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ヒダカトオルとフェッドミュージック

そのファッション性とお洒落なポップ感で話題となった夢のユニット「カジヒデキとリディムサウンター」に触発され、Twitter上でのやりとりから始まったヒダカトオル(MONOBRIGHT/ex.BEAT CRUSADERS)とフェッドミュージックによるスペシャルユニット「ヒダカトオルとフェッドミュージック」がついにフルアルバムをリリース!カジリディムが80年代のネオアコをモチーフにしていたことに対し、ヒダカフェッドが選んだのは80年代A.O.R!「歪まない楽器音と怒鳴らない歌声」を基調とした都会的で大人びた世界観を持つA.O.Rを、愛とユーモアで独自に解釈した全12曲はアダルトには共感を、キッズには洗礼を、そしてA.O.Rそのものには夢と希望を与えることでしょう!さあ、思いっきりA.O.Rの世界に浸ってください!

Q.今回のプロジェクトのきっかけはTwitterでしたよね。

ヒダカ:そうそう(笑)。カジ君(カジヒデキ)のプロジェクト「カジヒデキとリディムサウンター」の「TEENS FILM」ってアルバムが凄く良くて。それでTwitter上で陸(久楽)にギャグで「ヒダカトオルとフェッドミュージックやっちゃう〜?」って呟いたらお客さんからのリツイートやリプライが凄くて(笑)。まあ凄いと言っても今考えたら30人くらいなんだけど当時はまだTwitterがどれくらいのものか解ってなかったから「おい、これ凄いんじゃないの?」って調子に乗っちゃって(笑)。


Q.ちなみに僕もリツイートしました(笑)。

ヒダカ:やっぱり身内じゃねえかよ。(一同爆笑)

久楽:確かに知り合いからの反応も多かったですよね(笑)。


Q.そもそもの出会いはいつ頃なんですか?

久楽:僕らがGALLOWと対バンさせてもらったのが最初ですね。

ヒダカ:まだ3人の頃だよね。横浜F.A.DでpolyABCの企画だったよね。

久楽:ZARIGANI 5から改名した直後だったと思います。当時、ヒダカさんの顔が分からなかったから、最初タロウちゃん(カトウタロウ/ex.BEAT CRUSADERS)がヒダカさんだと思ってました(笑)。

ヒダカ:心外だな(笑)。まあでもすぐ仲良くなったよね。


Q.一緒にやってみてどうでした?

久楽:単純に面白かったし、勉強にもなりましたね。

ヒダカ:俺、スタジオでは鬼だからね。丁寧だけど(笑)。

久楽:特にリズム隊には鬼でしたね(笑)。鬼な部分と丁寧な部分を聴き逃さないようにするのがポイントです(笑)。

ヒダカ:リズム隊は凄く聴き逃してたけどね。(一同爆笑)

久楽:ベースとドラムで隙間を埋めていくことが今まではない作業だったんでリズム隊は苦労したと思いますよ。

ヒダカ:篤なんか激痩せするんじゃないかと思ったからね。(一同爆笑)


Q.今回A.O.Rを題材にしたのは?

ヒダカ:カジリディムがネオアコっぽかったからそことの被りは避けつつ。震災もあって癒し的な、でもはっきりと癒しを打ち出すんじゃないものをやろうと思ったんだけどフォークだとあざといかなっていうのもあって。そんな中、俺達が共通して好きだったのがA.O.Rだったんだよね。俺はリアルタイムで「フラッシュダンス」とか「トップガン」の映画のサントラを聴いてたんだけど、陸も「フラッシュダンス」に入っているマイケル・センベロとか好きだったみたいで。そこがたまたま合致したから「A.O.Rでいこう!」ってなったんだよね。テーマがあったほうがパロディもしやすいしね。カジリディムがお洒落だったのに対してこっちはこんなにイナタいっていう(笑)。

久楽:それにヒダカさんとやるときしかA.O.Rをやる機会なんてないっていうのもありますよね。友達のバンドはおろかメンバーでさえ知らなかったりするし。

ヒダカ:フェッドミュージックでやられても困るしね(笑)。俺もMONOBRIGHTではやれないし、BEAT CRUSADERS的なバンドを組んでやるとしたらA.O.Rじゃないだろうし(笑)。実は引き出しとして隠し持ってたんだっていう意外性を狙うのにA.O.Rが調度良かったってのもあるよね。


Q.そもそも「A.O.Rって何ぞや?」っていう人もいると思うので教えて下さい。

ヒダカ:俺はリアルタイムでビリー・ジョエルとかボズ・スキャッグスのような所謂A.O.Rを聴いてたけど、そのときの印象としては大人が大人に向けて歌っている音楽っていうイメージ。A.O.Rが大人の音楽っていう図式は既に70年代80年代からあったから。俺はA.O.Rって大人になったときに聴くんじゃなくて大人になりたい奴が聴く音楽だと思うよ。結婚したり就職してちょっと大人っぽい音楽を聴きたいなって人はA.O.Rとか聴いてみるのもいいんじゃないかと。


Q.飲むお店を居酒屋からバーに変えるみたいな。

ヒダカ:そうそうそう(笑)。

久楽:僕の中ではA.O.Rって完成された高度な音楽のひとつっていう認識があって。A.O.Rは黒人音楽に憧れて作った白人が作った音楽なんですけど、それはそれで完成されているんですよね。逆に黒人には絶対に出来ない音楽っていうか。

ヒダカ:ホール&オーツっぽいのは黒人には逆に出来ないからね。

久楽:その特殊性がA.O.Rの面白いところですね。


Q.このアルバムきっかけでA.O.Rを掘る若いリスナーが出てきたら面白いですね。

ヒダカ:でも今のところTwitterでの反応は年配の女子からが多いよね(笑)。

久楽:俺のとこには「フェッドミュージックはこれからこういうバンドになっちゃうんですか?」っていう声が(笑)。


Q.(笑)。ではアルバムの話を訊かせてください。M-1「Terminate」はシンセ・ブラスが80’sっぽいですよね。

ヒダカ:個人的にはシンセ・ブラスが入っているのが80’sみたいな認識があるんだよね。俺が作った曲を陸に歌ってもらったんだけどうまく融合してると思う。俺だとエモくなりすぎちゃうから(笑)。凄くヒダカフェッドを象徴している曲なんじゃないかなと。


Q.ヒダカさんと陸君の声のバランスも絶妙ですよね。

ヒダカ:下手したら男女ユニットに聴こえるよね(笑)。

久楽:やる前は水と油かなって思ってたんだけど、分離しているのが逆に良かったのかも。

ヒダカ:バービーボーイズっぽさとかね(笑)。


Q.M-12「The Fantastic Treasure」のサビのハモりはまさにですよね。

ヒダカ:そうだね。80年代の日本って男女混成のグループって沢山いたじゃん。サーカスとかダ・カーポとか。そこにゴダイゴっぽい演奏をしたのがこの曲。陸のファルセットが活きているよね。

久楽:ファルセットが多いとロック感がなくなるからフェッドではここまでしないですからね。今回のようにコンセプトがしっかりあるとこういう遊びも出来て楽しいですね。


Q.確かに遊び心はあらゆるところにありますよね。例えばジャケットも永井博氏だったり。

ヒダカ:これ、凄いでしょ?大滝詠一さんのジャケットとか描かれている大御所の方なんで恐る恐るオファーしたら快諾してくれて。これはジャケ買い出来るよね。


Q.M-2「The Long Good-Bye」もゴダイゴっぽい曲ですね。

ヒダカ:70年代、80年代歌謡曲の中にいるバンド物みたいなイメージだよね。

久楽:ゴダイゴってA.O.Rっていうよりは質の高いポップバンドっていうイメージだったんですよ。だから今回、ゴダイゴを再認識したというか。

ヒダカ:ゴダイゴはリズム隊がフュージョンっぽいからA.O.R感があるんだよ。

久楽:無駄がないんですよ。「銀河鉄道999」のアレンジとか極端に言えばほぼドラムとベースだけじゃないですか。でも薄っぺらさは感じないんですよね。

ヒダカ:ギターとか意識しないと聴こえないもんね。ずっとカッティング的なことをやってるっていう。あの無駄の無さは凄いね。


Q.引きの美学というか。

ヒダカ:うんうん。その通りだね。

久楽:今回、音楽はリズムなんだなって身を持って分かりましたね。

ヒダカ:まさに大人になったんだよ(笑)。


Q.M-3「Emitt Paul」のホームメイド感は曲名通り「ポール・マッカートニーに影響を受けたエミット・ローズ感」が出てますね。

ヒダカ:まさに。エミット・ローズ風のアイディアを拡げていくうちにポール・マッカートニーっぽくなっていったんだよね。

久楽:最初はニッキー・ホプキンスのつもりで作ったんですよ。それでヒダカさんに「エミット・ローズの感じを出したら?」ってアドバイスを貰って。

ヒダカ:今回は殆どの曲を鍵盤から作ってるから、ギターで作るときと発想が逆になったんだよね。そういう部分が一番出た曲だと思う。


Q.M-4「Double Fantasy」を聴いてヒダカさんもパパなんだなって思いました(笑)。

ヒダカ:完全にパパ目線の歌詞だよね(笑)。子供が生まれたことを誰かに伝えたいというよりは自分のために残しておきたかったんだよね。自分的なブックマークとしてね。実はこれがヒダカフェッドのきっかけになった曲なんだよ。もともとGALLOW用にフェッドに演奏してもらってレコーディングしてた曲で。陸のアイディアでコーラスも入れたりしてたから、これがなかったらヒダカフェッドはなかったかもね。


Q.M-5「Losing Face」からは桑田佳祐さんっぽさも感じました。

ヒダカ:ああ、言われてみると確かにサビのコーラス感はサザンっぽいね。

久楽:この曲が一番色んなところからの引用が多いんですよ。先人のアイディアをお借りして組みたてたのがこの曲なんですよね。


Q.僕が感じた桑田さんっぽさはそこだったのかもしれないですね。手法としての桑田さんっぽさっていう。

久楽:それはあるかもしれないです。サザンはA.O.Rを凄く上手に昇華していますよね。

ヒダカ:スティーリー・ダンを聴いた桑田さんがサザンでやってみたら新しいものが出来たみたいなね(笑)。そういう感じには近いかもね。日本のA.O.Rは桑田さんかもね(笑)。


Q.続くM-6「フィルモアの奇蹟」からはネオアコっぽさを感じました。

ヒダカ:この曲だけフリッパーズ・ギター的なネオアコっぽいところを狙った曲で。今回のアルバムの歌詞は癒しだったり、世の中で起こっているおかしなことを歌ってるんだけど、これは唯一個人的なことを歌った曲なんだよね。レコードでいうA面の最後の曲のような箸休め的な曲になったと思います。


Q.M-7「Gentle Serenade」はヒダカさんと陸君のバランスが秀逸です。

ヒダカ:これは今回のセッションの中で最初の頃に出来た曲なんだけど、この曲が出来たことでヒダカフェッドの指標が見えたんだよ。A.O.R的な方向性が定まったというか。

久楽:これも僕とヒダカさんのタイプの違う声のハモりが気持ちいいですね。


Q.M-8「Poison Ivy」とM-10「Blunstone」は泣きのギターが最高です。

ヒダカ:でしょ?ヒックスヴィルの木暮さん(木暮晋也) がギターを弾いてくれているんだけどドンピシャだったね。スライドギターも弾いてくれているし、リードギターもソロで入れてくれているんだよね。


Q.ジョージ・ハリスンの曲でエリック・クラプトンが弾いているような。

ヒダカ:そうそう!70’sロックのレジェンドっぽさは出したかったんだよね。レジェンドなのは木暮さんだけどね(笑)。この辺は癒しゾーンだね。


Q.M-9「はてしない物語」は陸君の久しぶりの日本語曲ですね。

久楽:このアルバムの歌詞には震災に対する思いが込められているんですけど、大元に80’sのテーマを入れたかったから「ネヴァーエンディングストーリー」を持ってきました。

ヒダカ:リマールだったんだね。

久楽:カジャグーグーじゃないですね(笑)。


Q.そしてM-11「やさしさに包まれたなら」は最高の癒しですね。

ヒダカ:癒しのトドメだよね。これはフェッドミュージックもアコースティックライブのレパートリーにしてた曲なんだけど、陸のファルセットが凄くハマるんだよね。やってる俺達も癒される曲になりました。


Q.ツアーも楽しみですね。

ヒダカ:ヒダカフェッドはこのツアーこっきりだからね。お見逃しなく。カジリディムはフェスで解散したからヒダカフェッドもフェスで解散したいね(笑)。


Q.お互いの活動へのフィードバックも期待しています。

ヒダカ:ヒダカトオルは自分のバンドをやるのかどうかもね(笑)。

久楽:そこですよ!

ヒダカ:(笑)。あと、A.O.Rがブームになったら嬉しいけど、まあならないでしょう(笑)。でもルックスがイケてなくても音が良ければOKなのがA.O.Rの特徴でもあるから、そういうミュージシャンには勇気を与えたと思っているよ。だからNOT REBOUNDと竹内電気によろしく伝えておいてよ(笑)。そうだ、斉藤(ex.竹内電気)にこそフォロワーになって欲しいね。あいつ、山下達郎さんとか好きでしょ。じゃあ次は「斉藤伸也とフェッドミュージック」で。(一同爆笑)

 

ヒダカトオルとフェッドミュージック:
久楽陸(Vo.Key)菊池篤(Ba)ヒダカトオル(Vo) 福井章人(Gt)秋元雄介(Dr)

【HPアドレス】
ヒダカトオル http://www.hidakatoru.com/
フェッドミュージック http://www.fedmusic.jp/main/

アルバムタイトル

ヒダカトオルとフェッドミュージック
NEW ALBUM
REPLICA
HICC-3469

2012/05/16 ON SALE

2500円(税込)

『REPLICA』TOUR

6月24日(日)静岡 沼津Live House Quars
6月30日(土)東京 新代田FEVER
7月7日(土)岩手 久慈UNITY
7月8日(日)宮城 仙台MACANA
7月13日(金)大阪シャングリラ
7月15日(日)福岡ROOMS
7月16日(月・祝)岡山CRAZY MAMA 2nd Room
7月19日(木)名古屋 今池HUCK FINN

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