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下山

新しい時代の幕開けか。2009年、大阪にてライブ活動を開始したサイコデリシャス・ハードXXを掲げる4人組「下山」。関西ゼロ世代を丸ごと飲み込む圧倒的で鋭利的な世界観を持つ彼ら。震災以降の日本に対する想いを独特の視点から皮肉交じりに吐き散らかした1stアルバム「かつて うた といわれたそれ」はバンドの持つドス黒い狂気に満ちたリビドーも相俟って強靭な破壊力を放つ作品としてシーンに衝撃を与えた。そして今回、「かつて うた といわれたそれ」に続き世に産み落とされた「LIVE 2012・大阪/侵蝕の赤い十六日・東京」は下山の真骨頂であるライブを封じ込めたCDとDVDの2枚組となっている。その特異性やセンセーショナルな言動もさることながら、音楽性の高さや純度もライブや作品から充分に感じられる。もう思う存分浴びて欲しい。下山を聴けば分かる。音楽の可能性は無限だ。

Q.まず下山というインパクト大なバンド名の由来を訊かせて下さい。

マヒトゥ:文字の勃起ですね。島国の人間は象形文字が好きなんです。山って字は中指をおっ立ててる絵ですよね。下山ってヴィジュアル系じゃないですか?だったら迷わず象形文字だろうって。でも誰かが言い出したわけじゃなく初めから下山って言葉があったので発案者はいません。しいて言うならこの島国の大地が名付け親ということになるでしょう。


Q.下山が掲げる赤色の意味とは?

マヒトゥ:テレビでX JAPANがラーメン屋で演奏しているのをみた時、そのメンマの上に天道虫が止まっていて、その斑点をみた時にね、クリントイーストウッドに心臓を打ち抜かれた際の弾痕を思い出したんです。そこから赤が吹き出す感じは、道のエロ本蹴りながら帰った夕焼けを思い出させ、たまらなく興奮しました。つまりX JAPANですね。下山は2013年のX JAPANなんだとおもいます。ヴィジュアル系なんで。


Q.X JAPANもサイケデリック・バイオレンス・クライム・オブ・ビジュアルショックを掲げていましたよね。

マヒトゥ:それは知らないです。僕、X JAPANのCDは1枚も持ってないんで。


Q.…で、では音楽との出会いは?

マヒトゥ:X JAPANですね。ドラムのシャーク・安江の上半身の強靭さはTOSHIの喉の筋肉美に影響を受けています。なのでTOSHIのヴォーカリゼーションをドラムで表現したのが下山だといえます。出会いといえばケチャップをひねり出すあのブリブリな音も音楽の出会いとよべるかもしれません。ケチャップにはブルースとノイズの要素がちりばめられていると直感し、幼心ながらに震えていました。


Q.下山を初めて聴いたときに突然変異的なものや、戸惑いに近い感覚を覚えました。

マヒトゥ:うん。そういうのを作りたかったのはありますね。色んな音楽が説明的すぎると思うんですよ。CDの帯にも分かり易く「○○ファン必聴」とかメディアも「この音楽はこう聴け」みたいな矢印が多すぎる。耳を噛みちぎりたくなる。それで実際聴いたらそれ以上でもそれ以下でもない音楽が多すぎて。それよりは聴いて戸惑ってもらえたほうが9000倍いいですよね。寺山修司が「ボクは巨大なクエスチョンマークでありたい」って言ってるんだけど、そういう感覚に近いですね。下山も「答え」であるよりも「?マーク」でありたいです。無意味であることに音楽の大切な部分がつまってる。そして、無意味なのに圧倒的に力があるものにほ乳類は惹かれるんです。空とかもそうですよね。海もそうだし。


Q.とは言え、今作には「原発反対って言ってれば許されると思ってる馬鹿」というメッセージ性の強いMCが収録されていますよね。

マヒトゥ:うん。でもそれは主張やメッセージではなく居心地悪いなっていう違和感からあふれた言葉で。僕も、原発はいらないって思っているけど、売名行為に聴こえてしまう声があまりに多かったし、それを正義と信じて疑わない風潮も気持ち悪いなって思った。市民権を得た正義の行使のやり方に違和感を感じるんですよね。そういう違和感や気持ち悪さは昔から感じていました。賛成にしろ反対にしろ、信じこまされたものすべてを疑えよと。


Q.反響はどうでしたか?

マヒトゥ:イメージで敬遠されているのか、直接誰も言ってこないですよ。僕は否定であっても、ちゃんと目を見て言ってくれるんであれば大歓迎です。そういう批評の雨を浴びる媒体でありたいし、慣れ合いで褒め合うより音楽で対話したいですね。そういうのは教育からはじまってるのかな?代々木忠からやりなおせよと憂国のネクタイたちに言いたい。


Q.ではご自身で下山をどういうバンドだと思いますか?

マヒトゥ:僕はファンタジーが無くなったら終わりだと思うな。逃避のための魔法ですよね。辛い生活でさらに夢すら見れなくなったら終わりですよ。含みや余白に、自分なりの色を着けられる部分がなくなってしまったら需要と供給が一致したファストフードみたいな音楽しか残らないと思います。僕はコンビニに売ってるような音楽を作ってるわけじゃないですから。それよりも、ディーラーが深夜の歌舞伎町で捌いている劇薬のような音楽でありたい。服用する容量をミスったら死に至るような愛しい魔法です。


Q.前作「かつて うた といわれたそれ」と今回のライブ盤は表裏一体というか、どっちも下山だけど、どっちかが欠けたら下山ではない気がしました。アルバムしか聴いてない人に今回のライブ盤を聴いてライブに足を運んで欲しいですね。

マヒトゥ:ライブに来さえしたら音を聞こうとさえしなくていいし、何も見なくて良いから。とにかくその場にいてくれさえしたら良い。先入観をひねりつぶしてBUGを与えにいきますよ。いい匂いがしますよ。この前も16人限定で1人ずつ入ってもらってマンツーマンでライブしたんですけど、見たことのないような生きた表情をしていました。下山とは個人的な体験として出会えることだけが唯一の希望です。


Q.ともすればこのインタビューすらフィルターがかかってしまうかもしれないですね。

マヒトゥ:うん。インタビューも読まなくて良いです。

 

【HPアドレス】
http://gezan.net/

アルバムジャケット

下山(GEZAN)
NEW ALBUM
LIVE 2012・大阪/侵蝕の赤い十六日・東京
PECF-3032

NOW ON SALE

\2600

live schedule

1月6日(日)龍宮ナイトvol.45
『下山(GEZAN) ライブ盤&DVDレコ発ツアー』
名古屋 CLUB ROCK'N ROLL
下山(Gezan) のうしんとう

1月11日(金)
『BUG ME TENDER vol.5』
下山(Gezan)東京ワンマンライブ
渋谷 o-nest

2月3日(日)
『BUG ME TENDER vol.6』
下山(Gezan)大阪ワンマンライブ
十三 Fandango

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