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大丸ラーメン

8月に閉店してしまう今池の名店「大丸」。その事実を聞き打ちひしがれた大丸フリークたちは数知れず。唯一無二の存在。この言葉がこんなに似合うラーメン屋があっただろうか。午前2時から開店するという特殊な営業形態にも関わらず毎日大行列を形成し、真夜中に彷徨う者たちの胃袋を十分すぎるくらいに満たしてくれた深夜のラーメン屋「大丸」。賛否が激しく分かれ、各地で議論を巻き起こす特別な場所。それはもはやラーメン屋という枠組みを超えた、たった6席のアミューズメントパークだ。大丸閉店。2012年は間違いなく名古屋の大丸シーンにとって忘れることの出来ない年になるだろう。この歴史的事件を受けて、同じ今池という地で共存してきたライブハウス「今池HUCKFINN」が動いた。ありがとう大丸。僕達は大丸を忘れない。

大丸ラーメンをご存知ですか。

ひょっとしたら読者諸兄の中にはその名をバンドマンの口から発せられるのを耳にした事がある方もいらっしゃるかもしれない。愛知県名古屋市千種区今池某所に位置する大丸ラーメン、その存在はラーメン屋の中でも一線を画し、多くのファンやバンドマンで日夜にぎわっている今池の名物の一つである。

しかしその存在は決してラーメン情報誌、TV番組で取りあげられる事はなく今池住民やラーメンファン、近隣の大学生や打ち上げ終わりのバンドマン達の中では「有名店」なれど、決して「今池、表の名物」となる事はなく、しかしそれでも大丸ラーメンのファンは年を重ねる毎に増加、ほとんどその情報がないにも関わらず「行列が目印」と夜の今池を徘徊し大丸を探す若者は後を絶たない。いわば「伝説的なラーメン屋」である。

大丸ラーメンに行った事がない方は、まず貴方の知るありとあらゆるラーメン屋のイメージを捨てるところから始めて頂けると大丸ラーメンを想像しやすいだろう。営業時間は夜中の2時〜5時が基本(多少どころか相当前後する事も少なくない)であり、そんなハードな時間ながらお店を只一人で切り盛りする店主は自称「73歳を超えた」小柄な老人である。
「もう70超えとるもんでしんどいです」と言いながらも営業を続けられる店主大橋隆雄さんのインパクトたるや相当なもので「ラーメンは嫌いです」「料理は何でも沢山作った方が美味しいです」等の名言の他、50年を超える大丸営業の中で大橋店長が見聞きした今池の風聞、文化の変遷、そして時事ネタ等、抜群の記憶力を元にアウトプットされる類を見ないその喋り、大橋店長のキャラクターも大丸ラーメンのインパクトを強める一因となっている。

そんな店主が作るラーメン、これが普通のラーメンであるはずもなく他では絶対に食べられない味の「ラーメン」が丼一杯に入っている。

先人は言う。「大丸ラーメンはラーメンではない。大丸ラーメンなのである」と。

丼一杯、というのは誇張ではない。特製麺1.5玉が入れられ、モヤシが推定一袋以上は入っており、キャベツも芯含め相当入っている。まるで「日本昔噺」に出てくるお茶碗山盛りのご飯のようである。その下には蒲鉾と竹輪、そしてよくわからないけれども「とても美味しい肉」が入っている。スープは「昆布出汁に醤油を入れるだけ」と非常にシンプル。琥珀色の美しい液体に肉の煮汁が溶け出して、非常に多層的かつ印象深い味となる。そして、ほとんどの場合、カウンター越しに提供される時点で既にこぼれている。

恐らく、恐らくはほとんどの人が初見では面食らうだろう。「こんな量食べられるのか」と。おまけにどっさりと盛られたモヤシは湯通ししただけで味付け等されていない。お店の独特の雰囲気(カウンター六席のみ、客席側に冷蔵庫が置いてあり、壁一面には大丸ラーメンを訪れたバンドマン達のバックステージパスが所狭しと貼られており如何に多くのバンドマンに愛されているかが痛感出来る。中には「こんな人達も!」と言いたくなるようなバンドのパスも散見出来、音楽好きは所狭しと貼られたそれらのパスを見るだけでも楽しいだろう。そして店内は独特の緊張感に包まれている)、そして夜中という時間帯も相まって、途方もない非日常感を味わえる事だろう。

だがしかし恐れるなかれ。勇気を出してカウンターに並べられた中濃ソースや醤油、各種調味料を豪快にモヤシにブッかけて食して頂きたい。絶妙なマッチングと旨さに驚かされるはずだ。

そして食べ終わった際に大橋店長から頂ける「おまけ」、この豪気な振舞に「利益なんて出てません」と言いながらも50年間お店を続けられてきた大橋店長の心意気を感じ取る事が出来る。

味について相応のスペースを使って説明しておきながら、残念ながら大丸ラーメンは大橋店長の気分によって麺の茹で加減から野菜の柔らかさ、肉の味付け等も全てが全て日によってまちまちである事を注釈としてつけ加えておかねばならないだろう。

ちょっとおかしな事を書くかもしれないが、だが、それでも、それでも尚50年間もの間、多くの人に愛されてきたラーメン屋なのだ。飲食店としてはあってはならないはずの「味のブレ」、それさえも超越した所に存在する味、大橋店長のキャラクター、そして「大丸ラーメン」というエンターテイメント。

きっと今夜も、多くの感動とグルーヴを生み出している事だろう。
閉店の、その日まで。

大丸ラーメンをご存知ですか。
そんな、ちょっと、規格外過ぎるラーメン屋です。

【text 舟橋孝裕(犬丸ラーメン・不完全密室殺人・JONNY・パイプカツトマミヰズ)】
自他共に認める大丸愛好家。大丸ラーメンに対する愛情は計りしれず、遂には「犬丸ラーメン」なるコピーバンドを結成(あくまでバンドと彼は言いはる)し、数々のイベントで大丸店主・大橋氏になりきる。様々なバンドでベーシストとして活躍する他、演劇ユニット、朗読ユニットなどその活動は多岐にわたる。

BLOG http://ameblo.jp/2784blog/
Twitter http://twitter.com/#!/funahashiiiiiii
アルバムタイトル

さよなら大丸プロジェクト
コンピレーションアルバム
今池午前2時
HFR-002

2012/8/29 ON SALE

価格550円(特典DVD付き)

大丸をこよなく愛するバンドマン達による、大丸への愛とメッセージが込められたコンピレーションアルバムです。参加バンドはHPで発表します!
http://huckfinn.co.jp/imaike2amhp/daimaru2am.html

さよなら大丸プロジェクト「今池午前2時」スペシャルイベント

第1弾
7/28(土) 特別出張  居酒屋もりちゃん
もりやす(ex.SHORT CIRCUIT/FREAKY FROG)
マサ(HOCKLE HOCK)
茜谷有紀(i GO)
DJ: xAPiTACOx

第2弾
8/3(金) 犬丸ラーメン ワンマン

第3弾
8/12(日) HUCKFINN PRESENTS-THANK YOU DAIMARU-
アザーテイル、folt、せきしん(あおみどり)他

第4弾
8/19(日) HUCKFINN PRESENTS-GOOD BYE DAIMARU-
THE LONG HORN TRAIN、M.A.C、朝焼けドラマクラブ 他

第5弾
8/26(日)DEEP CONNECT vol.82 大丸 IS DEAD
OUTRAGE、SHADY GLIMPSE、SPACEGRINDER、HELL AND HELL、me、マイカ―共済、CRUCIAL MOMENT、SOCIAL PORKS、DEFY、SACRED AEOLIA
DJ:VEPPY、TAKAHO UG(GRIND FREAKS)

第6弾
8/31(金) ONE BY ONE PRESENTS-FOREVER DAIMARU-
JONNY、ワッペリン、palitextdestroy、DJ:SHiBAYAMA

全ての公演550円(1DRINK別)(大丸価格!)

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