PICK UP INTERVIEW
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NACANO
前作「DIL」以来、3年5ヶ月振りとなるニューアルバム「GASTRONOMY」を10月8日にリリースするNACANO。それまでのエレクトロサウンドからバンドサウンドを志向していく中で制作された「GASTRONOMY」は、アルバム収録曲全12曲のレコーディングをバンドのプライベートスタジオで行っているという。また今作にはモリシマヒロシ(Awesome City Club)がミックスと共同プロデュースで参加、マスタリングは山下達郎との仕事で知られる原田光晴が担当、作詞にはBlie△Nのケンジ・ジョージが参加しており、NACANOというバンドに様々なスパイスを効かせている。至高のポップミュージックマエストロNACANOが振る舞う最高峰のフルコースをたっぷり堪能して欲しい。

Q.前作「DIL」から約3年半振りのアルバムリリースですが、現在のNACANOのラインナップを教えて下さい。

HAYASHI:僕とYUJIN(Gt、Syn)とYANAさん(Dr)のオリジナルメンバーは不動なんだけど、ライブではサポートメンバーとしてピアノやオルガン系の鍵盤のSAORI、本職はDJなんだけどアナログシンセやサンプラーをいじるのが上手いTOYOP、あと今月からベースにBlie△Nのケンジ・ジョージが参加してくれています。そのとき集まれるメンバーでやっているから4人のときもあれば6人のときもあったりして。


Q.その辺りはフレキシブルにやっている感じなんですね。

HAYASHI:そうだね。4人のときはMacや同期を使用してやるし、6人のときは完全に生でやるっていう。それは会場だったりサポートメンバーのスケジュールによってフレキシブルにやれるようにしているかな。


Q.楽曲の作り方は変わりました?

HAYASHI:変わったと思う。以前はシンセのベースラインとか打ち込みのループから作ることが多かったんだけど今は鍵盤のコード感から広げていく感じが多くなったかな。あとこれまではどちらかというとリズムやベースラインにアクセントを置いていたけど、メロディーとか歌を重視するようになったと思う。


Q.以前よりバンドっぽさが出たのはそういうことも作用している。

HAYASHI:うん。それをライブでやろうと思ったときに、メロディーに説得力を出すには生でやるのが良いなって。打ち込みでそれっぽい世界観を作るのもかっこいいんだけど、歌に寄り添ってメロディーが前に出るアンサンブルの方が段々合ってきたんだよね。何が転期ってわけじゃないんだけど、ライブを重ねていく中でメロディーや歌の説得力を上げたくなったのが大きいと思う。


Q.HAYASHIさんは最近どんな音楽を聴いているのですか?

HAYASHI:最近は新しいアーティストも聴くけど、再評価や再発見の方が多いかも。簡単に言っちゃうと、NACANOの初期で目指していたのは80sリバイバルで、勿論僕らの世代はジャストで子供の頃に聴いていた世代だしバンドを立ち上げたバックボーンではあるんだけど、最近はそこからもう少しレイドバックしたものを聴くようになって。具体的に言うとリトル・フィートとかフリートウッド・マックとか、その辺を聴くようになったんだよね。ザ・スミスとかも何となく子供の頃は好きじゃなかったんだけど、子供の頃にレコードやカセットで持っていたものをアーカイブしようと思ってCDやiTunesで買って聴き直したら「ザ・スミス、良いじゃん」みたいな(笑)。


Q.そういう部分は今作に凄く反映されていますね。

HAYASHI:そうだね。M-2「SOLDIER」とかまさに。


Q.アルバムとしてのテーマはあるのですか?

HAYASHI:今回は3年の間に録り溜めていたものを形にしたアルバムだからコンセプトは特にないかな。作った時期も録った時期もバラバラだし。


Q.確かに色んなタイプの楽曲がありますよね。でも不思議と統一感もある。

HAYASHI:そうなんだよね。そこはプロデュースしてくれたモリシー(モリシマヒロシ)のおかげ。俺らだけでやっていたらこの統一感は出せなかったし、アルバムとしてパッケージ出来なかったと思う。今回、ミックスは全てモリシーに丸投げしたのね。こっちから特にリクエストも出さず、好きなようにやってくれって。その結果、アルバムとしてまとまりのあるものが出来たから「モリシー、凄いな」って(笑)。


Q.モリシーさんとはthattaで出会ったのですか?

HAYASHI:うん。確かその頃、テーム・インパラとか聴いていたからthattaも好きでライブを観に行ったり対バンしたりしていて。その中でもモリシーとは酒を飲んでいて話が合ったんだろうね。大体酔っ払ってるからあんまり覚えてないけど(笑)。でも自然と音楽の話をするようになって、thattaのアルバムを聴かせてもらったんだけど「録りもミックスも僕がやってるんですよ」って言われて「マジで?すげーじゃん!」って(笑)。それでお願いすることにしたんだよね。

Q.モリシーさんとの出会いもそうですが、今作ではBlie△Nのケンジ・ジョージさんも歌詞の大半を書かれているじゃないですか。若い才能との出会いを今作では大切にしているのかなって思ったのですが。

HAYASHI:モリシーもケンジ・ジョージも話をしていて音楽への姿勢みたいなものが成熟しているというか、音楽に対する距離感や考え方がしっかりしていて共感出来る部分が多いんだよね。歌詞に関しては、俺もずっと英語で書いてきたけどやっぱりネイティブじゃないし、自分で書くと何故かちゃらいラブソングが多くなっちゃって(笑)。そうじゃない歌詞をネイティブに書いて貰ったら説得力が増すんじゃないかなって思ってケンジ・ジョージに冗談で「バイトしない?」って声をかけたら「NACANOの為なら書きますよ」って言ってくれて。だからそれ以降の曲は全部ケンジ・ジョージが書いてくれてる。


Q.その流れでベースも弾くことになったのですね。

HAYASHI:贅沢な話だよね(笑)。ケンジ・ジョージはバンドではベースヴォーカルなわけでしょ。それってスティングやポール・マッカートニーにベースを弾かせてるみたいなことだよね(笑)。


Q.贅沢ですね(笑)。そして今作もHAYASHIさんの歌が抜群にかっこいいです。ダークでありながらポップなのはポジティブ・パンクの影響が大きいですか?

HAYASHI:大きいと思う。やっぱり一番影響を受けているのはバウハウスのピーター・マーフィーだったりするし。あとロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーとかね。子供の頃にヴォーカリストとして影響を受けたのはそういう人達かな。


Q.M-1「PPC」はリフのループにダブっぽいパートが刺し込む感じがめちゃくちゃかっこいいです。

HAYASHI:イメージはゴティエみたいなちょっと寒々しいループミュージックを作りたかったんだよね。ダブのパートはリハでジャムってるときに何となくやってみたんだけど、ずっと同じリフのループだと一本調子だと思って裏を打ってみたら「良いじゃん」って。


Q.M-3「BITCHES」とM-4「SING ALONG」のリフのリンク具合は計算していたのですか?

HAYASHI:あの2曲は元々全く別の曲なんだけど、モリシーが馴染み良く繋げてくれたことで繋がったんだよね。最初のコンセプトとしては繋がってる訳じゃなかったんだけど、そこはモリシーのセンスだね。


Q.M-6「IAN CURTIS」はそのままジョイ・ディヴィジョンのイメージですね。

HAYASHI:この曲に「IAN CURTIS」って名付けたのはケンジ・ジョージで。まさにジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスについて書いているんだけど、歌詞の内容も俺からリクエストしたわけじゃないのね。自分の中ではジョイ・ディヴィジョンのようなリフがイメージにあってそれっぽく作ったんだけど、それをケンジ・ジョージが感じとってくれて。更にそれをモリシーが受け止めてくれてジョイ・ディヴィジョンからニュー・オーダーに流れる感じを出してくれて。そうやって共通言語がある人と一緒にやるのって凄く良いよね。


Q.M-7「BY THE WAY」はさっき名前が出たテーム・インパラのようなサイケ感やトラディショナル感がありますよね。

HAYASHI:最近のバンドだとその辺はよく聴いてるね。ああいうサイケで60年代70年代のテイストのある曲を作りたかった。この曲は弾き語りでやるとニール・ヤングになるっていう(笑)。


Q.M-9「MANEATER」とM-10「HOLD U NOW」は前作に収録されていた「HIGHER LOVE」に通じるものを感じました。

HAYASHI:まさにこの2曲はその時期に作った曲で、ホール&オーツやマドンナのようなMTVポップを意識して作っているんだけど、モリシーがイギリスでミックスして向こうの人に聴かせたら「MANEATER」が一番人気だったみたい(笑)。


Q.それ面白いですね。あと「HOLD U NOW」のコーラスがC&Cミュージック・ファクトリーっぽくて最高です。

HAYASHI:確かにC&Cっぽいかも(笑)。引き出しを余すことなく出せているのかな(笑)。


Q.M-12「NIGHTRIDER2」はアナログでもリリースされていて以前はLEF!!!CREWによるリミックスもありましたが。

HAYASHI:うん。なので今回もリミックスに近い形でモリシーに作ってもらったんだけど、メインのリフをシンセからアコギに変えていたり、同じ曲だけど新しい曲になったから「NIGHTRIDER2」と名付けて。この曲が最初にモリシーにやってもらったんだよね。


Q.今作におけるNACANOとモリシーさんの関係性って面白いですよね。

HAYASHI:凄いのは、モリシーはレコーディングには基本的に関わってないってことだよね。録り終えたデータを渡してやってもらったんだけど、後から渡されたデータをここまで自分のものとして作り込めるのはやっぱり凄い。完全にプロデュースしてもらっちゃいました(笑)。


Q.今作はメロディー含め、ポップミュージックとしての最高峰だと思います。

HAYASHI:意識した訳じゃないけど、子供の頃に聴いていた洋楽で頭に残っているのってメロディーのキャッチーさなんだよね。これからはそこを武器として自覚的に出していこうかなって思っている。NACANO結成時はそれこそ80sリバイバルや、アー写やジャケのイメージにしてもテーマを設けていたけど、自分の引き出しをメロディーという形で出していけば、特別なコンセプトがなくても自然と出せるようになったんだと思う。それってバンドがバンドとして固まってきた証拠だと思うんだよね。


【HPアドレス】
http://nacanomusic.com/

アルバムジャケット

NACANO
NEW ALBUM
GASTRONOMY
ANTCD-1006

2014/10/8リリース

¥2000(+税)

Live Schedule

10/23 神戸 太陽と虎
10/24 京都MOJO
10/25 伊那GRAMHOUSE
11/6 札幌COLONY
11/7 札幌DUCE
11/13 仙台enn
11/24 浜松G-SIDE
11/27 福岡 voodoo lounge
11/28 岡山PEPPERLAND
11/29 大阪club vijon
12/7 下北沢251
and more!!

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