AIBECK

「アイドルの逆襲」をテーマに掲げ2017年より始動したAIBECK。多様化され細分化されもはやアイドルがアイドルファンだけのものではなく日本の音楽シーンにおいてカルチャーとして定着して早数年。毎年のように、いや毎日のようにアイドルが生まれ消えていく中、結成から僅か1年で2枚のアルバム、6枚のシングルと立て続けに作品リリースを重ね、比例するように動員も伸ばしてきた彼女達。メンバーチェンジを経て現在の6人、塩藤さやの、星乃さゆみ、ニーナ・ショコラ、アンズ卍100%、ラン・マオ、ナナキ・ナコといった個性豊かなメンバーが揃い踏み、最強最高唯一無二を目指しライブ活動を展開するAIBECKに激動の2018年を振り返りながら話を訊く。

Q.昨年はAIBECKにとって激動の年でしたよね。
塩藤:かなり激動でした(笑)。
アンズ:2017年の6月にゼロの状態から始めて、とにかくライブ活動をしながらアルバムを2枚、シングルを6枚も出させて頂いて、去年の末にはワンマンに200人(名古屋)、東京のワンマンライブのチケットは入手困難になっているみたいで。その中でメンバーが抜けたり新メンバーが入ったり、Sola Soundのこともあったり、全部自分達のことなのに私達自身が付いていけない感じです(笑)。

Q.ラン・マオさんとナナキ・ナコさんは加入から2カ月ほど経ちましたがAIBECKに入ってみてどうですか?
マオ:生活が全部変わりました。今は完全にAIBECK中心の生活なので。
ナコ:私も何もかもが変わりました。実は私、元々アイドルのオタクだったんですよ。なので見る側からやる側に変わって、アイドルの舞台裏やスケジュールを知ってびっくりしました。こんなに大変なんだって。だけどそれ以上に充実しているので本当に楽しいです。裏側を色々知ったことで、アイドルオタクだった頃よりアイドルに対する尊敬の気持ちが上回りましたね。

Q.みなさんは新メンバーを迎えて感じることはありますか?
アンズ:大人だなって思いました(笑)。
星乃:初期メンバーの精神年齢が割と低めだから余計ね(笑)。
アンズ:あと新メンバーが入ってAIBECK全体が引き締まった気がします。しっかりしてきたというか。
塩藤:AIBECKっていう組織になったよね。良い意味で。

Q.6カ月連続シングルリリースも衝撃でした。そういう経験がAIBECKの成長に繋がっているんでしょうね。
アンズ:6カ月連続でCDを出すってヤバくないですか(笑)。リリース出来ることやリリイベは嬉しいし楽しいんですけど、正直めちゃくちゃしんどかったです(笑)。ライブとリリイベをしながらのレコーディングと振り入れだったので、ずっと目に隈が出来ていました(笑)。
塩藤:毎月レコーディングしてたもんね(笑)。

Q.6カ月連続リリースの最後の1枚を飾ったのが盟友Sola Soundとのスプリット盤「愛空-AISola-」でしたが、そのSola Soundが今年の1月に惜しまれながら解散するという。
塩藤:本当に驚きました。ショック過ぎて。
星乃:追っていた背中が急に無くなった感じです。
アンズ:解散を知ったときは「これから何を追いかけていけば良いの」ってショックを受けましたね。今も実感ないですけど。めちゃくちゃ仲良かったので。だけど最初はお互い全然喋らなかったんですよ。どっちも会話が苦手なタイプで。
星乃:仲良くなったきっかけはニーナ・ショコラがSola Soundにお菓子を貰ったことがきっかけなんですよ。柿ピーを貰ったんです(笑)。それで一緒に写真を撮って、話すようになってから急激に仲良くなっていくという(笑)。

Q.柿ピーを貰わなかったら「愛空-AISola-」は生まれなかったかも。
アンズ:AIBECKとSola Soundは柿とピーナッツみたいな関係です(笑)。
塩藤:柿ピーとニーナ・ショコラのお陰だね。
アンズ:今日は遅刻していないけどね。(一同笑)
星乃:あははは。でも本当にSola Soundとは仲間でありライバルであったので正直今でも解散は寂しいです。
アンズ:初めて出来たライバルだったから。
塩藤:メンバー同士がお互いを尊敬し合える関係だったんですよ。
アンズ:このグループを超えたいって強く思ったし、そんな存在だったSola Soundがもういないなんてやっぱりまだ整理出来ていない部分はあります。イベントとかでもタイムテーブルで名前を探しちゃうんですよ。

Q.AIBECKはSola Soundの「七の夜の恋語り」を受け継いだんですよね。
星乃:はい。重みが凄いです。
アンズ:先日「七の夜の恋語り」をレコーディングしたんですけど、歌いながら歌詞のひとつひとつに気持ちを乗せました。新メンバーのふたりはSola Soundとの関係性をそこまで深く分からないままのレコーディングになったと思うんですけど、それでもめちゃくちゃ調べてきてくれて。それも凄く嬉しかったですね。

Q.ちなみに「愛空-AISola-」のレコーディングタイミングではSola Soundの解散は知っていたのですか?
アンズ:解散発表の直前まで知らなかったのでレコーディングの時点では解散するなんて全く思っていなかったです。
星乃:東京で一緒だったときに元気がないときがあって。そのときは「どうしたんだろうな」って思っていたんですけど。
アンズ:Zirco Tokyoのときだよね。
星乃:そう。あの後に解散することを知って「意味が分からない!」ってなったのを覚えてる。
アンズ:嘘だと思ったもんね。ラストライブの日でさえ信じられなかったから。

Q.「愛空-AISola-」の歌詞が前向きなだけに。
アンズ:そうなんですよ。これからも一緒に歌っていくと思っていたので本当に寂しいです。
星乃:「君を連れていく」って歌っているんですけど、今まではファンに向けて歌っていたんです。でもそこにSola Soundが乗っかって、今まで以上に大きい意味になったと思っています。
アンズ:イントロで泣けるもんね。
星乃:分かる。最初の一音が鳴った瞬間に「ぶわー!」ってなる。

Q.「七の夜の恋語り」も「愛空-AISola-」もライブで歌うときにはSola Soundの存在をステージで感じそうですね。
アンズ:嬉しい。これからも一緒に歌っていきたいです。本当に特別な存在だったんですよ。
塩藤:一緒にステージに立って悔しい思いも沢山したんです。だから必死に食らいつかなきゃと思ったし。
アンズ:アイドルって、どうしても卒業するメンバーがいたりして中々最初のメンバーでやっていくのが難しいと思うんですよ。でもSola Soundの3人はずっとあの3人だった。私達もメンバーの卒業を経て新メンバーを迎えて活動していますけど、グループの絆を教えてくれたのはSola Soundでしたね。

Q.色んな経験をしたり、仲間から教えてもらったことが今のAIBECKにしっかり落とし込まれていると思いますよ。昨年末のワンマンを見て「AIBECKってこんなに強かったかな」って正直びっくりしましたから。
アンズ:急に変わったんですよ。それもSola Soundと一緒にやるようになったことが大きいと思っていて。
星乃:一気にグループの在り方が変わった気がしますね。
アンズ:それまでは目の前のことに一生懸命だったんですよ。とにかく我武者羅で。だけどSola Soundのライブを観ているうちに、丁寧に歌うことや徹底的に振り付けることをちゃんとしないとシーンを引っ張っていく存在にはなれないと思ったんです。それを気付かせてくれたのがSola Soundなので、本当に感謝しています。

Q.100メートル走ってひとりで走るよりふたりで走ったほうが早く走れるらしんですよ。それってたぶん、相手を意識することで自分の力以上の力が出るんだと思うんですよね。AIBECKにとってはその存在がSola Soundだったんだと思います。
アンズ:泣きそう(笑)。最初は本当に必死にSola Soundの背中を追いかけていたんですけど解散が近付いてきたライブで一緒になったときにSola SoundがMCで「AIBECKは最高のライバルです」って言ってくれて。ずっと追いつけない存在だと思っていたので認めてもらえたことが本当に嬉しかったです。

Q.次はAIBECKが追われる立場になると思うのですが、どういう存在になっていきたいですか?
星乃:最強最高唯一無二。
塩藤:AIBECKは最初6人組だったのが、半年で1人抜けて5人体制になって、リーダーが去年12月に卒業して、約3ヶ月に渡ってオーディションして選ばれた2人が今年の1月に新メンバーとして加入して、また6人になったので歌割やフォーメーションとか懐かしいなって思いながら歌っているんですけど、今のこの6人で駆け上がっていけるように成長していきたいです。
ナコ:前のメンバーが抜けたときもそうだと思うんですけど、AIBECKから誰かひとりでも欠けたらAIBECKじゃないって思ってもらえるようにメンバー個々が自分の個性をもっと磨いて全員がAIBECKにとって必要不可欠な存在になっていきたいです。
マオ:私はアイドルって括りだけじゃなくて、アーティストとして認められるような存在になりたいですね。
ナコ:私はアイドルが大好きでオタクもやっていたので今度は自分がオタクの人達に夢を見せられるような活動をしていきたいと思っています。
アンズ:もともとキラキラのアイドルが好きだったんだよね。
ナコ:最初はハロプロです。℃-uteさんのオタクでした。でも℃-uteさんが解散することになって、そのタイミングでBiSにハマったんです。BiSのキカ・フロント・フロンタールさんもハロプロのオタクだったんですけど、それがきっかけでキカさん推しになったんです。私、キカさんが大好き過ぎて、AIBECKのオーディションを受けるときも特典会でキカさんに会いに行ってオーディションを受けることを報告したんです。そしたらキカさんが「絶対大丈夫だから頑張って!」って言ってくれて。それでオーディションで1万回ツーステをしたんです。

Q.それはキカさんの1万回スクワットの影響で?
ナコ:はい。8時間かけてツーステするのを配信しました。白塗り(キカは白塗り)をしたり(笑)。それでAIBECKに合格したのでキカさんのお陰なんです。それで年末の「IDOL ALTERNATIVE」でBiSさんも出ていたので合格したことを伝えたんです。そしたらキカさんが抱き着いて「おめでとう!」って言ってくれて。もう涙が止まりませんでした。
アンズ:しかも同じステージに立てた訳だもんね。
ナコ:あ、私はあの日まだ加入が決まっていただけでステージには立てなかったんですよ。だからいつか一緒のステージに立てるように頑張ります。

Q.負うべき背中が出来たと。
ナコ:はい。いつか絶対にキカさんを超えたいです。

Q.良いですね。新メンバーから受ける刺激も大きそう。
アンズ:こっちも負けないぞって気持ちになりますよね。私達が思いつかなかったようなことをふたりがやってくれるので本当に刺激をもらっています。

Q.ふたりはAIBECKでやってみたいことはありますか?
マオ:AIBECKを今どきっぽくしたいです。
アンズ:ちょっと!今が今どきっぽくないみたいじゃん(笑)。
星乃:あははは。
アンズ:まあ、でもラン・マオにはメイクを教えてもらったりするからね(笑)。彼女は美容やファッションに詳しいんですよ。だからそういう面で女の子のファンが増えると嬉しいですね。
ナコ:私はAIBECKさんの可愛い部分を出していきたいと思っています。これまでのAIBECKさんってかっこいいイメージがあったんですけど、きゃぴきゃぴした可愛い部分も出していければなって思っています。
あんず:「AIBECKさん」ってあなたもAIBECKでしょ。(一同笑)。

Q.リーダーはこれからのAIBECKをどうしていきたいですか?
塩藤:若いふたりが入ってくれてグループとしての幅が拡がったと思うんですけど、それと同時にファンの年齢層も拡がると思うんですよ。なので色んな層にAIBECKを届けていきたいし、どう拡がっていくのか楽しみですね。

AIBECK

Q.2019年、期待しています。
星乃:今年は確実に勝負の年なので。今までのAIBECKを継続しつつ、新しいAIBECKの顔も見せていきたいです。結成から応援してくれる人もこれから出会う人も、みんなを楽しくさせたいと思っています。
アンズ:あと今年は大きいロックフェスにも出たいですね。私はアイドルになる前にバンドをやっていたこともあるので、アイドルになった自分でロックフェスにカチ込んでいきたいと思っています。
マオ:今までAIBECKがやってこなかったようなことにも挑戦して新規開拓していきたいですね。
ナコ:AIBECKに加入して、私の何もかもが変わりました。今こうやってアイドルをしていることが本当に幸せです。この幸せを色んな人に届けていきたいので、今はまだ東名阪での活動なんですけど。全国各地でライブが出来るように頑張ります。
塩藤:メンバーそれぞれが自分の個性を活かして、それがAIBECKとして集まれば凄く強いグループになると思うんです。今日ここにいないニーナ・ショコラもヤングアニマルの「YAグラ姫」で3位になったり、ラン・マオがメイク動画を公開したり、それぞれの特技を活かしているので、それぞれがそれぞれの場所でファンを獲得してAIBECKに持ち帰ってこれるようなグループを目指したいと思っています。

Q.素晴らしいです。…あれ?ニーナ・ショコラさん?
ニーナ:すみません!ニーナ・ショコラです!遅れてすみません!よろしくお願いします!えっと今は何の話を…。
アンズ:2019年、AIBECKをどうしていきたいかって話!
ニーナ:なるほど!えっと…、今はまだ東名阪でしかライブをしていないので北海道から沖縄まで全国各地で…。
アンズ:被ってる(笑)。
ニーナ:え!誰か言った?じゃあ、テレビ出演!地上波デビューしたいです!
アンズ:地上波デビュー、してるよね(笑)。
ニーナ:あ、この6人で地上波デビューしたいってことです!あの…遅れてすみません!(一同笑)


アンズ卍100% ナナキ・ナコ ニーナ・ショコラ 塩藤さやの ラン・マオ 星乃さゆみ

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