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the原爆オナニーズ

1982年の結成から30年間に渡り、独自のスタイルと一貫した音楽性でシーンの先頭を走り続けているthe原爆オナニーズ。彼らの30周年を記念して10枚組BOX「We Are The 原爆オナニーズ 〜素晴らしきthe原爆オナニーズの世界〜」が発売される。自ら主宰するレーベル「TIN DRUM」と関西の名門レーベル「アルケミー レコーズ」の音源を中心に、未発表のライブ盤、そして30周年記念でLA・MAMAにて行われた酸欠ワンマンライヴの模様をDVD化したものなど、パンクへの拘りと愛情でいっぱいのスペシャルなBOXになっている。結成から30年、今なお進化し続けるthe原爆オナニーズのタイロウ氏にバンドの歴史、今回のBOXについて、更には現在の東海シーンについて、話を訊いた。

Q.30周年おめでとうございます。

タイロウ:ありがとうございます。


Q.82年の東海のシーンはどういうものでしたか?

タイロウ:えっとね、82年はシーン自体がまだなかったかな。THE STARCLUBとロッカローラくらいじゃないかな。85年になるとバンドもいっぱい出てきたけど、82年はまだシーンと呼べるものはなかったね。


Q.the原爆オナニーズはE.L.L.(ELECTRIC LADY LAND)が始まりなんですよね。

タイロウ:そうだね。原爆の最初のレコードはE.L.L.から出た「FROM ELECTRIC LADY LAND '83」だからね。これは良次雄君と大口君の脱退直前のライブ音源が入ってるよ。


Q.その後、84年には自主レーベルTIN DRUMを立ち上げて「JUST ANOTHER」と「NOT ANOTHER」を発表されていますが当時は珍しいやり方だったのではないでしょうか?

タイロウ:うん。その頃はメジャーしかないと思ってたからね。でもTHE STARCLUBがE.L.L.で出していたり、クラブ・ザ・スターのミックが自主制作のやり方を教えてくれたんだよね。EDDIEもクラブ・ザ・スターでノウハウは分かってたし。


Q.僕の家のレコード棚でこの2枚だけ頭が飛び出て並んでいます。

タイロウ:8インチだもんね(笑)。あれはヒコスタジオのヒコちゃんが「7インチより8インチのほうが長い時間収録できるよ」って教えてくれたんだよ。


Q.この8インチに収録されている曲が今でもライブで演奏されていることが凄いですよね。

タイロウ:作ったときから20年、30年後にも聴ける音楽を作ろうと思ってたからね。「JUST ANOTHER」と「NOT ANOTHER」はどっちも「これっきゃないよ」って意味のタイトルなんだよ。「NOT ANOTHER」は制作の直前にアメリカにバッド・ブレインズを見に行ったからアメリカのアンダーグラウンドの音を取りこんだ作品になってて、原爆の中では挑戦しているアルバムだから面白いよね。バッド・ブレインズは見れなかったんだけどね(笑)。


Q.アルケミーレコーズとの出会いを訊かせて下さい。

タイロウ:林君(林直人)がアルケミーの前にUNBALANCE RECORDSっていうレーベルをやっていたんだけど、大阪に原爆をイベントに呼んでくれてたんだよ。その頃原爆はたっちゃん(中村達也)が抜けてMAKOTOに代わった頃だったね。それで林君がアルケミーを始めることになって出すことになったんだよ。


Q.アルケミーから「NUCLEAR COWBOY」と「O'DD ON LIVE ITSELF」を発表した後、TIN DRUMから「ONANIES AT LAST」を出されたのはどういう経緯なのでしょうか?

タイロウ:THE GODとか名古屋アンダーグランドのオムニバス「Underground Romance」を出したくて再度TIN DRUMを動かしたんだけど、もう1回原爆も出してみたかったんだよね。それでTIN DRUMから「ONANIES AT LAST」を出して。当時、ヒコスタジオがなくなっちゃって、録音する場所がなくなったんだよね。それでヒコスタジオの機材をそのまま栄にあった新撰組スタジオに移動して作ったっていう。パンクバンドでもロックをやっても良い時代になった頃なのかな。パンクってフォーマットを使って色んな表現方法を使っても良くなったっていうか。それに挑戦したのが「ONANIES AT LAST」。音が硬かったり、ハードコアに手を出したり、重たいリズムだったり、分かり辛いけど面白いアルバムだよね。


Q.「GENBAKU HEAD QUARTERS」はリマスタリングされていることでオリジナルと印象が違いますね。

タイロウ:うん。完全にマスタリングし直した。当時、スタジオ機材が調子悪くて大阪からエンジニアに来てもらったんだけど「スタジオの機材があてにならない」って言われてカセットのテープレコーダーで作ったの。今回リマスタリングして全然違うアルバムになったから、今までの音源を聴いてくれてた人は楽しめるんじゃないかな。


Q.「ON TIME」は今池オープンハウスでのライブ音源ですが、これは貴重ですよね。

タイロウ:そうだね。90年の夏に今池オープンハウスが無くなったんだけど最後にこのライブ盤を残せて良かったと思う。この頃からバンドがタフになってきてるね。91年に「DESERT ISLAND DISC」を作って、そのままアメリカに行くんだけど、イケイケな雰囲気で帰ってきて作ったのが「ALL THE WAY」。これが93年かな。「ALL THE WAY」と「STEP FORWARD」の2作は敢えて音もいじらずにそのまま出しました。「この時点でこういう音だったんだよ」っていうのが分かってもらえたら嬉しいかな。


Q.DVD化されている「血管ブッチ切れ 13.Mar.1993. At La Mama」はアメリカから帰ってきたくらいのライブですか?

タイロウ:そうだね。アメリカでタフになってきたのをそのままぶち込んだようなライブをしていると思う。「血管ブッチ切れ」はシリーズでやっていたイベントなんだけど、30周年で復活したときはSHIGEKI君が帰国してたからギターを弾いてもらったし、たっちゃんにもドラムを叩いてもらった。それもDVDになってます。これが今回のボックスの全貌かな。


Q.こうやって聴くと原爆の曲ってどんどん進化していますね。

タイロウ:そうなんだよ。バンドってスタート地点からどんどん変わっていくものなんだけど、大体その段階で一緒に曲も捨てちゃうんだよね。でも原爆の面白いのは捨てるんじゃなくて、やり続けることで新陳代謝しているってとこだと思う。だから昔の曲をやっても最新の原爆に聴こえるんだよね。今風でいえばアップデートしていく感覚だよね。


Q.名古屋には仕事とバンドを両立させるっていう原爆の活動スタイルに影響を受けたバンドが沢山います。タイロウさんから見た今の名古屋のシーンはどう感じますか?

タイロウ:今、東海のシーンって全国でも類をみないほど活発だよね。最近じゃcinema staffやDOIMOIみたいな面白いバンドも出てきたし、i GOや明日、照らすみたいに名古屋で仕事をしながら活動していても東京や大阪までしっかり名前が知られているバンドも増えてきてる。ハードコアのシーンだってREALITY CRISISとか全国で支持されているしね。めちゃめちゃ心強いよね。どのバンドもさ、学生の頃は平日のブッキングで我武者羅に頑張ってきたわけじゃん。それでみんな大人になって働きながらバンドを続けていく中で、ライフスタイルにバンドが入り込んでいるのが最高にかっこいいよね。竹内電気がメジャーでやってきて、もう一回自分達のフィールドでやろうとしている動きもかっこいいと思う。どのバンドも自己満足じゃなく自己表現のためにやってるから東海地区のバンドはかっこいいと思うよ。


Q.原爆の遺伝子を受け継ぎながらもどのバンドも独自のやり方でアウトプットしているのが面白いですよね。

タイロウ:まさにそこだと思う。アウトプットの仕方をひとつにまとめる必要もないし、思いついたことを出してくるから見てて楽しいよね。あと東海のバンドってジャンルの垣根が低いのも特徴的かもね。i GOやJONNYがNOT REBOUNDやガソリンとやったり、cinema staffやclimb the mindがbloodthirsty butchersとやれるわけじゃん。そこが東海の強い部分だと思うよ。

Q.それって原爆が30年間やってきたことですしね。

タイロウ:うん、そうだね。あと名古屋のお客さんも凄いよね。原爆が非常階段とやっても、GAUZEとやっても、envyやBRAHMANとやっても、何の違和感も感じずに遊びに来てくれる柔軟さっていうかさ。深くて広いと思うよ。名古屋凄いよね。mudy on the 昨晩とかもさ、初めて見たとき「こんなやり方あるんだ!」って思ったし、DOIMOIやclimb the mindはstiff slackに遊びに行って新川君(stiff slack)が教えてくれたし。フラフラ歩いてるとみんなが良いバンドを教えてくれるんだよ。面白いよね、名古屋。


Q.タイロウさんは生涯バンドマンで生涯バンドキッズなんでしょうね。

タイロウ:自分でもそう思うよ。この年になってもライブハウスに行けばピットに入るからね。ピットで見れなくなったら終わりだよ。別にダイブすることが目的じゃなくて、バンドの熱が一番分かり易い場所を探して見ているんだよ。後ろの方でふんぞり返って腕組んで見ててもつまんないじゃん。だったらピットで「あのおじさん変な人」って思われてもいいから自分の楽しみ方で一生ライブハウスにいたいよね。


Q.最高です。原爆も40周年、50周年と楽しみにしています。

タイロウ:このまま続くだろうね(笑)。楽しすぎて辞める理由がみつからないもん。NOTREBOUNDから大ちゃん(松原大)が抜けちゃうけどさ、原爆だって30周年でSHIGEKI君が弾いてくれたわけだし、表現の場を守ってればまたやれると思うよ。たまたま原爆は長いこと続いたけど、バンドなんか2年くらいで解散すると思ってたのね。こんなバンド名だしさ(笑)。でも続けて行く中で負担が減っていくようにみんなで考えてやっていけばいいんだよね。僕らはそうやってきたらあっという間に30年経ってた。やれない理由を探すんじゃなくて打開策を考えれば良いんじゃないかな。やっちゃえばいいんだよ。だってみんなバンドしかないんだし。


Q.それこそジャスト・アナザー、ノット・アナザーですよね。

タイロウ:その通りだね。バンドを始めるときは「これっきゃないよ」って始めるんだからさ。原爆は30年これでずっとやってきたからね。

 

【HPアドレス】
http://www.chargeguitars.com/GENBAKU/B_GENBAKU.HTM

アルバムジャケット

the 原爆オナニーズ
NEW ALBUM
We Are The 原爆オナニーズ 〜素晴らしきthe原爆オナニーズの世界〜
[CD9枚組+DVD] YOUTH-192 10500円

NOW ON SALE

DISC 1「JUST ANOTHER the 原爆オナニーズ」
DISC 2「NOT ANOTHER the 原爆オナニーズ」
DISC 3「ONANIES AT LAST:パンクロックの素晴らしき世界」
DISC 4「GENBAKU HEAD QUARTERS」
DISC 5「ON TIME(LIVE AT OPEN HOUSE)」
DISC 6「DESERT ISLAND DISC」
DISC 7「ALL THE WAY」
DISC 8「STEP FORWARD」
DISC 9「血管ブッチ切れ 13.Mar.1993. At La Mama」
DISC 10「血管ブッチ切れ 19.May.2012. At La Mama」(DVD)

LIVE SCHEDULE

11月 4日(日)大阪 ファンダンゴ
『原色PUNK図鑑〜ファンダンゴ25周年記念編』
W / THE RUDEBOYS/KiM/THE GUAYS

2013年 1月14日(月)名古屋E.L.L
『the 原爆オナニーズ 30th Anniversary Special GIG !』
W / 中村達也、フラワーカンパニーズ、他

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