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FREEDOM NAGOYA 2013
2010年から始まった名古屋無料音楽野外フェス「FREEDOM NAGOYA」。4回目となる今年は過去最高となる2万人を動員。名古屋最大の無料フェスとしてFREEDOM NAGOYAが全国にその名を知らしめた証拠だろう。ステージに向かい2万人の拳が上がった光景はただただ圧巻だった。これまでの「仲間とお酒を飲みながら野外で音楽を楽しむ」というスタンスはそのままに、今年はチャリティーを実施するなど初の試みもあった。規模が大きくなったことで様々な問題も起こったという。ただその何倍も素晴らしい瞬間があった。忘れられない思い出が出来た。FREEDOM NAGOYAを存続させるのは運営であり、バンドであり、参加する僕らだ。みんなの自由を守るために、今考えなければいけないことがある。FREEDOM NAGOYAを主宰する綿谷氏に話を訊く。

Q.FREEDOM NAGOYA2013、お疲れ様でした。

綿谷:ありがとうございました。


Q.今年は凄かったですね。まずは動員が2万人ということで去年の2倍以上の方が集まった訳ですが。

綿谷:本当に有難いです。僕らの予想を遥かに超えていました。FREEDOMを始めた頃は2千人だったので感慨深いです。遊びに来てくれたみなさんに感謝しています。


Q.名古屋のフェスとしてしっかり根付きましたね。

綿谷:そう言って頂けると嬉しいです。ただやはり規模が大きくなった分、問題も出てきたのは事実で。良いことも悪いことも色々あり、今年は本当に考えさせられました。


Q.動員だけ見ても単純に10倍の規模になっていますからね。

綿谷:そうなんです。だから対応しきれない部分が出てきて…。


Q.そもそもFREEDOM NAGOYAの始まりは、普段R.A.Dでライブをしているバンドや仲間のバンド、いつもR.A.Dに遊びに来てくれるお客さんと野外でお祭りをすることがきっかけだったんですよね?

綿谷:完全に最初はそうでした。感謝祭というか。そういう意味もあって無料で始めたんです。でも回を重ねるごとに規模が大きくなって、2010年と今ではスタンスも少しずつ変わってきています。今年はチャリティーという初の試みもあり、そういう部分にも目を向けてもらった上でイベントを楽しんでもらいたいという思いが僕らにはありました。


Q.チャリティーを導入するきっかけは西方さん(SPC代表/東北ライブハウス大作戦本部長)とTOSHI-LOWさん(BRAHMAN/OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)との出会いも大きかったと思うのですが。

綿谷:そうですね。2012年の段階でFREEDOM NAGOYAでチャリティーをしたいと思っていたのですが、何も分からないままやって良いものなのか凄く悩んだんです。でも西片さんとTOSHI-LOWさんとお話する機会があり、背中を押して頂いたんです。本当にやって良かったと思っています。案の定、色々言われたりもしたんですけど、結果的に沢山の方にチャリティーに賛同頂いたので意味のあることだったと思っています。ただ大きな課題も出来ました。チャリティーリストバンドを販売して購入者のみが入場出来るリングエリアを設けたんですけど、これに関しては沢山の厳しい意見を頂きました。


Q.リングエリアを設けた理由は何だったのですか?

綿谷:安全面を考えてのことですね。去年のFREEDOM NAGOYAで怪我をされた方がいまして…。幸い、大きな怪我にはならなかったのですが、今年は例年より更に多くの来場者が見込まれていたので、何かあってからでは取り返しがつかないと思いリングエリアを設け入場制限出来るようにしたんです。FREEDOM NAGOYAは無料イベントなのでチケットがあるわけでもなく全てのお客さんが平等なのでどういう形で制限しようか考えた結果、チャリティーリストバンドを販売したんです。ただ当日、リングエリアが想定していたより余裕があり、逆にリングエリア外が物凄い人で溢れてしまい、ステージ前には人があまりいない状況を作ってしまいました。その状況を見て、自分でもどうしようって思ってたところ、とあるバンドがライブ中のMCでそれをブチ壊してくれたんです。…これは立場的に僕が言っちゃ駄目なことなんですけど…。


Q.分かります。

綿谷:その後もネットで問題になりましたけど、僕は感謝しているくらいなんです。考えるきっかけをもらったと思っているので。


Q.FREEDOM NAGOYAの転換期なのかもしれませんね。仲間と楽しく始めたところに責任が加わり、今や2万人が集まる大きなフェスになったわけで。なので問題になったリングエリアの導入のような挑戦もやってみなければ分からないことですからね。

綿谷:無料という性質上、どれだけの人が来てくれるか本当に当日まで分からないんですよ。その中での試みだったのですが今回はこちらの読みが甘かったと思っています。でもやってみなければ分からなかったことも絶対にあったと思います。もしまたFREEDOM NAGOYAをやることがあれば今回のことを活かし、且つ安全第一に考えてやらなければと思いますね。


Q.はい。改善部分はあると思うのですが、やはり楽しかったことのほうが圧倒的に多かったのも事実で。とにかく物凄い盛り上がりでしたよね。

綿谷:そうですね。僕らも本当に楽しかったです。それは紛れもない事実です。


Q.ラインナップも回を重ねる度に幅広くなっていきますね。

綿谷:出てもらいたいバンドはまだまだ沢山いるんですよ。出来れば僕と縁のあるバンドはみんなに出て欲しいと思っているくらい。今年はチャリティーのきっかけを頂いたOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDや、カナダに一緒にツアーしたSHAKA LABBITS、長い付き合いになるTOTAL FATとやっとFREEDOM NAGOYAとして絡めたのは大きかったですね。R.A.Dには規模的にも出れないバンドと一緒に何かやれる場でもあるので。色んな出会いがFREEDOM NAGOYAを作っているんです。ただ僕の許容範囲を大きく超えたものになってきているなっていう思いもあって…。


Q.これだけ大きなフェスになると、FREEDOM NAGOYAを誰がどういう趣旨で開催しているか知らない人も絶対にいると思うんですよ。

綿谷:いると思います。


Q.極端な話、2010年のFREEDOM NAGOYAはR.A.Dや綿谷君の普段の活動を知っている人が集まっていたと思うんですよ。でも今年は日本全国からお客さんも集まってきたわけで。

綿谷:そこは凄く感じましたね。例えば情報ひとつにしても、僕のブログとHPで注意事項など告知したはしたんですが、来てくれる人のところまで全然伝わらなかったんです。伝えることも出来ないまま当日を迎えたのでリストバンドの件にしても、チャリティーの件にしても誤解を招いてしまったこともありました。一番辛かったのは違法駐車ですね。ブログなどでは駐車スペースに限りがあるので電車で来て欲しいと告知させて頂いていたのですが、今年はとにかく想像出来ないくらいの違法駐車の数で。HPに載せてはいるものの伝わってないので車で来てしまい、停める場所がないから違法駐車するというマナー違反がとにかく多かったです。去年までは全くなかったことなので本当にショックでした。


Q.去年は限られた駐車場内でも障害者用スペースは空いてましたからね。人として大事な部分がしっかり守られていた印象もあったので。

綿谷:そこが誇りでもあったんですよね。今年は路上駐車だけじゃなく、近隣のコンビニやマンションの駐車場にも違法駐車されていて…。無料でやっているイベントなので公園外にまで駐車場整備の人員も用意出来ず…。本当に沢山の人に迷惑をかけてしまいました。


Q.そこは信じるしかないですからね。

綿谷:正直、バランスが取れなくなってきていると思いました。僕のやっていることは間違っているのかとも思いましたし。他人に迷惑をかけてまでやる意味があるのかって。人員も用意出来れば問題ないのかもしれませんが無料でやっているのでそれも出来なくて。その部分のバランスは本当に取れなくなってきています。


Q.でも「無料でやっているから仕方ない」じゃ許されないところまでイベントが大きくなっていますからね。本当に転換期だと思いますよ。

綿谷:そうなんですよ。無料だから仕方ないとは言えないし言いたくないです。僕らももっともっと責任を持ってやるべきだと思います。あと、やっぱり人を信じたいですよね。FREEDOM NAGOYAは無料に拘りたいんですよ。普段ライブハウスに来ないような人に音楽の、ライブの楽しさを知ってもらいたいのでとにかく間口は広げたいんです。それで気に入ったバンドに出会ったら今度はライブハウスにお金を払って遊びに来て欲しいんです。なので次もしFREEDOM NAGOYAをやるとしても無料でやる部分だけは譲らないと思います。


Q.今年のFREEDOM NAGOYAの経験は絶対に次のFREEDOM NAGOYAに反映されると思います。やっぱり来年も開催して欲しいですからね。

綿谷:勿論です。今は具体的にまだどうするか決めていませんが僕らもやれるならやりたいです。どうしてもネガティブなことに目が行きがちですけど、出演してくれたバンドも僕らも本当に楽しかったし、来てくれたお客さんも楽しんでくれたと思っていますからね。FREEDOM NAGOYAはなくしたくないです。あの光景は忘れられないですよ。本当に素晴らしい空間でした。


Q.色んな空間がありましたからね。

綿谷:はい。ライブは勿論、木陰で休んでいたり、友達や子供と遊んでいたり、ご飯を食べていたり、どこも自由に楽しんでもらっていました。FREEDOM NAGOYAは自由なんですよ。その自由さえ履き違えなければ何やったって良い場所なんです。


Q.主催サイドもバンドもお客さんも、関わる全員が自分達の自由を守るため、遊び場をなくさないためにどう考えるかが必要ですね。

綿谷:本当にそう思います。押しつけても仕方ないんですよ。みんなで考えないと。そうやってみんなの気持ちがひとつになったらFREEDOM NAGOYAは最高のフェスになると思っています。痛感したのは、音楽のパワーやそこに集まる人のパワーって凄いなって思ったんです。よく「FREEDOM NAGOYAをやってくれてありがとう」って言われんですけどお礼を言いたいのは僕のほうで。音楽の素晴らしさ、人間の素晴らしさを僕はFREEDOM NAGOYAで感じることが出来て幸せでした。イベントの翌日、片付けに行ったんですけど公園内にゴミがゼロだったんですよ。集まってくれたみなさんが率先して片付けてくれたみたいで。だからこそ一部のマナー違反が残念なんですけどね。集まってくれる全ての人に気持ちを伝えられるように頑張りたいと思っています。


Q.FREEDOM NAGOYAが本当の意味で自由な場になると良いですね。

綿谷:思いをひとつにしたいです。ひとりひとり考え方は違って当たり前ですけど、音楽が好きっていう共通項が僕らにはあるの必ずひとつになれると思っています。みんなでFREEDOM NAGOYAを作っていきたいです。

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Photo by kawase "SUKE6" yuya / 前田達也 / Kiva

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