GOOD MORNING TONIGHT


TRUST RECORDSの姉妹レーベルとして2014年に創設されたTONIGHT RECORDSが初のコンピレーションアルバムをリリースする。これまでにAll Found Bright Lights、Re view、アイビーカラー、T/ssueの作品を発表してきた同レーベルはTRUST RECORDSと共に地元名古屋のインディーズシーンを牽引しつつ数多くのイベントを手掛けてきた。今回のコンピレーションにはレーベル所属の他にもTRUST RECORDSからLUCCI、SAMEをはじめとする、更に親交のあるバンドが全20組参加している。今回2YOUではこのコンピレーションのリリースに伴いレーベルを主宰する長尾健太郎(TONIGHT RECORDS)、CDに参加しているYoshiaki(All Found Bright Lights)、Takuya(All Found Bright Lights)、長崎慎(LUCCI)、響(Maki)、DAIYA-TAN(Some Life)、You太郎(Some Life)、RYOMA(Some Life)、KaeDe(Some Life)の9人で座談会を行った。TONIGHT RECORDSと仲間達の空気感を感じる会合となった。

 

Q.今回のコンピレーションの構想はいつ頃からあったのですか?
長尾:去年の年末くらいですね。毎年TRUST RECORDSがやっているコンピレーションが去年はリリースがなかったので自分でやりたいなと思い発案しました。今回のコンピレーションには20バンドが参加してくれているんですけどレーベルのバンドは勿論、自分がライブハウスで出会った若手のバンドとの繋がりでアルバムを作りたいなと思ったのがきっかけです。あとは音源を聴いて次来るだろうなって感じたバンドにも声をかけましたね。

Q.長尾君がTONIGHT RECORDSを始めたきっかけはなんだったのですか?
長尾:一番最初は僕が昔やっていたバンドをRAD CREATIONからリリースすることになったときに綿谷さん(TRUST RECORDS)に「自分でやってみたらいいんじゃない?」って言われて。それでスタートしたんです。その後、僕のバンドは解散するんですけど、All Found Bright Lightsをリリースするためにそのままレーベルとして継続した感じですね。

Q.同じ系列のTRUST RECORDSとの差別化は意識しましたか?
長尾:そうですね。当時のTRUST RECORDSはメロコアの印象が強かったと思うんですけど、対してTONIGHT RECORDSはギターロック色が強いのかもしれません。そうやって綿谷さんとは違うチャンネルで発信出来たらなと。All Found Bright Lightsはギターロックではないですけど(笑)。
Yoshiaki:最初は僕達専用のレーベルって聞いていたんですよ。それがいつの間にかバンドが増えてきて(笑)。

長崎:あれ?嫉妬?
Takuya:嫉妬っていうか俺らだけって聞いていたのに奈良のRe viewが入ってきて「は?」みたいな。「誰そいつら?」って(笑)。
長尾:棘がある、棘がある(笑)。
Takuya:結果的に今は3バンドいるんだけど。まあ良いレーベルですけど(笑)。

Q.まこっちゃん(長崎)はRAD CREATIONの社員であり、TRUST RECORDS所属バンドであり、BUNS RECORDSのオーナーでもある訳ですが、TONIGHT RECORDSをどう見ていますか?
長崎:まずTONIGHT RECORDSにはAll Found Bright Lightsっていう大先輩がいて。
Yoshiaki:何ですかそれ(笑)。
長崎:あははは。まあ綿さんと長尾さんが別ジャンルの人間だしお互いのストロングポイントも違うので上手いバランスでやっているなって印象ですね。間近で2人を見ている俺はいつも良い刺激を受けています。

Q.2人のストロングポイントってどういう部分ですか?
長崎:綿さんはバンドの先天性を嗅ぎ分けるところかと。逆に長尾さんは現場で育てていくみたいな。僕も昔メロコアのバンドをやっている頃から長尾さんにずっと面倒見てもらっていたんですよ。その2人のバランスがRAD CREATIONなのかなって思います。

Q.つい先日、MakiはTRUST RECORDSからリリースもありましたが。
響:はい。1月にTRUST RECORDSからミニアルバムをリリースしました。
Yoshiaki:じゃあSome LifeはTONIGHT RECORDSから出してもらおうよ。
長尾:なんでYoshiakiが決めるの(笑)。
DAIYA-TAN:お願いします!
長尾:ここで決まったらやばいでしょ(笑)。
長崎:証拠として2YOUに書いてもらったらいいよ。(一同笑)

Q.書いておきます(笑)。響君はTRUSTとTONIGHTで意識することはありますか?
響:Makiはジャンル的にメロコアなのかギターロックなのか微妙なとこにいると思うし、TRUSTもTONIGHTも最近はメロコアもギターロックもあまり垣根がないと思うので、声をかけてもらったときはどっちからリリースなんだろうなって思いました。

Q.その垣根を無くしたのはLUCCIの存在が大きいかもしれないですね。
長崎:TRUSTからCDを出して最初に周ったツアーでよく「メロコアじゃないんだ」って言われましたからね(笑)。初めてクアイフと対バンしたときも「ギターロックなんだね」って言われたし(笑)。
長尾:最近はTRUSTもギターロックが多いけどね。どうしても最初はメロコアの印象が強かったから。

Q.長尾君は今日集まったみんなとの出会いは覚えていますか?
長尾:覚えていますよ。All Found Bright Lightsにいたっては喧嘩から始まっていますから(笑)。
Yoshiaki:殴り合いの喧嘩ですね(笑)。
Takuya:駐車場に呼び出してね(笑)。
長崎:やっぱ怖いんだなあ(笑)。初めて会った頃、俺、めっちゃビクビクでしたからね。若くてイケイケで身体中に刺青が入っていて、絶対仲良くなれないでしょって(笑)。
Yoshiaki:最初はみんなに敬遠されていましたからね。
長尾:尖ってたもんね。
長崎:マジ怖いなって思っていた(笑)。
長尾:まこっちゃんは最初うちのバイトだったよね。その前に地元のバンドとしてRADに出ていたし。そう思うと今と人が全然違う感じがするなあ。前はもっとイモっぽかった(笑)。
長崎:メロコアバンドをやっていた時期ですね。完全にRADで育ちました。
長尾:Makiは響が前にやってたバンドで対バンしたんだよね。
響:Noise Bleedってバンドをやっていた頃ですね。
長尾:しかもTHIS MORNING DAYのメンバーだった平松君が響の塾の先生っていう。
長崎:マジ?
響:そうなんですよ。
長尾:二日酔いで授業してたって言ってた。(一同笑)

Q.Some Lifeとはまだ出会ったばかりですか?
長尾:最初に出会ったのは昨年6月にAll Found Bright Lightsと一緒にライブをしたときだからまだ全然最近です。
長崎:みんな20歳くらいだっけ?
DAIYA-TAN:そうですね。Makiと一緒です。響はうちの初代ベースなんですよ。
響:実は。
長崎:全然想像つかない(笑)。
長尾:Some Life、凄くかっこいいんですよ。ライブを見て未来があるなって思いましたね。
長崎:長尾チルドレンですね。

Q.今回のコンピレーションは若手中心に20バンド収録されていますが。

長崎:長尾一派です(笑)。でも面子を見て長尾さんらしいなって思いましたね。TRUSTのバンドが入っているのも長尾さんっぽいし。

Q.TRUSTとTONIGHTで色分けはやはりあるのですか?
長崎慎:ライブハウスにありますね。ギターロックだったらRAD SEVENだし、メロコアだったらRADとParty’zだし。同じ系列だけどそこが色分けされている感じはありますね。若手バンドがこの2年くらいでめちゃくちゃ増えたんですよ。だからこのコンピに入っているバンドもここからどうなるか楽しみですね。
長尾:そういう若手をまこっちゃんがRADで育てている感じはありますね。

Q.今回のコンピだとまことチルドレンはどのバンドなんですか?
長尾:moon dropは完全にまことチルドレンですね。
長崎:まことチルドレンとかないですから(笑)。あ、でもMakiの響はうちでバイトしている頃に歌が歌えるって聞いて「弾き語りやってみなよ」ってところから始まっているから俺チルドレンですね(笑)。

Q.コンピレーション参加バンドの中で最年長は?
長尾:THREE LIGHTS DOWN KINGSでその次がLUCCIですかね。次いでAll Found Bright Lightsとか。
Yoshiaki:僕らは今回のコンピで他のバンドからしたら1曲目っていうおいしい部分をもらって得してると思われると思うんですけど、でもそこは素直にありがとうございますって感じです(笑)。若いバンドが多い中であやかりたいなと(笑)。

Q.若手シーンを担うであろうMakiはこれからどんな活動をしたいですか?
響:EAST BLUE TOURをもっと大きな規模にしていきたいですね。
Yoshiaki:あの中でやっぱりMakiが一番かっこいい?
響:そうなれるように頑張ります(笑)。
Takuya:同世代があんなに沢山いるのは羨ましいよね。
長崎:面白いのは更に下の世代がEAST BLUE TOURみたいなことをやりたいって言ってるんですよ。それこそ「妥当EAST BLUE」みたいなイベントをやろうとしてたり。

Q.時代は回りますね。RAD界隈のシーンでは名古屋ど真ん中計画があって、六つ巴があって、EAST BLUEがあって。
長崎:そうやってバンドが集まって何かをするときのパワーってやっぱりありますからね。それはRAD CREATIONで学んだことでもあります。それが下の世代にも伝染してるのかもしれないですね。

Q.Some Lifeはどうですか?
DAIYA-TAN:僕らはまだシーンとかあまり分かっていないんですけど、All Found Bright Lightsのことはお兄ちゃんみたいに思っています。

Q.今日の座談会をきっかけにTONIGHT RECORDS所属が決まったっぽいですから正式にAll Found Bright Lightsの後輩になる訳ですし(笑)。
長尾:えっと、決まったんですか(笑)。
DAIYA-TAN:お願いします!
長尾:でもかっこいいバンドだなってライブを観て思ったのは本当で。、All Found Bright Lightsと共通する部分もあるんですよ。ストリート感とか。
Yoshiaki:確かに同じテンション感だなって思いましたね。適度に馬鹿だし(笑)。
長尾:それでいて未確認フェスティバルで準優勝したりするから面白いよね。こういうバンドが世に出たら面白くなるって思っています。

Q.今回のコンピレーションの役目もその一端を担っていますよね。ライブハウスで出会ったかっこいいバンドを世に出したいという。
長尾:聴いてもらってライブを観てもらえたら広がると思うんですよね。僕も昔、綿谷さんが出したコンピを聴いて出会ったバンドのライブに足を運んだりしていたので。そういうことをやれる立場になったと思うので今回TONIGHT RECORDSとして初めてコンピを出すことにしたんです。
長崎:長尾さんは常にライブハウスにいるから新しいバンドを見つけるのが早いんですよ。アイビーカラーのリリースが決まったときも全然知らないバンドだったけど聴いてみたらめちゃくちゃ良くてびっくりしましたから。そういうバンドと出会って世に出すのは現場にいる長尾さんの強みだと思いますね。今回のコンピにも僕も知らないバンドが入っていますけど、そういうアンテナの張り方は凄いなって思っています。
長尾:根がライブハウスの人間なので自分の箱に出てくれるバンドに恩返ししたいんですよ。僕に出来ることなら何でも手伝いたい。それがリリースだったりイベントだったり色々あると思うんですけど、僕もバンドをやっていた時期があるので、自分が出来なかったことを、自分の周りのバンドに託している部分があるのかもしれないですね。

Q.ちなみにバンドはもうやらないのですか?
長尾:もうないですね。
Yoshiaki:でもたまにやってるじゃないですか。
Takuya:All Found Bright Lightsのコピバンね(笑)。

長尾:あれは完全に遊びだから(笑)。この2人以外のAll Found Bright Lights のメンバーとAll Found Bright Lights のコピバンをやってるんですよ(笑)。そういう遊びもたまにはね(笑)。

 

V.A.「GOOD MORNING TONIGHT」収録曲 / アーティスト
01. UP ALL NIGHT / All Found Bright Lights
02. BLUE / PLUMLORG
03. 嫌い / Maki
04. 彗星 / SHIT HAPPENING
05. 愛が鳴る方へ / アイビーカラー
06. ノンフィクション / POP ART TOWN
07. 夜行 / MokeraMokera
08. ボーイフレンド / LUCCI
09. いつか / in da my house
10. Canvas / SAME
11. JUMP NOW!! / THREE LIGHTS DOWN KINGS
12. Love Me Do!! / ザ ドーベルマンション
13. Brand New Day / AIRFLIP
14. アオ / Minato
15. dear Girl / moon drop
16. Good day / Some Life
17. Forenoon / Rollo and Leaps
18. カヌレ / Coelacanth
19. ワインドアップ / asayake no ato
20. Fix You / Re view

長尾健太郎(TONIGHT RECORDS)
Yoshiaki(All Found Bright Lights)
Takuya(All Found Bright Lights)
長崎慎(LUCCI)
響(Maki)
DAIYA-TAN(Some Life)
You太郎(Some Life)
RYOMA(Some Life)
KaeDe(Some Life)