カミツキが前作『Five Days After Infection of Vampire』より半年振りとなるミニアルバム『CLOCKWISE HERO』を完成させた。「ヴァンパイアに噛まれてからの5 日間」をテーマに描かれた前作の地続きにある今作のテーマは「時計回りの英雄」。アルバムを通して時間が経過する中で主人公の心情がどう変わっていくのか。そして彼が最後に辿り着く境地とは。カミツキのアルバムを聴くとまるで映画を観たような満足感と興奮感を味わえるのが面白い。力強くも切ない歌声で魅了するMiZUKi の歌と極彩色豊かな楽曲が物語とリンクすることで生まれるエンターテイメント。是非ポップコーンを片手に聴いて欲しい。
Q.前作『Five Days After Infection of Vampire』はヴァンパイアに噛まれてしまった主人公を軸としたストーリーでしたが今作はどんな物語になっているのですか?
MiZUKi:今回のアルバムのテーマは「時計回りの英雄」なんですけど、この物語の主人公は『Five Days After Infection of Vampire』と同じ登場人物なんですよ。ストーリーとしても前作の続きなんです。
Q.なるほど。
MiZUKi:前作でヴァンパイアになって特別な力を手に入れた主人公が英雄になるまでの物語なんです。
Q.ダークヒーロー的な。
MiZUKi:そうですね。みんなの思い描くヒーローより影があるかもしれません。ヴァンパイアなので(笑)。
Q.曲単位でヴァンパイアに噛まれてからの5 日間を現していることから前作ではトラック名が「day」となっていましたが今作のトラック名「minutes」にはどんな意味があるのですか?
MiZUKi:今回は「1minutes」「2minutes」とカウントしているのですが、特別な力を手に入れた人は普通の人間と過ごす時間の感覚が違うと思うんですよね。
Q.僕らが過ごす1分と特別な力を手に入れた人の1分は同じ時間でも時間の概念が違うと。
MiZUKi:はい。その中で、時の流れに沿ってしか生きられない英雄はまるで機械仕掛けだなって。今回の物語はその時間の中で主人公の心情がどう動いていくかを描いているんです。
Q.楽曲はその物語に沿ってアレンジされているのですか?
SHU→TA:基本的にはそうですね。そのイメージをバンドやアレンジャーと刷り合わせて曲を完成させていきます。
キャシー:今までにないものを作りたかったので音も盛り込んでいて。
Q.確かに前作より音色が派手というか、豪華だなって思いました。
キャシー:かなり盛ってます(笑)。
Q.物語の大筋として曲が進むごとに主人公の気持ちが葛藤から希望へと繋がっていくと思うのですが。
MiZUKi:章ごとに分けると決意、前進、回想、葛藤、決別ですね。どの曲にもテーマがはっきりとあります。
Q.「SKYWALK」から「Cold Rain」までの主人公の心情はどう流れていくのですか?
MiZUKi:物語は特別な力を手に入れた主人公が自分の手で変えなきゃいけない世界に立ち向かう決意の「SKYWALK」から始まります。「7th Android」では進んでいく時間の中で立ち止まらないで前に進んでいく気持ちを歌っています。「KAZOEUTA」では特別な力を手に入れる前の大事な記憶を回想し、その思い出した過去と自分の現状に葛藤する気持ちを「アグリーサイコパス」で描いています。そして最後の「Cold Rain」では失ったもの、昔の自分、戻らない気持ち、淋しさや哀しさを歌った上で前に進むという静かな決意を描いているんです。
Q.カミツキのみんなも僕もリスナーも共通して時間の流れの中で生きていて、今回のアルバムは「時計回りの英雄」が題材として扱われていますけど歌っているのは誰にでも当てはまることだと思うんですよね。人生の色んな瞬間瞬間がフラッシュバックするような。だから聴く人が感情移入し易い。
MiZUKi:自分の気持ちに重ねて書いた部分もあるし聴いてくれるみんなのことでもあると思っていて。なので共感して貰えたり、このアルバムが聴いてくれる人の気持ちに寄り添うことが出来たら凄く嬉しいです。
Q.キーワードとして「消える」「忘れる」という言葉が耳に残りました。
MiZUKi:私は忘れたいこと、忘れたくないことが色々あるんですけど、そういう風に思ってる人って沢山いると思うんですよね。それでこういう言葉が歌詞に表れていると思います。
Q.「Cold Rain」は色んなものを失ってきた主人公にとって光が刺す様な希望の曲でもありますよね。
MiZUKi:物語の中で変化してきた主人公の気持ちの最終地点が「Cold Rain」では描かれていて。迷ったり悩んだりしていた気持ちに別れを告げて先に進む曲なんです。希望ですね。
Q.主人公はこの先どこに進むのでしょうか。
MiZUKi:今作は時間の経過の中で主人公が先に進むことを意識した作品だったので、きっと次のアルバムに繋がっていくんだと思いますね。
Q.彼をどんな世界に連れていきたいですか?
MiZUKi:何処だろうなあ。でも私は主人公に自分の感情や他の人の感情を当てはめて書いているので、どんな物語になっても面白いものが出来るんじゃないかって思っています。
Q.楽曲や世界観からカミツキのパブリックイメージとしてファンタジー的なものを感じていたんですけど、逆に凄く人間っぽさがあると思っていて。そういう人間の感情、心がちゃんと投影されているのがカミツキの面白さだなと。
MiZUKi:ありがとうございます。映画のような物語をテーマにアルバムを作ってはいるんですけど、現実からかけ離れ過ぎないような、聴く人の生活や感情に寄りそうものを届けたいと思っているんですよ。
Q.だからスッと入ってくるんですよね。感情移入し過ぎた結果、2回目にアルバムを聴いたときには「SKYWALK」が始まった瞬間に物語の中に立っていましたから。
MiZUKi:あははは。そうやって楽しんでもらえたら本当に嬉しいです。
カミツキ
タイトル:CLOCKWISE HERO
ROLL-1003
2017年10月18日発売
¥1,500 (+税)
メンバー
MiZUKi(Vo)
キャシー(Ba)
SHU→TA(Dr)
~CLOCKWISE HERO TOUR~
2017/10/28(土) 新宿club SCIENCE
2017/11/21(火) 神戸太陽と虎
2017/11/22(水) 今池club3STAR
2017/11/30(木) 仙台MACANA
2017/12/01(金) 秋田LIVESPOT2000
2017/12/02(土) 弘前Mag-Net
2017/12/21(木) 稲毛K’S DREAM
2017/12/22(金) 静岡UMBER
2017/12/23(土) 京都MOJO
2018/01/22(月) 宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2
2018/01/23(火) 横浜F.A.D
2018/02/01(木) 広島CAVE-BE
2018/02/03(土) 福岡BEAT STATION
2018/02/04(日) 出雲APOLL
2018/02/15(木) 心斎橋VARON
2018/02/16(金) 京都MOJO
2018/02/17(土) 今池GROW
2018/03/03(土) 新宿club SCIENCE
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