PICK UP INTERVIEW
前のページに戻る
空中ループ

今、確実に注目されている京都シーンを代表する空中ループが結成5年目にして初のフルアルバムを完成させた。「Walk across the universe」というプロジェクトのもとにプロデューサーに大谷友介(Polaris、SPENCER)、エンジニアに益子樹(ROVO)を迎えた最強の布陣で制作された今作は3月のトレモロイドとのスプリット盤「トレモロループ」、7月の「Walk across the universe EP」に続く第3弾として発表された空中ループそのもののような渾身のアルバムとなっている。彼らが5年間かけて辿り着いた普遍的なミュージックを受け止めて欲しい。

Q. 遂にフルアルバムですね。

松井:やっとですね(笑)。

和田:結成5年目にしてやっとフルアルバムを出せました(笑)。


Q. まず7月にリリースされた「Walk across the universe EP」が、それまでの空中ループとはかなり変化した作品でしたが反響はどうでした?

松井:それまでとはガラっと変わったので色んな反応はありましたね。

和田:EPにも今回のアルバムにも入っている「ステレオ」をライブで演ったときのお客さんからの反応とか凄くて。「ステレオ」は大谷さん(プロデューサー)がやってたLab LIFeのカバーなんですけど僕らにとって凄く重要な曲なんですよ。

松井:「ステレオ」からライブでのパフォーマンスも魅せるパフォーマンスをするようになったり、僕らの意識もかなり変わりましたね。


Q.僕は「Walk across the universe EP」 のリリース前とリリース後でライブを観させてもらったんですが印象は全然違いますもんね。

松井:だと思います。それも全て「Walk across the universe」っていうプロジェクトがあったからだと思いますね。


Q.EPのときも訊いたけど、やっぱり大谷さんと益子さんの存在が大きい。

松井:はい。自分達だけでやってた頃とは違う世界というか。自分達が出来ないようなことにトライ出来たり、観れなかった世界に飛び込むことが出来ましたね。それがライブにもかなり影響したと思います。かっこつけてても伝わらないんじゃないかって思ったり、よりお客さんに向かうようになったり。裸でぶつかるというか、芯の部分で届けたいなって思うようになりました。お客さんも僕らのライブで解放してくれてる気がするんですよ。日頃悩んだり迷ったりしていることを解放しにライブに来てくれる。今は凄く芯と芯で繋がっている気がするんです。

和田:このアルバムが完成したことでよりそう思うようになりましたね。


Q.アルバムの制作はかなり大変だったと伺いました。

松井:大変でしたね(笑)。最初はいつものように僕ひとりが曲を作ってたんですけど、ほとんどボツになったんですよ。それでメンバーも書くようになって。最終的にはアルバム用に70曲くらい作ったんですよ。


Q.70曲!?

松井:はい。断片的なものも含めて70曲以上作りましたね(笑)。

和田:レーベルオーナーの加藤さんの指令で、フルアルバムを作るなら70曲の中から10曲を絞り込んだほうがバリエーションがあるってことで1ヶ月でキラーチューン10曲を含む50曲作れっていう凄い指令が出て(笑)。

松井:でもそのおかげで新しい視点でバンドを見れましたね。それだけ沢山曲を作って自信のある曲でも客観的に聴いたらボツになったり、逆に自分達ではそこまでじゃなかった曲をピックアップしてもらった結果、バンドにすごくはまったり。面白かったですね。

和田:加藤さんに「松井だけじゃなくてメンバー全員が自分の中にある全てをバンドに出さないと、それはメンバーとして怠慢だ」って言われて。それでメンバーも曲を書くようになったんです。


Q.松井くんはメンバーが作った曲を歌ってみてどうでした?

松井:不思議と歌い始めたら自分の作った歌のように歌えましたね。今までは僕が自分で溜めてきたアイディアや楽曲をメンバーに提案していたし、あくまで「松井省悟」が中心にあっての空中ループだったんですよ。でも最近はメンバー全員が同じ立場で楽曲を作っている感覚なんですよね。自分の曲から自分達の曲へ感覚が変わったというか。


Q.和田くんは自分の楽曲をバンドに持ち込んでみてどうですか?

和田:これまでの空中ループは「松井省悟の空中ループ」が前提にあって、それを僕らメンバーがサポートしているイメージだったんですよね。松井のイメージした音楽を僕らがどれだけ再現できるかっていう。そういうやり方で自主で2枚のミニアルバムを作ったんですけど、また同じような手法で音源を作っても今まで以上のものは作れないなって思っていたんです。松井以外のメンバーも曲は作れるんで、それを空中ループに反映したときに一気にバリエーションが広がったし、凄く新鮮でした。例えば僕の作ったコード進行に松井のメロディーが乗ることで今までとは全く違った楽曲が生まれたりしたのは面白かったです。

松井:僕は自分自身の世界観も一回疑ったんですよ。自分自身を変化させたいって思ったんです。今までの空中ループを否定するわけじゃなくて、同じことを繰り返すのは面白くないなって。ひとりでやっているんじゃなくて4人で空中ループなんだなって。


Q.空中ループが空中ループになったのかもしれないですね。

松井:まさに。改めて空中ループって何なんだろうってことを考えたレコーディングだったし、自分達の芯や、今までやってきた音楽や引き出しを全部出して開放して作った作品なんですよね。空中ループ自身の集大成なんです。だからアルバムタイトルもセルフタイトルしか思いつかなかったですね。


Q.確かにメンバー全員のルーツは出てますよね。M-1「SKYLINE」の和田くんのギターとか。

松井:ギターソロは完全に和田のルーツ全開ですからね(笑)。

和田:今までだったら松井の世界観を壊さないようにたぶんこういうギターは弾かなかったと思います。でも僕のギターも、僕のルーツも空中ループの一部だからって思えるようになったから今回は遠慮してません(笑)。


Q.空中ループらしくないはずのギターソロを入れたことで、逆に空中ループらしくなった印象もあります。

和田:そうなんですよね。それが凄く面白いなって。もしかしたら今までは周りのバンドを意識しすぎてたのかもしれません。同じシーンにいるバンドを参考にしたり意識して「こういうギターは無いかな」みたいな。でも自分のルーツを出せた自信もあって面白いものが出来たのかもしれません。

松井:こういうそれぞれのルーツを出せたのは大谷さんと益子さんと一緒にやれたのが大きいですね。何をやっても大谷さんと益子さんが空中ループの音に導いてくれるたんです。


Q.そうやってメンバーのルーツをガンガン出してきてるのに、ちゃんと一番前に出てるのが松井くんの歌なのが面白いです。

松井:そこは本当に目指してたので嬉しいです。何をやっても空中ループになるっていうのは意識してましたね。

和田:メンバーのカラ―はどんどん出しながらも、松井の歌を活かすっていう空中ループの元々の軸や方向性は変わらないですからね。

松井:そうやって楽曲を作っていく中で自分の歌というものを改めて考えたりもしましたね。


Q.そういう心情が推し曲でもあるM-11「言葉では」に繋がりますね。

松井:そうなんですよ。今回、自分が何で歌を歌っているのかを凄く考えたんです。自分は言葉で気持ちを伝えることが得意じゃないし、思春期の頃も決して人気者じゃなかったんです。そうやって段々内にこもっていく中、それでも誰かと繋がりたいとか、誰かに伝えたいことがあったから今歌っているんだと思うんですけど、そういう自分の歌い手としてのルーツと直結しているのが「言葉では」だなって。


Q.松井くんが音楽で表現する意味がここにあるのかもしれないですね。

松井:はい。それに、コミュニケーションでうまくいってたら音楽はやってなかったと思いますね。生みの苦しみは辛いですしね。でも僕は音楽でしか表現できなかったし、だから僕は歌うんだと思うんです。


Q.そういう闇を切り裂くから 出会えることがあるんだって「言葉では」からM-12「FUTURE」の流れで凄く感じました。これが空中ループの音楽だと思います。

松井:そんな風に伝わっていたら本当に嬉しいです。ありがとうございます。


Q.空中ループそのもののようなアルバムですね。

松井:これが空中ループだって言える作品が出来ましたね。空中ループでしか出せない音をしっかり出せてると思うので是非聴いて欲しいです。純粋な僕らの音が詰まっているから聴いてくれる人にもしっかり伝わると信じることが出来るアルバムになったと思っています。

和田:流行とか関係なくいつでも聴けるアルバムにしたかったんですよ。そういう意味でも普遍的なものを作れたかなって思います。

松井:何かテーマがあったわけでも、何かに捉われたわけでもなく、本当に自分達を開放した作品です。だからこそ空中ループそのもののようなアルバムが出来たんだと確信しています。

 

空中ループ:
さとう かおり(Dr) 松井 省悟(Vo..Gt) 森 勇太(Ba) 和田 直樹(Gt)

アルバムタイトル

空中ループ
1st full ALBUM
空中ループ
WRCD-53  税込¥2,520

NOW ON SALE

LIVE SCHEDULE

■11/4   名古屋ロックンロール(自主企画)
■11/13 タワーレコードNU茶屋町店
■11/16 心斎橋JANUS
■11/18 新宿MARZ(自主企画)
■11/19 徳島Crowbar
■11/26 京都VOXhall
■12/6 北堀江Club vision
■12/10 尾道JOE BOX
■12/11広島mugen5610
■12/13 札幌SOUNDCRUE
■ 12/14 札幌mole

前のページに戻る
2YOU MAGAZINE編集部
〒453-0837 愛知県名古屋市中村区二瀬町153 ニルヴァーナ101号室
Tel: 052-485-5993