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The Mirraz
The Mirraz、が2014年5月21日にシングルとしては1年以上振りとなる待望の新作「この惑星のすべて」をリリースする。2006年の結成以来、社会風刺や実名上等のシニカルなリリック、海外インディーズシーンとリンクした楽曲、小節に言葉を詰め込みまくる唯一無二のボーカルスタイルで日本の音楽シーンにミイラズ旋風を巻き起こしてきた彼ら。2011年のメジャー進出以降も短いスパンで作品を立て続けに発表、リリース毎に活動の幅を拡げてきた。2013年もミニアルバムのリリース、ツアーとその勢いは増すばかり…であったのだが昨年を振り返り畠山は「何で音楽をやっているか分からなくなっていた」と語る。メンバーチェンジ、楽曲制作におけるストレスなど相当の葛藤があったという。その全てを超えて辿り着いたのが今作「この惑星のすべて」だ。畠山に話を訊く。

Q.約1年振りのリリースですがこれだけ間が空くのはThe Mirrazにしては珍しいですよね。

畠山:去年の6月に「夏を好きになるための6の法則」をリリースした後、本当は秋にもミニアルバムを出す予定だったんだけど出来る曲が全然パッとしなくて。「真夏の屯田兵〜yeah!yeah!yeah!〜」って俺的には結構勝負曲だったんだけど、メンバーからポップ過ぎるんじゃないかって声もあったんですよ。でも俺はあの曲が持っているパワーを感じていたから、あの曲で勝負したかったしぶっちゃけ良い所までいけるんじゃないかって思っていた。でも実際は自分の思っていた所には届かなくて。それは楽曲のせいだけじゃないくて上手くプロモーション出来なかったこともあるんだけど。それで何をしたら良いのか分からなくなって。結局ミニアルバムのリリースも伸ばすことにしたんですよ。


Q.そのミニアルバムはどんな内容を予定していたのですか?

畠山:当時のディレクターに言われたのは「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」や「僕はスーパーマン」のようなThe Mirrazらしいロックチューンのアルバムを作ったらどうかって。でも日本の音楽シーンがどんどん変わっていく中でどんな曲を作ったら良いか中々定まらなかったんですよ。今の時代に対して「CAN〜」や「僕はスーパーマン」のような曲じゃ難し過ぎるんじゃないかなって思って。それよりもっと分かり易い楽曲を提示したかったしそういう曲でThe Mirrazの代表曲になるようなものを望んでいたんです。


Q.The Mirrazを一般層に浸透させる為の代表曲を作る必要があったと。

畠山:うん。俺もずっとそう思っていたんだけど、そもそも一般層が何なのかさえ分からなくなって。一般層、インディーズ層、ロック層みたいなのが、今は層じゃなくて違う村みたいな分かれ方をしているなって。その各々が独自に活動しているような感じなのかな。そんな状況の中で一般層を狙ったら逆に失敗する気がしちゃって、どういう提示の仕方が良いのか本当に分からなかった。


Q.その中でM-1「この惑星のすべて」はどうやって生まれたのですか?

畠山:メロディーも歌詞もアレンジも違うんだけど原曲自体は「真夏の屯田兵〜yeah!yeah!yeah!〜」を作った頃からあって。そこから全部作り直して完成したのが去年の秋。俺は「CAN〜」や「僕はスーパーマン」より「ハッピーアイスクリーム」や「シスター」みたいな曲で勝負したかったんだけどディレクターと意見が合わなくて「どうするの?」みたいな状況が続いていて。「シングルが売れない時代だからミニアルバムを秋に出そう」って言われたけど出す意味があるのか分からなくて。


Q.悩んでいた時期だったんですね。

畠山:結構滅入っていたんですよ。メンバーも変わったし、でもライブは決まっているからやらなきゃいけない。だからリリースも大事だけどライブに集中したかったのもあって。メンバーが変わってバンドが良くなったっていう自信で動かなきゃいけないし、ドラムが変わって駄目になったって思われたら駄目じゃないですか。そういうプレッシャーもあったからライブに集中したかったし、そんな状況で曲を作っても中々ピンとくるものが作れなかったんです。でも「この惑星のすべて」が完成してようやくリリースしても良いってところまで戻ってこれたんですよね。俺はリリースする度に同じようなもの出すのが嫌なタイプなんですよ。The Mirrazって沢山アルバム作ってきたからどうしてもネタも被っちゃうじゃないですか。だからアメリカのヒットチャートをチェックしたりどんな音楽が流行っているか聴いたし、自分の中のハードルもかなり上げたし、プリプロの後にアレンジも歌詞もメロディーも全部作り直したりして。そんな中でやっと形になった曲なんですよ。


Q.生みの喜びも大きかったのでは?

畠山:喜びっていうより安心かな。本当に全然曲が作れなかったし、何で音楽をやっているかも分からなくなっていましたからね。これ、書いても書かなくても良いんだけどマジ糞なこともあって音楽やる気すらなくなっていた時期もあったから。


Q.M-2「らぶりー」はそういう葛藤に対する答えというか、凄く強い意志を感じました。The Mirrazを守る意志というか。

畠山:そうっすね。「らぶりー」は一番暗い気持ちのときに「しっかりやんなきゃな」って思って書いた曲で。秋にミニアルバムを出そうって話のときは「らぶりー」を押し曲にしようと思っていたんですよ。この曲はThe Mirrazとしては新しいアレンジだし「スーパーフレア」とか好きな人にはドンピシャに刺さる曲じゃないかもしれないけどさっきも言ったように同じことを続けるのは好きじゃないし。でも日本って同じことをしないと売れないんですよね。なんでだろう。俺はくるりとかBECKみたいに毎回違うアプローチで新しい何かを取り入れつつ名曲を作っているバンドが好きなんですよ。そういう環境が作れなかったり、バンドのイメージを作ることを先決しなきゃいけないとかよく分からない。俺も50年とか音楽シーンにいる訳じゃないからやりながらしか学べないんだけど、変わっていく時代の中で何を優先するべきかを考えなきゃいけないと思う。「この惑星のすべて」が出来なかったら「らぶりー」が完全に押し曲でしたね。


Q.なるほど。「この惑星のすべて」は「惑星」というとてつもなく大きな存在と「君」という対象の対比が凄く面白い壮大なテーマの楽曲ですね。

畠山:まず「この惑星のすべてを見てみたい」っていうキーワードがあったんですよ。一生かけても難しいけど、地球上の全部を感じてみたいとか、食べてみたいとか、景色を見てみたいとか、常日頃から考えていて。例えば目的地までの歩き慣れた道の脇に坂道があって「景色良さそうだし行ってみたいな」って思うけど行かないままになってる道ってあるじゃないですか。そこに行ってみたい気持ちを地球上のもの全部を見てみたい気持ちとリンクさせて歌詞にしたら面白いんじゃないかってずっと考えていたんです。それと対象に目の前にいる「君」ってキーワードが思い付いて、その対比は面白いなって。オチをどうつけようか苦戦しましたけどね。俺は1曲の中で結論を出したいタイプなんですよ。だけどよく考えたら、俺はこの惑星のすべてを知りもしないし結論が出なくても良いのかなって思った。今回はちゃんと結論を出せたんだけど。


Q.「君さえいればそれこそがこの惑星のすべて」というドラマチックなエンディングには小宇宙を感じましたよ(笑)。

畠山:あははは。ロマンチックにしたかったんですよね。それ以外この曲の結論は出せないなって。それは結構思っていましたね。


Q.「この惑星のすべて」「らぶりー」と打って変わってM-3「ステーキを食べに行こう」はユニークな歌詞が楽しい曲ですね。このシングルにこういう曲が入っていることに凄くThe Mirrazらしさを感じました。

畠山:シングルを3曲でどうまとめるかはイメージして、遊んでいる曲をやるのも良いなって。俺、シングルのカップリングってアルバムには絶対に入れたくないですよ。シングルを買った人がしっかり楽しめるものにしたいし満足して欲しいじゃないですか。この曲は音楽的にもチャレンジしていますね。ジェイク・バグとか意識している。でもテーマは難しくても違うかなって思ったからノリでこういう歌詞にして。


Q.「素敵なステーキ」とか親父ギャグですからね(笑)。でも何故かほっこりする。

畠山:そうそう。すげー下らないんだけど何か良いなっていう。昔ってボーナスや給料日に「今日は家族でステーキだ!」みたいなノリあったじゃないですか。あの感じ良かったなって思うんですよね。それが今の若い子達に伝わったら嬉しい。


Q.このシングルを経て次の展望はありますか?

畠山:去年はずっと悩んでいたこともあって割とゆっくり時間を貰えたので、これやるべきことが見えているし相変わらずやりたいことだらけっすね。ドラムが変わって、新体制でツアーを1本終えて、今バンドとして凄く良い状態なんですよ。バンド自体が良くなった自信がある。目的とか目指してるとこは前と変わらないけど、時代やシーンは確実に変わったじゃないですか。どんどん若い世代も出て来ているし、この1年でこんなに変わるんだって驚きは正直あるんですよ。でも自分達が出てきたときと一緒だったのかなって考えたら当たり前のことなんだって実感したんです。その中で何をやったら面白いか、どういうことが出来るかを考えていますね。考えながら進んでいきたいです。


【HPアドレス】
the-mirraz.com

アルバムジャケット

The Mirraz
NEW SINGLE
この惑星(ほし)のすべて

2014年5月21日発売

●初回限定盤【CD+DVD】:1,600円+税 / TYCT-39024
[初回盤DVD]
・「ステーキを食べに行こう」MUSIC VIDEO
・ドキュメンタリー「この録音(レコーディング)のすべて」
●通常盤【CD】:1,000円+税 / TYCT-30026

LIVE SCHEDULE

「この惑星のすべて」発売記念
「〜運が悪いってかなり不利だよねこの惑星じゃ ミニライブツアー2014ss〜」
購入者特典イベントライブ

6/2(月)名古屋アポロベース
6/3(火)難波 ROCKETS
6/5(木)原宿アストロホール

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