PICK UP INTERVIEW
前のページに戻る
Wienners

作品を発表するごとに進化を続けてきたWiennersから2年振りとなる2ndアルバム「UTOPIA」が届いた。「CULT POP JAPAN」で提示したものと、「W」で見出し「十五夜サテライト」で突き詰めたもの。この二面性を今回のアルバムでひとつにまとめることで彼らは当初、バンドの完成形を作るつもりでいたようだ。しかし様々な経験を積む中で、バンドの更なる可能性を追求することを選択した彼らは、アルバムの内容を大幅に変更、Wiennersのポテンシャルを更に見出すことになるアルバムを完成させた。それはアルバムタイトル「UTOPIA」にも表れている。このアルバムを道標にWiennersはまた音楽の理想郷を目指し歩き始めた。そこに向かう途中で彼らにどんな出会いがあり、どんな進化を遂げるか。まだまだ見ていたい。

Q.「CULT POP JAPAN」発売から2年の間にバンドは大きく進化したと思うのですが、メンバーの意識がどう変わっていったか物凄く興味があります。というか、みんな気になっていると思います(笑)。

玉屋2060%:そうですよね(笑)。「CULT POP JAPAN」はとにかく速くて短くてスピード感のあるアルバムだったんですけど、あの方法論でやれることは全てやりきったと思っていて。じゃあ次はどうするかって考えたときに、アルバムを出して、ツアーを経験したことで、スピード感の先に行きたいって思ったんですよ。だから「W」を作ったときは相当苦労しましたね。それで悩んで悩んで出来たのが「午前6時」っていう曲なんです。


Q.あの曲が出来たことはバンドにとって大きかった?

玉屋2060%:むちゃくちゃ大きかったですね。全部さらけ出して、自分の内情を素直に歌ったら、聴いてくれた仲間もお客さんも受け入れてくれたんですよ。それで僕の中で今までなかった「歌を歌う」っていう感覚が芽生えたし、そこに可能性も感じたんです。


Q.でも根本的な部分は何も変わってないですよね。楽曲のアウトプットの仕方は大きく変わったと思うんですけど、本質的な部分は結成当初から同じ方法論で突き通してきたんだろうなって思うんです。

玉屋2060%:まさにその通りです。パッと聴くとやっぱり変わったって思う人が多いと思うんですけど、ちゃんと聴いてくれている人は何も変わってないって言ってくれるんですよ。変わったのは歌詞の書き方ですかね。


Q.確かに「CULT POP JAPAN」の頃は単語のインパクトが一番前に出ていたのに対して、今はストーリー性のあるものが多い印象があります。

玉屋2060%:はい。昔は言葉のパンチ力を重視していたんですよ。言葉を「バン!」って投げつけて、それがどう跳ね返ってくるかっていう。聴いてくれる人が好きに解釈してくれれば良いって思っていましたし。でも「午前6時」を素直に歌ってみたことで、思い描いた世界や景色を100%伝えることが出来ることに気付いたんです。それでシングル「十五夜サテライト」では映画を見ているような感覚でファンタジーを伝えることにも挑戦してみたんです。だから昔は自分の足元とか近いものを、敢えて見ないように遠くから投げてたのが、今は足元も手元もそれこそ体温も感じられるような曲を作るようになったと自分でも思っています。だから今回のアルバムには凄く自分のキャラクターが出ていると思います。


Q.それにしてもWiennersのポテンシャルの高さには驚きました。しかもまだまだ伸びしろありますよね?

玉屋2060%:ありますね(笑)。アルバムを作るときに、当初は「W」でまとめ切れなかった二面性をまとめることでWiennersというものを確立させるつもりだったんですよ。でもシングルを作って、ワンマンツアーを経験して、韓国に行ったり、でんぱ組incに曲を提供したりする中で、今まとめちゃうのは勿体ないなって思ったんです。今はリアルタイムでバンドが成長している時期だから、まだまだ伸びしろや可能性を探れる段階だと思ったんです。それで途中で方向転換したんです。


Q.可能性って意味ではMAXさんの才能が今作で開花していますよね。

玉屋2060%:彼女は今までも飛び道具としての存在感はあったと思うんですよ。でも「十五夜サテライト」でフィーチャーしたり、色んな課題を与えることで飛び道具としてじゃなく、スタンダードの武器として大きく成長しましたね。


Q.ちなみに「午前6時」を聴かせたときのMAXさんの反応はどうでした?

玉屋2060%:めっちゃ泣いていましたね。「こんな気持ちにさせてごめん」って。確実に意識は変わったと思います。あの、自分でいうのも変なんですけど、俺を助けたいっていう気持ちが彼女の中で芽生えた気がするんですよ。成長することでバンドに貢献したいっていうか。


Q.それで出来たのがM-4「トワイライト」。

玉屋2060%:はい。今回のアルバムにMAXが作った曲をとにかく1曲入れたかったんですよ。「例え良くなくても自分が作る曲が世に出るのは達成感もあるし、学ぶことも多いはずだよ」って彼女に話したりして。そしたらめっちゃ良い曲作ってきたんです(笑)。「あ、こんなの出来るんだ!」って(笑)。


Q.思いっきり歌謡曲ですよね。

玉屋2060%:めっちゃ歌謡曲ですね。でもルーツがしっかり解るんですよ。例えばシュガーベイブとか。そういうの良いですよね。彼女の才能を世にアピールするためにアレンジも頑張りました。敢えて最後まで何も起きないのも新しいですよね。Wiennersの新しいスタンダードが生まれたかもしれないです。


Q.新しい試みもありつつ、M-3「MIDNIGHT EXPRESS」M-5「Black cowboy」のようなこれまでのWiennersを凝縮して更に倍増させたような曲もあって。

玉屋2060%:はい。この2曲は「CULT POP JAPAN」の方法論を更に突き詰めました。当時はメロディーの構築については考えていたんですけど、リズムの構築が追いついてなかったんですよ。でもそこを考えるようになったら楽器全部がリズムを刻むようになりました。あの頃の方法論を更に進化させた曲が作れたと思っています。


Q.マナブシティさんにお子さんが生まれたそうですがM-7「子供の心」はグッときますね。

玉屋2060%:子供ってたまにハッとするようなストレートな言葉を使うときあるじゃないですか。Wiennersの理想ってそれなんですよ。幼くて簡単で誰でも言える言葉だけど、ハッとする表現をしたいんです。この曲はお父さんお母さん目線でありながら、やんちゃで幼いものにしたかったんです。サビは恥ずかしいくらいストレートな言葉を使っているんですけど、それが凄く自分らしいなって思っています。


Q.あとWiennersって過去のシーンやカルチャーを現在に提示するバンドだと思っているんですけど、今回もM-8「海へ行くつもりだった」やLIFEBALLのカヴァーのM-10「BECAUSE I LOVE IT」を今の若いリスナーがどう受け止めるか楽しみです。

玉屋2060%:そこは狙ってますね。元々僕はそういうとこで育ったし、バンドも音楽もカルチャーが垣間見えるものに憧れるんです。例えばパンク、ハードコアだったらスケートだったり、レゲエだったらガンジャだったり、そういう文化が根付いているものに憧れますよね。Wiennersでもそういうものが見える音楽を提示したいんです。だからこうやってアルバムにヒントを散りばめるんですよね。僕もGOING STEADYからFRUITYやSCHOOL JACKETSを知って掘り下げたりしましたからね。そういうきっかけになったら嬉しいし、それって音楽の醍醐味ですよね。


Q.ルーツやバックボーンが見える音楽は面白いですよね。今回でいえばLIFEBALLだけじゃなく、Wiennersがフリッパーズギターのオマージュをする意味を掘り下げたらどんどん拡がりますよね。

玉屋2060%:そこなんですよ。そこから小沢健二やコーネリアスにいって、渋谷系に辿り着いたりしたら無限に拡がっていきますよね。色んな音楽に出会って欲しいし、どんどん掘って欲しいです。


Q.町には素敵なレコード屋さんが待っていますからね。M-9「MUSASHINO CITY」はまさにそういう曲ですよね。

玉屋2060%:はい。武蔵野に僕らの溜まり場のようなレコード屋さんがあるんですよ。こういう場所があるのって本当に大事だし、地元意識ってバンドをやっていく上でも大切だと思うんです。友達に救われて音楽やっていますからね。俺にはこういう場所があるし、みんなにもきっとあるんですよ。そこを大事にして欲しいなって思って書きました。


Q.今作には「UTOPIA」というアルバムタイトルが付いていますが、最初はこのアルバムがユートピアなのかなって思って聴き始めたんですよ。でもアルバムを通して聴いたら、バンドがユートピアを目指しているんじゃないかなって思うようになったんです。しかも天竺のようにあるかどうか解らないものじゃなく、しっかり目標として定められたユートピアを目指しているんじゃないかなって。

玉屋2060%:もう本当にその通りで、このアルバム自体がユートピアじゃなくて俺達が目指している先がユートピアなんですよ。パンクから派生した俺達が、オーバーグラウンドで活動することで先に見えるであろう景色を俺はユートピアって呼んでいるんです。だから今回のアルバムはそこに行くための道標ですよね。


Q.そう思って聴くとM-11「UTOPIA」がユートピアに辿り着いたら流れてそうな音楽に聴こえてきました。

玉屋2060%:まさにユートピアで流れてるBGMをイメージしました(笑)。続くM-12「Venus」は輪廻転生をテーマに書いているんですけど、ユートピアに着いてもそこはゴ―ルじゃなくて、続いていくんだよっていう曲なんです。


Q. この曲がアルバムの最後にあることでWiennersの旅に終わりがないことを表していますね。

玉屋2060%:終わらせたくないですしね。だからこのタイミングでアルバムを作り始めた当初のようなWiennersとして完結したものを作っていたら、きっとバンドが終わっていたんだと思いますね。俺達まだまだ続きますからね。この方法論で作って本当に良かったと思っています。


Q.今終わらせるわけにはいかないですからね。それにしてもこのアルバムは音楽の可能性がいっぱい詰まっていますよね。

玉屋2060%:そうですね。聴いた人が音楽にのめり込むきっかけになるようなヒントを沢山忍ばせたつもりです。歌詞からも曲名からも楽曲からも、色んなものを掘り下げることが出来るアルバムになったと思います。アルバムをいじくって分解して自由に楽しんで欲しいです!

 

Wienners:
マナブシティ(Dr) 玉屋2060%(Vo、Gt) MAX(Vo、Key、Samp) ∴560∵(Ba)

【HPアドレス】
http://wienners.net/

アルバムジャケット

Wienners
NEW ALBUM
UTOPIA
PDCX-9013

NOW ON SALE

¥2,400(税込)

Wienners presents UTOPIA TOUR 2012

9月1日(土)酒田hope
9月2日(日)千葉LOOK
9月11日(火)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
9月16日(日)神戸 太陽と虎
9月17日(月・祝)米子AZTiC laughs
9月19日(水)松山サロンキティ
9月21日(金)高松DIME
9月23日(日)福岡graf
9月26日(水)広島ナミキジャンクション
9月27日(木)岡山CRAZYMAMA 2nd Room
9月29日(土)京都MOJO
9月30日(日)浜松FORCE
10月6日(土)名古屋池下CLUB UPSET
10月7日(日)心斎橋Pangea
10月14日(日)仙台MACANA
10月20日(土)代官山UNIT(ワンマン)
11月9日(金) 札幌 Spiritual Lounge

前のページに戻る
2YOU MAGAZINE編集部
〒453-0837 愛知県名古屋市中村区二瀬町153 ニルヴァーナ101号室
Tel: 052-485-5993