PICK UP INTERVIEW
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the pillows

Q.2011年はアメリカツアーやソロアルバムのリリースなどかなり活発に動かれてたイメージがあるのですが、アルバムはいつ頃から制作されていたのですか?

山中:アルバムの曲を作ったのは5月、6月くらいですね。制作時期はバラバラなんだけど、7月から9月くらいにかけて夏フェスに出たり、アメリカにツアーに行ったりしながら作りました。


Q.ソロアルバム「退屈な男」を10月に発表されていますが、今回のアルバムと並行して制作されたのですか?

山中:いや、ソロのレコーディングはもう終わってましたね。ソロのレコーディングをしながらthe pillowsの曲作りをしていた感じ。


Q.今回のアルバムは全体的にシリアスなテーマが多いと思うのですが。

山中:実は僕はアルバムを作るときに全体のテーマは作ったりはしないんだよね。ただ僕にしては短期間で作ったアルバムなので気分は揃ってたのかもしれない。


Q.「退屈な男」も同じモードだったのですか?

山中:ああ、歌詞はそうですね。それも同じタイミングだったから。


Q.生と死について歌われていることが多いように感じました。

山中:うん。生きていくことについて、生々しく色々考えてた時期だったからそういう歌詞も多いのかもしれない。


Q.それは震災の影響でしょうか?

山中:あ、いや。それは違う。去年くらいからずっと考えてたことだから。ソロのアルバムもそうだけど、ずっと退屈だったんですよ。the pillowsは、自分の人間性と音楽性を考えたときに、「こういう人に出会って、こういうポジションにいきたい」っていうのがなんとなくあって、そこを目指して山を登ってきたんです。それがいつのまにか行きたいところに辿りついてしまった。それはとっても嬉しいことだったし、勝負に勝ったような気持ちにもなったし、達成感もあったんです。でもそれと同時に、その幸せな状況っていうのを新しい何かを生みだすエネルギーに変えるのが下手くそだって気づいたんです。満たされない気持ちで目標に進んでいくほうが自分には向いているんだって気づいたんですよ。満たされてしまったことが退屈で退屈で、心が鈍くなってるような感じがしてしまったんです。恐怖というか。


Q.どこか虚無感があったと。

山中:分かり易く言うと、お金を持っているけど何も欲しいものが無い感じ。あと、単純に年齢的なものもあったかな。今までも年齢のことを考えるのは周期的にあったけど、確実に一歩一歩なりたくない自分になっていくのが、遠い未来じゃなくなっていく恐怖もあったし、とにかくもうこの先、過去を超えれないんじゃないかって思ってしまった。そういう考えにとりつかれたりもして。


Q.アルバムタイトル「トライアル」には「試練」という意味もあると思いますが、そういうことも関係してくるのでしょうか?

山中:うん。それもあるかもしれないけど、直感でしっくりきたのが「トライアル」って言葉だったんです。今のthe pillowsにキャッチコピーをつけるとしたら「トライアル」だなって。僕はタイトルをつけるときはパッと浮かぶほうなんだけど、逆にピンとこないときは凄く時間がかかるんですよ。でも今回はすぐに「トライアル」っていう響き、試練という意味、曲の持つエネルギーもアルバムタイトルに相応しいなって思ったかな。


Q.これだけシリアスな内容ですが曲は思いっきりロックですよね。

山中:たぶんそこは何とも思ってないからかな。何も意識してないからね。好きな曲を書いて、心地良い言葉をはめていくだけっていうか。それが今回はたまたまシリアスなほうに偏っただけで、曲と歌詞が揃う時もあれば、揃わないときもあるしね。どっちの良さもあると思いますよ。M-8「持ち主のないギター」みたいに、静かな曲調で歌詞もセンチメンタルなときもあるし。M-10「Ready Steady Go !」みたいに曲は明るいけど割とシリアスなことも歌ってたり、映画のエンドロールみたいな明るいけど切ない効果もあったり。だから僕はあまりコントロールできていないのかもね(笑)。自然と出てきたものが好きだからね。たぶん、スッと言葉が出て来たり、スッと気分が入らないと好きになれないのかもしれないね。


Q.計算して作るより直感で作るほうが多いのでしょうか?

山中:そっちの方が好きだしね。9割くらいは直感で作って、残り1割くらいでつじつまを合わせる感じかな。


Q.さわおさんの歌詞は日本詞と英詞がありますが、英詞の歌詞の訳を読むとハッとすることが多いです。

山中:ああ、それは単純に嫌いな奴の悪口の歌ってすっきりするでしょ?でも40代になると日本語でそれを歌うのが微妙なんだよね。オブラートに包んだりスタイリッシュに歌うならまだしも、ストレートに日本語で歌うのって難しいなって思うんですよ。英詞だとフィルターを通してるから、まず音楽として伝わるから。オブラート影口みたいな(笑)。


Q.では、さわおさんが言いたいことがあるときは英詞のほうが多かったりするんですか?

山中:いや、そうでもなくて。それは単純にそこまで英語力がないからなんだけど。だから深いことを歌うときは日本語ですね。単純なことですよ。洋楽も好きだし、高校生の頃とか憧れのスターやロックアイドルもいて、そういうバンドの模写から入る。音楽をやっていくとそういう人達からの影響を受けつつも、だんだん自分らしさを出すようになるけど、相変わらず自分の想像をこえるようなアイディアを持つかっこいいバンドが出現してきてまた影響を受ける。そうすると、こういうアイディアで自分もやってみたいなってまた影響を受ける。そういう音楽は元が英詞だから、日本語でやるより英語でやったほうが近付いた錯覚を起こせるんですよ。そういう単純なことだと思います。ソロが全部英詞だったのは、ギターを楽しむことや色んな人とセッションするっていうthe pillowsとは全く違った目的がしっかりあるから日本語では歌わなかったっていう。日本語で良い歌詞が書けたらthe pillowsでやるからね(笑)。だから英詞はそこまで大事じゃないのかもね。大事じゃないけど、大好きなものですね。


Q.シングルでもリリースされたM-5「エレルギヤ」は男性はかなり共感するラブソングですよね。逆に女性にはもしかしたら解らないかもしれない。

山中:ああ、そうかもしれないね。これは過去の大事な思い出から何かを成し遂げようとする男の歌で。終わってしまった恋愛が「僕を動かすエネルギー」になっているっていう男のストーリーだよね。


Q.さわおさんの恋愛観はこの曲のような感じなんですか?

山中:完全にそうだね。恋愛観において僕はマッチョな部分が全くないんですよ。「○○してあげる」とか「守ってやりたい」っていうのは全然ない。「その人がいると僕は幸せになれるのにな」とか「その人がいると色んなものが救われる」っていう感じ。そういう人と僕は出会って恋愛をするのかな。


Q.若い世代の恋愛ソングだと思うのですが、30代40代が聴いてもグッときますよね。

山中:作った当初は若者目線のラブソングをイメージして作ったんだけど、出ちゃうんだね、40代が(笑)。気持ちは若いつもりで書いたんだけどね(笑)。この曲、最初はシングル「Comic Sonic」のカップリング曲のつもりで書いたんだけど、アレンジしていくうちに「これは脇役じゃなくて主役だぞ」って(笑)。それで急遽シングルになった曲なんですよ。「Comic Sonic」が若者の青春のエネルギーをテーマにした歌だったので、それにあうラブソングのつもりで書いたんだよね。でもどうしても40代が出ちゃう(笑)。


Q.40代が歌った「10代だった」みたいな。

山中:そうだね(笑)。だから若者が聴いても40代が聴いても感情移入は出来るんじゃないかな。


Q.今回のアルバムはご自身ではどういうアルバムになったと思いますか?

山中:まあ暗いアルバムだよね(笑)。あとみんながどれくらい気にしてくれるかわからないけどオーディオ的なことも滅茶苦茶情熱をかけて作り込んだから「聴きやすいな」とか「派手だな」とか、そういう受け取り方で良いから感じて欲しいですね。どの楽器のフレーズも聴きやすいように意識して作ったから、「昔のアルバムより今回のアルバムのほうが聴きやすいな。何でだろう?」みたいな風でいいから伝わると嬉しい。オーディオ的なことは本当に頑張ったから。


Q.レコーディングもかなり拘ったんですよね?

山中:滅茶苦茶拘りましたね。もしかしたら矛盾してるかもしれないけど、「濁らない歪み」に拘ったんですよ。歪んでいるんだけど濁ってないものをとにかくやりたくて。それがパンクロック的なサウンドだと割と作り易いんだけど、the pillowsはジャズに使うような分数コードをいっぱい使うバンドだから、そういうコードを使って歪ませて濁らないっていうのはかなり苦労した。相反するものを同居させようとする作業だから。今まで色んな方法をとってきたんだけど今回それが一番うまくいったかな。あとはL・Rの位置を細かく色んなところにずらして、常識のフォーマットを崩すことで聴こえ方が変わるようにしたり。要は音楽を聴く環境が僕らが子供の頃とは明らかに変わったでしょ?今はヘッドフォンやイヤーフォンで聴くことが多いだろうし、スピーカーで大きい音でドーン!って聴くことって凄く減ってると思うんだよね。今までの音楽って良いスピーカーで大きい音で聴くことを前提に作られているけど、今はもう聴き方が変わってきてるから作る側も意識して作らなきゃって思うんですよ。MP3に圧縮したときの聴こえ方がどうとか、イヤーフォンで聴くからL・Rの聴こえ方が全然違うってことを踏まえて今回は作ったんですよね。


Q.そこまで考えて作られているんですね。

山中:そうだね。でも楽しく聴いてもらって「良い音だな」って思ってもらえたらそれで最高だけどね。


Q.このアルバムを引っさげてのツアーも楽しみにしています。

山中:このアルバムを伝えるときは、ついつい暗いアルバムだって言っちゃうんだけど、それは歌詞のことであって、音楽としてはロックアルバムだからね。ライブは凄く汗をかく熱いライブになると思うよ。

 

the pillows:
真鍋吉明(G)
山中さわお(Vo&G)
佐藤シンイチロウ(Dr)

【HPアドレス】
http://www.pillows.jp/

アルバムタイトル

the pillows
NEW ALBUM
TRIAL
【初回限定生産盤】CD+ DVD AVCD-38404/B  ¥3,300
【通常盤】CD AVCD-38405 ¥3,000

2012/01/18 ON SALE

アルバムタイトル

the pillows
DVD
WE ARE FRIENDS〜NAP UTATANE TOUR 2011 SEPTEMBER in USA〜
【DVD】AVBD-91902X ¥3800

2012/01/18 ON SALE

LIVE SCHEDULE

2012年3月30日(金) 水戸LIGHT HOUSE
2012年4月01日(日) 高崎 club FLEEZ
2012年4月06日(金) 渋谷 CLUB QUATTRO
2012年4月10日(火) 浜松 窓枠
2012年4月12日(木) 高松 DIME
2012年4月14日(土) 松山 SALON KITTY
2012年4月16日(月) 大阪 BIGCAT
2012年4月18日(水) 長野 CLUB JUNK BOX
2012年4月20日(金) 新潟 LOTS
2012年4月22日(日) 東京 SHIBUYA-AX
2012年4月25日(水) 宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2
2012年5月01日(火) 東京 Shibuya O-EAST
2012年5月06日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2012年5月08日(火) 熊本 DRUM Be-9 V1
2012年5月10日(木) 福岡 DRUM LOGOS
2012年5月12日(土) 沖縄 Sakurazaka Central
2012年5月14日(月) 広島 CLUB QUATTRO
2012年5月16日(水) 米子 laughs
2012年5月18日(金) 名古屋 Zepp Nagoya
2012年05月20日(日) 金沢 EIGHT HALL
2012年05月25日(金) 郡山 CLUB #9
2012年05月27日(日) 仙台 Rensa
2012年05月29日(火) 盛岡 club change Wave
2012年05月31日(木) 青森 Quarter
2012年06月02日(土) 札幌 Zepp Sapporo
2012年06月08日(金) 大阪 Zepp Namba
2012年06月16日(土) 東京 Zepp Tokyo

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