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小田和奏
2013年7月に惜しまれつつもその活動にピリオドを打ったNo Regret Life。2001年に鹿児島で結成された彼らは、そのエモーショナルなサウンドと小田和奏の優しさと男気を併せ持つ独特なヴォーカルで真っ直ぐに音楽を鳴らし続けてきた。バンド解散後も積極的にライブを続けている小田和奏が自身初となるソロアルバムをリリースする。今作はまるで会話しているような温かい作品となっており、手を伸ばせば触れられるような、音楽を通して小田和奏との距離感を感じることが出来る素晴らしいアルバムだ。バンド解散から数カ月、No Regret Lifeについて、ソロアルバムについて、そしてこれからについて、小田和奏に語ってもらった。

Q.和奏君が音楽を始めたのはいつ頃ですか?

小田:ギターを弾き始めたのは高校生から。受験勉強もせずにギターばっか弾いてた(笑)。俺、高校の頃陸上部で長距離やってたのね。それで大学は鹿児島の体育大学に進学することになったんだけど、脚を故障しちゃって。それで競技を辞めてギターを触る時間が増えたの。そんなこともあって音楽欲がどんどん上がって「バンドやろう!」って思ったんだけど、俺が住んでた鹿児島の鹿屋っていう町はバンドやってる奴がとにかく少なくて(笑)。町にライブハウスは無いし、スタジオも1個しかないからね(笑)。そのスタジオに集まる奴で組んだのがNo Regret Lifeの始まり。


Q.それが2001年ですよね。上京したのは?

小田:2004年かな。当時の事務所の社長が鹿児島まで会いに来てくれて上京した翌年にソニーからメジャーデビューして。メジャーでは本当に良い時期も悪い時期も色んな経験をさせてもらったんだけど、その後独立してspiral-motionを始めたのが2010年かな。


Q.独立して自分達でやろうと思ったのは?

小田:自分達がどこに向かってるか分からなくなって。自分がやりたいものと求められているものにズレも感じていたし。バンドもずっと良い時期が続いていたわけじゃなかったのね。でも上手くいかないことを誰かのせいにしたくなかったし、だったら全部自分達で背負ってみようって思ったのが独立のきっかけ。あと、もう一度音楽をやる衝動を取り戻したかったのが大きかったんだと思う。もう一度自分のケツを叩きたかったっていう。


Q.バンド自身に責任を置くことで前に進もうとしてた。

小田:うん。そうしないと自分の音楽を純粋に生み出せなくなるとこまで気持ちが追いこまれてたから。今思うと勝手に自分が追いこんでいた部分はあるのかもしれないけど。でも独立したことで、精神的な方向性が定まったと思う。でもそんな矢先にメンバーから「休みたい」って話があって。


Q.10周年のツアーが終わった後ですよね。

小田:そう。レーベルを立ち上げてバンドの10周年が見えてきた頃に自分なりのストーリーを描いてたのね。「Wheels Of Fortune」から2年くらいリリースが空いていたからまずはミニアルバムを会場限定で出して、ツアーをしっかりまわろうと。全国に「俺達はまだまだいくよ!」っていうアピールをするツアーをまわろうと思ったの。それが「Magical Destiny e.p」で。その後、10周年に相応しいフルアルバムを作ろう思って出来たのが「Discovery」だったんだけど、そのツアーファイナルを渋谷クアトロでワンマンをやるっていうとこまでの青写真はメンバーで共有してて。勿論俺の中ではその次のヴィジョンもあって、10周年のツアーを回りながら次の策を練ってたんだけど、そしたらツアー後半に差し掛かった頃に2人から「ちょっと自分の生活を見つめ直す時間が欲しい」って言われて。


Q.予想外でした?

小田:うん。でもメンバーもギリギリだったのかなって思った。だけど自分的には10周年のツアーが充実してたし、その先にある渋谷クアトロのワンマンを成功させて更にもう1段階上に行こうと思ってた時期だったから、休むと言ってもその間はメンバーそれぞれのスキルアップの年にしようと思ってたし、活動を止めたくなかったからNo Regret Life名義のアコースティック音源「Private works」を作って弾き語りツアーを始めて。他にも自分の経験値に繋がることは全部やろうと思って動きまくってた。それで2012年の6月にバンドでライブをして、レーベルの2周年とかもあったり、いよいよNo Regret Lifeとして動き始めようってときに「もうやれない」って元太に言われて。バンドを終わらせる決意をしたの。


Q.12年間やってきたことを辞めるのってどんな心境でしたか?

小田:実はまだ実感がなくて。というのも、ラストライブが凄く充実してて、最後「ラストソング」で締めたんだけど涙、涙のラストライブじゃなくて、みんな笑顔だったんだよね。だから解散した感覚があまりなくて。まだ「ex. No Regret Life」っていう書き方にも違和感がある(笑)。バンドが解散してもNo Regret Lifeの楽曲は残ってるわけだし、だったら一生No Regret Lifeって名乗ってもいいのかなって思ったり。実は来年、新しいバンドをやろうと思っているんだけど、No Regret Lifeも今回のソロも新しいバンドも一直線上にある感覚なんだよね。全部繋がっていると思う。No Regret Lifeも含めて次に向かってる感じはあると思う。


Q.なるほど。No Regret Lifeの解散は敵に向かっていく描写で終わる漫画の最終回とか、続編を期待させるドラマの最終回のような感じなのかも。

小田:あははは。だから今回のソロも、その先にあるものも、本当に続きなんだよね。俺は音楽を続ける限り可能性もエリアもどんどん広げていきたいっていうのが根底にあって。常にシーンの最前線に向かいたいって思っちゃう。友達だけ集めて月に1回くらい歌えれば良いやっていうのは当分先で良いかなって。俺はやっぱり、町から町へ飛び交って自分の音楽を発信することを辞めたくないなって思ってます。


Q.No Regret Lifeのラストシングル「Memory & Record e.p.」の最後の曲「Memory & Record」が和奏君のアコースティックによるインストで終わってるじゃないですか。今回のソロアルバムはあの曲の続きというか、凄く繋がってる印象を受けたんですよ。

小田:やっぱり繋がっているのかもね(笑)。あと今回のアルバムが出来たことで2本の柱を手に入れたと思っていて。ソロはライブハウスとは違って手の届く距離で歌うことが出来るじゃん、これは死ぬまでやれるなって思うのね。それとは真逆で来年始めるバンドはライブハウスでぐしゃぐしゃの熱量でやりたいと思っていて。今はこの2つのアウトプットのバランスを基盤に、衝動のまま音楽を作りまくってやろうって思っている。


Q.今回のソロアルバムは和奏君と話をしているような感覚があって。

小田:うん。会話っぽい感じはあるかも。


Q.そういう距離感ってお店(crossing)を始めたのも大きいのかなって。

小田:それはあるかも。crossingを始めたことで今までと違う距離感を掴めたと思う。ミュージシャンとかアーティストっていうと特別な存在にみえるじゃん。でも唄歌いっていうと普通にどこにでもいる兄ちゃんっぽいでしょ。そういう普通の兄ちゃんがギター持って歌ってる感じがソロでは出せたらいいかな。今回、「手触りの音楽」っていうのが自分の中のキーワードでもあって。


Q.どの曲にも対象がいると思うんですけど、聴く人が自分に置き換えることで楽曲を通して和奏君とコミュニケーションを取ってるような気持ちにさせてくれます。

小田:どの曲も風景があるのかもなぁ。No Regret Lifeではそういうアルバムはなかったかもしれない。というより良い意味で肩に力が入っていないのもあるかな。あとね、レコーディングを手伝ってくれたメンバーが最高だったの。ウッチー(セカイイチ)、choro(Jeepta)、高橋レオ(TOY)、石川龍(ex. LUNKHEAD)、えみそん(THEラブ人間)が参加してくれたんだけど、それだけで物凄く楽しかった。


Q.錚々たるメンバーですね。

小田:自分の曲をバンドに持っていくより緊張したからね(笑)。頭の中で描いたもの以上の出来上がりだったので本当に感謝してる。だからソロのようなソロじゃないような感じかな。自分で曲を作りだして15年くらい経ったけど、まだまだ新しい発見があるのも面白いなって思った。俺、ここにきてまた音楽欲が加速してる(笑)。ハングリーっていうか、お腹ペコペコ(笑)。


Q.そういう新しい発見が新しいバンドにどう反映するか楽しみですね。

小田:俺も楽しみ。最初はどうしてもNo Regret Lifeと比較されると思うの。でもそこを超えるのが最初の目標だから。さっきも言ったように繋がっているものではあるんだけど、自分がやってきたNo Regret Lifeがまず最初のライバルだとも思っているからね。やっぱり一番新しいものが一番最高のものでありたいと俺は思っているので。思いっきり音楽を楽しみながらNo Regret Lifeで見れなかった景色をソロでも新しいバンドでも見にいきたいと思ってる。まだ全然野望ばっかりで(笑)。


Q.まだまだ和奏君の音楽の旅は続きそうですね。

小田:たまに「死ぬまでに何曲残せるかな」って考えることがあるのね。「死ぬまでに1万曲残せたらいいなぁ」とか(笑)。自分が出来る自己表明として、音楽に魅せられた人間として、どれだけ良い音楽を世に残せるかは常に考えていて。のんびりしていたら何も残せないまま終わっちゃう気がするんだよね。だからソロアルバムを思い切って作った部分は少しあって。だってさ、まさか自分が実名でアルバムを出すっことになるなんて思ってもなかったからね(笑)。自分が一番びっくりしてる(笑)。今は「小田和正さんとひと文字違いだから間違われないかな」とか、余計な心配してるもん(笑)。


【HPアドレス】
http://kazusouoda.com

アルバムジャケット

小田和奏
NEW ALBUM
旅人の奏でる体温
GUSM-2005

2013.11.05発売

¥2100(tax in.)
ライブ会場・通販限定発売(一部取扱店舗あり)

弾き語り全国ツアー「旅人の奏でる体温」

11.05(火)東京・下北沢風知空知
11.07(木)札幌musica hall cafe
11.09(土)盛岡・大慈清水お休み処
11.10(日)仙台カメハウス
11.21(木)水戸LIGHT HOUSE
11.22(金)東京・新代田Live Bar crossing
12.06(金)高崎club FLEEZ Asile
12.08(日)沼津Quars
12.11(水)豊橋club.KNOT
12.12(木)名古屋HUCK FINN FACTORY
12.13(金)京都SOLE CAFE
12.14(土)大阪cafe Room
12.15(日)松山THE 3rd FLOOR
12.16(月)倉敷RED BOX
12.17(火)広島NAMIKI JUNCTION
12.18(水)山口・周南CAFE&DINING covo
12.19(木)小倉FUSE
12.20(金)大分club SPOT
12.21(土)福岡DRUM Legend
12.22(日)長崎ohana cafe
12.23(月祝)鹿児島WALK INN STUDIO

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