PICK UP INTERVIEW
前のページに戻る
Kidori Kidori
逆境を乗り越えKidori Kidoriが前作からの連作となるミニアルバム「El Blanco 2」を完成させた。活動の地を東京に移した矢先のメンバー脱退。バンド史上最大の苦難であったことは容易に想像出来る。だがバンドは決して立ち止まることなく真っ向からぶつかり、サポートベーシストに藤原寛 (andymori)を迎え突き進んできた。そしてメンバー脱退から僅か5ヶ月で今作「El Blanco 2」を完成させたのだ。困難を前にしてもなおユーモアを忘れず前向きに自分たちの音楽と向き合ってきた彼らだからこそ生み出せた火事場のクソ力全開アルバム、ここに堂々完成。

Q.上京やメンバー脱退などこの半年でバンドの環境や状況は大きく変わりましたよね。

マッシュ:変わりましたね。上京することはメンバー全員で決めたことだったんですけど、その時点ではンヌゥが脱退するなんて考えてもいなかったので、やっぱり凄く衝撃でした。でもバンドの予定がびっしり詰まっていたのでとにかく突っ走るしかない状況でした。

川元:考えている暇もないくらい「とにかくやらねば!」という感じでしたね。

マッシュ:上京してすぐにンヌゥがいなくなって、何とか見つけ出したんですけど病気だということを告げられて…。僕らは元々が幼なじみで一緒にやってきたわけだし「誰かが抜けるなら解散だね」ってよく話していたんですよ。それでもバンドを続けることを選んだのは病気に屈したくなかったんですよね。病気はある意味強制退場じゃないですか。それでバンドを解散するのは何か違うと思ったんです。音楽は決して病気やネガティブなものに負けないと思っているので、それを証明するために、ンヌゥの脱退は寂しいけどKidori Kidoriを続けることにしたんです。


Q.その時点で既に大きなライブも決まっていたと思うのですが。

マッシュ:脱退の直後に新木場STUDIO COASTでのライブもあったしその翌日にはワンマンもありました。なのでただベースが弾けるだけじゃなくて熟練のベーシストにサポートをお願いすることにしたんです。それで第一候補で浮かんだのが藤原寛さんで。藤原さんにベースを弾いてもらえることになって何とか乗り切った感じですね。


Q.ライブもそうですけど、メンバー脱退から僅か5ヶ月で新作リリースというのはバンドが動き続けている証拠ですよね。逆境をチャンスに変えたというか。

マッシュ:チャンスかどうかは分かりませんが逆境であることは間違いなかったですね(笑)。とにかく活動を止めたくなかったし「僕ら、大丈夫ですよ!」っていうことを応援してくれる人に伝えることが今は大事だと思ったんですよ。そのためには意地でも凄い作品を作りたかったし、それだけの作品が出来たと思っています。


Q.前作「El Blanco」と連作になっていますが最初から2部作の予定だったのですか?

マッシュ:去年「El Blanco」を出して、もう1枚ミニアルバムを出したいとは思っていたんですよ。でもその時点で具体的なアイディアがあったわけではなく、練っていて。「El Blanco」はスペイン語で白っていう言葉なんですけど、前作では真っ白なキャンパスだったり心機一転というイメージから「El Blanco」と名付けたんですけど、それを踏まえて「じゃあ白って何だろう」ということを自分なりに考えていく中でもう1枚、白と名付ける作品を作ることにしたんです。


Q.「白って何だろう」に対する答えは見つかったのですか?

マッシュ:僕の中の答えとしては白って温かい印象がある半面冷たさも感じる色だなっていう結論に達して。無垢なイメージもあるけどどこか虚無感があるというか。


Q.確かに純白な印象だけでなく拒絶感はありますよね。精神と時の部屋にずっといられないような。

マッシュ:あははは。そうなんですよね。精神と時の部屋ってすごく切り離された感じあるじゃないですか。その二面性を考えて作ったミニアルバムですね。


Q.M-1「Zombie Shooting」とM-2「Mass Murder」は楽曲の世界観も歌詞も繋がっていますよね。

マッシュ:そうですね。


Q. M-1「Zombie Shooting」は展開も面白いです。ホラーっぽいメタルナンバーだなって聴いていたらガラッと展開が変わりエピタフ感のある大サビにいくという。

川元:エピタフ感!(一同爆笑)

マッシュ:それ完璧ですね!だって僕、完全にバッド・レリジョンを意識していましたから(笑)。嬉しい(笑)。


Q.あははは。こういう曲展開って珍しいですよね。

マッシュ:確かに最後の最後で大サビが来るような展開は今まで無かったですね。アルバムの1曲目でこういうスケール感のあるものを持ってくるのは面白いなと思ったんです。最初はフェラ・クティとかブラックサバスとかフランクザッパの要素を取り入れて作っていったのですが最後にもう一つ大きな展開が欲しいなって思ったときに「バッド・レリジョンだ!」って(笑)。


Q.M-2「Mass Murder」は4つ打ちとメタルの融合が斬新過ぎて思わずニヤッとしてしまいました。4つ打ちを取り入れているバンドは沢山いますけどこんなのは聴いたことがなかったです。

マッシュ:もう僕が言って欲しいことをドンピシャで言ってくれますね(笑)。別に誰かの悪口を言うつもりはないですけど、4つ打ちのバンドって滅茶苦茶多いじゃないですか。それはそれで時代なんだと思いますけど、その中でも僕は面白いことをやりたいって言う欲求がすごくあって。それで誰もやっていないであろう4つ打ちとメタルの合体をやってみたんです。


Q.まるでスタジアムロックのようなギターと歌の掛け合いも最高です。

マッシュ:MTV世代のオッサンにはお馴染みの手法ですね(笑)。面白いのはお客さんのお父さんやお母さんが僕らのこと好きになってくれる現象が起きてるんですよね(笑)。凄く嬉しいです(笑)。


Q.M-3「Come Together」はKidori Kidori流の上京物語ですね。

マッシュ:はい。上京して、色んなことがあって、これからも状況は変わっていくと思うんですけど、それでもしっかりついて来て欲しいという決意の曲でもあります。そういう意味でも「Come Together」なんですよ。最初に逆境って話があったじゃないですか。でもそのおかげで余計にこの曲の意味合いが強くなったと思っています。


Q.M-4「99%」はメンバーの脱退を受けて書いた曲ですか?

マッシュ:実はそうではなくて。それと似たようなことがあって出来た曲なんですよ。僕、何か物事が起きたときに1%くらいは何とかなるだろうって楽観視している部分があって。どちらかと言うと本当に歌いたいことは1%のほうなんですよ。でも捻くれているから99%の不安のほうを歌っているんです。これ、曲調がとぼけているじゃないですか。それは1%のほうに合わせているんですよね。


Q.アルバム表題曲でもあるM-5「El Blanco」が今作に収録されていることで2部作の意味が分かりますね。

マッシュ:そうなんですよ。この曲はさっき言った虚無感のほうの白なんですけど、日々の生活をただ繰り返していくような毎日の中で、そこに色を付けるとしたら白だと思うんですよね。そんなことを考えながら書いた曲です。


Q.逆にM-6「テキーラと熱帯夜」には人間味のある生活感が滲み出ていますよね。70年代URCっぽいというか。

マッシュ:URCっぽさありますよね(笑)。僕、はっぴいえんどが大好きなのでその影響は出ていると思います。細野晴臣さんが「制作において笑いは重要である」って言ってたんですけど、それって何だろうって考えた結果「余裕かな」って思ったんです。余裕があるということは心にゆとりがあるということで、それを作品に落とし込んだときに深みが生まれるのかなって思うんですよね。だから僕も「笑い」とまではいかなくても、ちょっとしたユーモアを作品に入れることは重要だと思ったんです。このアルバムって5曲目まで真面目じゃないですか。だから最後の最後にこういう小ボケみたいなものを入れたんです。


Q.それって温かい白のイメージですよね。

マッシュ:そうそう。歌ってる内容もただの二日酔いのことですからね(笑)。


Q.改めてどういう作品になりましたか?

マッシュ:変なもの作っちゃったなって思っています(笑)。でも本当に自分たちの今が詰め込まれている…って言い方をするとざっくりしていてズルいかもしれないですけど(笑)。でも今の僕たちがどういう感じなのか、この作品を聴いてもらえれば分かると思います。


Q.Kidori Kidoriって変なバンドですよね(笑)。

川元:わははは。

マッシュ:例えばですけど、今シーンのど真ん中で頑張っているバンドをカレーとするとKidori Kidoriはらっきょうなんですよ。


Q.ちょっと説明してもらってもいいですか(笑)。

マッシュ:あははは。カレー屋さんに行くとらっきょうって絶対あるじゃないですか。らっきょうがあるからカレーが美味しいみたいな。そういうとこ僕らに似てるなぁと思うんですよね。僕は真っ直ぐな人間ではないから「俺、カレーライスだぜ!」とは言えないんですよ。言ってもグリーンカレーとか。


Q.ああ、お蕎麦屋さんのカレーとか。

マッシュ:そうそうそう!Kidori Kidoriってそういうバンドだと思うんですよね。だから僕らはカレーでいうらっきょうだし、どうせだったら最強のらっきょうになりたいと思っています(笑)。


Kidori Kidori:
マッシュ(Vo./G.)川元直樹(Dr./Cho.)

【HPアドレス】
http://kidorikidori.jp/

アルバムジャケット

Kidori Kidori
NEW ALBUM
El Blanco 2
RDCA-1035

NOW ON SALE

¥1,700(+税)

タデ食う虫もウキウキツアー

11/08(土) 名古屋CLUB UPSET
11/09(日) 梅田Shangri-La
11/15(土) 新代田FEVER

前のページに戻る
2YOU MAGAZINE編集部
〒453-0837 愛知県名古屋市中村区二瀬町153 ニルヴァーナ101号室
Tel: 052-485-5993