果っていうかさ。所謂ロックっていうものも、2011年の今なら普遍性のあるものになってると思うんだよね。


Q.増子さんにとって「ライブ」ってなんですか?

増子:もう「バンド=ライブ」だよね。「バンドやろうぜ=ライブやろうぜ」なんだよね。バンドっていうものをさ、バレンタインデーに置き換えるとしたらさ、曲を作るっていうのは家でチョコ作ってるようなもんなんだよね、思いを込めて。ライブは渡す時なのよ。告白の場。もうなりふり構わず自分の想い伝えてチョコレート渡す場なんだから。だからその場でいかに伝えられるかっていう、一番大事な時間なんだよね。
でさ、メンバーだけじゃなくて来てるお客さんと一緒に作る空間だから、言ってしまえばメンバーの数が増えるってことじゃん。それが一緒にならないと良い空間って作れないじゃん。そうやって心開いて向き合うことが出来る瞬間ってそうそうないからね。
普通に生活してたらさ、バンドやってなかったらさ、そういうことってあんまりないじゃん。だからすごい特殊な場所だなって思うよね。


Q.やっぱりライブって大切ですよね。人によってはバンドマンではなくアーティストになっちゃって、ライブそのものをそれほど大切にしなくなっちゃう場合もあるわけですが。

増子:あのねぇ、ホントそれって思い上がりだと思うんだよね。アーティスティックに突き詰めていって、求道的に曲を作り上げていくっていうのも分かるけどね。でもそれは「バンドの中のこと」であってさ。そういうのを外に見せるのって、俺は粋じゃないと思うよ、ダサいと思う。
ものすごいストイックで、色々悩んで作ったとしても、楽しそうにニヤニヤしてやればいいと思う。それが男の道だと思う。それをさ、なんかこう神経質にやるとかさ、ホント非常識だなと思うよ。それは「その立場」「その立ち位置」に甘えてるよね。そんなんじゃ許されないよっていうさ。ビートルズぐらいのいい曲作るんならいいけどさ(笑)。


Q.そういう考え方が受け入れられてきたから、これだけ名古屋でもお客さんが来るようになってきたんでしょうね。

増子:結局、独りよがりなものってさ…音楽に限らずやっぱイヤじゃない。全部人間がやってることだから、何やったって人間が表に出るわけじゃない。俺らって、お客さんのこと考えて曲を書いたり、ライブやったりしてるわけじゃないんだよね。本当に俺らが「良い」って思えることをやってるだけで。
でもね、俺らの根底には「俺らが良いと思うものは、みんな絶対に良いって思うぞ!」っていうのがあるからね。



Q.前に怒髪天の歴史の話を聞かせていただいたときも、全く同じことを言ってましたもんね。それがあるからブレないんでしょうね。

増子:それがなきゃバンドって続かないよ。職業作家じゃないんだから、オーダーを受けて「これがいいだろう」「こんなのを作ろう」なんてやってたらさ、つまんなくてやってらんないよ。そんなだから続かないで解散しちゃうんだよ。
あと、食えなくて解散するヤツもいるけど、こちとら最初から音楽で食おうなんて思っちゃいねぇ。好きなことやるためにバイトでも何でもやりながらやってきたわけでさ。それをちょっと金になるからってみんなの望むものを作ってやろうかななんて思わない。そこは譲らんよ。


Q.そういうのは今回のアルバムの値段にも表れてますよね。

増子:まあね。あとは、この前の「夏盤」「冬盤」出したりね。完全にふざけたもの出してさ(笑)。音楽的には相当ハードルの高いことにチャレンジしてるんだけど。
『ド真ん中節』出した後にさ、あいいうシリアスで熱いものを求められてるのは分かってたんだけどさ…それだけだと照れ臭いんだよね。それだけに見られたくない。もっとふざけてることもあるんだよ、楽しいこともあるんだよっていうのも伝えたい。人間なんだから色んな面があるんだよ。
俺は別に「カッコイイバンド」がやりたいわけじゃない。「いいバンド」がやりたいだけなんだから。「カッコイイ曲」じゃなくて「いい曲」をやりたいんだよ。
まぁね、やってる人間が変わってないんだから変わんないよね。全然変わってないよ。やっと借金せずにやっていけるようになったぐらいかな(笑)。助かるなぁぐらいのもんでさ(笑)。
今ほら音楽業界不況でさ、CD売れないどうのって、収入がどうのってさ…そんなの今まで売れてた人のセリフでさ。1/5になった1/10になったなんて、それは今まで売れてた人たちが言うことで。俺たちなんて今のこの状況で、今までで一番売れてるわけだからさ。今まで全く売れなかったんだから(笑)。
喜んで500枚CD作って80枚しか売れなかったこととかあったんだから。作りすぎたな、おい!っていうさ(笑)。今は80枚よりは全然売れてるし、お客さんだって今までで一番入るようになった。
不況だなんだっていうのは、その人の受け止め方だと思うよ。俺の中では音楽不況なんて来てないよ。例え来ても働きながらやるけどさ。


Q.本当にいいバンドをやってたら届くんだと思います。

増子:そうなのかもしれないね。誰にでも分かることだと思ってやってきたし、分からんほうがおかしいと思ってた。でも、これはバンドやってるヤツはみんな思ってることだと思うよ。ちゃんと言いたいことがあってやってるヤツはさ。
言いたいこともないのにやってるヤツもいるからなぁ…雰囲気で。辞めりゃあいいのにと思うよ。まぁ趣味でやってる分には全然いいけど、同じ土俵には上がってきてほしくないな。


Q.i-Tunesでも18曲配信で、しかもCDとは曲が被っていないという。

増子:こっちはLIVEじゃなくてLIFEね。俺たちのバンド人生の中で大きな転機になった曲だしライブでやっても所謂『本懐』になってくる曲。自分たちの思い出に残ってる曲、ベストっていう呼び方をすると入れられない曲かもしれないけど、俺たちにとってはマストな曲なんだよね。
色んな音楽的な挑戦だったり、バンド人生の中での転機になった曲だったり、これは本当に大切な曲を集めたものでさ。どっちかというと暗い曲が多いんだけど、重いものが入ってるっていうかさ。初心者向けではないというか…「初めまして」っていう名刺に入れるものではないからCDとは別の形で出したかったんだよね。
これはこれで自分たちの中では非常に大切なもの。もう一つの核だよ。


Q.怒髪天を応援してくれる人たちにメッセージをお願いします!

増子:まぁ色々ね。学校行きたくないとかさ、仕事行きたくないとかさ、それはお互いあるわね。俺もそう思って育ってきたしね。何のために生きてるのかな?って思ったこともあったよ。
でも、音楽によって救われたっていうかさ、その想いが燃え上がったっていうのもいっぱいあって。それがあるから今まで続いてきたっていうのもあるからさ。これ聴いてさ、きっと俺らとリンクすることもいっぱいあると思うんだよね。
その想いを持ったままライブに来てほしいな。その想いが燃料になって燃えるから。ドーンッって。間違いなくドーンッってなるから、是非ライブに来てほしい。何を思うかは分からない、人それぞれだからね。だけど、何かしらこう自分を多少なりとも肯定できるものを渡すことは出来るんじゃないかなとは思うね。


Q.何とかチケットを入手して来てもらいたいですね!

増子:なるべく売り切れない場所を選んでやるからさ!

 

【HPアドレス】
http://dohatsuten.jp

アルバムタイトル

怒髪天
NEW ALBUM
D-N°18 LIVE MASTERPIECE
TECI-1301

2011/3/23 ON SALE

(2枚組) \2,500(税込)

怒髪天 LIVE LIFE LINE TOUR

■5/18(水) 浜松MESCALINDRIVE
■7/8(金) 名古屋CLUB DIAMOND HALL
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