PICK UP INTERVIEW
WEB限定インタビュー


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cinema staff

地元である愛知・岐阜を離れ、活動の地を東京に移したcinema staffが遂に初のフルアルバムを完成させた。これまでに3枚のミニアルバム、1枚のシングルを残響レコードより発表してきた彼らだが、作品を重ねる度に着実に経験値を積み、今作でバンドは確実に覚醒した、新しいcinema staffの始まりを宣言するような「白い砂漠のマーチ」、7分を超える超大作「海について」など、今までのcinema staffの枠を超えた全11曲。こんなにもエモーショナルなのにこんなにもポップ。このアルバムはcinema staffの発明かもしれない。

Q.物凄いアルバムが出来たね。

三島:ありがとうございます。今までで最高のものが出来たと自分達でも思っています。


Q.その自信はセルフタイトルにも表れているよね。

三島:そうですね。実はセルフタイトルにするかどうかはアルバム制作の中盤くらいまでは迷ってたんですよ。でも段々曲が揃っていくに連れて、セルフタイトルを冠するのに相応しいアルバムになっていったんですよ。それでメンバーにも相談して。

久野:最初は三島が「セルフタイトルでいかない?」って言ってたんですけど、レコーディング終盤にはみんなが自然とそう言っていましたね。


Q.今作の楽曲はいつ頃から制作してたの?

三島:去年の7月に「Blue,under the imagination」をリリースしたんですけど、その次のスタジオからもう今回のアルバムの楽曲の制作に入ってましたね。M-10「どうやら」だけ古い曲なんですけど、他の曲はこの1年間で作った曲です。


Q. アルバムの構想はいつ頃から?

三島:今回は何も考えずにまず曲を作ったんですよ。今までが割とコンセプチュアルな面を出していたんですけど、僕らはころころ思考が変わるバンドなのでフルアルバムの規模になると作っているうちに曲の方向性もバラけていくんだろうなって思ってたんですよね。だから敢えて何も考えずに曲を作っていったので、アルバムのイメージも今回は特に無かったんですよ。


Q.でもそうやって曲が揃ったときに、結果的にはテーマが一貫しているように感じました。

三島:そうなんですよね。思いの外、一貫性はありましたね。

飯田:一貫性もありながらしっかりバラエティにも富んでいると思いますね。今回はちゃんと振り幅もあるし。

三島:振り幅がある中で、新しいcinema staffらしさが出せたと思うんですよ。今までやってこなかったことに挑戦してもしっかりcinema staffの良さが出てるのは全曲通して一貫している気がしますね。


Q.新しいことに挑戦していくのには何かきっかけがあった?

三島:今までは僕が指揮をとる曲が多かったのが、段々メンバーに任せる幅が拡がっていったのが大きいですね。M-1「白い砂漠のマーチ」とM-3「skeleton」がターニングポイントだったんですけど、この2曲が出来たときに久野のドラムとか「よくこんなドラム叩くな」って思いますしね(笑)。

久野:ありがとう(笑)。

三島:スタジオで何気なく合わせている中で「それ良いじゃん!」ってフレーズを採用出来る自由度も今のcinema staffにはあるんですよね。

久野:よりバンドらしくなったと思いますね。

三島:そうだね。今は僕から提案する曲の中に余白の部分を増やしていくやり方が僕も楽しいなって思ったんです。


Q.その余白をメンバーで埋めていくっていう。そういう意味でもセルフタイトルはぴったりなのかもね。

三島:まさにその通りですね。


Q.楽曲とボーカルのバランスも面白いよね。曲は凄く凝っているし難解なものもあるんだけど、そこに飯田君のボーカルが乗ることでめちゃくちゃポップになる。だから頭で考えずに身体で聴けるっていうか。もしかしたらこれはcinema staffの発明なんじゃない?

全員:おお!!

飯田:嬉しいですね。

久野:演奏は本当に好き勝手やってるんですよ。メロディーは完全に三島が作るんですけど。

三島:やっぱり僕は考えて聴かなきゃいけない音楽はやりたくないんですよ。僕から出てくるメロディーはどうやってもポップだし。その絶妙なバランスが良い方向にいっているのかもしれないですね。


Q.飯田君の歌の表現力もより拡がったよね。

飯田:上京して色んな人に出会って、歌うってことを考えたんですよね。それで曲によって歌い方を変えたりしたので、そう感じてもらえたら凄く嬉しいです。


Q.歌も演奏も、みんなが楽しんでやってるのが凄く伝わってきます。

久野:制限が無くなったんですよね。有り無しの幅が昔とは全然違うんです。昔は無しだったことが今は全然有りだったりするんで)本当に楽しいです。

三島:やっぱり楽しんでやらなきゃ意味がないんですよね。そこはバンドとしての真面目さとかストイックさとは別のところで楽しめばいいんじゃないかって。


Q.あとcinema staffの面白いのはその時その時のメンバーの聴いてる音楽が独自のフィルターを通して曲に反映されるとこだと思います。みんな、めちゃくちゃ音楽聴いてるでしょ?

三島:聴いてますね。みんなバラバラなんですけど音楽はよく聴いてます。曲作りの時も具体的なバンド名を出したりしますからね。例えばM-6「super throw」は僕が「この曲はLOSTAGEで!」って言うんですよ。それで最初はそれっぽい感じなんですけど、作っていくうちにメンバーそれぞれの解釈でフレーズを持ち寄ったりするから妙にオリジナルな曲が出来たりするんですよね(笑)。

久野:面白いです(笑)。


Q.じゃあアルバムの話を訊きたいんだけど、テーマが特にないと言いながらも凄くドラマ性があるアルバムだと思いました。

三島:最初は意識してなかったんですけど結果的にドラマ性は出てますよね。でも制作後半でM-11「海について」という曲を作り始めた頃に少し意識し始めたかもしれないですね。自分の中で砂漠から海へ進んでいくイメージがなんとなく出来てきて。

久野:アルバムを作りながらイメージが出来ていくことが今回は多かったですね。「海について」が出来てからアルバム全体が見えた感じもあります。


Q.その「海について」だけど、この曲は確実にバンドがネクストステージに突入したことを見せつける超大作だよね。

久野:自分達でもこの曲が出来たときにちょっと思いました(笑)。


Q.それこそさっきから言ってる無かったことを有りにするっていう意味では、この曲はまさにだよね。

三島:そうですね。ハーモニカも入ってますしね(笑)。

飯田:ギターも重ね過ぎだし(笑)。

久野:イントロの原形は昔からあったんですけど、その頃は「無し」だったんですよね。それでお蔵入りになってて。

飯田:ある日いきなり久野が「こんなのあったね」って車で聴き出したんですよ。

久野:「今ならこれ出来るじゃん」って。


Q.1曲の中に何曲も入っているような構成も面白い。

三島:アルバムの最後に相応しい大作を作りたかったんですよね。それで曲を作っていくうちにどんどん妄想が膨らんでいって、章仕立ての曲になったんですよ。ただ長い曲はあまり好きじゃなくて、同じことを繰り返すなら3分くらいで終われば良いと思うんですよね。だからこの曲も色んな曲が合体したような大作になりました。


Q.これだけの大作が最後の最後でアコギだけで終わるあの瞬間が最高でした。

飯田:うわぁ。聴いてくれてるなあ(笑)。その話をしても他のインタビュアーさんから反応がなかったのに、そっちから言ってくれるなんて。本当に嬉しいなあ。

三島:あれはエンジニアさんのアイディアなんですよ。全員ハッとしましたからね。

久野:しかも後から気付いたんですけど1曲目の「白い砂漠のマーチ」の頭と同じコードなんですよ。ループ感半端ないです(笑)。


Q.「白い砂漠のマーチ」は新しいcinema staffの始まりを宣言しているような曲だよね。

三島:この曲が出来たことで自由度が増したんですよね。この曲から僕らが新モードにシフトしていった感があるので、この曲が出来たときは感動しましたね。

久野:確実に世界が拡がったきっかけの曲ですね。
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Q.M-3「skeleton」の「僕達はうまくやれる」っていう歌詞は、結構衝撃でした。

三島:そうですよね。僕はどちらかって言えばポジティブではなくて、「大丈夫かな?」って不安に思っちゃうタイプなんですよ。でもそんな自分が嫌で、自分を奮い立たせるために書いた歌詞なんですよ。こういう歌詞を書いたのは初めてです。
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Q.M-5「You Equal Me」のリズムも新しいよね。

三島:はい。僕のお気に入りの曲です。

久野:これも「白い砂漠のマーチ」が出来たことでやれるようになったタイプの曲ですね。昔だったらやれなかったと思います。
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Q.この曲だけじゃなくて今回のアルバムのリズム隊からは海外のエモの影響をかなり感じます。Braidっぽい感じとか。

久野:まさにBraidを意識してます(笑)。
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Q.あ、やっぱり。でもそうやってcinema staffを形成する様々な音楽のエッセンスを取り入れて、その音楽をリスナーに伝えていくのはcinema staffの使命だとも思います。

久野:僕もそう思います。僕らきっかけでBraidとか聴いてくれたら嬉しいです。

飯田:それは一番幸せです。僕らがそうだったんで。

久野:そうやって恩恵を受けて音楽を聴いてきたから僕らもそうありたいですよね。
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Q.M-8「実験室」は物凄くエモーショナルな楽曲だよね。

久野:これも原形は昔からあったんですけど、その頃はあまりにもエモすぎるかなって(笑)。

飯田:あの頃じゃこんな壮大な終わり方には絶対にならなかったと思います。


Q.中盤のアルペジオからの「さあ今〜」の流れは鳥肌が立つ。

飯田:あそこ鳥肌立ちますよね(笑)。

久野:あそこの歌詞も最初は違ったんですよ。最初に三島が原曲を持ってきたときは葬式かと思うくらい暗かったんです(笑)。

三島:仮の歌詞はどん底まで落ちる歌詞でしたね。それで歌詞を書きなおしたんです。昔ならそのままでOKだったと思うんですけど、今は最終的にはポジティブなことを歌っていたいと思うようになったんで。
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Q.そういうモードになったのは?

三島:ポジティブを発信した方が自分達もポジティブになれることに気付いたんですよね。
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Q.M-9「錆のテーマ」のような優しい面もあり。

久野:こういう曲も今なら恥ずかしくないんですよね。

飯田:頭のワウの試みもこの曲を軽やかにしているかも。

三島:それも思いつきなんですよね。だから本当にレコーディング中にも楽曲は成長していくんですよ。


Q.そうやって楽曲の変化すら楽しんでいるように感じるのはやっぱりバンドの状況が良いから?

三島:そうだと思いますよ。

久野:このアルバムを作ったことで自信が確信に変わりましたからね。
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Q.それは頭で鳴ってる音楽の再現率が高くなったことも関係してるのかもね。

三島:それは大きいですね。やりたいことを表現できないフラストレーションはあまりなくなりましたからね。
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Q.ではアルバムを聴いてくれる人にメッセージを。

三島:先入観なく聴いて欲しいですね。フラットな気持ちで聴いて頂ければ。確実に響くと思っていますので沢山の人に聴いて欲しいです。

久野:「cinema staff始まったな」って思って聴いてください。まだまだ面白いことやってくんでこの先にも期待してて下さい。

飯田:全曲通して聴くことで深まるアルバムだと思っているので、聴いてくれる人の大切なアルバムになってくれたら嬉しいです。

辻:僕らがどんな音楽を聴いて、どんなバンドに影響を受けているかを、アルバムを聴いてくれた人が考えて元ネタを当てて欲しいです。


Q.ワンマンツアーも楽しみにしてます。

辻:初めてのワンマンツアーだし初めてライブで演る曲も多いのでどんなライブになるか僕達もまだわかりません。来てくれるみなさんもワクワクしながら来てください。喋りではよく怪我するけどライブでは怪我しないように頑張ります!

 

cinema staff:
BASS: 三島想平 
GUITAR+VOCAL: 飯田瑞規
DRUMS: 久野洋平
GUITAR: 辻 友貴

【HPアドレス】
http://www.cinemastaff.net/

アルバムタイトル

cinema staff
1st full album
cinema staff
ZNR-108 / 残響record

NOW ON SALE

¥ 2,500 (tax in)

LIVE SCHEDULE

●1st full album「cinema staff」リリースワンマンツアー
 two strike to(2) night〜日本シリーズ〜
 2011.07.24(Sun) 名古屋 CLUB QUATTRO

●ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011
 2011.08.05(Fri) 国営ひたち海浜公園

●TREASURE05X 2011
 2011.09.10(Sat) 愛知ラグーナビーチ

●残響祭7th ANNIVERSARY
 2011.09.17(Sat) 名古屋CLUB QUATTRO

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