X IMAIKE


全国各地に存在するX JAPANのコピーバンド。その中でも異彩を放つ存在として所謂「コピーバンド」の枠を逸脱し独自の解釈でX JAPANを体現するバンド、X IMAIKE。その名が表すように名古屋は今池にて結成された彼ら。メンバーはPARIS(Climb The Mind、LOW CARD de la morte、me、SUPER USA!、THINK FIX、さよならパリス)、U-KI(THE LONG HORN TRAIN、KRIEG、エベネ)、JUNJI(2YOU MAGAZINE)、KOJI(ex.soulkids)、TAKADA(ex.D.S.free bird)、EIJI(OVER ARM THROW)の6人。ライブハウスで出会った彼らがX JAPANという共通点をきっかけに運命共同体として結束してから11年。現在まで通算5回しかライブを行っていないにも関わらず、X JAPANファンだけでなくバンド界隈からも多大な支持を受けるX IMAIKEだが、そんな彼らが11年目にして何やら動き出しているようだ。今回2YOUでは、2019年の攻撃再開に向けて、これまでパーソナルな部分は謎に包まれていた彼らに「中の人」として登場してもらった。コピーバンドだけどコピーバンドじゃない、11年目のX IMAIKEに結成秘話から話を訊く。

 

Q.結成11年目を迎えたX IMAIKEですが、そもそもの始まりは?

EIJI:一番最初のきっかけは、2007年の大晦日ですよね?

U-KI:そうだね。今池HUCK FINNで年末のカウントダウンライブがあって、そこに俺とJUNJIとEIJIとPARISがたまたまいて。i GOと竹内電気と24-two four-の企画だったと思うけど。

EIJI:ライブの後にみんなで大須観音に初詣に行ったんだけど、そこでX JAPANの話で盛り上がって。その数か月後にX JAPANのライブが決定して。

U-KI:それで東京ドームに4人で3日間観に行ったんだよ。

EIJI:Rusty Nailが始まった瞬間、全員号泣しましたね。

U-KI:3日間殆ど泣いてたよね。

JUNJI:でもさ、HIDEがホログラムで出てきたときは目の前に本当にHIDEがいると思わなかった?占いババが1日だけこの世に連れてこれる日あるじゃん?あの日かと思ったもん。

U-KI:あははは。でもそうやってあの3日間を過ごしたことで4人の仲は急激に良くなったよね。

 

Q.その時点ではまだバンドをやるとかではなく?

U-KI:全然。ただ4人でX JAPANの復活ライブを観に行っただけ。でも何かチーム名みたいなのあったよね?

PARIS:まだX IMAIKEじゃなくて、JUNJIが昔入っていたチームの名前で…。

JUNJI:X狂気乱舞会!

PARIS:それだ(笑)。X狂気乱舞会今池支部!(一同笑)

 

Q.そこからX IMAIKE結成に至るのは?

U-KI:HIDEの命日の5月2日がたまたま今池HUCK FINNが空いていたからDJイベントでもやろうかって話をしていたんだけど、どうせならコピーバンドをやろうってEIJIが言い出して。でも4人の内訳がドラム、ドラム、ギター、レコード屋っていう何ともならないメンバーで(笑)。

EIJI:やるならツインギターが良かったし。

U-KI:それで俺の幼馴染のRAMにサポートをお願いしたんだよ。当時の構想では俺がギターを弾いて、JUNJIが歌って、EIJIとPARISは途中でドラムとベースを交代するのはどうかと思っていて。

 

Q.PARISさんは最初はヴォーカルの予定じゃなかったんですね。

PARIS:元々ドラマーですからね(笑)。

U-KI:ヴォーカルはJUNJIがやる予定だったから。でもJUNJIがレコード屋の仕事の都合でギリギリまで来れないかもしれなくて「どうしよう?」って考えたときに「そういえばX JAPANのライブのときに隣でPARISがToshlのキーを歌えてたな」って思い出して(笑)。さらにベースはTAIJIモデルのベースを持っている昔からの知り合いだったTAKADAにサポートをお願いすることにして。

TAKADA:ある日突然、幼馴染のU-KIから連絡が来て、誰ひとり知らないスタジオに呼ばれるっていう(笑)。

U-KI:最初のスタジオでPARISが遅れてきて、第一声が「東京ドーム!」って叫んだのが凄く印象に残ってる。

JUNJI:あの一瞬でX IMAIKEが始まったよね。

EIJI:うん。これはいけるなって思った。

TAKADA:俺はPARISがドラマーってことも知らなかったし元々ヴォーカルだと思っていたから「さすがだな」って思った。(一同笑)

 

Q.KOJIさんが加入したのは?

EIJI:3回目のライブからですね。

KOJI:CLUB ROCK’N’ROLLでsoulkidsのライブがあって、その打ち上げでEIJIに「XのコピーバンドをやってるんだけどPATAやらない?」って言われて。(一同笑)

 

Q.話を少し戻しますけど、KOJIさんが入るまでの初期のライブはまだ衣装もそこまで固まってなかったですよね。

U-KI:全然だね。ただPARISはヴォーカルのときとドラムソロのときで衣装は変えたほうがいいんじゃないかって話をしていて。

PARIS:たまたまU-KIの家に行ったときに「これ着てみて」と渡された黒いシャツを着たら当時のToshlっぽくて。YOSHIKIに憧れてドラムを始めたのになぜかToshlのコスプレをすることになって(笑)。

EIJI:1回目のライブはJUNJIもToshlのコスプレをしていますよね。

U-KI:JUNJIが最初から来れるか分からなかったから瞬間的な見せ場を作ろうと思ってPARISのドラムソロから「FOREVER LOVE」の流れでJUNJIとPARISを抱き合わせることにしたんだよ。解散ライブのオマージュで。でもJUNJIのマイクが入ってなくて歌が聴こえないっていう(笑)。

JUNJI:なんか僕は11年間ずっとそういう役を続けている気がする。(一同笑)

 

Q.JUNJIさんの立ち位置もX IMAIKE独自の在り方ですよね。

EIJI:JUNJIは象徴ですから。

JUNJI:他のメンバーと違って、僕は映像で参加したりホログラムで現れたり、X IMAIKEというバンドの中で特殊なパートを担当しているんですけど、だからライブごとにやることも違うんですよ。まあ、特殊だと思います(笑)。

U-KI:HIDEのホログラムをコピーしてるのはX IMAIKEだけだと思うよ(笑)。

 

Q.コピーの観点も面白いですよね。FILM GIGをやってみたり記者会見をしたり。まるで「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」みたいだなと。ちなみに11年間で何回ライブをしてきたのですか?

U-KI:ちゃんとしたライブは5回だね。

PARIS:少ない(笑)。

EIJI:そこもX JAPANをオマージュしていますから。ちなみに開演2時間半押しもコピーしています。(一同笑)

JUNJI:そういう部分でのベクトルがみんな一緒なんだよね。

U-KI:X JAPANの話をするときのグルーヴ、凄いもんね。あの大晦日にX JAPANの話をするまでもみんなとは友達だったけど、今考えると何の話をしてたんだろうね(笑)

TAKADA:この面子が集まってX JAPANの話を禁止って言われたらどうする?

U-KI:さっき税金の話してたじゃん。(一同笑)

 

Q.KOJIさんは後から加入してどうでした?

KOJI:顔合わせの日から洗礼を受けました(笑)。メンバーに僕の紹介をすることなんてそっちのけで、当時脱退報道があったHEATHの話を物凄いテンションでみんなが話し出して(笑)。

JUNJI:KOJIはsoulkidsのライブに影響が出てしまうくらいX IMAIKEに染まったよね。PARISみたいなMCをいきなりするようになったり。

KOJI:あれは確実に意識していましたね。ただしんどかったのは、soulkidsのツアーファイナル直前に「ART OF LIFE」のスコアを持ってこられたことですね(笑)。30分の曲をこのタイミングで覚えるのかって(笑)。

JUNJI:でもみんなで行ったX JAPANのライブで物販に数時間並んで、KOJIがまず最初に買ったのがPATAのTシャツだったのはグッときたよ。(一同笑)

 

Q.いつのX JAPANが好きとかありますか?

JUNJI:勿論どの時代も好きだけど、ヴィジュアルで言えば93年の「FILM GIGS 1993~VISUAL SHOCK 攻撃再開~」の頃ですね。完璧。

U-KI:分かる。俺も「X JAPAN RETURNS」の頃が好き。

PARIS:僕も下敷きとかカレンダーとかポスターは93年の頃のものを持っていました。

U-KI:HIDEが赤いエナメルの衣装を着てるのって93年のFILM GIGSだけ?

JUNJI:94年の「青い夜」「白い夜」でも着てるよ。黄色いエナメルも。

U-KI:ああ、そうだ。あの衣装、めちゃくちゃかっこいいよね。

JUNJI:94年はToshlが一番変化した年だよね。まず髪を立てなくなった。

U-KI:93年の年末のMステスーパーライブで髪を下ろしてきたときはやっぱり少しショックだったかな。「ART OF LIFE」と「TEARS」はまだ立ててたもんね。「TEARS」は元々紅白の出演者全員で歌ったんだよね。

EIJI:「TEARS~大地を濡らして~」ですね。92年。

JUNJI:「TEARS~大地を濡らして~」はGAOが素晴らしかった。

U-KI:それは覚えてないわ(笑)。

TAKADA:俺はX JAPANがテレビで大暴れしてるのを見て衝撃を受けたことを覚えてる。カメラが壊れるんじゃないかってくらい暴れてて。

JUNJI:93年のMステスーパーライブだ。HIDEが「俺達がサンタクロースだ!」って叫ぶライブでしょ?

TAKADA:それそれ。ロックに興味を持ったのはあのライブを観てからだね。あの頃は確か中学だったんだけど、放送部にXを流させて校庭でXジャンプしてた気がする。

U-KI:運動会で「I`LL KILL YOU」を流して走ったのは覚えてる(笑)。

EIJI:僕はお昼の放送でどうしても「ART OF LIFE」を流したかったんですよ。

JUNJI:当時、「ART OF LIFE」の発売前にローソン店内で先行オンエアされたんだけど、1日中ローソンで聴いてたよ。頭の部分しか流れないんだけど、ずっと聴いてたら最後まで流れるんじゃないかなって。

U-KI:俺もそれやった(笑)。5回くらい聴いたらもしかしたら最後まで流れるんじゃないかって(笑)。同じことをやってる奴がメンバーにいたのがびっくりだわ(笑)。

EIJI:ちなみにKOJIはいつのPATAが好き?

KOJI:うーん。今かな。PATAがシャツとか変えると気にしちゃう(笑)。

JUNJI:PATAはジャックダニエルのTシャツの印象が強いなあ。

KOJI:あのTシャツはついヤフオクで探しちゃいます(笑)。

PARIS:PATAが着てたアリス・クーパーのTシャツを見つけたんだけど、KOJIにプレゼントすれば良かった(笑)。

U-KI:バンドTシャツで言ったら俺はHIDEが着てたオレンジのBIOHAZARDかな。

JUNJI:あとTHE MAD CAPSULE MARKETSのTシャツを着てたのもやばかった。

 

Q.ちなみにXのコスプレはX IMAIKEをやるようになってからですか?

PARIS:僕はコスプレって訳じゃないけど、HIDEっぽいメイクをしようとしてピンクの蛍光ペンでアイシャドウをかいて目がかぶれました。(一同笑)

U-KI:俺はコスプレは流石にしてないな。まさか30歳過ぎてカツラを買ったりコスプレすることになるとは思ってなかった(笑)。

PARIS:カツラ屋さんのポイントカードが溜まるなんて考えたことなかったです(笑)。

U-KI:カツラはJUNJIだけ最初から持ってたんだよね。それも面白いけど。

EIJI:JUNJIは凄いエピソードがありますから。

JUNJI:僕は中学の頃にHIDEのコスプレをしていて、自作の「DICE」のミュージックビデオまで撮ってますから(笑)。地獄みたいな話だけど。(一同笑)

 

Q.エピソードが尽きないのでこの辺りで締めようと思いますが、みなさんにとってX IMAIKEってどんな存在ですか?

EIJI:人生。

JUNJI:それ、解散の記者会見でYOSHIKIが言った台詞でしょ。俺が言いたかったのに。

PARIS:JUNJIにとってX IMAIKEは?

JUNJI:人生。(一同笑)

PARIS:すぐ真似する(笑)。

KOJI:こういうやり取り含めて、僕には刺激的な場所ですね。普段がつまらない訳じゃないけど、やっぱりX IMAIKEは僕にとって非日常な場所かな。

TAKADA:今まで自分がやってきたバンドとは在り方が全く違うんですけど、それを面白がって観に来てくれる人が沢山いるのは嬉しいですね。

U-KI:自分のバンドで出来なかったことがX IMAIKEで出来たりするのが悔しいんだよね。こういうバンドをオリジナルでやってるバンドが売れるんだなって凄く思うもん。それが自分のバンドには全くなかったから悔しいと思った時期もあったよ。勝てる気がしない。

PARIS:僕なんてドラムじゃなくヴォーカルで良い部分も悪い部分も評価されますからね。ドラマーだって言ってるのに(笑)。

EIJI:でも「3回目の夜」のMCで「ドラマーというレッテルを貼られ…」って逆にネタにしてたよね(笑)。

U-KI:EIJIもピアノは弾けないけど当て振りでやってるしね(笑)。

PARIS:そういう部分も含めて、X IMAIKEは究極の遊び場ですね。X JAPANっていうキーワードだけでずっと遊んでいられるので。もうみんな30代後半ですけど、この歳で大人が本気で遊んだら凄いことになるんだなって。

U-KI:仲間に恵まれたよね。X JAPANのコピーバンドをやりたい人なんて沢山いるだろうし、俺達より上手な人だって沢山いるけど、この6人が集まったことが奇跡なんだと思う。だってそもそも6人でやってること自体違和感を感じると思うけど、この6人じゃなきゃ出せないグルーヴが絶対にあるし、実はそれが一番X IMAIKEの核の部分だったりするんだよね。やることなすこと誤解を招きかねないし、賛否両論あるけど、メンバー全員X JAPANのファンだし、生半可な気持ちではやってないから。

JUNJI:HIDEの言葉を借りれば、ベクトルがシンクロしたんだよね。

EIJI:まさに運命共同体ということですね。WE ARE X IMAIKE!

 

 

X IMAIKE ARE
PARIS / VOCALS
U-KI / GUITAR
KOJI / GUITAR
JUNJI / GUITAR
TAKADA / BASS
EIJI / DRUMS & PIANO

 

OVER ARM THROW presents
EIJI 10th Anniversary
『OVER ARMY』

2019年8月31日(土)今池ボトムライン
OVER ARM THROW
X IMAIKE

 

X IMAIKE LIVE ARCHIVES

■2008.05.02 at IMAIKE DOME
無謀の夜
■2008.12.31 at IMAIKE DOME
JUNJI MEMORIAL SUMMIT
■2009.08.13 at IMAIKE DOME
3回目の夜Special
■2010.02.05 at IMAIKE DOME
ジャイアンナイトfeat.V
~X IMAIKE WORLD TOUR”ダイノジの夜”~
■2016.03.23 at IMAIKE DOME
攻撃再開~35年目の夜~