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THE MIRRAZ

2011年、「観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは」「ラストナンバー」と立て続けにリリースされたシングルは、明らかに今までのThe Mirrazとは違うモードで制作された楽曲だった。そして2012年1月に発表される4枚目のアルバム「言いたいことはなくなった」はその衝撃的なタイトルから様々な憶測も呼ぶほど。そして気になるこのアルバムは蓋を開けてみれば「単純に良い曲をつくること」に拘った最高のロックンロールアルバムだった。確実に何かは変わった、だが決して本質は変わっていないThe Mirrazの「今」をこのアルバムと彼らのライブから感じて欲しい。

Q.「観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは」と「ラストナンバー」はこれまでのThe Mirrazとは雰囲気の違う曲でしたが反響はどうでした?

畠山:やっぱり「The Mirrazは変わった」って言われたけど、ライブでやってみるとあまり気にならなかったですね。でも受け取り方の種類は変わったのかもしれないです。「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」とかでモッシュしてたお客さんが、「観覧車〜」や「ラストナンバー」ではステージに向かって盛り上がってる感じ。一体感っていうか。お客さんの反応はライブでしか分からないから、ライブでやってみて「あ、今までと反応違うな」くらい。


Q.アルバムタイトルも衝撃的ですが。

畠山:タイトルを発表したときはマイナスにとる人が多かったですね。最初は「Rock Steady」ってタイトルにしようと思ったんだけど、完成したアルバムを聴いたらこっちじゃないなって。でも「言いたいことはなくなった」ってタイトルが深い意味を持ってるかっていったら、それは受け手がどう取るかだけなんで。やっぱり「The Mirraz解散?」みたいな声もあったけどアルバム聴いてもらえればそこはわかってもらえるだろうなって。


Q.曲調が変わったのは明らかだと思うんですけど、本質はなにも変わってないような気がします。

畠山:俺もそう思うんですけどね。よく「誰も言わないことを歌ってる」って言われるけど言いたいことを言ってきただけで、例えば「check it out!check it out!check it out!check it out!」は曲が出来ないって歌ってるだけだし、「Make Some Noizeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!」は印税が入ってこなくてムカついてるだけの歌だし。「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」なんてCANの「Monster Movie」のジャケットのモンスターみたいなのを使いたかっただけのある意味ギャグみたいな曲だったんですよ。でもメッセージ性の強いバンドって言われるようになって。


Q.インパクトが強烈すぎたのかもしれないですね。

畠山:ああ、イメージが出来あがってるのかもしれないですよね。The Mirrazって、アークティック・モンキーズにヒップホップを足したものをやろうと思ってたんですよ。ヒップホップの定連句の「check it out!」をアークティック・モンキーズみたいなリフで歌ったら面白いんじゃないかって。そいう音楽としての「曲」を完成させるために歌詞を書いてたんですよね。例えばヒップホップだったら、お金の歌とかタブーの歌があるじゃないですか。そういう「雰囲気」を作るために歌詞を書いてたんですよ。俺って、激しい曲に優しい歌詞とか、逆に優しい曲に激しい歌詞とか、あまり書けなくて。言いたいことやメッセージが先にあって曲を作るのがあまりないっていうか、やりたい曲を作ったあとにそれに合うイメージの歌詞を書く方が多いから。


Q.今回ラブソングが多いのも、今やりたい音楽に合うのがラブソングだったっていう。

畠山:そうそう。今やりたい音楽がこういう感じだったから。最近だとザ・ヴァクシーンズはでかかったですね。去年の夏くらいからジェイミー・ティーとかケイティ・ペリーとか明るいのも聴いてて、2011年のはじめくらいにザ・ヴァクシーンズが出てきて、自分もこういうのがやりたいなって。それで雰囲気重視で歌詞を書いたらラブソングになったってだけなんですよね。


Q.アルバム全体を通していつにも増して日常を歌ってるなって思いました。

畠山:地震が起きて、日常を体験出来ない人が増えてしまったと思うし、それは被災地の方だけじゃなくて、東京や全国にも「これからどうなっちゃうんだろう」って思ってる人はいっぱいいると思うんですよ。それで今、The Mirrazが作れる音楽って退屈な毎日を変える歌とかじゃなくて、まず普通の毎日を取り戻す歌を作ろうと思ったんです。音楽で現実逃避するんじゃなくて、明日への力になるような。


Q.M-9「最後に笑うのは誰?」で「何にもない毎日に愛しさを感じてたい」という一節もありましたね。

畠山:ああ、でもあの曲の歌詞はもっと個人的なことなんですよ。自分の目標として100万枚売りたいっていうのがあるんですけど、でもそれって音楽を続けたいから100万枚売りたいだけっていうか。好きな音楽をやりたいからお金が必要なだけで、そこ間違っちゃうと本当にやりたいことやってんのかなって思っちゃう。どんな仕事してても一緒だと思うけど、自分が本当に求めているのは何だろうって考えたりして。それはもしかしたら震災があって改めて考えたのかもしれないですけどね。


Q.M-8「oh!baby!」を聴いて、一人で生きていくには辛すぎる世だけど、ひとりじゃないんだなって思いました。

畠山:「oh!baby!」はちょっとロマンチックすぎる歌詞なんですけど、音楽をやってるときくらい照れくさいこと言っちゃってもいいんじゃないかなって。少女漫画でしか出てこないようなこと歌ってるけど、ギリギリ現実っぽいっていうか。まあ、これくらい言ってもいいじゃないかなって思って書きました。


Q.あと今作を聴いて、音楽がエンターテイメントとして成り立ってるなって思ったんです。極端な話、The Mirrazを聴いた人全員が笑ってたらいいなってくらいこれはエンターテイメントだって。

畠山:そうですね。まあそこまで大それたことは思ってないですけど(笑)。でも最近って音楽を単純に音楽として楽しめてるのかなって思うこともあって。人によって違うとは思うけど、例えば「泣きたいから音楽を聴く」とか「感動したいから音楽を聴く」みたいな、何かを求めて音楽を聴いてる人が増えてる気がする。それはそれで全然良いと思うけど、俺はもっとシンプルに音楽を楽しみたいし、単純に楽しめる音楽を作りたいんです。「売れたい」とか「シーンを変えたい」とか色々あるけど、単純に良い音楽を作りたいっていう。沢山の人が認める曲を作りたいっていう思いは自分の中ではあるけど、それより「音楽を楽しんでほしい」って気持ちが一番大きいですね。


Q.畠山君にとって音楽の楽しさってどういうものですか?

畠山:漫画とか映画とか色んなエンターテイメントがある中で、音楽にしか出来ないことってノることなんですよね。体も気持ちも。それって音楽にしかない楽しみだと思うから。そういうことを意識して作ったアルバムでもありますね。


Q.あと、これまでのThe Mirrazが好きだった人にこそ今作は聴いて欲しいと思いました。

畠山:今まで「こんなにかっこいい音楽やってるのになんでみんな分かってくれないんだろう」って気持ちが強かったんですよ。お客さんも含めて、分かってもらえない人達の集まりだったと思うし。でも段々The Mirrazが認められてきたことで、他人と一緒にされるのが嫌って理由で聴かなくなる人も出てくると思うんですよ。The Mirrazが何を歌うとか関係なく、単純に売れてきたらもういいやみたいな。


Q.メジャーなものや売れてるものはセルアウトみたいな。

畠山:そう。でも俺はアークティック・モンキーズが売れてようが売れてなかろうが好きだし、この前ライブを見たザ・ストロークスも照明とか凄くて、売れているからこそのかっこよさもあるって思ったし。だからThe Mirrazもこうなるためにもっと売れたいなって思った。でも売れてるものが嫌になるのも分かるんですよ。俺、服が好きで色々買うんだけど、人気が出てくると嫌なんですよね。もう着たくなくなっちゃう。それって結局音楽も一緒なのかなって。ガストのハンバーグが大好きだけど毎日は食わないし。松屋とすき屋と吉野家だったら松屋が好きだけど二回行ったら次はすき屋に行こうみたいな。それと一緒なんじゃないかなって。だから人が流れていくのは仕方ないし、それを恐れてたら何も出来ない。だから今「Make Some Noizeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!」みたいなことを歌っても仕方ないって思うし、それでお客さんが変わっても仕方ないって思ってるんです。
 

Q.ザ・クラッシュも毎回変わったけど、本質が変わってなかったから支持されましたしね。

畠山:プライマルスクリームとかね。だから自分ではThe Mirrazは何をやってもThe Mirrazだなって思ってます。「The Mirrazだけど新しいThe Mirraz」みたいな。そう思えたのはやっぱり「観覧車〜」や「ラストナンバー」が出来たのがきっかけなのかもしれないですね。あと、このメンバーが音を出して、俺が歌えばそれはThe Mirrazだっていう自信もついたし。


Q.このアルバムはこの先のThe Mirrazの歴史を考えたときに、例えば10年後とかに聴いたら面白いかもしれませんね。

畠山: それはちょっと考えてたんですよ。これからのThe Mirrazの歴史の中にこういうシンプルでモノクロ映画のような作品があっても面白いんじゃないかって。今までは目の前のことしか考えてなかったんですけど、ゴールまで見た上でこういう寄り道っぽいことをする余裕が生まれたのかもしれないです。


Q.だからThe Mirrazの作品は毎回楽しみなんですよね。それにしても今回は所謂「良い曲」が多いですね。

畠山:今回は単純に良い曲を作りたかったんですよね。アニメ「幽々白書」のオープニング曲ってめっちゃ良い曲じゃないですか。歌詞の意味とかよく分からないけど心にずっと残ってるんですよ、あの曲。自分が90年代に聴いてた曲ってそういうのが多くて。


Q.90年代って誰が歌ってるかわからないけど曲自体が好きなのって沢山ある気がしますよね。

畠山:幽々白書なんて誰が歌ってるか全然知らないですから。だから人じゃなくて曲が良かったんですよね。そういう単純に良い曲を作りたかったんです。


Q.その「良い曲」をライブで聴けるのを楽しみにしてます。

畠山:ライブで聴いてもらってはじめて完成する曲が多いと思います。きっとアルバムだけで聴くのとライブで聴くのじゃ全然違ってくると思います。だからライブにきて完成させて欲しいですね。

 

The Mirraz:
佐藤真彦(Gt)関口塁(Dr)中島ケイゾー(Ba)Vo&Gt.畠山承平(Vo.Gt)

【HPアドレス】
http://the-mirraz.com/

アルバムタイトル

The Mirraz
NEW ALBUM
言いたいことはなくなった
【通常版】【CD】KINOI-2002 ¥2310
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2012年3月20日(火・祝) 京都磔磔
2012年3月22日(木) 岡山IMAGE
2012年3月24日(土) 福岡DRUM Be-1
2012年3月25日(日) 熊本DRUM Be-9 V2
2012年3月27日(火) 静岡UMBER
2012年3月30日(金) 神戸VARIT.
2012年4月1日(日)名古屋ダイアモンドホール
2012年4月6日(金)広島ナミキジャンクション
2012年4月8日(日)高松DIME
2012年4月14日(土)苫小牧ELLCUBE
2012年4月15日(日)札幌cube garden
2012年4月17日(火)梅田CLUB QUATTRO
2012年4月22日(日)東京ZEPP TOKYO

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