PICK UP INTERVIEW
WEB限定インタビュー
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NUKEY PIKES

2011年3月に起きた、未曾有の大災害。
その被害は留まる事を知らず、二次的、三次的な被害を生み出している。
核の拡散。それによる農業、漁業の被害。流通への障害。
そんな中、90年代インディーシーンの「真の」核のひとつとも言えるバンド、NUKEY PIKESの作品が続々と再発されている。
活動方法や表現としての音楽を突き詰めていったNUKEY PIKESは、間違いなくその後に出て来るインディーシーンのバンド達に深い影響を与えた。

それまでのハードコアとは違った、新しい価値観としての「ハードコア」の提示。
時にストイックに、時にブルータルに、時にモダンに音楽を操りながら、その全てをPOPなフィルターで濾過してドロップする。
アプローチは形骸化する前の(いい意味での)カオティックな真のミクスチャー。
その上に乗る、ジョークを交えた上での啓発的な歌詞。

記念すべき1st ALBUMの1曲目、「NUKED UP BLUES」ではこう歌っている。

「原子力発電に対して反対の意見を持っていても日々の生活でそれを使用していれば、つまりその人は、賛成である立場の人と同じことになる。」
(1st ALBUM"NUKEY PIKES〜NUKED UP BLUES〜")

ここで原子力の事を論じる事自体が主旨と変わってしまうので割愛するが、この日本の状況の中でこのアルバムが再発されるという意味は、かなり大きい。
NUKEY PIKESは、答えを言わない。
押し付けない。
その詞はあくまで希望であり、問いかけであり、提案である。

2nd ALBUM「NO POINT」。
前作のカオティックなミクスチャー的アプローチも残しながら、その核はより磨かれて行く。
1曲目の「NEW PEACE」は解散ライブをレコーディングした最後の音源「SPLIT DESERT」の最後にも収録され、中間部のフリーセッションパートの緊張感はこのアルバムのバージョンをベースにより高まっている。
また「BLOOM」「夏の逃げ水」「GAIN FROM THE QUESTION」など日本詞も増え始める。
前作まであったジョークの部分は徐々に影を潜め、よりシリアスでメッセージ重視な内容へとシフトしている。
中でもNUKEY PIKESのアティテュードを一番表している歌詞はこれだろう。

「世の中を悪い悪いといいながら夢へと努力する事よりも努力する自分を『知』にたとえ一つの『知』として人に選択を与える」
(2nd ALBUM”NO POINT〜理想郷〜")

個人的には、この部分には全身を貫かれる様な衝撃を受けた。
主観的な(盲目的と言ってもいい)価値観を「重たいぐらいに押し付ける」事こそがロックであると思い込んでいた自分と真逆の方法論。
価値観を「提案する」事によって、新たな選択肢を与えるという事。
力による圧政でもない。
口車に乗せる詐欺でもない。
表現者自身がメッセージであり、誰もそれを強要する事などしないし、それをしてはならない。
これはロックやパンク、ハードコアといった括りを越えて人間として他者と交わる上での究極、言わば誰でも表現者であるし誰でもメッセージを持っているという事である、と自分は解釈している。
この歌詞以上の包括的な表現などそうそうはないだろう。

その流れの下にでリリースされた3rd ALBUM「CONSUME」。
自らのレーベル「SURGE DRIVE」からリリース。
環境に配慮したジャケットは、プラスチックを一切使わないオール紙の仕様(オリジナルのみ)。
歌詞は全て日本語。
あえて対訳の英語も掲載。
サウンドエンジニアもメンバーとして迎えた5人体制。
全てが限界まで研ぎ澄まされた、名盤中の名盤。
形骸化した「歌詞」ではなくもはやメッセージでしかないその内容はポリティカルでシリアスでシニカル。
ジャンルやスタイルやカテゴライズを全て超越した完全に唯一無二の存在感は、もはや圧巻。
NUKEY PIKESで人気があるのは1stや2ndだが、個人的に絶対的なNUKEY PIKESとはこのアルバムだとあえて断言したい。

「自分」というフィルターを通じて、世の中にどんな影響を与えて行くか。
信念の中にある「芯」をいかに研ぎ澄ませて、人に選択肢を与えるか。
「存在の共鳴」を信じ、それぞれの未来への知の布石となり得るか。
その上で、世の中をどう良くして行くのか。

大事な事は、全てNUKEY PIKESに教わった。

これからも続々とブート盤やレア盤がリリースされる。
スタイルだけの「ハードコア」に飽き飽きしている若者にこそ、NUKEY PIKESに触れて欲しい。
あなたがこの世の中に対してどうするべきかの指標の一つが、ここにある。

そしてきっとあなたが望んでいる「核」が、ここにある。

TAKASHI ENDO(GOOFY'S HOLIDAY)

アルバム・ジャケット

NUKEY PIKES
1st ALBUM(再発:1991年作品)
NUKEY PIKES+NUKEY IDEA
YOUTH-122

NOW ON SALE

¥3,150(税込) / ¥3,000(税抜) YOUTH INC.

アルバム・ジャケット

NUKEY PIKES
2nd ALBUM(再発:1998年作品)
no point+new piecesI
YOUTH-125

NOW ON SALE

¥3,150(税込) / ¥3,000(税抜) YOUTH INC.

アルバム・ジャケット

NUKEY PIKES
3rd ALBUM(再発:1998年作品)
consume+new piecesII
YOUTH-126

NOW ON SALE

¥3,150(税込) / ¥3,000(税抜) YOUTH INC.

アルバム・ジャケット

NUKEY PIKES
4th ALBUM(再発:1998年作品)
The SPLIT DESERT(CD+DVD)
YOUTH-123

NOW ON SALE

¥3,150(税込) / ¥3,000(税抜) YOUTH INC.

詳細:株式会社ユース
http://www.youth-inc.co.jp
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