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amazarashi

青森県むつ市在住の秋田ひろむを中心とするバンド、amazarashi。何の脚色もせず世の中のリアルを剥き出しにする彼の強烈なまでに真っ直ぐな世界観は、ライブ活動やメディアへの露出が極端に少ないにも関わらずしっかりとリスナーの心に届いている。前作「ラブソング」から約10カ月という短いスパンでリリースされるニューアルバム「ねえママ あなたの言うとおり」。今までにも増して尖った作品になったと秋田ひろむが語るように、日常で感じる違和感や不満を歌った作品だと思う。ただその先にしっかり希望が見えているのがamazarashiの強さだろう。アルバムについて、パーソナルな部分について、バンドの中心人物である秋田にメールインタビューを試みた。また秋田ひろむによる全曲解説もあり。貴重な彼の声をどうぞ。

Q.秋田さんが音楽を始めたきっかけや影響を受けたアーティストを教えて下さい。

秋田:小学生の時にTMNが好きでキーボードを買ったのが音楽を始めたきっかけです。その後ブルーハーツが好きになってコピーバンドを始めて、ギターを始めたのが中学生でした。高校生でオリジナルをやるようになって、ライブハウスでライブしたり、地元のイベントやバンドコンテストとか出たりしてました。当時はハイスタやイースタンユースが好きでした。今も好きですが。amazarashiに直接的な影響を与えたのは、日本の古いフォークだと思うのですが、聴き始めたのはamazarashiを始めてからなので割と最近です。友川カズキ、中島みゆき、が好きです。


Q.amazarashiの歌は何が原動力となって生まれてくるのでしょうか?

秋田:以前は上手くいかない事に対する怒りとかフラストレーションが原動力だったと思うのですが、今は違うように思います。今は、曲を作ったり歌詞を書いたりが単純に楽しいというのがモチベーションです。ほとんど生活の一部になっています。


Q.「自身を肯定する」ということが、amazarashiの楽曲には大きなテーマとしてあると思うのですが、バンドが発信する中で最も重要なことは何ですか?

秋田:あんまり第三者を想定にいれずに、自分が何を言いたいか何をしたいかを考えるようにしています。メジャーデビューしてから関わる人も増えたのですが、曲を作るときだけは人に気を使わず、好きにやろうと思ってます。それ以外はあまりこだわりもなく、amazarashiをやる事が苦しくならないようにamazarashiらしさとかは考えないようにしています。


Q.これまで何枚も音源を出してきた中で、amazarashiを必要とする人も増えたと思います。状況が変わっていく中で秋田さんの意識の変化はありましたか?

秋田:曲を作るときの視点が一つ増えました。ライブをやったり手紙を貰ったりして、リスナーとの接点が出来た事で共感する事もあって、そういう気持ちから曲を作ったりする事が増えました。状況はよくなったと思います。理解者が増えたという意味で。それ以外はあまり変わりません。


Q.今作「ねえママ あなたの言うとおり」というタイトルがかなり印象的ですが、どういう意味が込められているのでしょうか?またアルバムのコンセプトはありましたか?

秋田:このタイトルはM-4「性善説」という曲の1フレーズなんですが、「性善説」自体のテーマを端的に表していると思ったのと、「ねえママ あなたの言う通り」という言葉が、このアルバム7曲それぞれの意味合いを内包しているのでこのタイトルにしました。聴きながらなんでこのタイトルなんだろう?と考えてもらえたら嬉しいです。コンセプトは全くなくて、出来上がった曲の中から聴いてもらいたいものを選んだんですが、結果として今だからこそ、出来るべくして出来たアルバムだと思います。


Q. 今作もポエトリーリーディングが収録されていますがamazarashiにとってポエトリーリーディングはどういう役割を果たしているのでしょうか?

秋田:アルバムではインタールードの代わりなんですが、言葉が入る事で前の曲の余韻だとか、次の曲の序章っぽい意味合いだとか、そういう役割だと思います。


Q. アルバム全体を通して、歌詞から今までに増して絶望の先にある光や希望、歌うことの意思を感じました。

秋田:自分自身が奮い立つような歌を歌いたいので、最後に希望が見えるようなものを作ってしまいます。それに、強い希望を描く為にはその逆も強く描かなきゃないと思うので、そこはとても意識しました。


Q. 歌詞だけでなく、秋田さんの歌に関しても非常に力強いものを感じました。物凄く外に向いているイメージというか。

秋田:歌に関しては普段からそんなに考える事もないのですが、ライブやったりしていると今更なんですが、歌う事ってやっぱり楽しいなって思ったりします。以前はそんな事考えなかったんですが、余裕がなかったのかもしれません。


Q.では今作を1曲ずつ解説して頂きたいと思います。M-1「風に流離い」について。

秋田:これはものすごい私的な歌なんですが、これを入れたいが為にこのアルバムを作ったと言っていいくらい大事な曲です。絶望から希望が見えるっていうのは以前からamazarashiがよくやっていた歌の形なんですが、ほとんどは現在から未来を見て、「きっとよくなる」っていう願望の歌で、この曲は現在から過去を振り返ったもので、色々あったけど今はいい感じだよ、という歌です。この視点はamazarashiの成長なんじゃないかなと思います。


Q.M-2「ジュブナイル」について。

秋田:上でも書いた、リスナーと接点を持った事で出来た曲です。ファンから手紙を貰う中で、絵だったり詩だったり映像作品だったりを送ってくれて、そういう人達が多いのかなと思ったりして、僕も以前はワナビーでしたし、昔の気持ちを思い出して作った曲です。単純な応援歌です。あと、「風に流離い」もそうですけど、今回のアルバムは韻を踏んでいる曲が多いです。今までは好きなように歌詞を書いて、無理矢理メロディーにはめ込むというのが多かったんですが、定型的なものの中での曲作りというか、制限の中で作る事での予想外の結果みたいなものが、このアルバムでは出来たと思います。


Q. M-3「春待ち」について。

秋田:ポエトリーリーディングです。次の曲の「性善説」のフレーズ“あの子の家に向かう電車の中”から取って、彼女の家に向かう情景から始まります。リリースは春ですが、作っているのは冬なので、早く春にならないかなと思って作った詩です。


Q. M-4「性善説」について。

秋田:今回のタイトル曲と言っていいと思うのですが、テーマは以前リリースした「アノミー」という曲の続編に近いと思います。「アノミー」は社会的規範が崩れる事を憂うだけの歌だったんですが、この曲ではその答えを自分なりに提示できたと思います。2番サビに出てくる下世話な話をする男と、子供を連れ車両を変える母親は、実際に東京で見た風景です。とても胸くそ悪くて、もやもやしてこの曲が出来ました。


Q. M-5「ミサイル」について。

秋田:タイトルとは裏腹に、とても内に向いた歌です。僕がamazarashiで表現する中で感じる違和感を歌ってます。色々文句を歌ったりしますけど、結局自分が気持ちよければ何でもいいのか?と感じる事がよくあって、自分を戒める意味合いの曲だと思います。すごい古い曲で、アマチュア時代に作った曲なんですが、さすがに今の気持ちと違いすぎたので一番サビ以降の歌詞は全部変えました。


Q. M-6「僕は盗む」について。

秋田:「ミサイル」からの僕が感じる違和感と「パーフェクトライフ」の完璧な人になりたい、というところを繋げるポエトリーリーディングです。曲作りをする上で、あるテーマを用いる事を“盗む”と表現していますが、それは「ミサイル」で歌っている罪悪感と地続きです。本来は感じる事が先にあって歌を作ると思うんですが、最近は歌を作る為に何かないかなと考える事が増えて、いいか悪いか分からないんですが、なんとなく違和感があったのでそれを詩にしました。


Q. M-7「パーフェクトライフ」について。

秋田:僕も未だに失敗ばかりなんですが、そういう時に出来た曲です。完璧な人間にはなれないけれど、それでも前向きに生きるにはどうすればいいか、と考えてできた曲です。今回で一番優しい曲なのでアルバムの最後にしました。


Q.ありがとうございます。リリース後には、東名阪ツアーもありますが、ライブはどのようなものになりそうですか?

秋田:演出もいつも以上に面白いものができると思いますが、バンドとしてパワーアップしたamazarashiも見せられたらと思います。


Q.では最後にメッセージをお願いします。

秋田:今回のアルバムはとても尖ったものになりました。でもそれは単に不満を発散しているからという訳ではなく、より強い希望を描くために絶望も色濃いものになったからだと思います。とてもいいので聴いて下さい。

 

【HPアドレス】
http://www.amazarashi.com/

アルバムジャケット

amazarashi
NEW ALBUM
ねえママ あなたの言うとおり

2013年04月10日 ON SALE

●初回限定盤
【CD+DVD】 AICL-2527 2100円
●通常盤
【CD】 CDAICL 2529 1800円

amazarashi LIVE TOUR 2013
「ねぇママ あなたの言うとおり」

2013年5月31日(金)東京都 渋谷公会堂
2013年6月8日(土)大阪府 なんばHatch
2013年6月9日(日)愛知県 名古屋CLUB DIAMOND HALL

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