SHIT HAPPENINGが約1年強の活動休止を経て帰ってきた。2016年10月24日におこTSUTAYA O-WESTで行われたワンマン公演をもって活動休止したSHIT HAPPENINGが約1年強の休止を経て帰ってきた。現メンバーが揃ったのが2009年。以降、止まることなく活動を続け12枚のCDをリリース。着実に階段を上り続けてきた彼らだがいつしか足並みが揃わなくなっていたという。「どうにかなる」で避けてきたメンバー同士の気持ちを刷り合わせること、メンバー同士が向き合うこと、それが彼らにとっては活動休止という選択だったのだ。そして2017年、満を持して復活を果たしたSHIT HAPPENINGの表情からは再び足並みを揃えた4人の自信と多幸感を感じることが出来る。それはそのままアルバにも表れており、収録曲達が夜空に輝く星のように力強く輝いているのだ。復活を果たし『Stargazer』を完成させたSHIT HAPPENINGに話を訊く。
Q.活動休止を意識し始めたのはいつ頃だったのですか?
今瀬:最初に話が出たのが2015年の末ですね。休止の話が持ち上がってミーティング期間を経て2016年の春、ちょうどNECOKICKS、ポタリ、POT、Re viewとのスプリットツアー「北風と太陽達」の直前に休止を決めて10月に活動休止しました。
Q.休止を決めた要因はなんだったのですか?
今瀬:活動が良くも悪くもルーティーン化していたんですよね。そんな中で活動をしながらそれぞれのメンバーの足並みが揃わなくなっていることに気付いて。メンバー各々、野望は持っていたけど明確化されていた訳じゃなく、そのままきてしまったのが問題だったと思います。だから足元を揃えて再スタートするために活動を止める選択をしたのが要因ですね。
Q.休止の話が持ち上がってから実際に活動休止をするまでにライブも沢山あったと思うのですがどんな気持ちでライブをしていました?
小野﨑:心の整理がつかないままライブをしなきゃいけなかったので罪悪感がありました。ライブでお客さんとコミュニケーションを取るのも、物販で話をするのも本当に罪悪感があって。そんなフワフワした状態でライブをするのが辛かったですね。
岩瀬:僕はライブで煽ったり盛り上げる役目なんですけど、ふと「何してるんだろう」って気持ちになったりしましたね。
梅田:僕は逆で、元々そういうことに対して構えるのが好きじゃないし、休止するからといってライブはいつも通りのライブwしなきゃいけないと思っていましたね。
今瀬:僕は活動休止の話を持ち出した側なので申し訳無さはあったけど、どう決着をつけるべきかをずっと考えていました。どう着地することがバンドにとって理想かをモヤモヤしながら考えていましたね。
Q.休止の期限は決めていたのですか?
今瀬:ある程度の想定はしていましたけど特には決めていませんでした。休止中は数年後の目標を明確にした上で色々と準備をしていたのでそことの刷り合わせ次第かなって。
小野﨑:しっかり準備が出来なかったら活動再開も出来ないと思っていましたからね。なので休止といってもかなりタイトに動いていました。
Q.休止中は曲作りをメインに準備していたのですか?
小野﨑:そうですね。あとはソロで弾き語りもしていました。ソロ用の音源も作りましたね。
梅田:僕はそのソロのレコーリングを担当しました。今回のアルバムも僕がレコーディングしているんですよ。活動再開の発表はレコーディングが終わってからって決めていたので表舞台には出ませんでしたけど水面下でデザインやレコーディングをしていましたね。
Q.今瀬君はこのタイミングでレーベルを始めた訳ですが。
今瀬:そうなんです。今回のリリースは僕が立ち上げたTheatrical Recordsからのリリースとなります。元々レーベルは昔からやりたかったんですよ。そこ含め、僕は常に動いていたので活動再開も個人的には止まっていた針が進み始めたくらいの感覚なんですよね。
小野﨑:休止中、事務的なことを含めてやることが一番多かったんじゃないかなって思います。僕もソロ活動をしながらかなりタイトに曲作りをしていたので動いている方だとは思いますけど。
Q.休止したことで懸念していたバンドの足並みは揃いました?
今瀬:そうですね。僕らは2009年からずっとスタッフやA&R含めてチームSHIT HAPPENINGとして動いてきたので4人だけで話すこともあまり無かったんですよ。だけど休止してからはメンバーでよく話すようになり自然と足並みも揃ったと思います。
Q.アルバムは休止期間中に制作したとのことですがテーマなどは決めて取り掛かったのでしょうか。
小野﨑:特にテーマやコンセプトを設けた訳ではなくて曲を作って拾い集めていった感じですね。曲自体は自分達の好きなこと、かっこいいと思うものが凝縮されていると思うのですが、それをまとめてアルバムにしたらこうなったっていう。
Q.2016年10月の活動休止ライブで配布された「彗星」がアルバムの1曲目に収録されていますが当時とは違う感覚で聴こえました。バンド自身ではどうでしょうか。
小野﨑:かなり違いますね。「彗星」の歌詞は1番が休止を決める前に書いていて2番が休止を決めてから書いているので曲の中でも感情が違うのですが今回のアルバムの1曲目に収録することでまた違う感情が芽生えました。休止している間と待ってくれていた人の時間を繋ぐ大事な曲になったと思います。
Q.アルバム全体的に希望に満ちた多幸感を感じました。抽象的な言い方になってしまいますが曲が嬉しそうというか。
小野﨑:今までの曲って今を大切にしようって歌詞が多かったと思うんですけど今回はそこに加えてちょっとだけ明日を見ているんですよね。それをかっこよく言うと希望なんですけど。
岩瀬:そういう意味でも多幸感は溢れ出てると思います。勿論不安や葛藤もあるけど、希望の兆しや多幸感は今までにない部分だと思いますね。
Q.そもそもが決してネガティブな休止ではなく、バンドをより良くするための休止だった訳で。休止期間に兆しが見えたからこそアルバムも出来上がったんですよね。
小野﨑:アルバムタイトルに『Stargazer』と名付けたのは休止を夜に例えたとき、自分達の曲が明るく輝く星であって欲しいと思いアルバムタイトルにしたんですよ。
Q.なるほど。生まれた曲達が星となって夜を照らしたからこそアルバムから希望を感じたのかもしれません。現在、活動再開ツアーの真っ最中ですがお客さんの反応はどうですか?
小野﨑:ライブを観て泣いてくれている人がいたり嬉しそうにしてくれている人がいて、あの景色を見ると戻ってこれて本当に良かったと思いますね。
Q.活動休止を宣言して戻ってこれないバンドもいると思うのですが、休止期間中にバンドを終わらせる選択肢や話は出てこなかった?
小野﨑:ないですね。かっこよくなってなるべく早く再開するっていう目標があったのでそこだけを見ていました。
Q.漫画「ワンピース」で仲間達が「数年後に会おう」と一旦離れて各々が修行していたような感覚だったんですね。
小野﨑:あははは。まさにそれですね。ちょっとかっこいい表現になっちゃいますけど、メンバー全員が自分の役割を背負って、そこを更に成長させるつもりで活動休止したんですよね。
岩瀬:勿論不安はありましたよ。でも再開することを前提に活動休止したのでそこは信じていましたね。
Q.活動を休止していた1年は何年後かにSHIT HAPPENINGの歴史を振り返ったときに凄く重要な1年になると思います。それは今回のアルバムが物語っていますから。
小野﨑:そうですね。活動休止しなければ気付けなかったこともありますし、今回の経験がバンドにダイレクトに反映されていると思うので本当に大きな意味を持った1年だったと思います。
岩瀬:階段を抜かさないでワンステップずつ上っていきたいですね。
梅田:一歩一歩踏み外さずにいきたいですね。
今瀬:この休止期間を意味のない1年にする訳にはいかないですからね。キャリアも長くなってきて楽しいだけじゃバンドは続けられなくなってきているんですよ。意地やプライドでやっている部分もあるし、休止したことがバンドにプラスに作用したことを照明する為にも上にいきたいですね。
Q.結成からずっと階段を1段ずつ上ってきたと思うんですけど、休止期間だって活動休止という会談を1段上ったんだと思います。下がってる訳でも足踏みしている訳でもなく確実に1段登った休止だったと思いますね。それはアルバムを聴けば分かりますよ。
小野﨑:ありがとうございます。嬉しいです。活動休止があって心配させてしまった人もいると思いますけどSHIT HAPPENINGはこれからも一歩一歩階段を上っていくのでこれからも見ていて欲しいです。
SHIT HAPPENING
小野﨑 建太(Vo,Gt)
岩瀬 晃二郎(Gt,Cho)
今瀬 智成(Ba,Cho)
梅田 貴之(Dr,Cho)
タイトル:Stargazer
2018年1月10日発売
¥2500(+税)
THRL-0001/
SHIT HAPPENING Stargazerリリースツアー
2018年2月4日(土) 千葉LOOK
2018年2月11日(日) 滋賀b-FLAT
2018年2月12日(月祝) 静岡UMBER
2018年2月17日(土) 福岡graf
2018年2月23日(金) 仙台MACANA
2018年2月24日(土) HEAVEN’S ROCK 宇都宮
2018年3月3日(土) 名古屋APOLLO BASE
2018年3月4日(日) 大阪2nd LINE
2018年3月28日(水) TSUTAYA O-WEST(ワンマン)