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YUKSTA-ILL×FACECARZ

 

SLUM RC、TYRANT所属、NEO TOKAI DOPENESSを代表するMC、YUKSTA-ILLが実に5年振りとなるセカンド・アルバム『NEO TOKAI ON THE LINE』をリリースした。YUKSTA-ILLというラッパーを形成する三重/鈴鹿という街、そこにいる人、そこで鳴る音、そこで過ごした夜が音となり形となったのが『NEO TOKAI ON THE LINE』だ。時同じくして同じ地で、様々なカルチャーの発信地としてKICKBACKという店を構えハードコアバンドFACECARZではヴォーカルとして活動する男TOMOKI。HIP-HOPとハードコアというレベルミュージックを各々が追求することで互いに認め合う存在となった2人が鈴鹿という街で共鳴し共存している事実。今回2YOUではYUKSTA-ILLのアルバムリリースを記念し2人の対談を決行した。

Q.2人の出会いはいつ頃ですか?

TOMOKI:店(KICKBACK)を始めてからですね。

YUKSTA-ILL:まだKICKBACKやSPARK(現ANSWER)が別の場所にあった頃。でもその前からTOMOKI君の存在は知っていて。電車乗るときにやたら目立ってる人がいて、誰だろうって思っていたらそれがTOMOKI君だったっていう(笑)。

TOMOKI:俺もYUKが店に来てくれる前からラッパーだってことは認識していましたけどね。鈴鹿ってコミュニティは狭いから目立つ奴らが出てくると噂がすぐ広まるんですよ。こういう場所(KICKBACK)があると自然と出会いますし。

YUKSTA-ILL:俺が初めてFACECARZのライブを観たのはSPARKが出来た頃ですね。ハードコアのライブに行ったことがなかったからFACECARZを観に行って「おお!!」ってなりました(笑)。

TOMOKI:共通の知り合いは沢山いたから微妙な関係性だったんですよ。TYRANTのBLOCKCHECKとかソウタ(ATOSONE)はめちゃくちゃ若い頃から知ってますし。

YUKSTA-ILL:それこそFACECARZはBLOCKCHECKと車に乗ってるときに教えてもらったんですよ。「HIP-HOP以外にもかっこいい音楽がある」って。

 

Q.シーンとしてリンクしていったのは?

YUKSTA-ILL:TYRANTをやり出す前くらいだと思います。それまではお互いを認識してるくらいでしたし。KICKBACKができて色んな人たちと繋がっていって、TYRANTとして何回目かのライブでTOMOKI君が「一緒に曲やろう」って言ってくれたのが嬉しかったですね。そこからさらにリンクしていきました。

TOMOKI:ROOTS MAGAZINEのイベントでやった記憶がありますね。

YUKSTA-ILL:もしくは内田君(SNOT)のイベントとか。

TOMOKI:ウッチー(SNOT内田)は名古屋のノリが染み付いているのでうちとYUKのブッキングは必然だったなと。ウッチーはSQUARE直系だからHIP-HOPとハードコアをブッキングするのは自然というか。

YUKSTA-ILL:それが2006年くらいですかね。自分は相方のKOKINとB-ZIKをやってて、HIRAGENもAWGって名前だった頃。その年の終わりにTYRANTは結成されました。

 

Q.そういうクロスオーヴァーの先駆けとなったのが名古屋のMURDER THEY FALLで。

TOMOKI:そうですね。俺達がハードコアのライブに行くようになった頃にはHIP-HOPとハードコアが徐々に一緒にやり始めていた頃で。それを明確に打ち出したのはやっぱりMURDER THEY FALLなんだと思います。

YUKSTA-ILL:東海で活動するラッパーやバンドにとってMURDER THEY FALLは憧れの舞台でした。だからHIP-HOPもハードコアも繋がれているんですよね。ジャンルは違えど同じ地元で同じレベルミュージックとしてリスペクトしてる。

 

Q.その関係性は今回のアルバムに凄く出ていますよね。「HOOD BOND」はそのまま三重のシーンが歌われていて。

YUKSTA-ILL:今回のアルバムは特にそこを意識していますね。当時はTYRANTとして県外に出ていく中で「あのラッパー何処のラッパーだ?」って思わせる外側に向けた発信をしていましたけど、今作は三重の内側にスポットを当てたくて。「HOOD BOND」の前にあるスキットはTOMOKI君がFACECARZのライブ中に喋ってるとこで、去年3月のM.A.G SIDE CONNECTIONなんですよ。この日、自分は名古屋でライブだったんですけどリハが終わってからBLOCKCHECKとATOSONEを連れて四日市のCHAOSまで遊びに戻って、曲も一緒にやるっていう経緯もあったり(笑)。

 

Q.そういう関係性や三重で起きていることがこのアルバムでは時系列で歌われていますよね。ドキュメント要素も強いですし。

YUKSTA-ILL:まさにそういうアルバムにしたかったんですよ。俺はHIP-HOPを昔はカセットで聴いていたから全曲聴かざるを得なかったんですけど、その流れで聴くことに意味を見出していて。だからアルバムも時系列っぽい感じにしているんです。

 

Q.「LET’S GET DIRTY」から「WEEK-DEAD-END」の流れとか完璧ですよね。週末はクラブで遊んで翌日から仕事が始まるあの感じ。そういう日常がスッと入ってきます。

YUKSTA-ILL:そうやって誰かの生活の一部にも例えられる音楽が作りたくて。昔に比べてその為の表現方法も明確になりましたし。

 

Q.そこを意識しているからこそ良い意味でラップが聴き易くなってるのかもしれませんね。

YUKSTA-ILL:ラップって言葉の力が強い音楽だと思っているので本来歌詞カードがなくても耳に残る筈なんですよね。だから初めての人でも聴いた時にちゃんと伝わるようにラップしています。

TOMOKI:これは個人的な意見なんですけど、ハードコアよりHIP-HOPの方が言葉が直接的に届く音楽だと思っていて。俺の中ではHIP-HOPは言葉を聴く音楽なんですよね。だからHIP-HOPにおいては言葉が入ってくる奴が勝ちなんですよ。言葉が刺さるか刺さらないか。そういう意味ではYUKが言葉を届けることに重きを置いているのはリスペクトしかないです。新しい境地を開拓したアルバムだなって。

 

Q.そういうフェーズに入ったのは?

YUKSTA-ILL:「打楽器ラップみたいだね」って言われたことがあって。もしかしたら褒めてくれていたのかもしれないけど、自分のラップは言葉じゃなく楽器的に捉えられているんだなって痛感して。それで自分のラップを見つめ直したんです。

TOMOKI:前の音源は例えるならドラムマシーンみたいな正確さがあってそれはそれで凄いんだけど今作はエイトビートの良さみたいなものがありますよね。

YUKSTA-ILL:少し生々しくなったというか。ハードコアから影響を受けてる部分もあると思います。ハードコアの熱量って凄いじゃないですか。

 

Q.お互いを認めながらそれぞれの音楽を追求し続ける関係性の仲間が近い距離にいることは素晴らしいことですね。

TOMOKI:恵まれていますね。三重にはハードコアの奴とHIP-HOPの奴が出会う場があるんですよ。そもそも都会より絶対数が少ないから結局色んなとこで会うし、繋がるし、刺激し合える関係になるんですよ。そこで生まれる音楽やグルーヴがあって、そのループを繰り返すことで田舎としての存在意義を全国に知らしめていければと思っています。

YUKSTA-ILL:俺は鈴鹿にKICKBACKがあることやANSWERが出来たことやFACECARZがいることが誇らしいですね。これまでずっと鈴鹿を拠点にやってきたけどTOMOKI君にはシンパシーを感じるし、同じ三重の四日市で内田君がSNOTをやってて、M.A.G SIDE CONNECTIONをずっと続けていることも嬉しいし、かっこいいな、って。ハードコアもHIP-HOPも関係なく一つになれるこの土地を誇りに思っていますね。

TOMOKI:それってやっぱり名古屋にMURDER THEY FALLがあってM.O.AやCALUSARIがいたことがでかいんですよ。

 

Q.当時、名古屋のシーンをどう見ていました?

TOMOKI:独特でしたよね。他を寄せ付けない存在感があった。決して社交的じゃなかったですけどそれ以上に興味をそそる圧倒的なかっこよさがありましたから。一番ニューヨークに近いシーンだったと思いますしね。

YUKSTA-ILL:とにかく怖そうでしたし。

TOMOKI:実際怖かったし(笑)。

YUKSTA-ILL:三重まで噂はガンガン届いていましたからね。

TOMOKI:それでも引き付けられる魅力が当時の名古屋のシーンにはありましたね。バンドだけじゃなくてお店もいかつかったし。

 

Q.恐る恐るノーズダートに行って洋服を買うとか。

YUKSTA-ILL:あははは。

TOMOKI:そうそう。なんで店に入る前に気合い入れなきゃいけないんだっていう(笑)。

 

Q.そのとき感じた憧れがこのビル(ゑびすビル)から発信されているんですね。今ここに通っている若い世代が10年後何を始めるか楽しみですよね。

YUKSTA-ILL:ここで刺激を受けたら是非動いて欲しい。俺達はそういう場所を提供していきたいです。

TOMOKI:新しい世代が出てきたらそこにまた刺激を受けるだろうしフレッシュな気持ちになれるんですよ。そうやって新陳代謝を繰り返しながら鈴鹿シーンを作り上げていきたいですね。鈴鹿のハードコアもHIP-HOPも今までは外に向けたアピールを続けてきて東京や大阪に対して「オマエらにこの目線はないでしょ」っていう戦いを続けてきたんですよ。でもこれからはそこで得たものを内側にどう伝えるかだと思っていて。それを表現したのがYUKの今回のアルバムだと思うんですよね。

YUKSTA-ILL:このアルバムが何かのきっかけになればなって思っています。

 

リリース情報

アーティスト名:YUKSTA-ILL

タイトル:NEO TOKAI ON THE LINE

PCD-25216

¥2,500(+税)

2017年2月2日発売

インタビュー

YUKSTA-ILL

TOMOKI(FACECARZ)

 

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