PICK UP INTERVIEW
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the pillows
2013年9月16日に結成25周年期間に突入するthe pillowsが、同日9月16日に活動再開後、初となるシングル「ハッピー・バースデー」をリリースする。the pillowsの活動休止中に発表された山中さわおのソロアルバム「破壊的イノベーション」はそれまでのソロとは違い、the pillowsを彷彿とさせるものだった。そこで感じたもの、メンバーへの思いを持って、その活動を再開させたthe pillows。25年目のthe pillowsの決意ともとれるシングル「ハッピー・バースデー」について山中さわおに話を訊いた。

Q.ソロアルバム「破壊的イノベーション」は過去2作のソロアルバムと違い、the pillowsを彷彿とさせる作品でしたが「Buzzy Roars Tour」はどのようなツアーになりましたか?

山中:ステージに立っている感覚はthe pillowsと変わらなかったですね。来てくれた熱心なファンと音楽的なキャッチボールも出来たし、熱くなる瞬間もありました。でもそれはthe pillowsでも感じることなので特にソロツアーだからって印象ではないんですけど。完成させた音楽をベストな状態で鳴らすことはバンドでもソロでも変わらなかったですね。


Q.お客さんの反応はどうでした?

山中:僕はthe pillowsもソロも同じ感覚でライブをやったんだけど、ツアー最初の方はお客さんが音楽じゃない部分で違和感を感じてた気がします。the pillowsの3人が揃ってない違和感というか、ステージから見ていて「戸惑ってるのかな」って感じた瞬間はありましたね。でも不思議なのは、今の時代ならではというか、Twitterとかでお客さん同士の横の繋がりがあるから情報が伝わっているのか、博多と北海道じゃ違うお客さんの前でやるわけだからみんな最初は同じリアクションなのが普通じゃないですか。でも回を重ねる毎に盛り上がっていくんですよ。ツアー後半になればなるほど。あれは20年前にはなかったことだなって。ツアー前半でも後半でも初めてやる場所では同じリアクションが待っててもおかしくないはずなのに、最終日が近付くにつれてどんどん盛り上がっていきましたからね。改めて音楽以外の要素があるんだなって気付いたツアーでした。


Q.なるほど。お客さんの違和感の要因ってなんだと思いますか?

山中:…ええと、もしかしたらみんな保守的なのかもしれないですね。変化を望まないというか。the pillowsが活動休止中だったのも大きいかもしれない。僕がソロで頑張れば頑張るほどthe pillowsが解散するんじゃないかっていう不安を掻き立てたかもしれないですし。だからもしthe pillowsをやりながらのソロ活動だったら違和感なく盛り上がったのかも。そういう人間の心理は今回凄く感じましたね。


Q.そもそもthe pillowsの休止の理由はなんだったのですか?

山中:正直、ここ数年のthe pillowsはスルー出来ないくらいバンドの状態が良くなかったんです。とりあえずプラスマイナスゼロの状態まで戻さないと話にならないくらいネガティブな状態でした。バンドをやっていく最低限の情熱を感じなくなったというか、とにかくthe pillowsがthe pillowsじゃなくなっていく感じがしたんです。僕は何かに集中したり、拘ったり、もしくは執着したりするエネルギーが他人より強い人間なので、みんながみんな僕と同じ熱量じゃなくても良いと思っているし、個々のパラメータの上がり下がりがあるのも理解できるんです。そのパラメータが8、9くらいなら問題ない、7でも片目を瞑る、6でもまだ期待したい、ただそれが2とか3になると我慢出来ないんです。そういう状況にバンドがなったと感じたのでthe pillowsをリセットする必要があった。メンバー全員が、the pillowsが自分の人生にどれくらい必要か改めて考える必要があったし、必要だと思うならどれくらいの情熱で関わらないと前進しないか、骨の髄まで考える必要があったんです。


Q.今作のM-1「ハッピー・バースデー」の歌詞でも「引き金ひくのは指じゃなく心 残り時間を吹き飛ばしたい衝動」と歌われていますが、the pillowsがギリギリの状態だったのが伝わってきます。

山中:そうですね。「ハッピー・バースデー」は元々「破壊的イノベーション」に入れる予定だったんですよ。でも2013年6月にthe pillowsが動くことはその時点で決まっていたし、25周年のアニヴァーサリーも控えていたのでソロで出すのは空気読めない感じになっちゃうなって(笑)。それでthe pillowsにとっておいたんです。曲自体は去年の「TRIAL TOURの頃に書いていたんだけど、今出すとはまるなって。この曲は自殺未遂を図る人ってどんな気持ちなんだろうって考えて書いたんです。何もかもがどうでもいいやって気が滅入って、そういう深層心理になって、死のうとしても人間は簡単に死ねないじゃないですか。そういうとき、人間の深層心理として何を願っているんだろうっていうのがテーマです。


Q.それはthe pillowsの状況とリンクしていたのですか?

山中:どちらかと言えばリンクさせたのかな。最初は全く考えてなかったです。あとthe pillowsで普段「ハッピー・バースデー」って言葉はきっと使わないと思いますね。○○バースデーみたいなオリジナリティーのある言葉を探すんじゃないかなって。でもこの曲は「じゃあね、ばいばい」とか「ありがとう」とか「こんにちは」みたいな日常的に使う言葉を使いたかったんです。絶望していても生きていることに対してスッと出てきた言葉が誕生日の人に言う「ハッピー・バースデー」だったんです。the pillowsらしくないなって思いましたけど(笑)。


Q.M-3「クオーター 莫逆の友」は活動休止中のメンバーに対するさわおさんの素直な気持ちが込められていますよね。

山中:この曲は完全にそうですね。これはソロツアー中に作りました。最初から「ハッピー・バースデー」のシングルのカップリングに入れるって決めて作ったんですよ。これまでだったらthe pillowsは3人だから何でも3で考えるんですよ。マークも3本の剣だし、バスター君も3色だし。でもサポート・ベースのじゅん(鈴木淳)も1999年からずっと一緒にやっているし、今回は4分割で考えようかなって。


Q.それでクオーターなんですね。

山中:そうそう。最初、曲の最後の英語詞の繰り返し部分はなかったんですけど、もうひと展開欲しいなって思い、25周年に向けての「Quarter of a century」も入れたかったし、4人いるうちの1人を担っているっていう意味で「Quarter of mates」とも歌っているんです。あとは単純にthe pillowsの4分の1くらいのお客さんがソロのライブに来てくれたから、「そこまで来てくれてありがとう」っていう仲間意識もあってクオーターって言葉は使いたかったんです。


Q.タイトルにある莫逆の友っていうのはメンバーだけじゃなくお客さんも含めて莫逆の友なんですね。

山中:そうですね。ソロライブに来てくれた人は特に。


Q.活動再開後のバンドの状況はどうですか?

山中:再開後のthe pillowsは凄く良い状態ですよ。僕がメンバーに望む情熱以上の情熱で今回のシングルも作ることが出来ましたからね。ここ数年とは全然違う状態に今バンドがなっています。


Q.意味のある活動休止だったのかもしれませんね。

山中:そうですね。まあ本当は休止しなくてもこの状態でいれたら一番良かったんですけど(笑)。でも本当に良い状態なのでツアーも楽しみです。


Q.今回のツアーは「LOSTMAN GO TO CITY」ということで、このタイトルのツアーは普段聴けない曲が聴けるので楽しみです。

山中:「LOSTMAN GO TO CITY」は基本的にはマニアだけ来て楽しんでくれれば良いってシリーズなんだけど、今回は普段やらない名脇役的な曲だけじゃなく、新曲もやるし、復活後初のツアーなのでみんなが聴きたいであろう曲もやります。だから面白いセットリストになるんじゃないかな。このツアーの後25周年に向かって色々やろうと考えています。アニヴァーサリーなのでthe pillowsの歴史を振り返るような企画をするかもしれませんね。


Q.結成当時は25年間the pillowsをやっているイメージはしていましたか?

山中:全くしてなかったですね。25年間もやるなんて思ってもなかったです。20歳くらいの頃はバンドだけじゃなくて、何でも長くやれるタイプじゃないと思ってましたし。先のことを考える能力が低かったというか、習慣がなかったんですよ。1年後のことで手いっぱいだったし。先のことを想像する能力があったらミュージシャンなんて怖くてやれないですよ(笑)。みんなそういう部分が麻痺しているから続けられるんじゃないかな。


Q.25年目のthe pillowsも楽しみにしています。

山中:ありがとうございます。でも僕は休んでいた分、25周年っていうアニヴァーサリーより、今は復活できたことに喜びを感じています。良い状態で再スタートを切れたから、今はその喜びが頭を占めていますね。


the pillows:
山中さわお(Vo、Gt)
真鍋吉明 (Gt)
佐藤シンイチロウ (Dr)


【the pillows】
http://www.pillows.jp/

【山中さわお】
http://yamanakasawao.com/

ジャケット

the pillows
NEW ALBUM
ハッピー・バースデー

2013年9月16日発売

●初回生産限定盤【CD+DVD】
AVCD−48702/B 1800円
●通常盤【CD】
AVCD−48703 1200円

ジャケット

山中さわお
NEW ALBUM
ROAR! FLASH! AND MEMORIES 2013.06.02 at Shibuya O-EAST “Buzzy Roars Tour”

2013年9月16日発売

【2DVD】NFBD-27927 4200円
【Blu-ray】NFXD-27926 4200円

the pillows TOUR 2013 “LOSTMAN GO TO CITY”

11月16日(土)東京・SHIBUYA-AX
11月22日(金)愛知・名古屋 CLUB DIAMOND HALL
11月24日(日)福岡・DRUM LOGOS
11月29日(金)広島・CLUB QUATTRO
12月1日(日)大阪・なんば Hatch
12月6日(金)宮城・仙台 Rensa
12月8日(日)北海道・札幌 PENNY LANE 24
12月14日(土)東京・Zepp Tokyo

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2YOU MAGAZINE編集部
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