KEMURI


2012年の再結成意向、コンスタントに作品を発表しながら自らが信じた道を歩み続けてきたKEMURI。彼らが13枚目となるアルバムに名付けたのは『Ko-Ou-Doku-Mai』つまり孤往独邁だ。孤往独邁という言葉には周りや他人の動向に左右されず自らの信じた生き方を突き進むという意味がある。これはまさにKEMURIを体現する言葉であり、KEMURIがKEMURIとして突き進んできた信条でもある。晴れの日ばかりじゃない。でもその後には虹が出る。KEMURIはいつもその希望を歌ってくれる。現実をしっかりと見据えた上で未来を歌ってくれる。それが彼らの提唱するポジティブ・メンタル・アティテュードだと思う。伊藤ふみおに話を訊く。

Q.再結成後、毎年KEMURIの新しいアルバムが聴けることが凄く嬉しいです。
伊藤:ありがとう。バンドのモードも前向きな力に満ちているんだろうね。

Q.KEMURIという存在自体が自身のケツを蹴り上げるような感覚はあったりしますか?
伊藤:あるある。伊藤ふみおが伊藤ふみおに対して思ってること、伊藤ふみおが伊藤ふみおに下している評価、ファンのみんなからの評価、それが全然違うことってあると思うんだけど、その差をポジティブに受け取るときもネガティブに受け取るときもあって。でもその両方が自分達のケツを蹴り上げてくれるんだよね。

Q.その中で自分の信じた道、KEMURIとしての道を突き進むということはアルバムタイトルである『Ko-Ou-Doku-Mai』つまり「孤往独邁」という言葉に表れているなと。
伊藤:その通りだね。「孤往独邁」というのは誰にも左右されずに自分の信じた道を進むという言葉なんだけど、そこに少し解釈を膨らませて、今の周りの環境、家族含めて感謝しているし愛しているんだけど、KEMURIというバンドを進めていく中でより自分も周りも幸せになる為に本当に愛するものと向き合って自分自身の役割を見つけ出し全うすることがハッピーに繋がるってことをタイトルには込めていますね。

Q.KEMURIの役割、ふみおさんの役割って何だと思いますか?
伊藤:KEMURIの伊藤ふみおを全うすることかな。当たり前だけど僕も年は取るけど、伊藤ふみおを見たときに年取るのも悪くないなって思ってもらうのが役目な気がするね。

Q.今回のアルバムは色んな角度から命について歌っている作品だと感じました。それは生まれてくる命であったり、全うする命であったり。
伊藤:命がそこに在ってくれることってそれだけで明るいことだと思うんだよね。それがこのアルバムで歌いたかったことだし、KEMURIとしてこれからも歌っていきたいテーマだね。

Q.KEMURIがこれまで歌ってきたこと、例えばPMAであったり命の尊さであったり、そうやって提唱してきとを体現してるのが「LIVE LIKE OUR MUSIC!」だと感じました。
伊藤:生きていると色んなことがあるし、晴れの日ばかりじゃないけど、そのときに僕は何を歌ってきたか、メンバーに何を言ってきたか、KEMURIとして何を歌ってきたか。それにそぐうようなことをやっていこうぜって気持ちで書いたのが「LIVE LIKE OUR MUSIC!」だね。

Q.晴れの日ばかりではないけど雨の後には虹が出ることを知っているから前を向ける。それは『F』に収録されていた「O-zora」でも「雨のち笑顔そして虹」と力強く歌われていました。そのメッセージがKEMURIにはずっとあるので、今作でいえば「SAD BOMB」や「NO MORE WAR!」のような反戦の歌の先にも希望が見えるなと。
伊藤:色んなことがあるけどさ、生きていることを喜びたいんだよね。嫌なこともあるし、嫌だなって思う人もいるよ。でも良いことだって沢山あるでしょ。その繰り返しで生きているんだから、その両方を刻んでいきたいと思っている。

Q.何かが起きたときに何が必要なのか。それを歌ってくれるのがKEMURIなんですよ。
伊藤:ありがとう。誰しも強いし誰しも弱いじゃない。でも負けちゃいけない喧嘩ってあって、それは自分の人生で何がやりたいか、仕事かもしれないし家庭かもしれないし、そこで負けちゃいけない何か、守らなきゃいけない何かが絶対あると思うんだけど、いざその喧嘩になったときに、負けない為には何が必要か凄く考えるんだよね。それで、その都度思う「これじゃないかな」って気持ちを歌にしている。「o-zora」でいえば必ず虹が現れるはずだってことを、自分に諭すように歌っているんだと思う。

Q.守るものって人によって違うと思うんですけど、自分にとってそれが何か考えて置き換えて聴けるのが僕にとってのKEMURIなんです。
伊藤:人それぞれ運命ってあってさ、家族が大切な人は家族と結びつく運命にあるんだと思うし、例えば家庭を作らないで小説を書くことに向き合い続ける人もいるかもしれない。そういう人はそこに運命があって。とにかく自分にとって大切なもの、信じたことをやり抜く為にどう高めていくかを考えることが必要なんだと思うね。

Q.そういう大切なものを守る手段であったり、信じていることを貫こうと思うときに、何をしたらいいか、どう考えたらいいか、凄く考えるんです。でもKEMURIを聴くと「こうしたら?」「こういうのはどう?」ってふみおさんが投げかけてくれるんですよ。
伊藤:そう思ってくれたら凄く嬉しい。将来に対する焦燥感や不安しかなかった10代、20代が僕達にもあったわけ。そんなときに何を信じていたかって音楽なんだよね。例えば僕にとってはそれがSKA PUNKだったんだけど、音楽が奮い立たせてくれるんだよね。50歳を過ぎてもこうやってインタビューしてもらえたり音楽をやれているんだから、30年前の自分に未来は明るいよって教えてあげたいよね。そういうことをちゃんと歌っていかなきゃなって思っているよ。伊藤ふみおは出来が悪くて、色んな所をあっちこっちしながら、その時の興味を最大限に突き詰めて歌ってきたけど、このやり方しか出来ないんだよね。でもこれはこれで悪くないかなって思う。

Q.それがふみおさんの孤往独邁ですよね。
伊藤:そうだね。まさに孤往独邁だね。


KEMURI
タイトル:Ko-Ou-Doku-Mai
2018年2月7日発売
¥2,916(税込)
RMBL-00001

KEMURI TOUR 2018「Ko-Ou-Doku-Mai」
2018年3月17日(土)埼玉県 HEAVEN’S ROCK Kumagaya VJ-1
2018年3月18日(日)千葉県 千葉LOOK
2018年3月24日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
2018年4月14日(土)岩手県 Club Change WAVE
2018年4月15日(日)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
2018年4月21日(土)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
2018年4月22日(日)長野県 Sound Hall a.C
2018年5月12日(土)栃木県 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2
2018年5月13日(日)茨城県 mito LIGHT HOUSE
2018年5月19日(土)埼玉県 HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2018年5月20日(日)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
2018年6月2日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
2018年6月9日(土)京都府 KYOTO MUSE
2018年6月10日(日)兵庫県 神戸VARIT.
2018年6月17日(日)福岡県 DRUM LOGOS
2018年9月1日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
2018年9月2日(日)北海道 CASINO DRIVE
2018年9月8日(土)宮城県 Rensa
2018年9月15日(土)大阪府 BIGCAT
2018年9月16日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2018年9月22日(土)東京都 TSUTAYA O-EAST

https://kemuri.com/