PICK UP INTERVIEW
前のページに戻る
cinema staff

2012年6月にメジャーデビュー・シングル「into the green」をリリースしたcinema staffから僅か3ヶ月、早くもミニアルバム「SALVAGE YOU」が届いた。「into the green」と同じく「救い」をテーマにした今作は、バンドの意識の変化、状況の変化だけでなく、葛藤、苦悩、そしてその先に見える希望といった、メンバーの精神状態が強く反映された作品になっている。そしてシングル、ミニアルバムと連続で聴けば解るように、今、バンドは確実に過渡期にある。葛藤から抜け出していく過程がこの2作には赤裸々に詰め込まれているのだ。この2作を経て、cinema staffが何処に辿り着くのか。彼らの軌跡にとことん付き合っていきたいと思う。

Q.かなり短いスパンでのリリースですが、「into the green」と「SALVAGE YOU」からは因果関係のようなものを感じました。

飯田:はい。「into the green」とこのミニアルバムの曲は制作時期が同じなんですよ。

三島:「1枚アルバムが出来る曲数を書こう」と思って作られた楽曲が2枚に分けられているんです。E.P.を出してからすぐミニアルバムを出すという流れは我々が直接提案した訳ではないのですが、結果的にまず「into the green」が出て、その後に「SALVAGE YOU」が出る流れを作れたのは意味合い的にも大きいことだったと思います。この2枚で1つのエピソードとして聴けるようなものになることは意識しました。


Q.「into the green」は「名前を呼んでくれ。それ以外は何ひとついらない。」という心の叫びとも取れる歌詞が印象的でした。そういう心情を歌うようになるまでの軌跡が詰め込まれているのが「SALVAGE YOU」なのかなって思いました。

飯田:まさにそうです。制作時期の終わりに出来上がったのが「into the green」で、それに行き着くまでの過程が「SALVAGE YOU」に収録されている曲なので、その印象をもってくれるのは嬉しいです。

三島:「SALVAGE YOU」の楽曲らはそこまでに至る自分の心情の経緯が良くも悪くも(笑)、分かりやすく出ていると思っています。テーマは一貫して「救い」なんですけど、ただ「into the green」の時のような達観、突き抜けた後という、究極にいえば「名前を呼んでくれ」の一言に集約できるようなものではなく、そこに至るまでの葛藤、もがきが赤裸々に出ているものという感じですね。

辻:「into the green」の時からそうですが、素の僕らが出れば良いのかなと思っていました。今作を作っていた時期のぎりぎりの精神状態とか色々な気持ちを隠さずそのままパッケージできた方が自分たちにとっても良いと僕は思って作ってました。


Q. 今作は二面性を持っている気がしました。例えばM-1「奇跡」はサウンドも歌詞もキラキラしているじゃないですか。それに対してM-3「さよなら、メルツ」M-5「warzsawa」は生々しいほど心情が表れている。アルバムの中に希望と葛藤が入り交じっているように感じたんです。

辻:まさに希望と葛藤の中で曲を作っていた時期ではあるので、それがそのまま曲になり、アルバムに詰め込めたと思います。

三島:制作の前半に「さよなら、メルツ」「warszawa」は出来たのですが、この頃はもうどう頑張ってポジティブな歌詞を書こうと思っても、書き方が分からなくなってしまっていて…。今も当時の気持ちを細かく思い出すのを避けているぐらいなんです(笑)。ただ本当にそういった生々しさ、どろっとした部分は幸か不幸か文章に記録されていてごまかしがきかないという(笑)。「奇跡」に関しては、「into the green」の直前ぐらいに書いた歌詞で、ようやく自分も前に進める直前の段階まで来ている感じはあります。自ら二面性を出そうと思ったわけでは無いですが、選曲の結果、出てしまったという感じですね(笑)。僕は本当は、希望を持てるような歌詞しか書きたくないんです、基本的には。

飯田:葛藤の中からどうにか抜け出したいという気持ちで制作していたので、その影響もあってか曲の節々でそう感じるのかなと思います。その二面性という点では、「さよなら、メルツ」の歌詞とオケとの印象のギャップだったり、曲単位でも感じるのではないかと思います

久野:実際にこのアルバムの製作をしている頃は色んな事を含めて良い時期とは言えませんでした。でも自分たちにとって少なくともバンドは前を向いて進んでいる感覚があったし、それだけは希望でした。そういった状況が曲にも表れてるのかもしれないですね。


Q.このアルバムを聴いたあとに「into the green」を聴くことで、葛藤や苦労だけじゃなく、その先の希望が見える気がしました。

飯田:凄く理解して頂いて嬉しいです。リリースの順番とは違って、本当にこのアルバムを聴いてから「into the green 」を聴いてもらえたら、このアルバムの持つ意味も深く知ってもらえるのではないかと思います。

久野:今になって聴くとあの頃の感覚が曲に出ているし、それを作品に残せたのはすごく自分たちにとって財産になるのではないかと思います。

辻:だてに長くバンドやってないんで、そこらへんに僕らの気持ちがにじみ出てるんですかね。沢山の葛藤苦労はありますが、今は希望に満ちています。

三島:続けることって、もの凄くエネルギーが要る事だと思いますし、でもその過程なんて第三者の方から全く見えるはずも無く…。ただその、続けてて、その中で色々あって、色々な人に色々なことを言われて、でも折れずにやりたいようにやってるんだよと…。少なくとも柴山さんにこの作品たちを通してそう思ってもらって、インタビューを読んでくださってる方が多少でもそう思ってもらえれば…僕は本望だし幸せですね(笑)。


Q.あとこれまでのcinema staffの世界観は、物語性のあるものであったり少し引いたところから見ているものが多かった気がするんですけど、どんどん「自分」を出してきていますよね。

三島:俯瞰でしか書けなかったというか…。自分が思っていることを曲に乗せるって感覚は今まであまり分からない、というか恥ずかしい、書き方が分からないというレベルだったと思うんです。やはりいざ、バンドを真剣にやりたい、生活の中心にしたいという段階になってからここを僕が思うことをコミットする場にしなかったら、どこでどう言及すればいいんだ?という思いになって。それからは自然とそうなっていった感じはあります。でも未だに「俯瞰の曲を書かない」ということもないです。

飯田:少し引いた所からっていう気持ちはライブに関してもあって。全力でその日にしか出来ないライブを!と思ってやっているのですが、少し変な言い方ですがそこにお客さんは自分にとってあまり関係なかったというか。もちろん楽しんでもらいたいとは思ってやってるんですけど、自分の為やこの4人の為でしかないって思ってやってきたんです。けどワンマンツアーを行ったり、今までよりもっと音楽をメインに考える生活になっていく中で、その誰の為にっていう範囲が広くなってきてるのを感じてたんです。それはお客さんだけじゃなく、周りのスタッフもそうですし。その人達と一歩踏み込んで関係していきたい、繋がりたいって僕個人として考えるようになっていったんです。そんな時にちょうど三島の書く歌詞も変わりつつあって、本当に不思議だと思います。でもその変化がちょうど合致したから、そう思うのは間違ってないよね!って何か先に進む気持ちになれてるのはあります。


Q.そうなったときに楽曲やアレンジに影響はありましたか?

三島:あったと思います。歌の世界観だったり雰囲気でオケのテンションが随分変わるようになりましたね。もしかしてこれって、他のバンドさんは最初から出来てることなのかな(笑)。

久野:今まで通り歌詞やメロディが付く前に演奏がほとんど完成しているので、直接的な影響はないかもしれませんが、個人的には今までよりかなり歌詞を意識したり意味を考えるようになったし、そのスタンスの変化が無意識にアレンジなどに影響しているかもしれませんね。

辻:「into the green」から僕はかなり唄に影響受けるようになりました。歌詞もそうだし、メロディを受けてフレーズが変わったりすることが増えましたね。僕自身も「自分」を出してるギターが増えている気がします。


Q.みなさんにとってはどういうアルバムになりました?

久野:自分たちの弱い部分までも鮮明に記録したアルバムになりました。すごく赤裸々。あと単純にすごく良い曲が詰まったアルバムだと思うので、たくさんの人に聴いてほしいです。自分でもよく聴いています。

辻:今までの楽曲とはまた違った方向性の曲が沢山出来、また新しいcinema staffを確立できたかなと感じています。

三島:起承転結の「承」。ピッチャーで言えば、左のリリーフエース…巨人で言う山口選手。精神的には去年の僕が真っ裸にされているようなものです。

飯田:もちろんこのミニアルバムだけみても良いものが出来たと思うのですが、本当に途中経過なんです。この先に進むために必要なものが形になったという感じですね。


Q.この2作は確実に救いを求めていると思うんですよ。でもメンバーが救われることでリスナーも救われると思うんです。この2作を世に放った瞬間、cinema staffに救われた人は絶対にいると思うし、そういう存在のバンドなんだと思います。

三島:めちゃくちゃ嬉しいです。報われます。明日もおいしいご飯と良い曲が書けそうです。

飯田:本当にそうであれば嬉しいです。結果そういう言葉でもまた救われるんですけどね(笑)。

久野:バンドは結局のところ自分のためにやっているわけですけど、同時に誰かのためでもあれたら素晴らしいなと最近は思うようになりました。この2作が完成したことで自分たちはすごく救われたので、それで救われたと感じる人がいるならすごく幸せな事だと思います。

辻:僕自身もしょっちゅう音楽聴いたり、ライブを観たりして、救われたり、影響を受けるので、cinema staffの音楽を聴く人も同じことを思ってくれるのが一番の幸せです。


Q.希望だけじゃなく葛藤を見せたじゃないですか。それが更にバンドとリスナーの信頼関係を強くしたと思います。

三島:僕が曲に対してどうこう思っていることって、もしかしたらリスナーの方が僕の曲に対して思い入れてくれてることに比べたら、本当に大したことないんじゃないかって。最近そういう風にすら思うようになって。やっぱり受け手の方がどう受け取るか、どういう風にそれを聴いたとき、身体の中に入ってきたときに消化するか、それを多少なり見えるようになってから、製作が楽しくなった感じが有るんですよね。もちろん、自分のやりたいように曲は作っていますし、ちょっと意識を変えただけですけど。でも僕も本当に今後、自分がどうなっていくか、リスナーの方にどうやって我々の曲を育てていただけるか、両方とても楽しみですね。

久野:これからも自分たちのやりたい事を信じてバンドを続けて行きたいと思うので、信じて付いてきてくれたら良い景色を見せられる自信はあります。新しく出来ている曲たちも早く聴いてほしいです。楽しみにしていてください!

辻:今はとにかく色々な人に聴いてほしい、伝えたいって気持ちが強いので、この音源を手に取ってじっくり聴いてもらいたいです。そして、ライブに足を運んでほしいです。音源以上のものを提供します。あとは2YOU WEBの方でコラム書いたりしてるので読んでみてください。音楽(アイドル)への熱い気持ちを書いています(笑)。

 

cinema staff:
久野洋平(Dr) 飯田瑞規(Vo、Gt) 辻 友貴(Gt) 三島想平(Ba)

【HPアドレス】
http://www.cinemastaff.net/

アルバムジャケット

cinema staff
NEW ALBUM
SALVAGE YOU
PCCA-03652

NOW ON SALE

¥ 1,800

Live Schedule

残響祭 8th ANNIVERSARY
2012.09.01(sat) いわきclub SONIC
2012.09.02(sun)仙台CLUB JUNKBOX
2012.09.16(sun) 渋谷O-EAST & DUO MUSIC EXCHANGE
2012.11.24(Sat) THE WALL台北

「SALVAGE YOU」release tour “夜は短し歩けよ辻”
2012.10.05(Fri)札幌COLONY
2012.10.07(Sun)仙台MA.CA.NA
12.10.08(Mon)盛岡CLUB CHANGE
2012.10.12(Fri)新潟CLUB RIVERST
2012.10.17(Wed)福岡DRUM SON
2012.10.19(Fri)高松DIME
2012.10.20(Sat)広島NAMIKI JUNCTION
2012.11.06(Tue)心斎橋Music Club JANUS
2012.11.07(Wed)名古屋CLUB QUATTRO
2012.11.09(Fri)恵比寿LIQUIDROOM

HUCK FINN presents –recollection vol.3-
2012.09.11(Tue)今池HUCK FINN

前のページに戻る
2YOU MAGAZINE編集部
〒453-0837 愛知県名古屋市中村区二瀬町153 ニルヴァーナ101号室
Tel: 052-485-5993