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all out

 

現THE T.V. DINNERS、meのメンバーが1997年から1999年というメロディックパンク/エモシーンの黎明期に活動していた名古屋のall out。日本のメロディックパンク、ハードコアシーンや海外のエモシーンと共鳴しつつ短期間で進化を重ねた彼らの軌跡を辿るディスコグラフィーが解散から18年の月日を経て解禁された。その3年間という短い活動期間で残した音源はデモテープ2本、Navelとのスプリットテープ、Ferocious AttackとのスプリットCDの4作品。今や入手困難な彼らの音源をコンパイルしたディスコグラフィーが『The end of serenade』だ。さらに彼らはこの作品のリリースをきっかけに一夜限りのリユニオンも今池HUCK FINNにて果たしたのだ。今回2YOUではall outのディスコグラフィーの発売を記念してメンバーに集まってもらい当時の話を訊いた。実に18年振りにall outとして集まった4人の貴重なインタビューとなった。

 

Q.まさかall outとしてみなさんにインタビューする日がくるとは思っていなかったです。

臼田:僕らも全く思ってなかったです(笑)。

 

Q.この4人で集まるのは何年振りですか?

長谷川:相当久し振りだよね?

渡邉:バンドメンバーとして会うのは18年振りなんじゃないかな。

長谷川:そんなに経っているんだね(笑)。

千田:解散したのが1999年だもんね。

臼田:でもさっきそれこそ18年振りにスタジオに入ったけど、そんなに違和感はなかったなあ。

 

Q.all outをやっていた頃はちょうど20歳くらいの頃ですよね。その頃作った曲を40代を目の前にしたみなさんが演奏することで感じたことってありますか?

千田:あの頃聴いていた音楽やそこからの影響が曲に凄く出てるなって思ったんだけど、今の僕らが演奏することで、そこに18年経った今の色も重なるのが面白いなって思ったかな。曲自体はTHE T.V. DINNERSになってからも聴いていたし、この空白の期間にも聴いていたから違和感なくやれたかな。

 

Q.自身でall outを振り返って聴いていたんですね。

千田:しょっちゅう(笑)。

渡邉:俺もたまに聴いていました。

長谷川:実は僕も(笑)。Ferociaous AttackとのSPLITを欲しいって声がたまにあって、僕が持っていたからその度に聴いて「良いなあ」って思ってた(笑)。

臼田:あの時代って今と比べて圧倒的に情報が少なかったし、その中で自分がかっこいいと思うものをどうやって自分の中に落とし込んで表現するかってことに一生懸命になってた時代だったでしょ。だから今聴くと「今じゃ絶対作れないな」って思う。

渡邉:1曲作るのに何ヶ月もかけて作って、それでもバラしたりしてたもんね(笑)。

 

Q.all outは3年間という活動期間の中でどんどん進化していきましたけど、当時影響を受けていたのはどのような音楽だったのですか?

臼田:USエモの影響が大きいとは思うけど、日本のハードコアから受けた影響もかなり大きいですね。それは活動の仕方や考え方も含めて。でも結成した頃の入り口はメロコアだったと思う。

長谷川:最初のデモはメロコア色が強いよね。all outの前に臼田君とやっていたScratch Raceっていうバンドからall outに変わった時期はメロコアに寄ってた時期だと思う。

臼田:過渡期だよね。

長谷川:一番変わったのは1stデモから2ndデモの間かな。そこは凄く変化したと思う。

 

Q.初期のメロコア期から変化していく過程で影響を受けたシーンや音楽は?

臼田:その頃はまだCIGARETTEMANが現役だったし、HUCK FINNに遊びに行くようになったのも大きかったかな。Hi-STANDARDを観に行ったときに共演していたCIGARETTEMANやNOT REBOUNDを観て衝撃を受けたんだよね。HUCK FINNではNavelにも出会って、それからUKのメロディックパンクのバンドも沢山教えてもらったし、イベントにもよく顔を出すようになってall outが形成されていったと思う。あと個人的にはMANIAC HIGH SENCEの影響も大きかったな。

 

Q.千田君が加入したのはいつ頃ですか?

千田:1stデモを録る直前だったと思う。同じ大学だったハセが誘ってくれて。

渡邉:最初は3人だったもんね。ライブも3人でやってたし。

長谷川:THE ENDEVORSの企画に出た頃とか3人だった気がする。NOT REBOUNDも出ていて。俺が臼田君のフレットレスベースを借りて弾いてたんだよ(笑)。

臼田:そんなことあったっけ?(笑)。

 

Q.千田君はall outに入ってみてどうでした?

千田:それまで大学の軽音楽部でしかバンドをやってなかったから、こんなにしっかり活動しているバンドがいるんだなって驚いたのを覚えてる。だから僕は色んな面でこの3人から凄く影響を受けていて。音楽の視野も広がったし。

 

Q.そのタイミングでバンドは明らかに変化しましたよね。

長谷川:えいちゃん(千田)が入ったくらいから変わったと思う。ちょうどその頃、金山にあったGrooveっていうCD屋でMock Orangeの1stを聴いて「こういうのやりたい」って思った気がする。

臼田:僕はミネラルの「Gloria」が入った7インチがターニングポイントかな。たぶん大須のANSWERで買ったんだけどサウンドもリズムも哀しげな歌も全部に影響を受けたから。

千田:そのくらいからファンジンなどで色んな人の考え方に触れるようになって活動の仕方も変わったよね。

臼田:単純に1stデモの頃は名古屋の友達との企画が多かったのに対して2ndデモ以降は県外の友達が増えてSET YOU FREEの千葉ちゃんに出会ったり、NAHTやCowpersと一緒にやらせてもらう機会があったり、Dancebeachの山崎さんがやっていたBeryneckと出会ったり、そういう人との出会いが大きかった気がする。.

長谷川:Navelのトミさん(冨永)さんがフックアップしてくれたり。

臼田:Navelとは九州ツアーも行ったね。2ndデモは色んな意味でバンドの視野を広くした作品だったと思う。

 

Q.当時all outはメロコアシーンともハードコアシーンともその後のエモシーンとリンクしていましたよね。その上で何処でやっても特異な存在として孤高なライブをしていた印象が強いです。

臼田:名古屋にこういうバンドがいなかったから珍しかったんじゃないかな。自分達でも特異なポジションだなって思っていたしね。でもそこまで深く考えてなくて、やりたいことを自由にやってただけなんだけどね。ただ、色んなシーンのバンドとやらせてもらえて普段じゃ出会えないようなバンドと出会えたことは嬉しかったですね。

 

Q.そんな中でのall outの早すぎる解散は衝撃でした。

臼田:ハセから脱退の話があって。仲は良かったし僕はall outの前からずっと一緒だったから寂しかったけど、ハセは決めたことだから止めることもなく。あのときはまだみんな大学生だったよね。

長谷川:勿論all outは凄く楽しかったんですよ。でもこの4人でバンドをやること以外にも興味を持つことが出てきたんです。あのままall outを続けていれば見れるものもきっとあったんだろうけど違うことがしてみたくなって。

臼田:その空気は何となく感じていたしね。

渡邉:それでハセが辞めるなら解散だねって。

臼田:僕らとハセでやりたい音楽も少しずつ変わっていた時期だったしね。僕らはまたパンクに戻っていった時期で。

 

Q.その流れで3人はTHE T.V. DINNERSに移行していったんですね。

臼田:そうだね。

長谷川:ずっと一緒に音楽をやってきた3人がTHE T.V. DINNERSとして新しいことを始めたのは単純に嬉しかったし、何よりかっこいいと思った。そんな3人と今回またこうやって集まれるなんて思ってもいなかったよ。

 

Q.なんせ解散から18年ですからね。

臼田:そもそも最初はONE BY ONE RECORDSの柴ちゃん(柴山)に「all outのディスコグラフィーを出さない?」って言われたことから始まって。同じタイミングでTHE T.V. DINNERSの復活やStiffSlackからの再発もあったから面白いと思ってえいちゃんに相談したら「俺もそう思ってたんだよね」って(笑)。それでせっかくだったらライブをしてみようかって。このチャンスを逃したら一生やらないだろうし。

 

Q.そもそもTHE T.V. DINNERSを再始動させたのはどういう経緯だったのですか?

臼田:all outと似てるんだけど、StiffSlackの新川君やthe act we actの五味君からディスコグラフィーを出そうって言われたのがきっかけかな。THE T.V. DINNERSもall outも本当に周りの人に恵まれていると思う。

 

Q.今回、ディスコグラフィーを聴いて率直にどう思いました?

千田:若い自分が一生懸命やっているのが何とも不思議な感覚で客観的には聴けなかったね。でも当時から良いと思ってやっていたから18年経って聴いてもかっこ良いなって思ったよ。

渡邉:レコーディング環境が今とは違い過ぎるから音質はやっぱり恥ずかしいけどね(笑)。デモテープはMTRで録ってるし。スタジオも今みたいにデジタルじゃないから。間違えてもやり直せないし(笑)。

長谷川:そもそもやり直すって発想がなかったよね(笑)。あと今聴くと色んな要素を詰め込み過ぎてる。そこも面白いんだけどね。

千田:生っぽいよね。洗練され過ぎてない(笑)。

長谷川:いや、ただ洗練されてないだけでしょ(笑)。でも何でも出来る今じゃ体験出来ないことはやってこれたかなって思う。音のしょぼさ含めて良い思い出になっているよね。

 

Q.all outは数々の音源を残してきていますが正式な流通音源がないまま解散したじゃないですか。なのでふと聴きたくなったときに心の中でしか再生出来なかったんですよ。それはそれで良い思い出なんですけど今回のディスコグラフィーが出ることで良い意味でall outの墓標が立った気がして。良い形でall outに終止符を打てるんじゃないかって。

千田:音楽でもご飯でも何でもそうなんだけど、記憶の中にあるものに触れたときに色んな思い出がフラッシュバックするでしょ。僕は当時、all outの音楽を本当に良いと思ってやっていたし、それが時が経ってこうやって聴いてもらえることで、聴いてくれた人が当時のことを思い出したり自分の人生と照らし合わせて聴いてくれたら、all outの音楽も成仏するんじゃないかなって思う。そういう意味でも今回の機会をくれたレーベルには感謝してるよ。

渡邉:正直、最初は昔の音源を世に出すのは需要があるか心配だったし何より恥ずかしかったんだけど、あの頃の自分達は真剣にやっていたし、それが形に残るってことはやっぱり嬉しいですね。あのままだったら時間の流れと共にみんなの記憶から消えてしまったかもしれないので。有難いです。

長谷川:さっきえいちゃんも言ってたけど僕が若い頃に聴いていた音楽を聴いて思い出すのって、それこそ失恋の思い出だったりするんですよ。音楽を聴いて当時のことを思い出すのって絶対あるでしょ。僕もデモテープしか出してないようなバンドの音源を聴くと色々思い出すんだけど、いかんせんテープしかないから聴けなくて。僕と同じ気持ちでall outを思ってくれている人がいるのだとしたらこうやってCDになるのは凄く良いなって思います。

臼田:みんな40代目前にして、仕事でも責任ある立場になってきたし生活の優先順位も変わってきたと思うのね。そんな中、この年になってこういうことが出来るなんて本当に有難いなって思う。今の時代にall outの音楽が鳴ることも、それを喜んでくれることも、僕らにとって大きな喜びだよね。だってやっぱり今all outの音源が出せるなんて凄いことだから。10代の頃、ハセと2人でバンドをやろうって話した日から随分時間が経って、こうやって形に残せたのは感謝しかないよ。

 

アーティスト名:all out

タイトル:the end of serenade

OBOCD-029

CD+DVD

2017年5月17日発売

2000円(+税)

 

メンバー

臼田行秀(Vo、Gt)

千田英史(Vo、Ba)

長谷川克(Vo、Gt)

渡邉隼(Dr)

 

2YOU MAGAZINE編集部

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