04 Limited Sazabys

結成10周年イヤーに突入した我らが04 Limited Sazabysがシングル『My HERO / 夕凪』をリリースする。週刊少年ジャンプを題材にしたドラマ「オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~」のオープニングテーマでもある「My HERO」は仲間達と共に夢を叶える旅に出るというジャンプとフォーリミがリンクした楽曲となっている。結成から10年間でバンドはひとつずつ夢を叶えてきた。YON FES開催、武道館ワンマン、憧れ続けてきたHi-STANDARDとのツーマン。そうやって一歩ずつ前に進んできた彼らが次に辿りついたのは10周年アニバーサリーとして開催されるアリーナツアーだ。そこでフォーリミが何を見せてくれるのか。そこからフォーリミは何処に向かうのか。同じ時代に生まれ、彼らの軌跡を追うことが出来るのは本当に幸せだ。

Q.結成した当初は10年後の自分達を想像していました?

GEN:1ミリも想像してなかったですね。こんなに物事を続けたこともなかったので。
HIROKAZ:部活も長くて3年だしね。
GEN:人生でこんなに続けられたのはバンドだけですよ。それだけ自分にとって大事なものなんだと思いますね。

Q.逆に10年前のことは覚えていますか?

GEN:覚えていますよ。バンドを始めたときのことも、初めて2YOU MAGAZINEが出たときのこともしっかり覚えてます。上前津ZIONでthe 原爆オナニーズや健さん(横山健)が表紙の2YOUを見つけたときは衝撃でしたからね。ちょうどその頃に僕らはバンドを始めたんですけど、具体的な名前を出すと僕はHAWAIIAN6やlocofrankやNOBに憧れていて、HIROKAZがGOOD4NOTHINGやSMASH UPに憧れていたのでメロディックのバンドをやりたいなって思っていました。洋楽もBLINK182とか好きでしたけどやっぱりライブが好きだったので、ライブを観てかっこいいと思うバンドに影響を受けていましたね。そこから少しずつ変化して今の形になっていくんですけど。

Q. KOUHEI君の加入も大きかったのでは?

GEN:そうですね。結成当初はメロコアに対する憧れが強過ぎたから英語じゃないといけないとか速くないといけないとか、そういう固定概念があって。でも前のバンドで日本語のギターロックをやっていたKOUHEIが入ってきて、メロコア以外のアプローチを試していくうちに「メロコアバンドはこうじゃないといけない」という固定概念がなくなっていったんです。それで『sonor』で日本語にも挑戦してみて。

Q.でもそこに辿り着くまでは時間がかかりましたよね。『soner』リリースまで『Marking all!!!』から3年の時間が必要だった訳で。

GEN:そうなんですよ。3年間CDが出せなかったんです。当時のレコード会社を離れてからも誰とやっていいか分からなかったし自信もなくて。「このままでいいのかな」って思いながらデモを作ってライブをしていましたけどバンドが前に進んでいるかも分からなくて。その間にSHANKとかBACK LIFTとかどんどん先に進んで行って。このままじゃ何も変わらないと思って日本語に挑戦してみたんです。それが受け入れられて。

Q.当時、日本語を取り入れることに不安はなかったですか?

GEN:かなりありました。結果が出てないとはいえ、僕らを応援してくれていたお客さんはいた訳で、日本語になることでそういう方たちをひょっとしたら裏切るんじゃないかって不安もありましたし。だから賛否両論はあるだろうなって。でも結果的に否があまりなかったんですよ。失うものもあるんじゃないかって思っていたんですけど、キッズが受け入れてくれたのは嬉しかったですね。

Q.僕は当時、フォーリミがフォーリミのまま新しいフォーリミになった感覚でしたね。変わったんじゃなくて技が増えたような。

GEN:まあ、僕のセンスが良かったんでしょうね(笑)。日本語を取り入れたことでダサくなるバンドを沢山見てきたので不安もあったんですよ。だからHIROKAZは反対していましたし。RYU-TAも嫌がってたよね?
RYU-TA:嫌でしたね。
GEN:僕、メンバーに相談せず日本語にしたんですよ。
KOUHEI:俺はレコーディングで聴いたときに「日本語、めっちゃいいじゃん」って思いましたけどね。
RYU-TA:日本語になってもHUSKING BEEみたいにやれるんだったらいいけどって話をしたよね。
GEN:それ、俺が言ったんだよね?「ハスキンみたいになっていけばいいんじゃない?」って。
HIROKAZ:そしたらRYU-TAは即答で「なるほど!」って言ってた(笑)。
RYU-TA:ハスキンが大好きだからね(笑)。

Q.そこからは怒涛の展開となる訳ですがバンド内の雰囲気もどんどん変わっていきましたよね。

GEN:歯車が合っていく感覚が強くて。メンバーもスタッフも、みんなの考え方やモチベーションも含めて全員が同じ方向を向けたことが大きかったですね。

Q.それは今作「My HERO」でも歌われていますよね。この曲はフォーリミという大きな船にどんどん仲間が乗ってきて旅に出るような、まるでワンピースみたいな曲だと思いました。

GEN:まさにその通りで、どんどん乗組員が増えていってるんですよ。自分でも本当にワンピースっぽいなって思うし、純粋に海賊っぽいことをしてると思います。全国でライブして酒を飲んで仲間と会って。こんなに楽しい仕事はないですよね。

Q.そうやってバンドが大きくなって行く中で今のフォーリミが「My HERO」のようなメロコア全開の曲を作ってきたことも意味がある気がします。客層が変わったことで初期のフォーリミを知らない人もいる訳で。

GEN:そうなんですよ。僕らのことを最近好きになってくれた人は多分メロコアを知らないと思うんですよね。そういう人達にこういう音楽があることや自分達のバックボーンにある音楽を知ってもらいたいし教えたいんです。今の僕らはそういう子達にとって入り口になれる存在だと思うんです。だから僕らきっかけで色んなバンドや音楽を掘ってもらえたら嬉しいなって思いますね。

Q.音楽の聴き方も世代によって違うと思うのですが、今回のシングルはCD、8cmCD、カセットテープ、アナログレコードの4形態で発売されます。これ、本当に最高ですよね。全種類予約済みです(笑)。

HIROKAZ:あははは。こういうの好きそうですもんね(笑)。
GEN:元々やってみたかったんですけど、全部一気に出せるのはコロムンビアのお陰ですね。「My HERO」は「オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~」のタイアップなんですけど、ジャンプって全世代の人の青春の記憶とリンクすると思うんですよ。「俺の世代はキン肉マン」とか「俺の世代はスラムダンク」とか。だから今回のシングルは全世代のメディアで出したかったんです。僕らは絶妙に全部のメディアを通ってきた世代なんですけど、今の若い子はデータ配信が主流じゃないですか。そういう世代にとったらカセットやアナログや8cmシングルとか面白いんじゃないかなって。逆に懐かしい人もいるだろうし。この前、カセットのチェックをしたんですけど、カセットを再生するときの質感とかめちゃくちゃテンション上がりましたからね。A面とB面で裏返すのとか(笑)。

Q.そういうアナログの感触って音楽を聴く上で手間じゃないですか。でもその手間が「音楽を聴くぞ!」っていう気持ちにさせてくれるんですよね。

GEN:なにが良いかってその面倒くささなんですよね。聴く手間があるって矛盾してるけど最高ですよ。今は便利だしダウンロードしてすぐ聴けちゃうけど、敢えて不便な方が音楽を聴く楽しさが増すんじゃないかなって。さっき言ってたように、レコードに針を落とすときって「聴くぞ!」っていう心構えになるじゃないですか。そういうのって音楽を最大限に楽しむために必要な手間だと思うんですよね。

Q.AVを見るときもストリーミングより絶対VHSの方がエロいですからね。

GEN:あははは。絶対そうですよね。友達に借りたビデオとか止まっていたタイミングでそいつのことが分かったり(笑)。
HIROKAZ:そっと借りたときはバレずに返すために止まってた時間をチェックしたり(笑)。

Q.そこ含めて、文化でしたよね。だから今回フォーリミが4形態でリリースするのは凄く意味があることだと思います。音楽業界にとっては希望ですよ。しかもこの値段でリリース出来るのは企業努力でしかない。

GEN:そうなんですよ。これ会社はかなり頑張りましたよね。そこ含めて僕らの我儘を色々と聞いてもらえる環境には感謝しています。

Q.ちなみにみなさんにとってのヒーローはいますか?

GEN:ハイスタは間違いなくヒーローですね。あとは父親も僕にとってはヒーローです。音楽を仕事にすることを許してくれた親父の器の大きさには感謝しています。あとは普通にドラゴンボールの孫悟空とかもヒーローですね。
HIROKAZ:僕は音楽を始めるきっかけになったGOOD4NOTHINGのU-tanさんはずっとヒーローですね。バンドのかっこよさを教えてくれた人なので尊敬しています。
RYU-TA:僕はhideですね。X JAPANで衝撃を受けて、そのメンバーのhideがソロではX JAPANとは全然違う最先端な音楽をやっていて。当時めちゃくちゃ影響を受けました。
KOUHEI:僕はL’Arc〜en~Cielのyukihiroさんですね。そこからメロディックに引っ張ってくれたlocofrankのTatsuyaさんやdustboxだったREIJIさんもヒーローです。

Q.みなさんが色んなバンドに憧れたようにフォーリミをヒーローとして見ているバンドも沢山いると思います。

GEN:そういう声を沢山もらうようになって純粋に嬉しいなって思います。僕らの音楽を聴いて救われたって言ってくれる人もいますし。そうやって誰かの役に立てることがうれしいですね。そこから行動して楽器を始めたっていう若いバンドが出てきていつか対バン出来たら最高ですよね。僕らも自分にとってのヒーローに憧れてバンドを初めて今はそういうヒーローと一緒にライブが出来るようになった訳じゃないですか。これって本当に夢があると思うんですよね。だからいつか僕らを目標にしてくれたバンドと一緒にライブが出来る日を楽しみにしています。

Q.そういうバンドがYON FESに出たりしたら最高ですね。

GEN:それ、めちゃくちゃ良いですよね。今年も面子は悩みましたけど面白い日になると思いますよ。1回目、2回目に出てくれた仲間もそれぞれ状況が変わっているので全員呼んだら全員メインになっちゃうじゃないですか。みんな強くなってるので。その中でYON FESっぽさは意識しながら新しいことも取り入れたいと思っていて。それでみんなで色んなバンドを共有して出演してもらうバンドを決めました。

Q.同世代だけじゃなく、フックアップもあるし、先輩もいる。YON FESはそのバランスが素晴らしいですね。

GEN:名古屋にもフェスはいっぱいあるので差別化もしたいじゃないですか。なので出演者を決めるのは毎回難しいんですけど、今年はとにかく遊べる1日にしたいですね。ジャンル、スタイル関係なくバンドマンのノリが分かってくれる人しか呼んでないので、みんなで遊びたいです。それこそBiSHがいるのも面白いし、DATSのようなお洒落な奴らもいて。だけどみんなバンドマンなんですよ。そういう普段交わらないようなバンド同士を仲良くさせれるのが僕らの役目でもあると思っているので。自分の友達を自分の友達に紹介するみたいな。そんな日になったら嬉しいですね。

Q.そしてYON FES後にはアリーナツアーもあります。

GEN:ガイシホールは一昨年くらいからやりたいと思っていて。でも会場が中々取れなかったんですよ。そんな中、先にハイスタのツアーでガイシには立たせてもらって。あの日は凄く嬉しかったですね。
HIROKAZ:めちゃくちゃアウェイだったけど良いライブが出来たと思いますね。

Q.戦ってるなって思いましたよ。「Buster call」から「Squall」の流れで手が一斉に上がったときは鳥肌が立ちましたから。

GEN:前だったらそこまでもたなかったと思います。アウェイだったけど、そこに対して屈しなくなったことが自分で嬉しかったですね。強くなったなって思いました(笑)。最後まで戦えて良いライブが出来たと思います。

Q.今度は自分達のステージで立つ訳ですが。

GEN:奇跡的なタイミングで大阪城ホールも横浜アリーナも押さえられたので東名阪でやっちゃおうって(笑)。うちのイベンターチームが頑張ってくれました。やっちゃいます。

Q.そのタイミングが10周年だったっていうのもドラマチックですよね。

GEN:そうですね。でも武道館がエモくなった分、アリーナツアーはお祭りにしたいです。いつもだったらやらないようなこともやりたいし、とにかく祭りにしたいですね。

Q.これまでフォーリミは会場が大きくなっていく度にストーリーがあったじゃないですか。ベジータを倒してフリーザを倒してセルを倒してブウを倒すみたいな。でもブウを倒した今、戦うことを純粋に楽しんでいるのかもしれないですね。アリーナを庭みたいに楽しむ姿を期待しています。

GEN:楽しみたいですね。それにアリーナだったら子供連れのファミリーも来れるじゃないですか。普段ライブハウスに行かないような人も来れると思うんです。そこが入り口になってライブハウスに行く人が増えるのが理想の形ですね。それが昔からお世話になっているHUCK FINNやUP SETに出来る僕らの恩返しだと思っているので。

Q.上京後もフォーリミはずっとライブで「名古屋の04 Limited Sazabysです」って言い続けているじゃないですか。それはずっと名古屋を背負ってくれていると思っていて。そういう意味でもフォーリミは名古屋のヒーローだと思っています。

GEN:時代的にCDも売れなかったり、中々バンドに夢を持てないと思うんですよ。でも僕らがここまでやれたり、まだまだ先にいける姿を見せたら「バンドって凄いな」って思ってくれる人が増えると思うし夢を見せてあげれると思うんです。これからも名古屋を背負って、色んな人に夢を見せていきたいですね。

GEN(Ba、Vo)
HIROKAZ(Gt)
RYU-TA(Gt、Cho)
KOUHEI(Dr、Cho)

My HERO / 夕凪
2018年3月14日発売
全4形態 / 2曲収録 ※全形態共通
【12cmCD】COCA-17431 税込¥1,000
【8cmCD】(完全生産限定)CODA-4001税込¥1,000
【カセットテープ】(完全生産限定) COSA-2359税込¥1,000
【アナログレコード(EP)】(完全生産限定)COKA-63 税込¥1,000
※収録楽曲をスマホで簡単再生できる「プレイパス」サービス対応 (全形態対象)

YON FES 2018
モリコロパーク 愛・地球博記念公園
2018年4月7日(土)
04 Limited Sazabys / Dizzy Sunfist / go!go!vanillas / THE ORAL CIGARETTES / ORANGE RANGE / SHANK / SIX LOUNGE / teto / yonige / キュウソネコカミ / 四星球

2018年4月8日(日)
04 Limited Sazabys / BiSH / COUNTRY YARD / Crossfaith / DATS / ENTH / HEY-SMITH / My Hair is Bad / フレデリック / フレンズ / マキシマム ザ ホルモン

04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live
4月29日(日)横浜アリーナ
5月5日(土)日本ガイシホール
5月11日(金)大阪城ホール

http://04limitedsazabys.com/