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i GO
「悲しいことを悲しいと言うのではなく、そこから這い上がっていくものだったり、無理してでも笑ってるような、必要なのはそういうパワー。元気な人間が行き止まりの感情を歌ってても進まない。俺は希望を歌わねば。」2年振りのアルバム発表に際しこう語ったi GO茜谷有紀。2011年3月11日に日本を襲った未曽有の災害、そこから派生した様々な問題、国とは、政治とは、人間とは…。全てに向き合った彼らが辿り着いたのは希望を歌うことだった。本当なのか嘘なのか、惑わされず、踊らされず、自分で見極めることが大事だとこのアルバムで訴えるi GO。2013年に生きる日本人、茜谷有紀に話を訊いた。

Q.震災以降のバンドの変化が如実に現れたアルバムになりましたね。

茜谷:今までのi GOはそこまで政治的なことは歌ってこなかったけど、2011年3月11日以降、曲作るときも地震のことばっかり考えるようになって。でも最初はそれをi GOで歌うのは違うんじゃないかって思ってた。それで無理矢理作ったのがM-2「青春」。あの曲だけ唯一地震を受けて書いた曲じゃなくて。そういうことを歌うのが怖かったってのもあるかもしらん。でもやっぱり詞を書こうと思ったら、考えてしまうのは地震やそこから派生した問題や政治的なこととかばっかりで。それで迷い抜いた結果、「自分の音楽は何なのか?憧れた音楽は何なのか?」って考えたら、すんなりこっちの方向に導かれて行った。怒ったりはするけど、悲しいまま終わらせるんじゃなくて、最後に希望がある歌を歌おうって。それで出来たのがM-5「UNDER THE RAINBOW」で。今のi GOにとってほんまに大事な曲です。


Q.今のi GOが歌っているのは希望を見据えたレベルミュージックだと思います。

茜谷:M-1「反動」とか怒ってるだけやけどね(笑)。でもこういうことを歌っておきながら思想が偏りすぎてるわけじゃなくて。こないだの選挙の時とかもそうやけど、ここ数年で取り沙汰されてる問題に対して、極端にどっちかに寄るわけじゃなくてまず両面から見ようとしてる。その上で何が本当か見極めたいと思ってるし、それを歌っていきたいと思ってる。


Q.それは「TRUE or FALSE」というアルバムタイトルにも繋がっていますね。

茜谷:本当のことを知ってる人が本当のことを言わへん訳で、それに対して嘘の本当を作り上げて、それをみんなが「そうだそうだ」って盛り上がっていくのもなんかちょっと違和感があって。とにかく本当の本当が知りたい。一番根本やけど、まずそこから。


Q.踊らされないことが大事というか。

茜谷:そう。色んな人の意見を聞くのは大事やけど、多数少数とかで振り回されるんじゃなくて、最終的にはそれを消化して自分の意志を持つことが大事やと思う。理想に行き着くまでの過程の段階では何がベターかを考えることも必要やと思う。ベストだけ考えてたら潰れてまう。


Q.これまでのi GOのパブリックイメージってあるじゃないですか。

茜谷:ちょけてる感じ?(笑)。


Q.はい(笑)。でもそことは真逆なものになったと思うんです。

茜谷:やっぱりそうかなあ。でも本質は変わってへんと思う。今までもちょけながらポイントポイントで大事なことは言ってきたつもりやし。メンバーとも特に話し合った訳じゃないけど2人とも俺のこと分かってくれてるし、俺がおって昌吾(野田)がおってフッキー(吹原)がおるっていうバランスが…俺だけやったら振り切ってしまうところを昌吾とフッキーがリミッターになってくれてるところも確実にあるから。あいつらがメンバーで良かったと思う。


Q.アルバムの中で印象的なフレーズがあって。M-4「日本」の「やさしく押し寄せる波音を許すことから始める」という歌詞はあまちゃんの夏ばっぱを想像させました。

茜谷:夏ばっぱね(笑)。この曲は誰かがモデルになったわけじゃないんやけど、地震が起きて海沿いの町は甚大な被害を受けてさ、そういう町に実際行って津波の被害にあった人と話をする中で「こう思ってたら嬉しいな」っていう希望も込めて書いたのが「日本」で。「消えない痛みや悲しみと一生付き合う覚悟は出来てる」なんて実際は言ってられへんかもしらん。でもこの曲は俺の中では希望やから。這い上がっていってくれたらいいなっていう希望。無責任かもしらんけど、希望でしかないよ。


Q.僕がこのアルバムを聴いて感じたのは「それでも日本が好き」ってことだったんです。色んなことがあって嫌いになりかけたけど、やっぱり日本で生きていきたいと思わせてくれるアルバムでした。それだけに、i GOの覚悟も凄く感じましたし。

茜谷:これから日本がどう転がるか、世界がどう転がるかなんて分からんけど、俺が曲を作るってなったとき、今はそういうもの以外思いつけへん。日常を送る中で、テレビでもSNSでも仲間との会話でも地震や原発事故を受けてのニュースや情報は常に入ってくる訳で。その状況で、俺は綺麗事でも何でもなく地震のことを考えなかった日なんて1日もなくて。だからこのアルバムは「今の日本でこういう歌を歌っていきたい」という、まさに覚悟のアルバムになったと思う。


Q.無関心が最大の敵ですからね。

茜谷:地震があって、被災地で抱える問題そのものもそうやし、そこから派生した問題もあるし、地震以降政治に関心を持ちだしたことでやっと気づいたことも山ほどある。それで「誰々の言ってることはおかしい」って批判するやつもおれば、今度はその批判するやつを批判するやつも出てくる。でもそういうのも大事かなって思うねん。いろんなことを見て聞いて、それを消化して自分の意見ができて、それを誰かに話して納得し合ったりぶつかったりして。国力ってそうやって高まっていくもんやと思う。それを自分たち以降の世代の人間がいかにしてやっていくか。全人類が同じ方向を向くことなんて、はっきり言って不可能に近いと思う。でも希望は持ちたいやん。ええカッコ言うなって思われてるかもしらんけど、俺本気で世界平和願ってるから。たぶん今歌いたいのはそういうことです。


i GO:
吹原靖紀(Dr) 茜谷有紀(Vo/G) 野田昌吾(G/Cho)


【HPアドレス】
http://www.i-go-net.com/

アルバムジャケット

i GO
NEW ALBUM
TRUE or FALSE
OBOCD-019

2013/11/6発売

1575円

「TRUE or FALSE」レコ発ライブ

10/27(日)今池HUCK FINN(ワンマン)
12/08(日)天王寺Fireloop
12/13(fri) 今池HUCK FINN
12/14(sat) 渋谷LUSH
11/9(土) 今池HUCK FINN
w/ATATA/KARIBUxNOxKAIZOKU

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